マンションの減価償却の計算方法とは? 確定申告前におさらいしよう


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不動産投資をしている人はもちろん、投資目的でなくとも所有しているマンションを賃貸に出したり、売却して利益を得た場合には、減価償却費を計算し確定申告をする必要があります。
そのために必要な減価償却費計算は、ちょっと難しく感じてしまう方も多いはず。

「土地も建物もいっしょに減価償却していいの?」
「中古マンションの耐用年数はどう計算したらいい?」
「結局、いくら税金がかかるの?」

この記事では、簡単にできる中古マンションの減価償却費計算を解説します。確定申告の前に、おさらいしていきましょう。

2017/05/31初出⇒2019/11/29更新

1.そもそも減価償却とは?

建物は基本的に、耐用年数が長いとされています。しかし、築年数の経過とともに徐々に経年劣化していくのも事実。

減価償却とは、経年による「価値の減少」を経費として計上する、会計上の仕組みのことを言います。
あくまで会計処理なので、単に自宅としてマンションを所有しているだけの場合は、関係ありません。

しかし、もし「マンションを売却して利益が出た」「賃貸に出して家賃収入を得ている」といった場合は、これらにかかる税金の申告をする必要があります。そのとき、減価償却を行う必要があるのです。

2.マンションの減価償却費の計算方法

減価償却費の計算式

建物の取得価額×償却率 

建物の取得価額とは、物件価格だけでなく、仲介手数料(消費税込み)と固定資産税・都市計画税の精算分も含めた金額をいいます。
ただし、金額の対象となるのは建物の分だけ。土地の価格は含まれません。

償却率とは、1年にどれだけ価値が減少するかを税制上で定めたものです
対象となる物件の耐用年数によって決まっています(国税庁|償却率表を参照)
例えば、下記の償却率表で耐用年数30年の定額法の償却率を見てみると、0.034となります。

国税庁「減価償却資産の償却率表 」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070412/pdf/3.pdf)

出典:国税庁「減価償却資産の償却率表 」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070412/pdf/3.pdf


建物の償却は「定額法」を用いる

減価償却費の計上方法には「定額法」と「定率法」の2つがあります。
建物はこのうち「定額法」で計算することが、税制上で定められています。

「定額法」とは、毎年決まった金額を償却するというやり方。
つまり賃貸に出している間は、毎年一定の金額を経費として計上することになります。

耐用年数の求め方

減価償却の計算に用いる償却率は、建物の耐用年数によって定められています。
RC造マンション(鉄筋コンクリート造のこと)の耐用年数は47年です

構造 法定耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造
鉄筋コンクリート(RC)造
47年
れんが・石・ブロック造 38年
木造・合成樹脂造 22年
木骨モルタル造 20年

ただし、中古マンションを購入した場合や、新築であっても何年か住んだあと賃貸に出した場合には、残りの耐用年数を計算し直す必要があります。
残りの耐用年数は、以下の公式で計算します。

中古マンションの耐用年数

(47年-経過年数)+経過年数×0.2

3.自宅マンションを賃貸に出す場合

自宅を賃貸に出した場合、自分の居住中に減少した価値も償却する必要があります。以下が、その減少した価値を算出する計算式です。

居住中に減少した価値

マンション購入価額×0.015×居住年数

この金額を、あらかじめ取得価額から差し引いて、減価償却を行っていきます。

4.実際に計算してみよう

それでは、実際に例を使って計算してみましょう!

Q1.

建物部分1,000万円で購入した築10年の中古マンションを、購入してすぐ賃貸に出した場合の減価償却費は?

償却率を出すには、まず耐用年数を計算する。
(47年 − 10年)+10年×0.2=耐用年数39年となる。

耐用年数39年を、償却率表の定額法で参照すると、0.026となる。

これを減価償却費の計算式当てはめて計算すると……
減価償却費=1000万円×0.026=26万円となる。

Q2.

建物部分1,000万円で購入した新築マンションに5年住んだあと、賃貸に出した場合の減価償却費は?

この場合、自宅として住んでいた期間に減少した価値を求める必要がある。
住居中に減少した価値=1000万円×0.015×5年=75万円となる。

新築の状態からこの減少した75万円を差し引くと、1000万円−75万円=925万円
この価格をもとに、減価償却費を算出していく。

また残りの耐用年数は、(47年 − 5年)+5年×0.2=43年。
耐用年数43年を、償却率表の定額法で参照すると、0.024となる。

これらを減価償却費の計算式に当てはめて計算すると……
減価償却費=925万円×0.024=22万2,000円となる。

5.建物の取得価額が分からないときは

新築マンションの場合、たいていは契約書に土地・建物の内訳が表示されています。しかし中古マンションの場合、土地・建物の内訳が表示されていないケースも多いのです。

そこで、マンション購入価額から建物分の金額を取り出す方法として、次の二つの方法があります。

  • 消費税から建物価額を計算する
  • 固定資産税評価額から土地:建物の割合を按分する

①消費税から建物価額を計算する

売主が不動産業者である場合は、マンション価格に消費税がかかります。
このとき、土地には消費税がかかりません。建物にだけ消費税がかかるのです。

したがって、もし契約書に消費税の表示があれば、消費税額からもとの価格を割り戻すことで、建物価額を算出することができます。

②固定資産税評価額から土地:建物の割合を按分する

売主が個人の場合は、契約書に消費税の表示がないこともあります。そのときは、固定資産税評価額から土地:建物の割合を按分します。

土地・建物の固定資産税評価額は、毎年4~5月に各市町村または都主税局から届く「固定資産税納税通知書・課税明細書」に記載されています。

「固定資産税納税通知書・課税明細書」が手元になければ、役所・都税事務所で「固定資産公課証明書」を取得しましょう。

そして、【土地の評価額:建物の評価額】の割合をもとめ、同じ割合でマンション価額を按分することで、建物価額を算出することができます。

6.付帯設備も減価償却ができる

住宅用建物は、給排水設備やガス設備、電気・照明などの設備が不可欠です。
これらも付帯設備として減価償却を行うことができます。

これらの設備は、建物の躯体そのものとは耐用年数が異なります。

給排水設備やガス設備、電気・照明などの設備は、耐用年数15年。
蓄電池電源設備(非常用電源バッテリーなど)は、耐用年数6年と定められています。

※計算方法は、建物の場合と同じです。

 

難しく考えがちな中古マンションの減価償却も、この記事の計算方法をおさえておけば、スマートに計算することができますね。

ひかリノベではマンションの売却もサポートさせていただいています。売却を検討中の方はぜひお気軽にご相談ください。

 


 

【記事監修】三浦 英樹(ひかリノベ代表取締役)

ひかリノベ代表取締役 三浦 英樹

ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士。中古不動産購入からリノベーションの設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで理想の住まいを提供する『ひかリノベ』代表取締役。「立地や景観、環境のよい場所の中古住宅の購入と同時にリノベーションを施すことで、自分らしい暮らしをリーズナブルに取得することが可能となります。住宅ローンの返済に縛られることのない、豊かなライフプランの実現を、家探し、家づくりを通じてサポートいたします」。

 


 

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