壁付けキッチンのレイアウト、おすすめは? オシャレで使いやすい間取りを解説【事例あり】

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コの字型(U字型)キッチン~作業動線を最短化(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0108/)

壁付けキッチンは、日本の住まいでは従来から一般的なキッチンレイアウトのひとつです。

最近では対面キッチンが主流となりつつありますが、省スペースで設置できることや、油はね・水はねのお手入れがラクであるといった、壁付けキッチンならではのメリットもあります。また壁付けキッチンだからといって、LDKスペースをおしゃれに演出できないという訳でもありません。

この記事では、壁付けキッチンの特徴やメリット・デメリット、具体的な施工事例やレイアウトを通して、オシャレで使いやすい間取りのポイントを解説します。これから住まいのリノベーションをお考えの方は、ぜひ参考になさってくださいね。

壁付けキッチンとは? 対面キッチンとの違いは?

壁付けキッチン」とは、キッチンの前面を壁に向けて設置したキッチンをいいます。

これに対して、ダイニングやリビング側に向かって設置したキッチンを「対面キッチン」と呼びます。

近年では「料理中もリビングの様子を見守ることができる」といった理由から、子育て世帯を中心に対面キッチンを選ぶ人が多くなりました。

壁に向かって調理を行う壁付けキッチンは、閉鎖的で古い印象を持たれがちですが、実は「壁付け」ならではのメリットも。例えば、料理中に油はねや水はねを気にせずに作業に集中できる点。また対面式やアイランドキッチンのように、動線を考慮して通路幅を確保する必要がなく省スペースである点も、壁付けキッチンならではのメリットです。

壁付キッチンのレイアウトいろいろ

壁付けキッチンとひと口にいっても、個性的なデザインのキッチン、実用的で使いやすいキッチン、レイアウト次第でさまざまなキッチンがあります。ここでは壁付けキッチンのレイアウトの一例をご紹介していきます。

Ⅰ型レイアウト

Ⅰ型レイアウトとは、シンク・作業スペース・コンロを一列に並べた最もシンプルな配置です。一直線の動線となっていて、効率的に調理作業を進められます。またスペースを取らないため、限られた広さの住宅でも取り入れやすいレイアウトです。

Ⅱ型レイアウト

Ⅱ型レイアウトは、キッチンを二列に分け、それぞれにコンロやシンク、作業スペースを配置したキッチン。レイアウト次第で作業スペースや収納スペースをたっぷり確保でき、作業スペースをリビング側に油はねが気になるコンロを壁側に配置すれば、壁付けと対面型のいいとこ取りもできます。

L字型キッチン

L字型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0013/)

L字型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0013/

L字型キッチンとは、部屋の角を利用してアルファベットのLの字型に配置したキッチン。
Ⅰ型よりも作業台や収納を広く確保しつつ、Ⅱ型に比べて省スペースで設置できます。コーナー部分の使い方や収納の工夫が、使い勝手の良いキッチンにするポイントです。

コの字型キッチン

コの字型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0100/)

コの字型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0100/

コの字型キッチンは、U字型キッチンとも呼ばれ、調理する人を中央にし、三方をぐるりと囲むように配置したキッチンです。一面はリビング側に向かって対面とし、ダイニングカウンター兼作業台とするケースが多いです。キッチン自体は大型になりますが、ダイニングセットが必要なくなる分、空間自体で考えると省スペースになります。

独立型キッチン

独立型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0074/)

独立型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0074/

独立型キッチンは、キッチンだけを一室として独立させるスタイル。調理に集中できる点や、ニオイ・油煙などが他のスペースに広がりにくい点がメリットです。料理が好きな人や凝った料理を作る人、収納したい調理器具をたくさんお持ちの方におすすめです。

腰壁を利用しアイランド風に

腰壁を立ててアイランド風に(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0082/)

腰壁を立ててアイランド風に(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0082/

リビング空間に向かって腰壁を立て、そこにキッチンを設置することで、アイランド風の回遊動線が可能になるアイデアも。リビングにいる人とのコミュニケーションの取りやすさ、複数人での調理のしやすさといったメリットがあります。

壁付けキッチンのメリット

ここでは、壁付けキッチンの4つの大きなメリットについて、詳しく見ていきましょう。対面キッチンと比較しながら解説していきます。

省スペースである

一般的に、キッチンを快適に使うためには80〜100cm幅の通路が必要とされています。

対面式(とくにアイランド型)の場合、作業台の周りや背面に通路を確保するために広いスペースが必要となります。一方、壁付けキッチンであれば必要なスペースは一面だけで済むため、リビング空間を圧迫することがありません。

また、部屋の角に合わせてL字型にキッチンを配置することも可能。変則的な形状の部屋でも対応しやすい、食器棚などの家具も配置しやすいといったメリットもあります。

煙や臭い、水撥ね・油跳ねが気にならない

対面式はコンロがリビングの方に向いているため、料理の際に出る煙やにおいがキッチン外に広がりやすくなります。油はねや水はねも同様です。

一方で、壁付けキッチンはコンロが壁に向かって設置されているため、煙やにおいがリビングに広がりにくいのがメリット。たとえ油はねや水はねがあっても、壁をサッと拭けばお手入れ完了。メンテナンスのしやすさも魅力です。

換気扇や収納のレイアウトがしやすい

対面キッチンはリビングに向かってコンロが設置されているため、換気扇(レンジフード)もリビングに向かって設置します。最近はデザイン性の高いレンジフードが増えていますが、それなりに大きさが必要なので、リビング空間に圧迫感を与えてしまうことも。

また、対面キッチンでは油はね防止パネルをコンロ前に設置するのが一般的ですが、これがデザイン的に「リビング空間に馴染まない」という悩みになることもあります。

その点、壁付けキッチンは換気扇や吊り戸棚も壁に向かって配置され、油跳ねパネルも不要。リビング空間に圧迫感を生み出す可能性は低くなります。

工事費用を抑えられる

コスト面でも、対面式に比べて壁付けキッチンは安価で、選択肢も多いです。

対面キッチンの場合、リビング側に腰壁やカウンターといった仕上げが必要です。腰壁やカウンターのいらないアイラン型のフルフラットキッチンを設置する方法もありますが、アイランド型のフルフラットキッチン設備は高価な商品で、物件によっては配管経路が課題になる場合もあります。

一方で、壁付けキッチンは一面のみに仕上げを施せばいいので、工事費用も対面式に比べて安価に抑えることができます。

壁付けキッチンのデメリット

メリットだけでなく、デメリットについても確認していきましょう。
こちらも対面式キッチンと比較しながら解説していきます。

コミュニケーションがとりづらい

対面キッチンは、「リビングにいる家族や客人とコミュニケーションを取りながら料理したい」というご要望から検討される方が多いようです。

壁付けキッチンは、リビングやダイニングに背を向けて料理や洗い物をすることになるため、コミュニケーションの取りづらさはデメリットの一つといえるでしょう。そのため家族とコミュニケーションを取りたい、小さい子供がいるので目を離したくない、といった希望が第一優先の人には、壁付けタイプは不向きです。

また、朝の忙しい時間帯に料理をしながらニュース番組をチェックしたいという人も、壁付けタイプのキッチンは不向きといえるでしょう。

ですが、裏を返せば「料理や洗い物など、作業に集中したい」という人にとっては、壁付けキッチンのレイアウトはメリットです。何かに視線を奪われる可能性がなく、調理や作業に没頭できる理想的な空間を実現できるでしょう。

リビングから丸見えになりやすい

対面キッチンの場合、腰壁やカウンターが目隠しになり、キッチンの中まではリビングからは見通せません。

壁付けキッチンの場合、独立した「台所」とするなら視線は届きませんが、リビングの壁に配した壁付けキッチンは(部屋の形状やレイアウトにもよって程度は異なりますが)リビング空間からキッチンの中がすっかり丸見えになります。
調理器具や食器、食材、調味料など、生活感を感じさせやすいこまごましたモノの収納は、よく考えて計画的に収める工夫が必要。同様に、冷蔵庫や電子レンジといった調理家電の置き場も課題になりやすいです。

生活感を隠すためには、収納を充分に確保することが重要。また、リビングに向かってカウンターやワゴンを置いて目隠しにする、といった方法もあります。

作業動線が長くなりやすい

対面式の場合、背面に食器棚や調理家電を置いて、振り向く動きで動作を完結できます。

対して、壁付けキッチンの動線は一直線。シンプルですが、距離は長くなりがちです。冷蔵庫などの家電はキッチン横に置くのが一般的で、どうしても調理している場所から二・三歩は歩くことになります。

効率のよい動線を確保するポイントは、次の章でくわしく解説しましょう。

壁付けキッチンを計画する際の注意点

前述の通り、LDKの一角に壁付けキッチンを設置すると、生活感が丸見えになりやすいデメリットがあります。そのため、調理器具や食器、食材、調味料の収納計画はよく考える必要があります。

スペースに余裕があるなら、リビング側に対面式カウンターを設置するのも良いでしょう。上手く利用すれば収納を増やすと同時に、キッチン内部の目隠しにもなり、プラスアルファの作業台としても役立ちます。

あるいは、キッチンスペースをシンクとコンロの二列に分けてレイアウトする「Ⅱ型キッチン」を採用するのも一つの方法です。コンロを壁側に、シンクはリビングに向かって設置すれば、煙や匂いが広がりにくく、洗い物は家族と会話しながら……と場面によって良いとこ取りのレイアウトとなります。

生活感をなるべく隠したいときは、リビングとキッチンを一体化させない「独立型キッチン」という選択肢もあります。リビングやダイニングから遠くなるため配膳の利便性は低くなりますが、多少キッチン内が散らかっていても、リビングやダイニングからの視線を気にする必要がなく、調理で出る煙や匂いが流れていきにくいのがメリットです。

オシャレで使いやすい壁付けキッチン施工事例

こちらでは、ひかリノベが施工した壁付けキッチンの施工事例をご紹介します。メリットを生かしたレイアウトを参考にして、オシャレで使いやすいキッチンを実現しましょう。

スタイリッシュなⅠ型ステンレスキッチン

スタイリッシュなⅠ型ステンレスキッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0070/)

スタイリッシュなⅠ型ステンレスキッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0070/

シンプルなⅠ型の壁付けキッチンの施工事例です。41㎡の限られた空間を広く使うため、省スペースなⅠ型を採用しました。左から冷蔵庫、シンク、作業台、コンロを配置し、冷蔵庫から取り出した食材を洗い、切り、火にかけるという作業が流れるようにできるレイアウトです。

キッチン設備は、あらわし天井とブルーグレーの塗装風クロスでインダストリアルにまとめたリビング全体のテイストに合わせ、ステンレス製のシンプルモダンなデザインをチョイス。

対面と壁付けのいいとこどりのⅡ型キッチン

対面と壁付けのいいとこどりのⅡ型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0113/)

対面と壁付けのいいとこどりのⅡ型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0113/

壁側にコンロ、リビング側にシンクを設けたⅡ型キッチンを採用した事例。においや煙が広がりにくく、振り向く動きでシームレスに作業できます。コンロとシンクのどちら側にも広々とした作業スペースを設けているので、使い勝手よく調理ができそうですね。

キッチン設備は木製で、木をの意匠をふんだんに使ったリビング全体の内装と統一感のある仕上がり。

独立型キッチンは自分だけの厨房

独立型キッチン~自分だけの厨房をつくる(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0107/)

独立型キッチン~自分だけの厨房をつくる(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0107/

独立型キッチンを採用した実例です。リビングからは中が見えないので、実用性重視でよく使う調味料やマグカップをそのままオープン棚に置いておけます。キッチン設備はⅠ型で、背面に冷蔵庫と調理家電置き場を兼ねた腰高のキャビネットを配置。振り向く動きでレンジや炊飯器を使える、合理的で無駄のない動線です。

ダイニングを兼ねたコの字型キッチン

ダイニングを兼ねたコの字型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0121/ )

ダイニングを兼ねたコの字型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0121/

コの字型キッチンと小上がり畳をリビングに大きく据えた大胆な事例。一面を壁付け、二面をリビング対面としました。小上がりに腰掛け、大きく張り出したキッチン天板をダイニングテーブルとして使用するスタイルです。メラミン素材のキッチンは、マットな黒灰色がインダストリアルなルックスで、インテリアとしてもリビングのフォーカルポイントとなっています。冷蔵庫などの家電は壁裏のパントリーに置き場を隠し、リビングに生活感が見えないように。

独立型コの字型キッチン

独立型コの字型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0108/)

独立型コの字型キッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0108/

ダイニング兼用ではない、コの字レイアウトの独立型キッチンというユニークな事例。白いタイルの天板に、一角に大理石のパンこね用ペストリーボードを埋め込みました。壁には愛用のシェルフを埋め込み、スパイスや調味料の置き場に。コンロ側の壁面は外壁用のブリックタイルで仕上げました。油を吸うのでお手入れ不要、見た目もバルのようでオシャレ!

腰壁でアイランドキッチン風に

腰壁を立ててアイランドキッチンのような回遊動線に(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0098/)

腰壁を立ててアイランドキッチンのような回遊動線に(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0098/

こちらのキッチンは、設備自体はⅠ型。周囲に腰壁を立て、腰壁内で配管を切り回すことで、アイランドキッチンのような回遊動線を実現した事例です。腰壁前面から横に回り込むようダイニングカウンターをにしつらえ、キッチンとダイニングを一体化しました。LDK中心に大きく据えたキッチンは、まさに「食が暮らしの中心」となるレイアウト。家族のコミュニケーションの中心となっています。

腰壁でL字型キッチンを対面配置に

腰壁でL字型キッチンを対面配置に(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0125/)

腰壁でL字型キッチンを対面配置に(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0125/

Ⅰ型キッチンからL型キッチンにレイアウトを変更したリノベーション事例。両面壁付けとするケースが多いL字型キッチンですが、一面をリビング側に向けて腰壁を立て、対面レイアウトとしました。キッチンと勝手口を繋ぐ通路を塞がないためのアイデアです。この通路は壁面に棚をしつらえ、ウォークスルーのパントリーに。キッチン前面の腰壁にカウンターをしつらえ、正面に据えた小上がり畳をダイニングチェア兼リビングソファとするレイアウトで、リビング空間を広々と。

おわりに

対面キッチンが主流となった現代ですが、壁付けキッチンには省スペースで設置できレイアウトがしやすく工事費用を抑えられるといったメリットがあります。

一直線に配置するⅠ型の他、Ⅱ型・L型・コの字型など様々なレイアウトがあるので、スペースや使い勝手を考えながら選んでください。

「どんなタイプが自分たちに合っているかわからない」と迷っている方は、ぜひ一度ひかリノベにご相談を。当社ひかリノベは、オーダーメイドのリノベーションと中古マンション・中古戸建の売買仲介サービスをご提供しているリノベーション会社です。お客様の使い勝手やご希望のスタイルにあったキッチンのご提案から施工まで、一貫してお任せいただけます。造作キッチンのご用命も承っております。

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

宇津木 和子(一級建築士、インテリアコーディネーター)

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