中古マンション購入の注意点|宅建士監修チェックリスト付

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内覧ではここをCHECK!

中古マンションは新築と異なり、購入前にモデルルームや家の現物を見学できるメリットがあります。では、その購入に関しては一体どんなことに注意すれば良いのでしょうか。

この記事では、不動産のプロである“宅建士”が物件選びのポイントを解説します。
さらに中古マンション購入で後悔・失敗しないための、「絶対に見落としてはいけない注意点リスト」を作成。
物件情報を調べたり、内覧に出かけたりする際は、ぜひこのチェックリストをお手元にお持ちください。


立地(アクセス、周辺環境、災害リスク)

新しい住まいを選ぶ際、多くの人はまず「どの街に住みたいか」を考えるのではないでしょうか。たとえば……通勤や通学の経路、駅まですぐ歩いて行ける。毎日のお買い物に便利なスーパーや、銀行・郵便局・病院・役所などの生活インフラが、必要なときに簡単にいける距離にある。このような条件を満たす場所を探すことが多いはずです。

他にも、子育て中のご家庭では、保育園や子どもたちの遊び場となる公園や緑地も大事ですね。
立地選びの方法に関しては、防犯や防災の観点から、周辺環境をチェックすることも大切です。
道の見通しがよい、夜も人通りが途切れない、街灯や商店の明かりがあるなど、不審者が潜伏しづらい環境であることがポイントとなります。
「そもそも地域の治安は良いのか?」といった情報が気になる方は、 各都道府県警が犯罪発生マップを公開していますので、HPを確認してみましょう。

災害についても同様です。
地震はもちろん、近年は集中豪雨による水害が多数発生しています。「もしもの時の避難場所は近くにあるのか?」こちらも必ず確認しましょう。

自然災害の発生の有無は如何ともしがたいところがありますが、被害を受けにくい地域を選ぶヒントとして、ハザードマップが有効です。
国土交通省が運営しているハザードマップポータルサイトでは、洪水・土砂災害・津波・道路防災などに関する情報を地図に重ねて確認できる「重ねるハザードマップ」、市町村が独自に公開している「わがまちハザードマップ」を公開しています。

また朝日新聞のHPでは、大地震発生時の地盤の揺れやすさを調べられるシミュレーターを公開しています。

ハザードマップの関連情報として、2020年年8月28日より、不動産取引時に重要事項を説明する際は、水害リスク情報を説明するよう、不動産仲介会社に義務づけられることになりました。不明な点があれば、遠慮なく不動産会社に問い合わせてみましょう。

立地は資産価値も左右する

長く暮らしていれば、転勤や子どもの成長など、ライフスタイルの変化も当然あるでしょう。変化に応じて、住み替えが必要になったときのことも考えて「売れる物件を選ぶ」という視点も、マンション選びの重要なポイントです。

マンションの市場価値は「立地で決まる」といっても過言ではありません。
建物の価格は古くなるにつれて下落していきますが、土地の価格は経年によって変わることはありません

もっとも重要なポイントとなるのは、都心部へのアクセスの良さと、駅からの距離です。
とくに駅からの距離は、徒歩15分を超えると需要が大きく下落します。
また周辺の開発が進み、新たな住民の流入が見込まれる土地は、築10年を超えても価格が落ちず人気も高くなります。

築年数(何年目がおすすめ?)

お買い得なのは、築20年以上のマンションです。建物の価格は築年数が古くなるにしたがって安くなり、築20~30年前後で底値を迎えます。

築20年を超えると価格の変動は緩やかになり、将来売却するときも大きく値崩れする心配がありません。また築年数が古いほど、立地の良い物件が豊富にあります。

というのも、駅前や都心に近い便利なエリアは、すでに住宅や商業施設で埋まっています。そうしたエリアは、新しくマンションを建てられる土地の余剰がほとんど無いため、必然的に既存の物件から選ぶことになります。

立地は資産価値に直結します。建物価格土地価格、二つの観点から築20年以上で納得できる物件を選ぶのがベストといえるでしょう。

築20年のマンション、あと何年住める?

これまで取り壊しになったRC造マンションの「平均寿命」は、築68年でした。

一方でRC造マンションの構造を支えているコンクリートの寿命は、じつは100年以上といわれています。しかし、日本国内でマンションが本格的に供給され始めたのは戦後ですから、一概に平均寿命を断言することは難しい面もあります。

マンションに限らず、建物の寿命は管理状態によって大きく変わります。

築40年ほどで廃墟のようになってしまう例もあれば、築100年を超えても立派に住宅として現役という例もあります。とくに、海外に目を向けるとそういった例は珍しくありません。したがってマンションの寿命を考えるとき重要なのは、築年数よりも適切なメンテナンスが行われているかどうか。

個々のマンションの修繕状況は、過去の修繕記録や今後の長期修繕計画、修繕積立金の貯蓄額などから判断できます。(詳しくは3章へ)

築古物件は耐震性が不安?

「古い建物は、現在と耐震基準が異なる」というのは多くの方がご存知でしょう。

現行の新耐震基準が審査に適用され始めたのは、1981年6月から。

耐震基準の適用は建築確認を受けた日が基準となるため、同年に竣工した物件は旧耐震か新耐震かあらためて確認が必要ですが、築40年以内(2022年現在)のマンションは、すべて新耐震基準が適用されています。

もちろん旧耐震時代の建物がすべて危険というわけではなく、中には現在の新築マンション以上に堅牢に造られているものもあります。

緩い地盤のうえに建っている新耐震よりも、立地の良い旧耐震の方が被害に遭いにくいという事情もあり、耐震基準だけで安全を判断するのは難しいですが、比較検討する一つの指標にはなるでしょう。

管理状態(あと何年住める?)

2章でもお伝えしたように、管理状態はマンションの寿命を左右します。
内覧では、以下のような点を確認しましょう。

  • 屋上防水のふくらみ
  • 外壁・廊下・バルコニーのヒビ割れ
  • 塗装剥げ
  • タイルの浮きが放置されていないか

また共用設備の利用状況からも、日常の手入れの良さをはかることができます。
駐車場や駐輪場、エントランス、ゴミ置き場などの清掃が行き届いているか、きれいに使用されているかを忘れずに見ておきましょう。

管理組合の運営状況

維持管理の中核となるのが、管理組合の存在です。

チェックしたいポイントは以下の通りです。

  • 管理規約や長期修繕計画、これまでの修繕記録はあるか
  • 毎月の管理費、修繕積立金の支払い金額は妥当か
  • 修繕積立金の貯蓄額は十分に確保されているか

大規模修繕を一回行うのに必要な費用は、一戸あたり100〜120万円と言われています。

また、国土交通省によれば「大規模修繕は、12年に一度を目安に行うこと」と推奨されています。ここから逆算すると、積み立て金額は毎月1万円〜2万円前後が目安となります(※占有面積や、マンション全体の住戸数によっても変わります)

管理費や修繕積立金の滞納状況も、確認したいポイントです。

とくに大規模なマンションでは、数件の払い忘れはたまにあることですが、理由もなく何件もの長期滞納が放置されている状況は考えものです。売買契約を結ぶ前に確認しておきましょう。

建て替えの可能性

築40年を迎えるころになると、そろそろ建て替えが検討される物件も出てきます。
建て替えが議論されるということは、建物の維持管理に関心が高いことの現れでもあり、それ自体は悪いことではありません。

しかし、購入後にリフォームやリノベーションを予定している場合、数年で建て替えになってしまうのは勿体無い話です。

建て替えを行う場合は、住民が費用の一部(場合によっては全部)を負担しなくてはいけません。物件によっては、高層化するなどして住民負担を軽くできるケースもありますが、これは容積率や建ぺい率に余裕がないと実現は難しくなります。

建て替えが議論されている場合は「住民の費用負担はどれくらいになりそうか?」必ず確認しましょう。

ひかリノベでは、リノベーション向きの中古物件をご紹介しています。
気になる方は、下記のURLをご確認ください。

相場(妥当な価格か?)

中古マンションには定価がないため、割高なのか割安なのか判断がつきにくいですね。
マンションの価格は、おもに立地築年数によって決まります。

「同じエリアの、同じくらいの築年数の物件がいくらで売られているか」を知ることで、適正金額を把握することが可能です。

まずは、不動産販売情報をみてから、近隣物件の設定価格と購入を検討している物件の価格を比べてみましょう。

中古マンションの売買は、多少の値引きを経て成約するのが一般的です。過去に売買された物件の最終的な成約価格は、レインズマーケットインフォメーション土地情報システムで公開されていますので、参考までにチェックしてみましょう

市況を読んで買い時を知る

不動産価格はいつも一定ではありません。たとえば、駅が新しく出来て都心へのアクセスが向上すると、周辺の物件価格はハネ上がります。

JR山手線品川駅と田町駅のあいだに新設された高輪ゲートウェイ駅、新宿〜海老名間を結ぶ相鉄・JR直通線の開業などは、周辺の価格相場に変化をもたらしました。

また経済情勢や金利の変動も、不動産取引の増減に影響します。こうした市況情報を把握するためには、これら3つのHP(東日本レインズ不動産流通推進センター東京カンテイ)が役立ちます。

資金計画(無理なくローンを払えるか?)

マイホーム購入は、生涯で一番大きな買い物ともいわれています。
買主の方の多くが資金調達に住宅ローンを利用しますが、返済途中での支払いの破綻を避けるためにも、家計に見合った資金計画を立てることが大切です。

物件代金以外にも諸費用が掛かる

中古マンションの購入には契約時に現金で支払う手付金(頭金)や物件代金のほか、以下のような諸費用がかかります。

  • 仲介手数料
  • 登記費用
  • ローン手数料
  • 保証料
  • 団信の保険料
  • 火災保険料
  • 各種税金

ざっと並べただけでも、これだけの諸費用がかかります。金額の目安は、およそ物件価格の10%になるといわれています。

購入後のランニングコスト

購入後も、管理費・修繕積立金、駐車場・駐輪場の利用料、借地権付き物件(土地を買うのではなく借りているマンション)の場合は、地代を毎月納めることになります。

毎年5月頃になると、固定資産税都市計画税も納税しなくてはいけません。
リフォームやリノベーションを予定されている方は、その費用も含めて総合的に予算を考える必要があります。

家族構成や収入の変化、日々の生活費、ライフイベントに伴うお金など、この機会にライフプランを見直してみましょう。そして「住宅費用にいくら掛けることができるのか?」をいま一度算出し、整理しておくことをおすすめします。

中古マンション購入にかかる諸費用についての疑問については、以下の記事でもご紹介しています。ぜひ合わせてチェックしてみてください。

リフォームで変えられない部分(広さ・採光・眺望・構造)

部屋の内装や、キッチン・システムバスなどの住宅設備機器はリフォームで変えることが可能です。しかし、広さや陽当たり、眺望はあとから変えることができません。

内覧では、このような「リフォームで変えられない部分」をしっかりとチェックしましょう。また、リフォームやリノベーションをお考えの方は、間取りの変更、水回りの移動、バリアフリー化など、それぞれの工事が可能かどうか確認しておきましょう

物件によっては、構造上の問題などから希望通りのリフォーム工事が出来ない可能性もあります。

共用部分は個人の力で変えられない

マンションでは住戸の外(共用部分)はリフォームが出来ません。

エントランスのオートロック、エレベーターの防犯カメラなど、とくにマンション全体のセキュリティに関する部分は個人では解決が難しいのです。自分が求める水準をもともと備えている物件であるかどうか、購入前に確認しておくことをおすすめします。

さらに、バルコニーや玄関ドアは住戸に接合していますが、共用部分に含まれます。
バルコニーに目隠しを設置したり、玄関ドアを交換したりといったリフォームは基本的に認められませんのでご注意ください。

管理規約は物件によって異なる

その他、生活環境面ではペットや楽器演奏など、管理規約で禁止されている事項がある物件も少なくありません。
自宅開業をお考えの方も、事務所(SOHO)や店舗としての利用が禁止されている場合がありますので、事前に確認しておく必要があります。

マンションによっては、ゴミ置場や廊下の清掃が当番制になっているケースもあります。

とくに、共働きや家を空けることが多い傾向のご家庭の場合は、当番が回ってくることが大きな負担になりかねません。そのような場合は、専任の管理員にお任せできる体制のマンションを選択肢に入れるのが望ましいでしょう。

不動産会社の選び方

中古マンションの売買は通常、不動産会社の仲介のもと物件探し・売主との契約・引き渡し手続きを進めていきます。

「家探しからのリノベーション」をお考えの方は、そもそも物件探しの段階で「間取り変更の障壁となる構造壁はないか」「水回り移動を妨げる配管経路の問題はないか」といった条件を見極める必要があります。

ある程度リフォームの理解やリノベーション知識のある会社でないと、希望どおりの工事が出来なくなる可能性も。
「家探しからのリノベーション」をご希望の方は、物件探しからリノベーションまでワンストップで請け負っている会社をおすすめします。

違法な請求に要注意

中古マンション購入の諸費用の中でもっとも大きいのが、不動産会社に支払う仲介手数料です。購入時の仲介手数料は『物件価格の3%+6万円に消費税をかけた金額』が上限と法律で決まっています。

それ以上の金額を請求してくる会社は違法であり、信頼に値しません。仲介手数料以外の名目で報酬を要求してくる場合も同様ですので、ぜひ覚えておきましょう。

まとめ

中古マンション選びは、物件をさまざまな角度からチェックする必要があります。

限られた期間の中ですべてを確認するのは簡単でないかもしれません。不動産会社の担当コーディネーターを上手に利用しながら、「買ってよかった」と思える物件を見つけていきましょう。

ひかリノベでは、物件探しからリノベーションまでワンストップで請け負っています。そのためお客様一組一組で異なるプランに合った「リノベ向き物件」をご案内できます。中古マンションを購入後、リノベーションを検討しているという方は、ぜひひかリノベにお任せください!

さらにひかリノベHPでは、首都圏で販売中の中古マンション、中古戸建て物件情報を複数検索することができます。まずはこちらの『ひかリノベの住まい探しサポート』にて、ご希望のエリア・沿線から「これぞ!」という物件を探してみてください。

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記事監修

櫨元 宏(宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー)

宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザーの有資格者。中古リノベから注文住宅まで、13年間におよぶ建築業界での営業経験をもつ。プライベートでは料理をこよなく愛する一面も(クックパッドにてレシピ公開中!)「食と住は生活の“根っこ”だと思います。キッチンへのこだわりを口にされるお客様は非常に多いです。一方で水廻りのリフォームは、物件によって制約も生じやすい部分。知識と経験をもとに『リノベ向き物件』をご紹介します」<

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