中古マンションは新築と違い、定価がありません。値段に対してお得な物件なのか、割高なのか判断しづらい――そんな風に感じる方も多いのでは?
中古マンション購入で損をしないためには「相場」を知ることが大切。社会情勢が不安定で金利上昇も予想されている中、不動産市場の状況、中古マンションの価格相場も大きく変動する可能性があります。
この記事ではマンション市場の概況、そして中古マンションの相場を知るために必要な基礎知識を解説します。また、刻々と変化する市場動向をリアルタイムで把握できる情報ポータルサイトもご紹介します。
目次
2025年の中古マンション相場はどうなる?
現在のマンション価格は、新築・中古を問わず高騰しています。
不動産経済研究所の調査によると、東京23区の新築平均価格は1億円を突破しています。
価格高騰の背景には、物価高騰や円安による建築費の上昇の他、人手不足があります。さらにはインバウンド向けホテル用地需要から来る、土地価格の高騰もマンション価格高騰の一因です。
新築があまりにも「高額すぎる」ため、中古に注目が集まった結果、中古価格も上昇傾向です。首都圏の中古物件の成約価格は、2020年5月から2024年7月までの50カ月連続で上昇。その後は上昇と加工を交互に繰り返している状況です。
首都圏中古マンション成約平米単価(出典:東日本レインズ「首都圏中古マンション・中古戸建住宅の長期動向グラフ」)
都心部の新築価格に限定してみると、当面の間下がる要素は見当たりません。住宅用地不足と建築コストの高騰によって、新築物件の供給数は減少しています。
2024年の新築供給戸数は、首都圏全体で前年比の14.4%減、23区に限定すると30%以上の減少が見られます。
新築物件はもはや手が届かないほど効果で供給数も減っているとなれば、中古マンションに注目が集まるのは当然のこと。
都心部は新築、中古共に価格は今後も上がり続けることが予想されます。
一方で東京都以外の周辺県においては、価格上昇は緩やかに推移しています。
2024年10月~12月までの中古物件の成約価格の平均単価は、以下の通りです。
- 埼玉県……9万円/平米(前年比3.7%増)
- 千葉県……9万円/平米(前年比3.8%増)
- 神奈川県…9万円/平米(前年比0.5%減)
いずれの県でもピーク時は、7~8%増でしたが、7~9月、10~12月ともに小さい上昇幅が続きました。
中古物件の価格は、築年数によっても大きく変動します。
東京都の場合でみると、築20年超の物件では新築分譲時のおよそ2/3、築30年を超えると新築時の1/3にまで価格が下がります。
今や「中古を購入してリノベーション」は、住まいの選択肢として当たり前になっていますが、「安い築古物件を買ってリノベーションにお金をかける」という人は、今後ますます増えるのではと予想されます。
金利はどこまで上昇する?
2025年1月24日、日本銀行は政策金利の追加利上げを決定しました。これにより政策金利はそれまでの0.25%からさらに0.25%引き上げて、0.5%程度に引き上げることとなりました。日銀は今後も、段階的に利上げを実施する方針を打ち出しています。
政策金利の利上げは、変動金利型の住宅ローン金利に影響します。
というのも多くの金融機関では、政策金利が上がれば、それに合わせて各銀行の基準金利を引き上げるため。
2025年3月現在で、すでに新規借り入れ分の金利を、政策金利と同程度の0.25%引き上げた金融機関もあります。例えばイオン銀行では、2月の0.53%から最優遇う金利適用で、翌月には0.78%と、ちょうど0.25%の引き上げを実施。
4月以降はさらに多くの金融機関で、基準金利を引き上げる可能性があります。
一方で住宅ローン商品は、(一定の条件下で)優遇金利が適用されるのが一般的です。
金融機関同士の競争が激しくなる中で、各銀行独自の優遇制度やキャンペーンを打ち出しています。
実際に2024年3月の最初の利上げ時には、優遇制度の拡大によって実際の適用金利を実質的に据え置きとした金融機関も少なくありません。
このように住宅ローンの借入先金融機関を決めるときには、優遇の条件や内容を比較検討したうえで決めることが重要です。
それでは、固定金利型ローンはどうなるのでしょうか?
固定金利型住宅ローンは、長期国債の利回りに連動しています。
長期国債の利回りは、2024年から上昇傾向で、2025年2月には一時的に1.4%を上回っています。
これに伴い大手五行(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・りそな銀行・三井住友信託銀行)は、2025年3月に一斉に固定型住宅ローン金利の引き上げを発表。固定10年の最優遇金利適用で、1.61%~2.085%としています。
この金利は、三菱UFJ銀行では2009年1月以降で最も高い水準。そして三井住友信託銀行では、1998年4月以降で最も高い水準を記録しました。
日銀は今後、長期国債買い入れを減らす方針を示しているため、将来的に長期国債の利回りは上昇するとみられます。
そして変動型の住宅ローン金利に影響を与える政策金利についても、引き続き引き上げる方針です。
このことから住宅ローン金利は今後、固定型・変動型の両方で、徐々に引き上げられていく可能性が高いといえます。
待つリスクと急ぐリスク
社会や経済の先行きが不透明な中「いずれはマンションの相場も下がるかもしれない」と、購入をためらっている方もいるでしょう。あるいは「金利が低いうちに購入しよう」と、急いで物件を探している方もいるかもしれません。
しかし、待つ、急ぐ、どちらにもリスクはあります。
新型コロナの感染拡大当初は「コロナの影響でマンションの価格は下がる」とも言われていましたが、実際には価格は上昇し続けています。
そもそも「中古マンションは一点もの」。値下がりを待っている間に買われてしまった場合、同じ物件には二度と巡り合えない可能性が高いのです。
一方で、十分に物件を比較、検討しないまま急いで購入したせいで、あなたやご家族にとってよりよい物件との出会いを逃してしまうことも考えられます。管理状況など、入居してからの生活や資産価値に影響するポイントも見逃しやすくなり、結果として損をしてしまうこともあり得るでしょう。
市況や相場の将来予測ばかりに気を取られていると、あなたやご家族の人生におけるベストなタイミング、ベストな物件との出会いを逃すことにもなりかねません。
歳を取るほど住宅ローンは組みにくくなる上に、住居費(賃貸住宅の家賃など)の負担も増えますが、だからといって焦りは禁物。
もし今がマンションを購入すべきタイミングで、良い物件に巡り合えたのであれば、「現在の相場」と比べていくら安いのか・高いのかをよく検討することをおすすめします。
中古マンションの価格の成り立ち
中古マンションには、新築のような定価はありません。中古マンション価格を最終的に決めるのは売主です。
不動産会社の査定などは判断材料にはなりますが、売却時、その通りに価格をつける必要はありません。安くするのも高くするのも、売主の自由です。
良い物件を安く買えればラッキーですが、割高な物件を選んでしまったら……? お買い得なのか、割高なのかを判断することは、その物件の市場価値を見極めることでもあります。
マンションの市場価値は、「立地・築年数・広さ」の3つの要素で決まります。
新築なら間取りや内装、設備のグレードも影響しますが、中古はリフォーム・リノベーションを前提とするケースも多いので、変えようがないこの3要素で物件の価値がほぼ決定します。
また賃貸住宅だと、家賃相場は季節による変動も大きいですが、中古マンション市場では「○月が高くなる」という傾向は、さほど強くは現れないようです。
販売価格と成約価格の両方をチェックしよう
同じエリアで、築年数や面積が同じぐらいのマンションを比較すれば適正な価格、つまり相場がわかります。
ポイントは、販売価格、成約価格の双方を調べること。
中古マンション(とくに個人売主の物件)は定価販売ではなく、最終的な成約価格は売主と買主の交渉によって決まります。販売価格通りの額で売れるとは限らないのです。
市況と相場の変化をチェックしよう
マンション相場は不変ではなく、世の中の状況によって刻々と変わっていきます。
例えば、鉄道の駅ができて交通の便が良くなれば、立地上の価値も上昇します。
景気が良くなれば、不動産も含めて取引が活発になって値上がりしますし、逆に経済状況が低調な時は値下がりもします。
そのため、市場はどんな状況にあって、相場がどのように変化しているかを理解すれば、今後の予測も立てやすくなります。
相場の調べ方
では、絶えず動いている相場の動向を、実際にリアルタイムで把握するにはどこを調べたらよいのか? ここでは、販売価格・成約価格・市況を調べられるポータルサイトをリストアップしてみました。
販売価格を調べる
まずは、希望エリアの平均的な販売価格を調べましょう。
ひかリノベでは、市区町村や沿線ごとに物件を探せる物件検索システム『住まい探しサポート』をご用意しています。
専有面積・駅までの時間・築年数も指定しての検索もOK。「○○線の××駅から徒歩15分以内」「築20年以内」「広さは70㎡ぐらい」など、ご希望の条件を入力して検索してみてください。一覧画面で基本的な物件の情報と、販売価格が確認できます。
成約価格を調べる
販売価格の相場がわかったら、次は成約価格の相場を調べましょう。成約価格は「レインズマーケットインフォメーション」と「不動産情報ライブラリ」で調べることができます。
レインズ(REINS)マーケットインフォメーションは、公益財団法人不動産流通機構による、不動産取引の情報提供サイト。都道府県、築年数、専有面積を入力して検索すると、直近1年間の取引事例から、1㎡当たりの単価がわかります。希望の面積を掛ければ、おおよその成約価格が算出できます。こちらは中古マンションの他に、中古一戸建ての相場もチェック可能。
仮に1㎡当たり50万円だとすると、専有面積70㎡の物件は、50万円×70㎡=3500万円程度が、成約価格の相場ということになります。
不動産情報ライブラリは、国土交通省による、不動産の取引価格や地価を調べられるサイトです。エリアで検索すると、駅までの時間や築年数、面積などの条件と、過去5年間の成約価格が表示されます。
条件ごとに検索結果を並べ替えられるのが、このサイトの特長。
同じぐらいの床面積でも、駅から5分なら○○万円、10分になると××万円、と比較しやすいことがメリットです。
マンション市場の市況を調べる
市況を調べるには、「東京カンテイ」「レインズデータライブラリー」「不動産流通推進センター」の各サイトを覗いてみましょう。
東京カンテイ 市況レポートは、市況を専門家が調査、分析したレポートから、70㎡換算の価格推移、価格の上がり下がりを天気図で表した価格天気図など、マイホームを探している人の参考になるコンテンツが揃っています。
レインズ データライブラリーは、東日本の市場動向や価格推移をチェックできるサイト。毎月の市況分析レポート(マーケットウォッチ)もわかりやすくまとまっているのでおすすめ。中部、近畿、西日本と、地域別のサイトもあります。
公益財団法人不動産流通推進センターは、レインズのデータを分析して掲載しています。価格の推移もグラフ化されていて一目でわかるので、データライブラリーと合わせてチェックしておきましょう。
おわりに
2024年はウクライナ・パレスチナ情勢に加えて、日銀がマイナス金利を解除。およそ17年ぶりの利上げに踏み切った年でした。そして2025年、社会の先行きがなかなか見通せない中「今、マイホームを買っていいのだろうか」と迷う心理も当然です。
一方で、住まいはわたしたちの暮らしにとって最も重要なインフラのひとつ。
買い時を考えるうえで何よりも大切なのは、あなたやご家族にとって、いつマイホームを持つのが最善なのか、ライフプランに基づいて判断することではないでしょうか。
あなたやご家族にとって「今」マイホームを持つのが最善ならば、市場の状況にかかわらず、やはり「今」が買い時といえます。
不安定な時代だからこそ、専門家の意見ももちろん必要ですが、あなた自身が情報を集め、自身の価値観で判断することをおすすめします。
当社ひかリノベは物件探しとリノベーションをワンストップで提供するリノベーション会社です。宅建士の資格をもつコーディネーターが社内に在籍し、不動産会社でしか調べることができない成約情報も、不動産会社と同じように調べることができます。
「レインズマーケットインフォメーション」と「土地情報システム」はエリア単位での情報ですが、ひかリノベにご相談いただければ、より細かい住所で調査が可能です。プロレベルでの相場情報をご希望の方は、ぜひひかリノベにご相談ください!
現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。