マンションの“寿命”と“耐用年数” 結局何年住めるのか?


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最近は既存住宅を活用して理想の住まいをつくる「リノベーション」が流行していますが、建物や設備の老朽化によって「この先何年住めるのだろう?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、マンションの寿命、耐用年数についてくわしく解説。長く安心・安全・快適に住めるマンションの条件とはなにか、お話していきます。

2016年4月26日初出→2018年7月9日更新→2019年7月23日更新

本来、RC造の寿命は100年超!

税法の定めによれば、RC造マンションの耐用年数は47年です。これを根拠に、マンションの寿命は47年といわれることがしばしばあります。

しかし、これはあくまで税法において、経年による資産価値の減少(減価償却)を定めたもので、「築47年を迎えた建物は住めなくなる」というわけではありません。
たとえば、ニューヨークのエンパイアステートビルは1930年の建築ですが、オフィスビルとして立派に現役ですね。このような建物は、世界各地に数多くあります。

日本でも、国土交通省の報告書「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書(平成25年)によれば、「RC造建築の寿命は117年」「マンションの寿命は120年で、メンテンナンスにより150年まで延命できる」といった研究結果が出ています。

建て替え・取り壊しの原因は老朽化とは限らない

しかしながら、実際に建て替えや取り壊しとなったマンションのほとんどが、築50年を迎える前に、つまり建物としての限界を迎える前に、役目を終えています。
なぜ、そんなに早く建て直されるのか。それは、高度経済成長期に普及したRC造マンションの「配管」が原因です。

配管設備の寿命はおよそ25~30年とされていますが、1960~70年代に建てられたマンションの多くは配管設備をコンクリートの躯体に埋め込んでおり、取り替えが困難です。
そのため、配管設備に致命的な問題が起これば、建物ごと建て替える必要がありました。
(最近のRC造は、配管交換が容易な設計が多く採用され、そうした問題は起こりにくくなっています)

また耐震性の問題から、建て替えや取り壊しが決まった例もあります。
現行の「新耐震基準」がスタートしたのは1981年6月で、それ以前の古い建物は震度6〜7の大きな地震を想定していないため、耐震診断と、必要に応じて補強工事を行うよう、政府は奨励しています。
しかし、マンションの補強工事は大掛かりで、工事費用も高額。いっそ壊してしまって、新たに建て直す方が効率的だという発想が生まれ、建て替えとなるケースもあるのです。

さらに区画整理や再開発のために、取り壊しが決まった例もあります。
とくに古い建物が多い地域は「地震や火災といった災害のリスクが高い」と行政から問題視されることも。

このように建て替えや取り壊しの原因は、建物それ事態の老朽化よりも、環境への適応度の低下が原因で起こりやすい、ともいえます。

管理状態が建物の寿命を決める

建物の寿命は、管理状態によって大きく変わります。
堅牢なコンクリート建築も、長い間風雨や日差しにさらされ、消耗するため、定期的なメンテンナンスが不可欠。
外壁塗装や屋上防水など、12~15年を目安に大規模修繕を行う必要があります。
また鉄製器具の錆び止め塗装や扉の油を差し、割れたガラスを交換するなど、その都度補修が求められる箇所も。

マンションの維持管理は、管理組合のしごとです。
国土交通省は「長期修繕計画標準様式」「長期修繕計画作成ガイドライン」を策定し、全国のマンション管理組合に対し、計画的に修繕を実施するよう推奨しています。

同ガイドラインでは、25年先、つまり次回・次々回の大規模修繕を想定した長期修繕計画を立て、その計画に基づいて修繕を実施することを推奨しています。
しかし中には修繕計画をもたず、過去の修繕履歴も記録していない等、ずさんな管理体制のマンションも存在しているのが現実です。
これからマンション購入を検討している方は、必ずこの計画と履歴の有無を確認するようにしましょう。

また、修繕資金が足りているかも重要なポイント。
建物の外壁や廊下といった共用部分の修繕は、毎月の修繕積立金でまかなわれています。
一度の大規模修繕に必要な金額は、一戸あたり100〜120万円ほど。
大規模修繕は12年~15年ごとに行うのが望ましいとされていますから、逆算すると毎月の納付額は(余裕をもって)1万円前後が適正金額ということになりますね。

とはいえ塗料などはスケールメリットも大きいため、大規模マンションはそれより安くても充分、という考え方もあります。
反面、小規模マンションは概してやや高めに設定されていることが多いです。
またタワーマンションは足場を組むのに高額の費用がかかるため、中・低層マンションに比べ、毎月の積立金額もより高額になります。

修繕積立金についてもう一つ、チェックしておきたいのが滞納の有無です。
大規模マンションでは短期的な滞納はままあることですが、長期にわたる滞納を多数発生している物件は、いざ修繕時期を迎えたときに資金が足りなくなるおそれがあります。
第一、管理組合(または委託を受けた管理会社)の管理能力も疑われます。

修繕計画や履歴の有無、修繕積立金の滞納の有無は、ひかリノベではお客さまのかわりに、専属コーディネーターが調査・報告いたします。疑問、不安があれば、何なりとご相談くださいませ。

建材の品質向上による長寿化

そもそも建築に用いられている資材や設備が長持ちするものであれば、当然、建物の寿命も長くなります。
(前提として、メンテナンスが適切になされていることは言うまでもありません)

マンションに使用されているコンクリートの品質も、マンションの寿命に影響します。
セメントに対して水の比率が低いものを使用している。
鉄筋を覆う部分が分厚い。
こうしたマンションはコンクリートがひび割れにくく、中の鉄筋が錆びるリスクも少ないのです。

また、マンションの建て替えの原因となりやすいのは、建物そのものよりも給排水管だと、3章でお話しました。
この配管を、従来の錆びやすいメッキ鋼管ではなく、腐食や詰まりに強い塩化ビニール管、架橋ポリエチレン管を採用するマンションが増えてきました。
さらに配管交換が容易なサヤ管ヘッダー工法の普及が進んだことで、良い状態を保ちやすくなってきています。

立地環境が建物に与える影響

立地環境が建物の消耗に影響する場合もあります。
たとえば、周りに背が高い建物がない場合、雨・風・日差しをまともに浴びるため、外壁や屋上防水はダメージを受けやすくなります。
反対に日光が入りにくい環境でも、湿気がたまってカビやコケの温床となりやすいという問題があります。
海浜の近くでは、潮風が金属の腐食を招くことも。

もちろん、外壁塗装や屋上防水の補修など、環境に合ったメンテナンスが行われていれば、劣化は防げます。
立地条件なりの修繕計画が練られていれば、「海の近くには住まない」など、ことさら立地に制限を設ける必要はありません。
そもそもダメージを受けにくい立地条件と一口に言っても、答えを出すことは非常に難しく、どんな環境も一長一短の特徴があります。

こうした事実を踏まえていえば、エリア選びはまず通勤アクセスや生活利便性、周辺環境など「どのように暮らしたいか」を中心に考え、その地域特性に適した管理が行われているかを確認する――ということが重要になってきます。

『安心R住宅』は物件選びの新たな指針となるか?

建物の状態や性能は、専門家でなければ見極めが難しいところがあります。
とくに築年数を経た既存住宅については、内覧で現物を見ることができるとはいえ、構造耐力上の問題や雨水の侵入など、一見しただけでは分かりづらいのが現実です。

こうした課題を解決するため、2018年4月に宅建業法が改正され、不動産会社には「売主に対し、売却の媒介契約時に、インスペクション(建物状況調査)業者を斡旋できるかどうか明らかにすること」「買主に対し、売買契約前の重要事項説明の際に、インスペクション結果を示すこと」が義務付けられました。
インスペクションとは、国土交通省の定める講習を修了した建築士が、建物の基礎、外壁など建物の構造耐力上主要な部分および雨水の侵入を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の状況を調査することをいいます。マンションではこのほか、長期修繕計画や管理規約の有無も調査対象となります。
インスペクションで安全性が証明された物件には『安心R住宅』と認められ、良質な住宅を示すものとして、販売情報に所定のロゴマークを表示することができます。

安心R住宅のロゴマーク

安心R住宅のロゴマーク

つまり、物件を探している側としては、『安心R住宅』のロゴマークを目印として、安心・安全な既存住宅を選びやすくなった、ということです。
「あと何年住めるだろう?」という質問に回答するのは難しいですが、劣化・不具合の少ない物件は、相対的に長く快適な住環境を保ちやすい物件といえます。

ところが、この『安心R住宅』制度はまだ発足まもないこともあり、広く普及しているとはいえない状況です。
売主側としても、インスペクションによってもし瑕疵が見つかったら売りづらくなると考え、調査になかなか積極的になれない現実があります。
そのため長く安心・安全・快適に住めるマンションを探すには、やはりコーディネーターと二人三脚で情報を集め、正しく判断することが大切です。

長い目で見たとき、とくに重要なポイントとなるのが、管理状態です。
ひかリノベでは修繕計画のチェックや修繕積立金の貯蓄は充分かなど、コーディネーターが調査し、おすすめできる物件をご紹介します。
中古住宅購入とリノベーションはぜひ、ひかリノベにお任せ下さい。

 

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【執筆】堀田 隆大(ライター)
【監修】柴田 朝子 (宅地建物取引士)

 

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