
中古マンションの購入から入居までの間には、契約や住宅ローンの融資、決済・引き渡しなど、いくつか行うべき手続きがあります。
それらをスムーズに進めるために、全体の流れや必要な準備を押さえておきましょう。
2017/6/23初出⇒2021/4/12更新
目次
物件探しから入居までの大まかな流れ
中古マンションの購入手続きは、大きく分けて5つのステップで進行します。
①物件探し |
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②購入申し込み |
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③売買契約 |
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④住宅ローンの申し込み |
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⑤決済・引き渡し |
まずは①物件探し。希望にあう物件を見付けましょう。
予算、立地、広さ、あるいは築年数や周辺環境など、条件は人それぞれ。譲れないのはどこか、何を優先するか、しっかり考えてから物件探しに挑みましょう。
探し方は、インターネットで検索する、不動産会社を回るなどの手段が一般的です。ひかリノベでは、Webで物件情報を探せる『住まい探しサポート』というシステムもご用意しています。
不動産仲介業者に物件探しを依頼するという方法もあります。
中古マンションは動きが早く、インターネットでヒットしたときにはすでに売約済み、ということもままあります。具体的な検討段階に入っているのなら、プロを介したほうが、条件に合致する物件と出会える可能性が高まります。
ひかリノベは宅建士の資格をもつコーディネーターが、物件探しのサポートを行っています。エリアや条件が決まっている方は、お気軽にご相談ください。ショールームでも、オンラインでもご相談を承っております。
また、リノベーションをするなら、リノベーション会社もこの段階で決めておくのがベター。
住宅ローンを組む際、リノベーション費用と物件の購入費用を、一括で借り入れるなら、リノベーション費用の見積もりが審査で必要になるからです。
物件探し・仲介とリノベーションをワンストップでできる会社なら、よりスムーズに進められます。
購入したい物件が見つかったら、不動産会社を通じて見学の予約をし、自分の目で物件を確かめましょう。専有部(室内)だけではなく、共用部の状態や、管理規約、修繕計画などのチェックも忘れずに。管理規約や修繕計画は、不動産会社が取り寄せてくれます。疑問点があれば、担当者に質問をして、不安が残らないようにしましょう。
物件が決まったら、次は②購入申し込みです。
購入申し込みとは、売買契約を結ぶ前に、売主に購入の意思を示すこと。いわば予約です。
中古物件は1点もの、かつ、ひとつの物件を複数の不動産会社が取り扱ったりもするので、希望の物件を見付けたらすぐに申し込みましょう。
この申込の段階で、住宅ローンの利用の有無や支払い方法、手付金の額など、購入条件の調整が行われます。
また、住宅ローンを利用する場合は、申込と前後して、金融機関による審査が行われます。
住宅ローンは物件決定前と決定後の2回、審査があります。
物件が決まる前の事前審査は、借入を行う人の返済能力や、借入可能額の確認のための審査。
物件が決まってからの本審査は、物件に問題がないかの確認となります。これが④住宅ローンの本申し込みとなります。
さて、購入申し込みの時点で「この物件を買いたい」というライバルがいなければ、そのまま③売買契約を売主と結びます。そして購入資金を調達するための④住宅ローンの本申し込みを行い、金融機関と金銭消費貸借契約を締結。融資がおりたら、いよいよ⑤決済・引き渡し――という流れで進んでいきます。
契約手続きと必要書類
ここからは具体的な手続きや必要書類、問題となりやすいポイントなどを個別にみていきましょう。
売買契約は、申し込みから1~2週間後に行われます。
当日の手続きと、必要なものは以下の通りです。
売買契約当日に行う手続き
- 物件の重要事項説明
- 売買契約の締結
- 手付金の支払い
用意するもの
- 印鑑(実印)
- 本人確認書類
- 手付金
- 印紙代(5000万円以下なら1万円)
- 仲介手数料の半額(不動産業者による)
売買契約を結ぶ前に、重要事項説明書と契約書の内容を確認しておきましょう。
特に「売主の契約不適合責任(旧名称:瑕疵担保責任)」と「住宅ローンの特約」は入念にチェックを。
契約不適合責任
引き渡し後に、物件の瑕疵(雨漏り・白アリ被害など)が見つかった場合、売主は修繕する責任を負います。
売主が不動産業者の場合は「最低2年、契約不適合責任を負う」と法律で定められています。
しかし、売主が個人の場合は「引き渡しから3ヶ月間、契約不適合責任を負う」というように期間を短くなっている、あるいは「契約不適合責任を負わない」という場合も珍しくありません。
個人の自宅を売却する場合、住んでいる間に内装や設備が劣化していることはある程度予測できます。その責任を「前居住者に負わせるのは酷である」と考えるためです。
なので個人売主から物件を購入した場合、もし引き渡し後に給排水管の漏水・雨漏りなどが見つかっても、基本的には買主が修繕することになります。
住宅ローン特約
あなたがもし住宅ローン本審査に落ちた場合、「契約は無効」とする特約です。
契約を結んだあと、自己都合のキャンセルは不可能。手付金がキャンセル料として徴収されます。しかし、住宅ローン本審査に落ちた場合に限り、手付金は全額返ってくるというのが、この特約です。
事前審査を受けているとはいえ、審査の合否は、結果が出るまでわかりません。
万一の場合に備え、必ずこの旨が明記されていることを確認してください。
上記の内容を確認するためにも、できれば契約日より前に書類の写しをもらい、疑問点は契約日までに不動産業者に確認しておくと安心です。
契約当日は、売主と買主が不動産会社の事務所等で対面し、重要事項説明を受けたうえで、売買契約書に署名、捺印をして契約が成立します。
重要事項説明を受けるのは買主のみ、というケースもあります。
この時、買主は売主に手付金を支払います。手付金は、物件価格の5%~10%が相場。3000万円の物件なら、150万~300万円が必要になります。
また、不動産会社によっては、仲介手数料の半額をここで支払うこともあります。
いずれも現金での支払いとなりますので、当日までに準備をお忘れなく。
住宅ローンの申し込み手続きと必要書類
売買契約を締結したら、住宅ローンの申し込み手続きを行います。
住宅ローンを借りるには、審査を受ける必要があります。審査では、年収やマイカーローンなどの借入状況、個人信用情報など「貸したお金を、きちんと返せるのか」を主軸に調べられます。
また、返済中にもしものことがあった場合に備えて、団信(団体信用生命保険)に加入します。
団信に加入するためには、通常の生命保険と同様「健康状態に問題がないか」の告知を行う必要があります。
さらに、物件の担保価値も審査の対象となります。担保価値は、途中でローンを払えなくなった場合に備えて、売却して残債を回収できるかをチェックされるのです。
審査は、前述のとおり事前審査と本審査の二段階で行われます。
事前審査は、ローンが組めるかどうかを確認するためのもの。
遅くとも申し込みまで、普通は物件探しと並行して審査を受けます。
複数の人が同じ物件の購入を希望している場合、申し込みの段階で事前審査に通っていれば、売主にとっても安心材料になるからです。
本審査は、売買契約の成立後に行います。普通「住宅ローンの申し込み」といえば、この本審査のことを指します。
審査手続きは書類を出してしまえば、あとは待つだけ。
本審査の結果がわかるまでは、早くて1〜2週間、長ければ1ヶ月くらいかかります。
審査の際は、次のような書類が必要です。
書類の名称 | 入手先 |
源泉徴収票(自営業の場合は確定申告書) | 勤務先 |
売買契約書 | 不動産会社 |
重要事項説明書 | |
物件の資料(チラシやパンフレット、図面など) | |
登記簿謄本 | 市区町村役場 |
印鑑証明書 | |
住民票 | |
本人確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証) 課税証明書(住民税決定通知書) |
住宅ローンを利用せず、現金で一括購入したいとお考えの方もいるかもしれません。
ローンの金利に加え、融資手数料や保証料、団信の保険料がかからない分、トータルの支出が安く済む、審査がないので決裁・引き渡しまでの期間が短い、などのメリットがあります。
現金一括購入の場合、住宅ローンに関する手続きは一切不要。
申し込み後売買契約を締結し、その後決裁・引き渡しとなります。
契約から決裁までにかかる時間は、1~2週間程度のケースが多いようです。
決済・引き渡し手続きと必要書類
ローンの審査に通ったらいよいよ決済・引き渡しです。
決済・引き渡し当日には、次のような手続きと、買主が用意するものをまとめました。
決済当日に行う手続き
- 登記手続きの委任
- 融資の実行
- 売買代金の支払い
- 諸費用の支払い
- 固定資産税・管理費・修繕積立金の精算
- 管理規約・住宅設備の取扱説明書など関係書類の受け取り
- 鍵の受け取り
用意するもの
- 印鑑(実印)
- 印鑑証明書
- 本人確認書類
- 通帳・届出印・キャッシュカード(ローンを組んだ金融機関のもの)
- 売買代金(手付金額を差し引いた分)
- 諸費用(仲介手数料・登記費用など)
- 固定資産税・都市計画税・管理費・修繕積立金の精算金
また、住民票は一般的に金銭消費貸借契約時に銀行へ渡します。
銀行から司法書士へ決済用の資料として渡すという流れです。
売主・買主・不動産業者の他、金融機関のローン担当者、登記をおこなう司法書士も同席します。
契約時の手付金のように、決裁・引き渡しのタイミングでも、現金での支払いが発生します。
年の途中で物件を売買した場合、その物件にかかる固定資産税・都市計画税を日割りで精算する必要があります。
管理費・修繕積立金も、月の途中で物件を売買した場合は同様に、日割りで精算します。
また、登録免許税や司法書士への報酬、不動産取得税、融資手数料や住宅ローンの保証料、火災保険料、仲介手数料などの諸費用も、ここで支払います。
諸費用は、物件価格の10%が目安だと言われます。3000万円の物件なら300万円。
手付金と合わせると、450万~600万円が必要になります。決して小さな金額ではないので、早めに準備しておきましょう。
登記手続きの委任
決済・引き渡し時におこなう項目の中に、登記手続きの委任があります。
売主・買主ともに、司法書士に登記書類を提出し、専門家でないと難しい登記手続きを代行してもらうというものです。
マンションの売買時に必要な登記は「所有権移転登記」と「抵当権設定登記」の2つ。
司法書士は、決済・引き渡しの完了後(通常は当日中)に登記申請を行います。
買主は、住民票(金銭消費貸借契約時に提出したもの)と本人確認書類を用意すればOK。
登記手続きが完了すると、物件は名実ともにあなたのものになります。
リノベーションやリフォームを行う場合の手続き
購入した物件をリフォーム・リノベーションするなら、売買契約を結ぶより前に、ある程度リノベーションのプランをまとめておくのがおすすめ。
最近の住宅ローンは「物件購入費用とリノベ費用をまとめて借りる」ことを可とする銀行も増えています。
別々に審査を通す手間もかからず、保証料・事務手数料などの諸費用も1つにまとめて清算できるのは大きなメリットです。
ただし、物件の購入費用とリノベ費用をまとめて借りるには、住宅ローン本審査の前にリノベ費用のおおよその額を決める必要があります。
そのため、物件探しと並行してリノベーションのプランニングを行う必要があるのです。
また売買契約の時点でリノベーションの概要が決まっていれば、本審査までにかかる時間を短縮できる、つまり入居までの期間を短縮できるというメリットでもあります。
このような場合、売買契約を結んでから、住宅ローンの申し込みにかかる前に、リノベーション工事の請負契約を工事業者と結ぶことになります。
マンションのリノベーションは、建物の構造やマンション規約により、できること・できないことがあります。リノベーション向きの物件を探すには、専門家に内覧同行をしてもらったり、図面を確認してもらったりして、技術的な相談ができると安心です。
ひかリノベは、これらの物件探しからリノベーションの設計・施工までをワンストップサービスで行っています。
まずリノベーションプランの概要を決めてから、物件を選ぶという順番をとっているため、「住宅ローンとリノベーション費用をまとめて借りることが容易にできる」「入居までの時間を短縮できる」など、多くのメリットがあります。
また物件選びに設計担当や工事現場監督も参加して、プランどおりの工事が可能な物件を選ぶことができる体制をとっています。
家探しからのリノベーションをお考えの方は、物件のご紹介から物件選びのサポート、リノベーションの設計・施工までワンストップのひかリノベにぜひご相談ください。
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