年収別・住宅ローンの借入可能額&無理なく返せる金額は?【2022年最新版】

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念願だったマイホームを購入しよう!と考えたとき、住宅を購入する人の多くが利用する住宅ローン。

もともと十分な貯蓄がある方は別として、新たにローンを組もうと考えている方の中には、「自分の年収だといくら借りられるんだろう?」「無理なく完済できるだろうか…」と、不安を感じる方は少なくないようです。

例えば、年収500万円の人が無理なく返済できる借入可能額の目安は?あるいは年収600万円だったら……?

今回は、安心して借入できる金額も、年収別にひと目で分かる一覧表にまとめました。

ローン審査の基準など、ローンと年収に関する役立つ知識をご紹介します!

2019年2月3日初出→2021年5月24日更新

住宅ローンは年収の何倍まで借りられる?

一般的に、住宅ローンで借りられる金額は「年収の5倍が目安」と言われてきました。

しかし、これはローン金利が3%前後で推移していたバブル期の常識であり、いまや長期固定金利は1.5%、変動金利は0.5%を切る超低金利時代です。
そのため、以前の常識が必ずしも当てはまるとは限りません。

実際に住宅を購入した方が、年収の何倍の金額を借入できたかという平均値を見てみましょう。
2020年度の住宅金融支援機構の調査結果データをみると、全国の中古マンションでは前年より上昇し5.8倍、中古建売でも5.5倍と伸びています。

多くの方が、年収の5倍以上の借入ができていることが分かります。

年収倍率(中古戸建及び中古マンション) 出典:住宅金融支援機構 「2020年度 フラット35利用者調査」

年収倍率(中古戸建及び中古マンション)
出典:住宅金融支援機構 「2020年度 フラット35利用者調査」


銀行の審査基準では『返済負担率』を重視

住宅ローンを借りるためには、金融機関の審査を通過する必要があります。

住宅ローンは個人に対する融資としてはもっとも高額であり、返済期間も最長35年と非常に長くなります。そのため、お金を貸す側の金融機関(銀行・信金・労金・ネット銀行など)としても、「返済能力に不安がある人には貸したくない…」という本音があるのです。

金融機関は、年収や年齢・勤続年数・個人信用情報などをチェックし、融資の可否や限度額(借入可能額)を審査します。

借入可能額は、年収に対して年間の返済額が占める割合(返済負担率)をもとに算定され、多くの銀行では、返済負担率35%(年収400万円未満の場合は30%)以内を合格ラインとしています。
(※主要都市銀行や、住宅金融支援機構のフラット35の基準です。中にはもっと厳しく、25%程度を合格ラインとしている銀行もあります)

この返済額とは、利息も含めた金額です。審査の段階では、まだ融資実行時点の金利相場がわからないため、審査金利(審査用の仮の金利)を決めて返済負担率を計算します。審査金利は銀行によって異なりますが、たいてい3.5~4.0%で計算されます。
(※例外はフラット35。審査時点の実行金利で審査されます。そのため銀行系ローンと比べて大きな借入が認められやすいです)

なお、年収はご家族と合算することも可能です。民間銀行のローンであれば「ペアローン」、住宅金融公庫のフラット35であれば「連帯債務」といって、夫婦や親子で組めるローン商品が用意されています。

【年収別】借入可能額

では、一般的な銀行の審査基準にしたがい、返済負担率35%(年収400万円未満の場合は30%)・審査金利4.0%・返済期間35年・ボーナス払いなしという条件で計算すると、借入可能額(元金)は最大いくらになるでしょう。

以下の表から、ご自身の年収に近い欄をご覧ください。

年収 借入可能額(元金)
300万円 1,693万円
400万円 2,634万円
500万円 3,293万円
600万円 3,952万円
700万円 4,611万円
800万円 5,269万円
900万円 5,928万円
1,000万円 6,587万円

※上記の表の金額は、フラット35「ローンシュミレーション」を使用して算出したものです。年収負担率35%(年収400万円未満の場合は30%)・金利4.0%・返済期間35年・返済方法『ボーナス払いなし』という条件でシミュレーションしました。

※あくまで目安ですのでご注意ください。実際の審査では、物件の担保価値や、自動車ローンなど住宅ローン以外の借入状況によっても限度額は変わります。

現在のお住まいの家賃を基準に考えると

いまの家賃と同額程度の負担でマイホームが買えるなら……とお考えの方もいるかもしれません。その場合は、月々のローン返済額を現在のお住まいの家賃と同額とし、35年間でいくらになるかを試算してみましょう。

マンションの場合は管理費・修繕積立金がありますから、家賃-3万円で考えます。現在の家賃が10万円という方の場合、管理費・修繕積立金の分を差し引いて、ローンの返済に充てられる分は7万円となります。

フラット35のWebサイトに、毎月の返済額から総借入額(元金)を計算できるシミュレーターがありますので、こちらを使って確認してみましょう。最も多い金利の1.320%、返済期間は35年、元利均等返済とします。

月々の返済額 総借入額
5万円 1,680万円
7万円 2,353万円
9万円 3,025万円
11万円 3,698万円
13万円 4,370万円
15万円 5,042万円
17万円 5,715万円
20万円 6,723万円

この表から現在の家賃が10万円の方は、ローンの返済に充てられる金額は7万円なので、2,353万円が無理のない総借入額といえるでしょう。

また、「いま10万円の家賃を払っているから、ローン返済も月々10万円であれば日常生活には支障がないだろう」とついつい考えたくなりますが、その計算方法には注意が必要。というのも、将来的にライフスタイルの変化や家族が増えることも十分考えられるためです。

「子どもが生まれて、マイホーム購入時よりも月々の出費が増えた」「子どもの学費のために貯金しなくてはいけなくなった」「親の介護をすることになり、急遽リフォームのための頭金が必要になった」といった変化を想定した資金計画をしておくと、さらに安心です。

無理なく返せる金額は?

無理な借入をすると金融機関への返済できなくなったり、家計が破綻してしまう恐れも。借入額を検討する際は、「最大いくら借りられるか」という視点に加え、「いくらなら無理なく返せるか」という視点も重要です。

ここまで述べてきたように、マイホームを購入するには一般的に多額の住宅ローンを組まなければならず、長期間にわたって返済し続けなければなりません。その間、結婚や子供の誕生・子供の入進学・自動車の購入・住宅のリフォームなど、お金のかかるイベントが数多く待ち受けています。また将来の老後資金を蓄える必要もありますし、万が一に備えてある程度の余裕資金も保持しておかねばなりません。

これらのイベントや不意の出費への蓄えをしておかないと、住宅ローンの返済が不能になりマイホームを手放さざるを得ないということも……。したがって、将来のライフイベントと必要なお金を考慮して、適切な借入額を設定することが大事です。

ライフプランを作成し余裕ある返済を!

会社を経営していくためには、長期的計画と短期計画を立てることは必須です。同様に個々の人生においても、長期・短期のライフプランを立てることが必要です。

人生には多額の資金が必要になることもありますが、お金に余裕ができる時期もあります。たとえば子育てや教育にはお金がかかりますが、逆に独立すれば資金に余裕が出てくるでしょう。このようにライフステージにおいて、キャッシュフローが不足するときと余裕ができる時期があります。

したがって「いつどのようなライフイベントがあり、想定される資金がいくらなのか」を一覧表にした家族全員のライフプランを作成することが必要です。これにより将来のキャッシュフローの過不足を予測し、無理のない返済計画を立て、老後資金も形成することができるでしょう。

なお日本FP協会のホームページには、キャッシュフロー表の作り方およびキャッシュフロー表のダウンロードサイトがあるので参考にすると良いでしょう。


返済負担率25%以内なら安心?

マネー雑誌やWebのコラム記事などを見ていると、「返済負担率(返済比率)は、20~25%が安心」というアドバイスをよく目にします。これは「ご自身の年収に占める年間の返済額の割合が20〜25%だったら、審査に通る可能性が高いので安心ですよ」ということです。「必ず無理なく返せる」とは限りませんので注意しましょう。

しかも、この20~25%という数字は、適用金利を前提とした考え方です。適用金利とは、返済額を算出する上で必要となる数字であり、基準金利から金利優遇による引下げ幅を差し引いたもの。簡単に言ってしまえば、割引された金利で計算した場合の数字である、ということです。

現在の金利相場は0.5~1.5%程度。しかし、金融機関の審査では将来の金利上昇や景気変動のリスクをあらかじめ見込んでおくため、審査金利は3.5~4.0%と高めに設定されているのです。

仮に、適用金利1.0%、返済負担率25%としましょう。この場合、年収500万円では3,690万円。600万円で4,428万円。700万円で5,166万円となります。

一方、金融機関の審査では、年収500万円で3,293万円。600万円で3,952万円。700万円で4,611万円が、審査に通れる可能性が高い合格ラインです。

比較すると、金融機関の審査基準の方が厳しいことが分かりますね。「返済負担率(返済比率)が20〜25%であれば審査に通る!」と安易に考えてしまうと、実際の審査でビックリ、ということがあるかもしれません。

無理のない返済計画のポイント

無理なくローンを組むには、借入時期(返済開始年齢)も重要なポイントです。

住宅ローンの返済期間は、最長35年まで設定することができ、多くの銀行が完済時年齢を80歳と規定しています(中にはさらに厳しく、75歳という銀行も)。つまり、最長である35年ローンを組めるのは、遅くとも44歳まで。45歳を超えると返済期間が短くなるため、それに比例して借入可能額も年々少なくなってしまいます。

また、審査では健康状態もチェックの対象となるので注意が必要です。「もっと収入が増えてからでないと購入に踏み切れない…」という方は多いですが、時期を待っている間にもし健康を害してしまったら、融資を受けること自体が困難になる可能性があります。

ローン破綻のリスクを避ける秘訣は、「ローンを組むならなるべく早いうちに」ということ。そして、自分の家計状況や予測でき得るライフスタイルの変化に合った借入額はいくらか正しく知ることです。

いくら借りて何年で返済するかは、ご自身の年収やライフスタイルによって変わります。ライフプランを作成してしっかりシミュレーションし、ゆとりある返済をしましょう。

住宅リノベーションのひかリノベでは、物件探しからリノベーション、資金計画までワンストップでお住まいづくりをサポートいたします。住宅ローン・資金計画の不安も遠慮なくご相談ください。

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

三好 海斗(宅地建物取引士、賃貸経営管理士、既存住宅アドバイザー)

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