必見!たった2ステップで中古マンションの減価償却を算出!


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中古マンションを賃貸に出す等して不動産所得を得ると、所得税がかかります。
その課税額を確定するのに必要な減価償却費計算は、ちょっと難しく感じがち。

「土地も建物もいっしょに減価償却していいの?
「中古マンションの耐用年数はどう計算したらいい?」
「けっきょく、いくら税金がかかるの?」

この記事では、2ステップでカンタンにできる中古マンションの減価償却費計算を伝授!
そして減価償却で節税できるマル秘テクニックもお伝えします!

確定申告の前に、ぜひこの記事をご一読ください!

1.カンタン!減価償却の≪公式≫

減価償却費は、建物の経年劣化によって資産価値が減っていくのを「経費」として計上するものです。
土地は経年劣化しないため、減価償却の対象となりません。
そのため、マンション購入価額のうち建物分を取り出して、次のように計算します。

減価償却費=建物の購入価額×償却率

 償却率は、建物の耐用年数によって定められています。ここでは定額法の償却率を使用します。

鉄筋コンクリート造のマンションの場合、耐用年数は47年ですが、中古マンションはすでに経年劣化がはじまっているため、残りの耐用年数を計算しなくてはなりません。

築年数が法定耐用年数を超えていない場合

中古マンションの耐用年数=47年-(築年数×0.8)

築年数が法定耐用年数を超えている場合

中古マンションの耐用年数=47年×0.2

このように、中古マンションの減価償却は、

①耐用年数を求める
②建物価額を取り出し、減価償却費を求める

というステップでおこないます。

2.実際に減価償却費を計算してみよう!

それでは、1.でみた公式をつかって、実際に減価償却費を計算してみましょう!
築20年2か月の中古マンションを購入し、賃貸に出している場合を想定します。

減価償却費の計算例(中古マンションを購入後、賃貸に出した場合)

①耐用年数を求める

まずは耐用年数を求めます。
鉄筋コンクリート造マンションの耐用年数は、新築時点で47年です。
新築時点の耐用年数は、建物の構造によって法律で定められています。

構造 法定耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造
鉄筋コンクリート(RC)造
47年
れんが・石・ブロック造 38年
木造・合成樹脂造 22年
木骨モルタル造 20年

このとき、月数で計算すると、年途中の購入・賃貸開始の場合もカンタンに計算できます。
マンションの法定耐用年数47年=564ヶ月・築年数20年2ヶ月=242ヶ月なので……

 564ヶ月-(242ヶ月×0.8)=370.4ヶ月=30.866…年≒30年

※1年未満の端数は切り捨てます

②建物価額を取り出し、減価償却費を求める

つづいて、減価償却費をもとめます。
定額法の償却率を確認して……

耐用年数30年の定額法の償却率は、0.034です。

定額法と定率法

資産の減価償却費の計算には「定額法」と「定率法」の2つの方法がありますが、建物の減価償却は「定額法」でおこなうよう法律で定められています。
「定額法」は公式からわかるとおり、耐用年数を満たすまで(つまり、残高が1円になるまで)毎年おなじ金額が償却されます。

さて、減価償却するのは建物のみ(土地は償却しない)ですから、マンション購入価額のうち建物価額を取り出します。
このケースでは、購入価額のうち20%が建物価額と按分されていますから、建物価額は……

 2,000万円×20%=400万円

したがって減価償却費は……

 400万円×0.034=13.6万円

このうち、賃貸に出していたのは半年間ですから、今年の確定申告で減価償却費として計上するのは、13.6万円×1/2=6.8万円です。

来年以降は、耐用年数を満たすまで(つまり、あと29年間) 毎年13.6万円を計上し続けるということになりますね。

3. この数字がわからない!Q&A

減価償却費の計算方法を理解したところで、ここからは実際の確定申告で減価償却をおこなう際「こんな場合、どうしたらいいの?」とよく挙げられる疑問にお答えしていきます。
ここでは、次の4つの疑問を取り上げます。

  • マンションの購入価額のうち、建物価額がいくらかわからない!
  • 建物は、躯体も設備もいっしょに減価償却していいの?
  • マンションの「購入価額」には、諸費用や税金も含まれるの?
  • 自分で5年住んだあと、転勤が決まって賃貸に出した。この場合、耐用年数は……?

マンションの購入価額のうち、建物価額がいくらかわからない!

新築マンションの場合、たいてい契約書に土地・建物の内訳が表示されています。
しかし、中古マンションの場合、土地・建物の内訳が表示されていないケースが多いのです。
そこで、マンション購入価額から建物分を取り出す方法として、次の二つの方法があります。

  • 消費税から建物価額を計算する
  • 固定資産税評価額から土地:建物の割合を按分する

◆消費税から建物価額を計算する

売主が不動産業者である場合、マンション価格に消費税がかかります。
このとき、土地には消費税はかかりません。建物にだけ消費税がかかるのです。

したがって、もし契約書に消費税の表示があれば、消費税額からもとの価格を割り戻すことで建物価額がわかります。
売主が個人の場合・契約書に消費税の表示がない場合は、固定資産税評価額から土地:建物の割合を按分します。

◆固定資産税評価額から土地:建物の割合を按分する

土地・建物の固定資産税評価額は、毎年4~5月に各市町村または都主税局から届く≪固定資産税納税通知書・課税明細書≫に記載されています。
≪固定資産税納税通知書・課税明細書≫が手元になければ、役所・都税事務所で≪固定資産公課証明書≫を取得しましょう。

そして、土地の評価額:建物の評価額の割合をもとめ、同じ割合でマンション価額を按分することで、建物価額がわかります。

②建物は、躯体も設備もいっしょに減価償却していいの?

厳密にいえば、建物は躯体と設備からなっており、それぞれ耐用年数が異なります。
マンションのコンクリートの躯体は10年程度で崩れてしまうことはありませんが、配管類や電気系統は修繕・交換が必要になりますね。
新築時点の耐用年数は、設備の種類によって法律で定められています。

設備 法定耐用年数
給排水設備
ガス設備
電気・照明設備
15年(180ヶ月)
蓄電池電源設備
(非常用電源バッテリーなど)
 6年(72ヶ月)

新築マンションの売買では、躯体価格・電気設備価格・給排水設備価格など、内訳が契約書に記載されています。
しかし、中古マンションの場合、こうした内訳は明らかでないことが多いのです。
したがって、中古マンションの減価償却では、設備も躯体も「建物」として耐用年数を計算するのが一般的です。

③マンションの「購入価額」には、諸費用や税金も含まれるの?

マンションを購入する際、仲介してくれた不動産業者や、ローンを借りた銀行に手数料を払いますね。これらの≪諸費用≫のうち、次の2つは「購入価額」に含み、減価償却します。

  • 仲介手数料(消費税込み)
  • 固定資産税・都市計画税の精算

※ただし、いずれも建物分のみ

つまり、中古マンションの「建物価額」は次のように計算するとカンタンです。

①マンション購入価額=マンション代金+仲介手数料+固定資産税・都市計画税の精算

②固定資産税評価額から土地:建物の割合を按分する

また、≪諸費用≫のうち次の5つは「購入価額」には含めず、「必要経費」として別途計上することができます。

  • ローン事務手数料
  • ローン保証料(1年あたりの保証料)
  • 団信保険料(1年あたりの保険料)
  • 火災保険料(1年あたりの保険料)
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 登記手数料
  • 固定資産税・都市計画税(2年目以降)

なお、リフォーム・リノベーションをおこなった場合、原状回復のための支出は「修繕費」として別途計上しますが、資産価値を高めるための支出は「建物価額」に算入し、減価償却します。

④自分で5年住んだあと、転勤が決まって賃貸に出した。この場合、耐用年数は……?

自分で住んでいたマンションを賃貸に出している場合、自分で住んでいた間に経年劣化し、減少した価値をはじめに調整する必要があります。
自分で住んでいた間に減少した価値は、次のように計算します。

自分で住んでいた間に減少した価値=マンション購入価額×0.9×0.015×居住年数

それでは、次の例で実際に計算してみましょう。

減価償却費の計算例(5年間居住した後、賃貸に出した場合)

このケースでは、購入価額のうち20%が建物価額と按分されていますから、購入時点の建物価額は……

 2,000万円×20%=400万円

したがって、自分で住んでいた間に減少した価値は……

 400万円×0.9×0.015×5年=27万円

よって、賃貸を開始した時点の建物価額は……

 400万円-27万円=373万円

ここから減価償却をおこないます。
まず、耐用年数の計算ですね。
マンションの法定耐用年数47年=564ヶ月・賃貸を開始した時点の築年数25年2ヶ月=302ヶ月なので……

 564ヶ月-(302ヶ月×0.8)=322.4ヶ月=26.866…≒26年

耐用年数26年の償却率は0.039なので、減価償却費は……

 373万円×0.039=14万5,470円

4.減価償却マル秘テクニック

最後に、ここまで読んでくださった皆さまにだけ、減価償却の上手な利用方法・節税テクニックを(ここだけの話!)お伝えします。

「減価償却費」は資産としての建物の価値の目減りを「経費」として計上するものです。
したがって、大きく計上すればするほど帳簿上の「不動産所得」が小さくなり、課税される所得税を少なくすることができます。

減価償却費を大きく計上するためには、「建物の購入価額」を高くする必要があります。
そこで、仲介手数料や固定資産税・都市計画税の精算を「購入価額」に含めたり、土地価額:建物価額の割合をなるべく建物が大きくなるように計算したり……といった工夫をするわけです。

しかし、ここで注意すべき点が1つあります。
それは、マンションを売却した際の「譲渡所得」の計算です。
譲渡所得=不動産を売って得た利益は次のように計算します。

譲渡所得=実際の売値-帳簿上のマンション価額

帳簿上のマンション価額は、購入価額から売却までに目減りした資産価値を差し引いてもとめます。つまり、購入から売却までに計上した減価償却費の総額を差し引くわけです。

帳簿上のマンション価額=購入価額-購入から売却までの減価償却費

したがって、減価償却費を大きくすればするほど、帳簿上のマンション価額が小さくなって、譲渡所得が大きくなるのです。
譲渡所得には次の税率で所得税・住民税がかかります。

  所得税 住民税
短期譲渡所得(5年以下) 30% 9% 39%
長期譲渡所得(5年超) 15% 5% 20%

※ただし、もともと自分で住んでいたマンションを賃貸に出す場合、マイホームの譲渡所得として3,000万円の特別控除が適用されます。くわしくはこちらの記事をご覧ください。

マンションを賃貸に出す等して得た不動産所得の所得税率は、給与・その他の副収入と合算した「合計所得金額」によって決まります。
ですから、節税をトータルで考えるなら「とにかく減価償却費を大きく計上すればいい」というのではなく、自分の所得税率と出口戦略(物件をいつ売るか)を考えなくてはなりません。

確定申告はあとからやり直すことができる

もし、確定申告で間違えた・不利な申告をしてしまった場合、あとからやり直すことができます。
納付する税金が増える(追納する)場合は修正申告・減る場合(還付を受ける)場合は更生請求をおこないます。

修正申告・更生請求は地域の税務署を通じておこないます。
請求期限は、間違えた申告から5年後の3月15日です。

なお修正申告により税金を追納する場合、納めるのが遅れた分だけ延滞税がかかります。

難しく考えがちな中古マンションの減価償却も、このように2ステップでおこなえばシンプルです。
まず耐用年数を求め、建物価額を取り出して減価償却費を求める。
「わからない!」と思ったときは、いつでもこの公式に立ち返れば大丈夫!

マンション売却のご相談は、ひかリノベまで。売却か賃貸か、とお迷いの方も、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

 

【執筆】高橋 千晶(ひかリノベ 広報)

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