
中古マンションは新築より価格が安く、立地の良い物件も豊富です。
物件価格が安い分、リノベーションで自分の生活スタイルに合わせた家を作ることが可能になり、そこに魅力を感じている方も多いはず。
しかし一方で、購入後に「後悔している」という声も時折、耳にします。
中古マンションを選ぶ際、失敗しやすいポイントとはどこなのでしょうか。よくある「買ってから後悔したケース」をまとめました!
中古マンションを購入したあとに後悔しないよう、ぜひチェックしてください。
2017/6/15初出→2019/12/3更新
1.中古マンションの特徴と注意点
中古マンションは新築と比較して価格が安く、築年数が古くなるほど安価になるのが特徴です。
築20~25年で底値となり、多くの場合、新築価格の約半額まで下落します。そのため、築20年以上の物件は特にお買い得です。
また築年数の古いマンションは、立地のいい物件――駅に近い、周辺環境が良好、などの好条件を兼ね備えた物件が豊富なことも、大きな魅力です。
反対に、新築マンションを建設できる新しい土地は、都心部にはほとんどありませんから、立地条件を優先するなら、中古の方が選択肢はぐっと豊富になります。
他方、中古マンションで懸念されるのは、内装に使用感があったり、設備が古かったりする点です。
これらはリノベーションで新しいものに交換したり、作り変えれば問題ないのですが、中には変えられない部分もあります。
例えば、眺望や周辺環境、建物の躯体の状態、管理費・修繕積立金の計画などです。また、どんな隣人が住んでいるのかも、長く住むためには気になるポイント。
そのため中古マンション選びでは、このような「リノベーションで変えられないところ」をポイントにチェックすることが重要です。
2.実際によくある失敗事例
ここからは、実際に中古マンションを購入したあとに「後悔した…」という方々のケースをご紹介します。
- 隣人の生活音がうるさい
- 入居後に修繕積立金が倍増した
- 配管から水漏れした
- 旧耐震の物件と分かり不安
- 間取り変更が出来ない構造だった
〈ケース1〉隣人の生活音がうるさい
隣人が夜中まで騒がしい、ペットがよく吠えるなど、音に関するトラブルは、マンションではとくに多いものです。
このような場合、壁に防音材を入れるなどの対策をとることも出来ますが、それも限度があります。
音漏れは壁や床のコンクリート厚によって軽減できますが、住戸が接している以上、完璧に防ぐことは困難です。
そもそも近隣の迷惑を顧みないタイプが住んでいる場合、どんなに壁や床が厚くても、多少の音は聞こえてしまいます。
しかし中古マンションは新築と異なり、どんな人が住んでいるか、購入前に確認ができます。内覧では部屋や建物だけでなく、住民層の雰囲気も見ておきましょう。
- メールボックスやゴミ置き場が綺麗に使われているか
- 住民同士挨拶を交わしているなど、関係性
このようなポイントも要チェックです。
〈ケース2〉入居後に修繕積立金が倍増した
建物の維持管理には、ある程度の金額が必要です。そのため、極端に修繕積立金が安い物件は、後に大幅な値上げになる可能性があります。
分譲時は修繕積立金を安く設定し、徐々に値上げしていくマンションは少なくありません。
とはいえ値上げせず安いままだった場合も、いざという時に必要な修繕ができなくなる可能性があり、それはそれで問題です。
修繕積立金の適正金額は、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」によると、10階建ての中規模マンションの場合、月単位で8,400~15,900円が目安です。(※専有面積60㎡として計算)
それより安い場合、今後値上げの可能性があると念頭に置いておきましょう。
〈ケース3〉配管から水漏れした
給水管・排水管は壁の中に入っているので、一見して劣化を発見しづらいものです。
配管は部屋の中、つまり専有部分を通っているものと、各住戸を繋いでいる部分、つまり共有部分を通っているものがあります。
共有部分の配管は、マンションの管理組合が管理をします。
年一回の高圧洗浄など、必要なメンテナンスを定期的に行っているかを確認しましょう。
一方で専有部分、つまり室内の配管はオーナーの自己負担です。
一般的な鋼管の耐用年数は30年ほどなので、築30年以上の物件は、交換を前提に考えることをおすすめします。
また築年数が浅い物件でも、配管交換は床を剥がす必要があるため、入居前のリフォームやリノベーションのタイミングで工事をしておくと、長期的にみてお得になります。
最近は、従来の鋼管よりも腐食や詰まりに強い、塩化ビニール管や架橋ポリエチレン管が主流になりました。これらは、一度交換しておけば、そのあと約50年間は交換不要と言われています。
〈ケース4〉旧耐震の物件と分かり不安
現行の「新耐震基準」が適用となったのは1981年6月から。それ以前に建築された物件は、旧耐震基準で建てられています。
したがって築38年を超える物件は、現在の基準を満たしていない可能性があります。
「旧耐震基準」と聞くと不安に思う方もいるかもしれませんが、新耐震基準ではないからといって、ただちに危険というわけではありません。
耐震基準は「最低限満たすべき基準」なので、古くても堅牢につくられている物件はたくさんあります。
逆に、新耐震基準で建てられたマンションでも、地盤がゆるいエリアに建設されている場合は安心できません。
耐震性は新耐震基準か旧耐震基準かだけに注目するのではなく、マンションが建っているエリアの特性も踏まえて考えると安心です。
ハザードマップを利用して、地震での揺れやすさや、水害の影響などを確認しておきましょう。
〈ケース5〉間取り変更が出来ない構造だった
マンションの構造には「壁式構造」と「ラーメン構造」の二種類があります。
このうち壁式構造は、壁面で建物を支えているため堅牢である一方、建物の構造耐力上「壊せない壁」が存在します。そのため、リノベーションで間取り変更ができないことがあります。
ですから、購入した物件のリノベーションを考えている方は、購入前に間取りやプランの概要を決めておくことをおすすめします。
中古住宅を購入し、リノベーションして住もうという場合、まず不動産屋に行って物件を探そうと考える方が多いのですが、買った後に希望の間取りやリノベプランが実現できないと分かるケースも少なくありません。
そんな失敗を防ぐためには、不動産屋に行く前に、リノベの設計を依頼するリノベ会社や建築家を決めること。
このとき不動産仲介とリノベーションまでワンストップで扱っているリノベーション会社なら、設計事務所と不動産会社を行ったり来たりする手間を省けます。
購入前に設計担当や工事の現場監督が現地を調査し、プランが本当に実現可能か、確認することも可能です。
3.良質な物件が一目で分かる「安心R住宅制度」
物件情報や内覧では「マンションに隠れた瑕疵があっても分からない」「耐震性や構造上の不具合、雨漏りなどが心配」というお客様は少なくありません。
そんな声を受けて、2018年4月より安心R住宅制度がスタートし、良質な中古住宅が物件情報で見分けられるようになりました。
事前にインスペクションを受け、一定の基準をクリアした物件には、物件情報にこちらのロゴマークが掲載されます。

安心R住宅のロゴマーク
安心R住宅のロゴマーク(国交省)
安心R住宅の定義
- インスペクションを受けている。
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入できる(構造上の不具合や雨漏りがない。新耐震基準相当の耐震性がある)
- リフォームを実施済み又はリフォーム提案が付いている
- 点検記録等の保管状況について情報提供が行われる
安心R住宅は、国交省に認められた事業者団体に所属している不動産会社が販売・仲介している物件でなければ名乗ることができません。
つまり、制度に対応している不動産会社と、そうでない会社があるのです。
国交省に認められた事業者団体の一覧は、国交省HPで確認することができます。
ひかリノベは、これらの団体の一つであるリノベーション協議会に所属しており、ご希望に応じて安心R住宅・インスペクション・瑕疵保険に対応しております。
安心・安全な中古住宅探しは、ぜひ「ひかリノベ」にご相談ください。
【監修】坂田 皓基(宅地建物取引士)
好きな街。好きな暮らし。
ひかリノベの『中古を買ってフルリノベ』
中古マンション・中古戸建物件の購入からリノベーションの設計・施工までワンストップ! 宅建士や建築士といった住まいづくりの全てのプロセスの専門家が専属チームを結成し、家づくりの一部始終をフルサポートいたします。
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