2024年の中古マンション相場はどうなる?住宅ローン金利は上がる?

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家電卓

中古マンションは新築と違い、定価がありません。値段に対してお得な物件なのか、割高なのか判断しづらい――そんな風に感じる方も多いのでは?

中古マンション購入で損をしないためには「相場」を知ることが大切。社会情勢が不安定で金利上昇も予想されている中、不動産市場の状況、中古マンションの価格相場も大きく変動する可能性があります。

この記事では、2023年現在のマンション市場の概況、そして中古マンションの相場を知るために必要な基礎知識を解説します。また、刻々と変化する市場動向をリアルタイムで把握できる情報ポータルサイトもご紹介します。

2024年の中古マンション相場はどうなる?

現在マンションの価格は、新築・中古を問わず首都圏を中心に高騰しています。

不動産経済研究所の調査によれば、2023年上半期(1〜6月)の首都圏の新築マンションの平均価格は8,873 万円、平米単価は 132.1 万円と、過去最高値を更新しました。
なお同研究所の年次調査によると、2013年の首都圏平均価格は4,929万円でした。この10年でマンションの価格は、1.8倍にも上昇している計算になります。

新築価格の上昇に伴い、中古マンション価格の相場も上昇しています。
(公財)東日本不動産流通機構によると、2023年7-9月期の首都圏の中古マンションの平均成約価格は4,621万円。前年比6.1%の上昇で、2012年10-12月期以来44期連続で前年同期を上回り続けています。平米単価は72.61万円で、こちらも13期連続で前年同期を上回り続けています。

マンションの価格が高騰した背景には、低金利対策があります。住宅ローン金利が1%を切る「超低金利」であったために、高額の物件でも買いやすい状況があったのです。

さらに2022年はウクライナ、2023年はパレスチナと、世界で紛争が続いたことも世界経済へ影響を与えました。重ねて、日本国内ではインフレや円安による資材やエネルギー価格の高騰、建設業界での人手不足も原因となり、建築費が高騰しています。

昨今の世界情勢や日本国内の状況を鑑みると、新築マンションの価格上昇が止まる見込みはありません。経済の先行きが見えにくい中、デベロッパーが新築マンションの供給を絞っているという状況もあります。「高価で選択肢も少ない新築はやめて、中古を選ぼう」と考える人が増えるのは当然の流れといえます。

局地的には、再開発に伴う大規模マンションの竣工によりマンションの買い替えが進み、周辺の相場が一時的に下落する可能性も考えられます。しかし、全体として考えると中古マンション価格の相場はこれまで同様、2024年以降も価格が下降傾向になることは考えにくいと言えるでしょう。

金利上昇の可能性は?

国際的な視点でみると、金利は上昇傾向にあります。事実、アメリカでは住宅ローン金利が7%超まで上がっています。

その影響を受け、日本国内でも住宅ローン、とりわけ長期金利に連動する「固定金利型のローン」は2022年以降、徐々に金利が上昇しています。
たとえば住宅金融支援機構のフラット35(全期間固定35年ローン・融資比率9割以下・機構団信加入の場合)の金利は、2022年1月には1.30%~でしたが、2024年1月には1.87%~となっています。

出典:住宅金融支援機構『【フラット35】借入金利の推移』

出典:住宅金融支援機構『【フラット35】借入金利の推移

3大メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)も、10年固定型住宅ローンの金利を2022年以降相次いで引き上げており、23年11月には各行ここ10年でもっとも高い水準に達しました。

一方で、短期金利に連動する変動金利型ローンの金利水準には、まだ動きがありません。優遇後の適用金利でみると0.3%台で推移しています。

日本では住宅ローン利用者の約7割が変動金利型、約2割が固定期間選択型を利用しており、全期間固定型を選択する人は1割に満たないのが現状です。
多くの人にとって、金利上昇のリスクはまだ顕在化していない状況であり、マンション購入を考えたときに、金利上昇を肌で感じている人はまだ少ないのです。

しかし、将来的には変動金利型ローンも金利が上がっていく可能性が高いです。
気になるのは、それがいつになるのか?という点。2024年の間に金利が上昇する可能性はあるのでしょうか。

金利上昇の鍵を握る日本銀行は、この10年間で金融緩和政策を続けてきました。2016年にはマイナス金利が導入されましたが、これは主にデフレ脱却を目的としたものです。物価が健全に上昇すれば、マイナス金利も解除される見通しとなっています。

現在、日本の物価は上昇していますが、実質賃金は上昇していません。国民の可処分所得は減少傾向です。日本銀行の植田総裁は2023年10月の会見で「物価目標達成の見通しが得られていない」として、現行の金融緩和政策を当面継続する方針を示し、見極めのポイントとして2024年春の春闘(労働組合が毎年春におこなう、賃上げ要求を中心とする闘争)を挙げ、賃金の上昇を判断材料の一つとする考えを語りました。

今後の金利変動については、円安が進んでいる状況もあるため判断材料は賃金の問題だけに留まりませんが、まずは春闘の結果を注視したいところです。

待つリスクと急ぐリスク

社会や経済の先行きが不透明な中「いずれはマンションの相場も下がるかもしれない」と、購入をためらっている方もいるでしょう。あるいは「金利が低いうちに購入しよう」と、急いで物件を探している方もいるかもしれません。

しかし、待つ、急ぐ、どちらにもリスクはあります。

新型コロナの感染拡大当初は「コロナの影響でマンションの価格は下がる」とも言われていましたが、実際には価格は上昇し続けています。

そもそも「中古マンションは一点もの」。値下がりを待っている間に買われてしまった場合、同じ物件には二度と巡り合えない可能性が高いのです。

一方で、十分に物件を比較、検討しないまま急いで購入したせいで、あなたやご家族にとってよりよい物件との出会いを逃してしまうことも考えられます。管理状況など、入居してからの生活や資産価値に影響するポイントも見逃しやすくなり、結果として損をしてしまうこともあり得るでしょう。

市況や相場の将来予測ばかりに気を取られていると、あなたやご家族の人生におけるベストなタイミング、ベストな物件との出会いを逃すことにもなりかねません。
歳を取るほど住宅ローンは組みにくくなる上に、住居費(賃貸住宅の家賃など)の負担も増えますが、だからといって焦りは禁物。

もし今がマンションを購入すべきタイミングで、良い物件に巡り合えたのであれば、「現在の相場」と比べていくら安いのか・高いのかをよく検討することをおすすめします。

中古マンションの価格の成り立ち

中古マンションには、新築のような定価はありません。中古マンション価格を最終的に決めるのは売主です。

不動産会社の査定などは判断材料にはなりますが、売却時、その通りに価格をつける必要はありません。安くするのも高くするのも、売主の自由です。

良い物件を安く買えればラッキーですが、割高な物件を選んでしまったら……? お買い得なのか、割高なのかを判断することは、その物件の市場価値を見極めることでもあります。

マンションの市場価値は、「立地・築年数・広さ」の3つの要素で決まります。
新築なら間取りや内装、設備のグレードも影響しますが、中古はリフォーム・リノベーションを前提とするケースも多いので、変えようがないこの3要素で物件の価値がほぼ決定します。

また賃貸住宅だと季節による変動も大きいですが、中古マンション市場では「○月が高くなる」という傾向は、さほど強くは現れないようです。

販売価格と成約価格の両方をチェックしよう

同じエリアで、築年数や面積が同じぐらいのマンションを比較すれば適正な価格、つまり相場がわかります。

ポイントは、販売価格、成約価格の双方を調べること。
中古マンション(とくに個人売主の物件)は定価販売ではなく、最終的な成約価格は売主と買主の交渉によって決まります。販売価格通りの額で売れるとは限らないのです。

市況と相場の変化をチェックしよう

マンション相場は不変ではなく、世の中の状況によって刻々と変わっていきます。

例えば、鉄道の駅ができて交通の便が良くなれば、立地上の価値も上昇します。
景気が良くなれば、不動産も含めて取引が活発になって値上がりしますし、逆に経済状況が低調な時は値下がりもします。

そのため、市場はどんな状況にあって、相場がどのように変化しているかを理解すれば、今後の予測も立てやすくなるのです。

相場の調べ方

では、絶えず動いている相場の動向を、実際にリアルタイムで把握するにはどこを調べたらよいのか? ここでは、販売価格・成約価格・市況を調べられるポータルサイトをリストアップしてみました。

販売価格を調べる

まずは、希望エリアの平均的な販売価格を調べましょう。

ひかリノベでは、市区町村や沿線ごとに物件を探せる物件検索システム『住まい探しサポート』をご用意しています。
専有面積・駅までの時間・築年数も指定しての検索もOK。「○○線の××駅から徒歩15分以内」「築20年以内」「広さは70㎡ぐらい」など、ご希望の条件を入力して検索してみてください。一覧画面で基本的な物件の情報と、販売価格が確認できます。

成約価格を調べる

販売価格の相場がわかったら、次は成約価格の相場を調べましょう。成約価格は「レインズマーケットインフォメーション」「土地情報システム」で調べることができます。

レインズ(REINS)マーケットインフォメーションは、公益財団法人不動産流通機構による、不動産取引の情報提供サイト。
都道府県、築年数、専有面積を入力して検索すると、直近1年間の取引事例から、1㎡当たりの単価がわかります。希望の面積を掛ければ、おおよその成約価格が算出できます。

仮に1㎡当たり50万円だとすると、専有面積70㎡の物件は、50万円×70㎡=3500万円程度が、成約価格の相場ということになります。

土地総合情報システムは、国土交通省による、取引価格の情報を提供したり、地価を公示するサイトです。
エリアで検索すると、駅までの時間や築年数、面積などの条件と、過去5年間の成約価格が表示されます。

検索結果を並べ替えられるのが、このサイトのメリット。
専有面積が広い順で見てみましょう。同じぐらいの面積で、駅から5分なら○○万円、10分になると××万円、と比較するとわかりやすいかも。

マンション市場の市況を調べる

市況を調べるには、「東京カンテイ」「レインズデータライブラリー」「不動産流通推進センター」の各サイトを覗いてみましょう。

東京カンテイ 市況レポートは、市況を専門家が調査、分析したレポートから、70㎡換算の価格推移、価格の上がり下がりを天気図で表した価格天気図など、マイホームを探している人の参考になるコンテンツが揃っています。

レインズ データライブラリーは、東日本の市場動向や価格推移をチェックできるサイト。毎月の市況分析レポート(マーケットウォッチ)もわかりやすくまとまっているのでおすすめ。中部近畿西日本と、地域別のサイトもあります。

公益財団法人不動産流通推進センターは、レインズのデータを分析して掲載しています。価格の推移もグラフ化されていて一目でわかるので、データライブラリーと合わせてチェックしておきましょう。

おわりに

2023年はウクライナ・パレスチナ情勢に金利上昇と、不動産市場も影響を受けそうな変化があった年でした。そして2024年、社会の先行きがなかなか見通せない中「今、マイホームを買っていいのだろうか」と迷う心理も当然です。

一方で、住まいはわたしたちにとって最も重要なインフラのひとつ。
買い時を考えるうえで何よりも大切なのは、あなたやご家族にとって、いつマイホームを持つのが最善なのか、ライフプランに基づいて判断することではないでしょうか。
あなたやご家族にとって「今」マイホームを持つのが最善ならば、市場の状況にかかわらず、やはり「今」が買い時といえます。

不安定な時代だからこそ、専門家の意見ももちろん必要ですが、あなた自身が情報を集め、自身の価値観で判断することをおすすめします。

当社ひかリノベは物件探しとリノベーションをワンストップで提供するリノベーション会社です。宅建士の資格をもつコーディネーターが社内に在籍し、不動産会社でしか調べることができない成約情報も、不動産会社と同じように調べることができます。

「レインズマーケットインフォメーション」と「土地情報システム」はエリア単位での情報ですが、ひかリノベにご相談いただければ、より細かい住所で調査が可能です。プロレベルでの相場情報をご希望の方は、ぜひひかリノベにご相談ください!

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

三浦 英樹(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの有資格者。中古不動産購入からリノベーションの設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで理想の住まいを提供する『ひかリノベ』代表。「住宅は立地や景観、環境のよい『場所』で選び、購入と同時にリフォームやリノベーションを施すことで、自分らしい暮らしをリーズナブルに取得することが可能となります。住宅ローンの返済に縛られることのない、豊かなライフプランの実現を、家探し、家づくりを通じてサポートいたします」

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