宅建士に聞く「中古マンションのデメリット」本当のトコロ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
mansion

新築価格が高止まりしている昨今、中古マンションの求めやすさに注目が集まっています。
しかし、物件購入の諸費用やランニングコストなど、心配になる点も多いのが事実です。
本日は中古マンションのデメリットについて解説。なにが嘘でなにが本当なのか、実際のところを不動産のプロ“宅建士”に聞きました。

mansion-demerit
(宅地建物取引士 三好 海斗)

2018/7/17初出→2019/7/13更新

「仲介手数料など諸費用が高額」って本当?

中古マンションを購入すると、不動産会社への仲介手数料や建物の登記費用、住宅ローンの保証料、火災保険料、不動産取得税など、諸費用が別途かかります。
このうち、最も大きな金額を占めるのが、不動産会社への仲介手数料で、物件価格×3%+6万円ほど。物件価格が3,000万円の場合、96万円となります。

新築の場合、この仲介手数料が物件価格に含まれています。
「仲介手数料」という項目が付かない分、一見すると新築の方が諸費用が少ないように思えますが、実際は、不動産会社の利益は価格に上乗せされているのです。

また、何より新築と中古の間には、非常に大きな価格差があります。
建物の価格は一般に築年数の経過につれて安くなり、築20年ほどで新築時の半額ほどまで下落するのです。

しかし、築年数を経た物件はその分消耗もすすんでおり、快適に住むためにはリフォームリノベーションが必要になります。この価格も見込むと、けっきょく新築と変わらなくなるのでは、とも考えられますね。
一般に、フルリフォーム(もとの部屋の内装や設備をすべて解体して、間取りから全部作り変える場合。スケルトンリノベーションともいう)の平均価格は、10~15万円/㎡ほど。60㎡の部屋なら、600万円~900万円がおおよその目安となります。

首都圏の新築マンションの平均価格は、5,871万円です(2018年に売買契約が成立した新築マンションの平均価格。不動産経済研究所の調査による)。
一方、中古の平均価格は、3,333万円。平均専有面積は64.60㎡です(東日本不動産流通機構の調査による)。ここに900万円を乗せても4,233万円ですから、中古リノベーションの方がリーズナブルといえそうですね。

中古マンションはランニングコストが掛かる?

マンションの住人は管理組合を組織して管理費・修繕積立金を納め、日常の管理業務や、外壁塗装・屋上防水といった修繕費用に充てています。
管理費や修繕積立金は、合わせて月々2~3万円が相場。建物は経年とともに老朽化が進むため、築古になるほど納める金額も高くなる傾向があります。

そのため、新築の方がはじめのうちはランニングコストも安く抑えられるのですが、デベロッパーが多くの買い手を惹きつけるため、相場より安く修繕費用を設定しているケースも多く、しばらくすると値上げを余儀なくされる場合もあります。

他方、戸建てはマンションと異なり、管理費や修繕積立金などの徴収はありませんが、物件をメンテナンスするための修繕費用を自分で貯蓄する必要があり、長い目で見れば「戸建てがお得」とは言い切れません。

建物や設備機器が老朽化しているかも?

マンションはおおよそ12年おきに外壁塗装や屋上防水といった大規模修繕をする必要があります(国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」参照)。
エレベーターやオートロックの保守点検や給排水配管の詰まりを防ぐクリーニング、耐用年数を超えた機器への交換など、住居設備のメンテナンスも欠かせません。

この前提は、新築でも中古でも特に変わりません。
適切なメンテナンスを行えば、「RC造マンションは100年以上住める」とされています。しかし、管理を怠った場合は、築30年ほどで廃墟のようになることもあります。

マンションを長持ちさせるには、長期の計画を立て修繕を実施すること。そのための修繕資金を充分に積み立てておくことが重要です。
1回の大規模修繕に必要な金額は、一戸あたり100〜120万円です。修繕積立金が安すぎたり滞納があったりする物件は、避けた方がよいでしょう。

また、マンションがメンテナンスに適したつくりになっているかも重要です。
昭和40年代までに建てられたマンションは、配管をコンクリートに埋め込んでしまっているため、交換が困難な場合があります。簡単に配管類を取り外しできるスケルトン・インフィルの物件が安心です。

とはいえ、建物の寿命を計るのは専門家でないと難しい部分もありますね。構造や修繕計画の有無は、見た目だけでは分からないこともしばしばです。
ひかリノベでは、中古住宅取引のプロであるコーディネーターが、構造や管理状態も含めて家選びをサポートします。気になる情報は調査しますので、お気軽にご相談ください。

また、販売前にあらかじめインスペクション(建物状況調査)を受け、一定の品質と耐震性を備えた住宅を『安心R住宅』と認定する制度や、『住宅性能評価書』を表示する制度も、近年整備がすすんでいます。
『安心R住宅』に認定された物件は、販売情報にその旨が記載されます。『住宅性能評価書』も同様で、求めれば評価書の内容を見ることができます。今後はこうした制度も、物件選びのヒントとなりそうですね。

耐震性が新築よりも劣る?

新築中古に関わらず、建物はすべて建築基準法によって一定の耐震基準をクリアする必要があります。
基準を満たしていない建物は、行政によって耐震化や、場合によっては取り壊しが命じられるので(少なくとも建前上は)そもそも存在しません。

しかし、現行の「新耐震基準(震度6〜7の大規模地震でも倒壊しない)」がスタートしたのは1981年6月のこと。
それ以前の建物は「旧耐震基準(震度5程度の地震で倒壊しない)」でつくられているため、震度6以上で倒壊のおそれが否定できません。

ただし、2019年現在、中古でも新耐震の物件は多くあります。築37年までの物件は、すでに新耐震時代の建物だからです。
築38年以上の築古物件でも、「耐震基準適合証明」を受けている物件は、新耐震並みの耐震強度が認められています。

また災害への備えは建物の耐震性だけでなく、立地も重要。
地盤がしっかりしたエリアの旧耐震物件と、地盤がゆるいエリアの新耐震物件では、前者の方が地震に耐え得ることもあります。
ハザードマップで地震や火災、水災への強さもチェックしておきましょう。

住宅設備が現代の生活に合わない?

キッチンやお風呂などの住宅設備が、現代の私たちの目から見ると古くさく感じられることもしばしば。
バランス釜のお風呂や呼び鈴のみの玄関などが昭和的な設備のままの物件も多くあります。また壁や床、天井が薄かったり、窓サッシにわずかな隙間があったりと、気密性・断熱性に問題があることも少なくありません。

新築の場合はこうした問題は起こりにくいものですが、中古の場合でも、リノベーションで解決できます。
壁や床の防音断熱処理をはじめ、給湯器やIHヒーターの設置などは後付けが可能です。
間取りや内装も、リノベーションで変えられます。

ただし、とくに築古物件の場合、ガス容量や電気容量の限界で、新しい機能を導入できないケースもあります。また建物の構造上、間取りの変更に制限があることも。
ひかリノベでは、購入後にこうしたミスマッチが起きないよう、事前に間取りや設備の希望をヒアリングしたうえで物件探しを行っています。

一方、戸建ての場合はガスや電気の容量に制限がなく、最新設備も自由に導入できます。ただし物件の構造からくる制限はあるので、やはり事前にプランを決めてから物件探しを行うのが安心です。

セキュリティシステムが貧弱?

最近ではオートロックやホームセキュリティといった防犯システムは必須。
新築の場合は共用玄関にオートロックつき・ホームセキュリティを完備したり、複製が難しいディンプルキーを使用したりするのが一般的になっていますが、築15~20年を超えると、全て揃っている物件は多くありません。
また築古物件は空き部屋や、賃貸に出している部屋も多く、防犯上望ましくありません。

マンションの共用エントランスについては、個人でオートロック化することはできませんが、戸別のカギやインターホンについては、管理組合に許可を得て高機能のものにリフォームすることが可能です(通常、玄関ドアは共用部分であるためリフォームは不可ですが、カギやインターホンについては、事前に申し出れば許される場合が多いです)

また、これは新旧問わず、マンション全体にいえることですが、多くの住民が出入りするため、不審者の侵入がわかりやすいのがメリット。常駐の管理員を置いているマンションも多いでしょう。
とくに中古マンションは住人同士のコミュニティがすでに出来上がっているという強みもあり、人の目があるという点では、戸建てに比べると概して防犯性は高いといえますね。

外観やエントランスが古くさい?

20年以上前に建てられたマンションは、いま流行のデザインとは異なっています。外壁の色や、バルコニーのかたち、エントランスやロビーなど、築古であるほど古くささを感じる人も多いでしょう。

とはいえ、デザインについては住む人の好みが分かれるところでもあります。秀和レジデンスや広尾ガーデンヒルズは築古ながら、個性ある外装で人気を集めています。

また清掃が行き届き、よく手入れされたマンションは、古くてもくたびれた印象はありません。

マンションではエントランスや共用廊下はもちろん、住戸の玄関ドア、バルコニーも勝手に改装することはできません。戸建てであれば、外壁をお好みの色に塗り替えたり、玄関ドアを取り替えたり、ご自分で外観もカスタマイズできますが、マンションでは共用部分の修繕は管理組合の領分です。
したがって、管理状態が見た目にも直結します。

資産価値が低く、将来手放したくても売れない?

住宅市場はこれまで「新築至上主義」といわれるほど、新築の価値が高く、中古になれば価値がガクンと下がるのが一般的でした。実際、堅牢なRC造建築でも、築年数の経過につれて変化は免れません。

しかし、欧米では築100年を超える住宅も珍しくなく、歴史ある建築の価値が認められています。日本でも、何十年前に建てられた良質な住宅を活用して、リノベーションで内装や設備を整え、何世代にもわたって住まい続けようという機運が高まりつつあります。

実際に郊外の新築よりも立地がよく、管理がしっかりしたヴィンテージマンションに高値がつく例もみられるようになりました。
新築よりも魅力ある中古と目される場合は、第一に立地が良いこと・第二に管理がしっかりしていることがその理由です。

また中古は購入時点で価格が下落しているので、新築よりも大幅に価格が落ちることはありません。含み損は中古の方が小さく、近隣の再開発がすすめば、購入価格より高値で売却できる可能性もあります。

物件の売り出しやすさは、戸建てよりもマンションの方がやや有利。戸建ては外観も間取りも自由度が高い分、買い手によって合う・合わないが分かれるためです。
また立地も都市部の駅近エリアはたいていマンションで埋まってしまうため、戸建てはどうしても郊外に多くなります。通勤や通学の便利さを優先する買い手には、街中のマンションの方がメリットが大きいといえるでしょう。
都外の地域によっては、マンションよりも戸建ての方が多く、買い手にも好まれやすい場合もあるので、一概には言えませんが、首都圏においてはマンションの方が売りやすい、と言えるのではないでしょうか。

 

中古マンションの不安ポイントは、そのほとんどが中古マンションの問題ではなく、物件の選び方の問題です。
コンディションや耐震性・資産価値などを総合して、価値ある物件を選ぶことができれば、新築と比べて利点も多くあります。

価値ある中古マンションをお探しのあなたは、ぜひ私たちひかリノベにおまかせください。


【記事監修】三好 海斗(ひかリノベ両国コーディネーター )

宅地建物取引士、賃貸経営管理士、既存住宅アドバイザーの有資格者。新築・中古・マンション・戸建てと幅広い不動産の仲介を扱ってきた経験をもとに、資産価値の落ちにくい住まい選びを提案している。「中古リノベーションで住居コストを下げることにより、家族旅行や趣味、老後に備える貯蓄などを生み出せる可能性が広がります。住宅ローンを払うために働く生活から、人生をより豊かにするお手伝いをさせていただきます」。


AI診断付き物件提案ツール「物件提案ロボ」

物件提案ロボ

希望条件に合う物件の情報を、メールで自動配信。待っているだけで、自分が住みたいマンションの情報が手元に届く!
しかも、お届けする情報はただのマンション情報ではありません。AIが価格の妥当性や耐震性、管理状況などを診断してくれるので、「買いな物件」「買ってはいけない物件」がひと目で分かります。


詳細はこちら >

 

おすすめの関連記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る