
マンションを購入しようと考えている人にとって、気になるのはやはり今が「買い時」なのかどうかではないでしょうか?
2022年は、日本でもウクライナ情勢の影響が生活の随所に及びました。先行きも不透明な中、今、マンションを購入しても大丈夫なのか、迷っている方はたくさんいらっしゃるはず。
2023年の今、マンションの「買い時」はどう見極めればいいのか。マンション購入時の注意点を、中古マンション市場の予測と合わせて解説します。
2015年9月16日初出→2023年2月22日更新
目次
マンションの買い時ってあるの?
マンションの「買い時」を左右する要素は、社会・経済情勢と、あなたやご家族のライフステージ・ライフプランの2つ。
経済の状況は、新築、中古を問わず物件の価格に直結しますし、金利の高低や増税も資金計画には大きく影響します。投資としてのマンション購入なら、社会・経済動向をシビアに予測、確認しながら、購入や売却のタイミングを判断しなくてはならないでしょう。
しかし、マイホームとしてマンションを購入するケースは違います。家族構成や年齢、仕事、子どもの教育など、あなたやご家族の生活は、住宅の形態、広さ、立地、そして購入時期も左右します。
実際に、住宅金融支援機構の「住宅ローン利用予定者調査」を見てみると、結婚や出産、子どもの成長、あるいは老後の生活が住宅取得の動機になっており、ライフステージと住宅購入が密接な関係にあることがわかります。

出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用予定者調査(2022年4月調査)」
(https://www.jhf.go.jp/files/400361301.pdf)
家族のライフステージは、経済や社会の情勢とは関係なく変化していくものです。
結局のところ、中古マンションの買い時は「あなたやご家族にとって、マイホームが必要な時期」だと言っていいでしょう。
また、住宅ローンの返済期間も、買い時を考えるには配慮しなくてはいけないポイント。
多くの金融機関は80歳までに完済することを条件にしているので、35年のローンなら44歳までは組むことができます。
しかし、定年を迎える前、つまり安定した収入があるうちに返済が終わるほうが望ましいうえ、高齢になるほど団体信用生命保険(団信)にも入りにくくなります。
ライフステージは、20代から40代にかけて大きく変化することが多いので、やはり可能な限り若いうちに購入するのが良いと言えそうです。
中古マンションの価格は築年数で決まる
マンションの価格は、築年数が経つほど下がっていきます。
一般的に完成から築10年までは、価格の下落幅は大きく、建物本体は10年で新築時の半分ほどの価格になると言われます。その後、一定の時間が経過すると底値になり、それ以降は価格が大きく変動しなく(下がらなく)なります。
かつては築15年~20年以上になると値下がりしにくい、というのが定説でしたが、最近では築25年ごろまで値下がりが続く傾向が見られるようです。これはなぜでしょうか?
ひとつ目の理由は、中古マンション+リノベーションという手段の普及。古いマンションでもリノベーションをすれば、好みの間取りで、快適かつ安心に暮らせる空間が、新築マンション以下の価格で手に入ることはもはや常識。中古マンションの人気も高まり、取引が活発になったため、価格の変動が現れやすくなったと考えらえます。
また、古い物件の問題だとされていた耐震性も、新耐震基準の適用(1981年6月)から40年が経っており、築20~30年ぐらいならそう心配する必要はなくなりました。
税金が一部控除される住宅ローン減税(住宅ローン控除)も、新耐震基準に合致していれば証明書などは不要で利用できるようになりました。
結果として古いマンションを購入する人が増えたので、価格にも影響が及んでいるのでしょう。
劣化にしても、適切な管理や修繕が行われていれば建物の寿命は伸びます。築年数を気にするより、購入時に、管理状態や大規模修繕の履歴をきちんと確かめることのほうが重要です。
まとめると、中古マンションを購入するなら、築25年以上の物件がおすすめ。
それ以上価格が変動しないので、購入時期による価格差が発生しにくいうえ、将来売却するとしても値崩れしにくく、資産価値も安定しているというメリットがあるからです。
マンションの寿命や何年住めるかについては、下記の特集記事も併せてご覧ください。
ウクライナ情勢の不動産市場への影響は?
2022年は新型コロナの影響が続いたうえ、2月に起きたロシアのウクライナ侵攻は日本経済にも大きく影響を与えました。
不動産市場は経済との相関が強いですが、2022年、不動産市場はどう動いたのでしょうか? データから読み解いてみましょう。
コロナの影響で2021年に起こったウッドショックや、設備機器などの納期遅延・価格高騰が続いていたところへ、ロシアのウクライナ侵攻が発生。
原材料や燃料価格の高騰を招き、建築資材も値上がりが続いています。
特に新築マンションは、もともと価格が上昇傾向にありましたが、物価上昇に、円安の影響も加わってさらに値上がりしています。
不動産経済研究所の調査では、2022年の首都圏の新築マンションの平均価格は6288万円、㎡単価は95.1万円となりました。
平均価格は4年連続で、㎡単価は10年連続の上昇となり、最高額を更新しています。
一方、先行きへの不安から供給戸数を減らす不動産会社・デベロッパーても増えているようです。
2022年の1年間で売り出されたのは2万9569戸で、21年からは10%以上減少しました。
新築の価格上昇・供給減を受けて、中古マンションも相場が上昇しています。
2022年12 月時点で、首都圏の中古マンション成約㎡単価は、前年比9.0%増の69.94万円に。32カ月連続で上昇となりました。
新築の値上がりを受けて、中古住宅を住宅取得の選択肢に加えている人が増加していると見られます。

出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 MarketWatch サマリーレポート2022年 12月度」 (http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202212_summary.pdf)
ただ、やはり先行きが不安な人も多いのか、成約件数は減少気味です。5カ月連続で前年同月に比べて減少となりました。
東京都区部では増加しているものの、それ以外の地域で動きが鈍くなっているようです。

出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 MarketWatch サマリーレポート2022年 12月度」 (http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202212_summary.pdf)
将来的に市場が低迷すれば価格が下がることも考えられますが、短期間で住宅需要が急減することも考えにくく、新築・中古のどちらも、直近で価格相場が大幅に低下する可能性は小さいと考えられます。
中古マンションの価格相場に関しては、下記の特集記事も併せてご覧ください。
住宅ローンの金利が上がる可能性は?
日本銀行は過去数年にわたって低金利政策を実施してきたため、国内の金利は「超」が付くほど低水準で安定して推移してきました。2020年以降は、新型コロナ対策として大規模な金融緩和策が展開されてきました。
しかし、世界的には金利が上昇しています。
日銀も、2022年12月20日には長期金利の変動幅の上限を0.5%まで引き上げることを決定。
1月17・18日の政策決定会合では現在の金融緩和策を続けることが決まりましたが、住宅ローン金利も、世界的な傾向の影響を受け、2022年からは金利が上昇しつつあります。
フラット35の金利は、2022年1月の1.300%から、1年後の23年1月には1.680%まで上昇しました。大手銀行でも、1月から固定金利型住宅ローンの金利引き上げに踏み切っています。

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移」(https://www.flat35.com/files/400359529.pdf)
固定金利型ローンの金利は、長期金利に連動しているので上昇していますが、今のところ変動金利型は金利上昇の動きは見られません。
ただし、今年4月には日銀の総裁が交代予定されており、現総裁・黒田東彦氏が退けば一転して政策が引き締めに変わることもあり得ます。 そうなれば金利も上昇し、住宅ローン全般で金利が上がっていくでしょう。
まだ断言はできないものの 、今後の情報には注意が必要なようです。
2023年、マンションを買うべき?待つべき?
経済の先行きは不透明ながら、新築・中古のどちらも価格上昇に拍車がかかる中、早めに購入してしまった方が安く済むのは確かでしょう。そういう意味で言えば、今がマンションの買い時だ、とも言えるかもしれません。
しかし、価格だけに目を取られていると、自分や家族のライフスタイルに合った物件に出会うチャンスを逃してしまう可能性もあります。
中古マンションは基本的に一点もの。価格や広さ、立地など、希望の条件に合う物件が、今すぐ見つかるとも限りません。急ぐあまり物件を十分に比較せずに購入すると、安かったのはいいものの後悔する結果になりかねません。
一方、値下がりを狙って待つ、というのも考え物。たとえば子どもが小学校に進学してから時間が経ってしまうと、転校の手続きがかかるうえ、友達と離れて寂しい思いをさせてしまう可能性もあります。購入までに住む賃貸住宅の家賃などもどんどん増えていきます。
住宅を購入すべきライフステージであるなら、マンションの価格相場と自分の予算・資金計画を考えつつ、前向きに購入を検討することをおすすめします。
住宅は非常に高価な買い物ですから、少しでもお得に買いたいという気持ちもよくわかりますが、目先のことに捉われすぎると、チャンスを逃してしまうかも。
自分の人生や、ご家族のこともしっかり考えて、素敵な住まいを見つけてください。
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