2023年の中古マンション相場はどうなる?金利情報の影響は?

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家電卓

中古マンションは新築と違い、定価がありません。値段に比べお得な物件なのか、割高なのか判断しづらい――そんな風に感じる方も多いのでは?

中古マンション購入で損をしないためには「相場」を知ることが大切。社会情勢が不安定で金利上昇も予想されている中、不動産市場の状況、中古マンションの価格相場も大きく変動する可能性があります。

この記事では、2023年現在のマンション市場の概況、そして中古マンションの相場を知るために必要な基礎知識を解説。
また、刻々と変化する市場動向をリアルタイムで把握できる情報ポータルサイトもご紹介します。

2019年11月15日初出→2023年2月22日更新

2023年のマンション市場はどうなる?

首都圏では、この10年間ほど新築・中古を問わず、マンション価格は上昇傾向が続いています。

2022年はウクライナ情勢の影響で物価が上がり、建築費も上昇したため、新築の価格上昇に拍車がかかりました。不動産経済研究所の調査によると、2022年、首都圏における新築マンションの平均価格は6288万円、㎡単価は95.1万円。平均価格は4年連続で、㎡単価は10年連続の上昇となり、最高額を更新しています。

また、中古マンションも相場が上昇しています。

東京カンテイの調査では、2022年の平均価格は4716万円に(70㎡換算)。前年比では13.2%アップで、2年連続で二ケタの上昇となりました。新築の価格上昇によって中古を選ぶ人が増えていると見られます。

出典:東京カンテイ「2022 年・年間平均中古マンション価格 首都圏では 2 年連続の二桁上昇、年後半には鈍化の動きも」 (https://www.kantei.ne.jp/report/c2022.pdf)

出典:東京カンテイ「2022 年・年間平均中古マンション価格 首都圏では 2 年連続の二桁上昇、年後半には鈍化の動きも」(https://www.kantei.ne.jp/report/c2022.pdf

ウクライナ情勢とマンション市場

2022年の最大のトピックと言えばやはりウクライナ情勢でしょう。ロシアがウクライナに侵攻してから1年が経とうとしていますが、解決の兆しはいまだ見えません。

わたしたちの生活にもその影響は及んでおり、原材料やエネルギー価格の高騰によって食品や光熱費が値上がりしています。さらに、円安がそれに追い打ちをかけるような状況で、しばらくは物価上昇が続くと見られます。

経済の先行きが不安な人も増えているのか、中古マンションの成約数は低迷気味です。東日本レインズのデータでは、2022年12 月の首都圏における成約件数は2835件(前年比1.6%減)で、5カ月連続減となっています。

出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 MarketWatch サマリーレポート2022年 12月度」(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202212_summary.pdf)

出典:(公財)東日本不動産流通機構「月例速報 MarketWatch サマリーレポート2022年 12月度」(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/mw/mw_202212_summary.pdf

一方で、先ほど述べた通り価格は上昇を続けています。
コロナによってものの生産や流通が滞り、木材や建築資材・設備機器の価格が高騰していたところに、ウクライナ情勢の影響も加わったわけですから、新築の値上がりは避けられないところです。

また、マンションデベロッパーには、先行きへの不安から供給戸数を減らす動きも見られます。

高価で数も少ない新築は避けて中古にしよう──そんなふうに考える人が増えるのは当然かもしれません。価格だけで考えれば、中古マンションの相場が下がることは考えにくいと言えます。

2023年、金利は上昇する?

国際的には長期金利が上昇傾向にあります。

その影響で住宅ローン、とりわけ長期金利に連動する固定金利型のローンは2022年から金利が上昇しつつあります。例えばフラット35の金利は、2022年1月時点で1.300%だったのが、23年1月は1.680%と、1年間で0.3%以上上昇しています。

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移」(https://www.flat35.com/files/400359529.pdf)

出典:住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移」(https://www.flat35.com/files/400359529.pdf

メガバンク3行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)も、1月から10年固定型住宅ローンの金利を0.2~0.3%引き上げました。対して変動金利型の金利は据え置きとしています。

日本銀行は2022年12月20日、長期金利の変動幅の上限を0.5%まで引き上げることを決定しましたが、1月17・18日に開かれた政策決定会合では、現在の金融緩和策を続ける方針を固めています。

しかし、今年4月には日銀の総裁交代が予定されており、政策が大きく変わる可能性もあり得ます。緩和から引き締めに政策が転じれば、金利上昇も現実味を帯びてきます。

待つリスクと急ぐリスク

社会や経済の先行きが不透明な中、いずれはマンションの相場も下がるかもしれない、と購入をためらっている方もいるでしょう。

あるいは、金利が低いうちに購入しよう、と急いで物件を探している方もいるかもしれません。

しかし、待つ、急ぐ、どちらにもリスクはあります。

新型コロナの感染拡大当初は「コロナの影響でマンションの価格は下がる」とも言われていましたが、実際は価格は上昇し続けています。
そもそも「中古マンションは一品もの」。値下がりを待っている間に買われたら、同じ物件には二度と巡り合えない可能性は圧倒的に高いのです。

一方で、十分に物件を比較、検討しないまま急いで購入したせいで、あなたやご家族にとってよりよい物件との出会いを逃してしまうことも考えられます。管理状況など、入居してからの生活や資産価値に影響するポイントも見逃しやすくなり、結果として損をしてしまうこともあり得るでしょう。

市況や相場の将来予測ばかりに気を取られていると、あなたやご家族の人生におけるベストなタイミング、ベストな物件との出会いを逃すことにもなりかねません。
歳を取るほど住宅ローンは組みにくくなるうえ、住居費(賃貸住宅の家賃など)の負担も増えますが、だからといって焦りは禁物。

もし、今がマンションを購入すべきタイミングであり、いい物件に巡り合えたら「今の相場」と比べていくら安いのか・高いのかを見極めて検討することをおすすめします。

中古マンションの価格の成り立ち

中古マンションには、新築のような定価はありません。中古マンション価格を最終的に決めるのは売主です。

不動産会社の査定などは判断材料にはなりますが、売却時、その通りに価格をつける必要はありません。安くするのも高くするのも、売主の自由です。

良い物件を安く買えればラッキーですが、割高な物件を選んでしまったら……?

お買い得なのか、割高なのかを判断することは、その物件の市場価値を見極めることでもあります。

市場価値は、「立地」「築年数」「広さ」の3つの要素で決まります。

新築なら間取りや内装、設備のグレードも影響しますが、中古はリフォーム・リノベーションを前提とするケースも多いので、変えようがないこの3要素で物件の価値がほぼ決定します。

また賃貸住宅だと、季節による変動も大きいですが、中古マンション市場では、「○月が高くなる」という傾向は、さほど強くは現れないようです。

相場は販売価格・成約価格+市場で決まる

同じエリアで、築年数や面積が同じぐらいのマンションを比較すれば適正な価格、つまり相場がわかります。

ポイントは、販売価格、成約価格の双方を調べること。
中古マンション(とくに個人売主の物件)は定価販売ではなく、最終的な成約価格は売主と買主の交渉によって決まります。販売価格通りの額で売れるとは限らないのです。

また、相場は不変ではなく、世の中の状況によって刻々と変わっていきます。
例えば、鉄道の駅ができて交通の便が良くなれば、立地上の価値も上昇します。
景気が良くなれば、不動産も含めて取引が活発になって値上がりしますし、逆に経済状況が低調な時は値下がりもします。

そのため、市場はどんな状況にあって、相場がどのように変化しているかを理解すれば、今後の予測も立てやすくなるのです。

相場の調べ方

では、絶えず動いている相場の動向を、実際にリアルタイムで把握するにはどこを調べたらよいのか?
ここでは、販売価格・成約価格・市況を調べられるポータルサイトをリストアップしてみました。

販売価格を調べる

まずは、希望エリアの平均的な販売価格を調べましょう。

ひかリノベでは、市区町村や沿線ごとに物件を探せる物件検索システム『住まい探しサポート』をご用意しています。
専有面積・駅までの時間・築年数も指定しての検索もOK。「○○線の××駅から徒歩15分以内」「築20年以内」「広さは70㎡ぐらい」など、ご希望の条件を入力して検索してみてください。一覧画面で基本的な物件の情報と、販売価格が確認できます。

成約価格を調べる

販売価格の相場がわかったら、次は成約価格の相場を調べましょう。成約価格は「レインズマーケットインフォメーション」「土地情報システム」で調べることができます。

レインズ(REINS)マーケットインフォメーションは、公益財団法人不動産流通機構による、不動産取引の情報提供サイト。
都道府県、築年数、専有面積を入力して検索すると、直近1年間の取引事例から、1㎡当たりの単価がわかります。希望の面積を掛ければ、おおよその成約価格が算出できます。

仮に1㎡当たり50万円だとすると、専有面積70㎡の物件は、50万円×70㎡=3500万円程度が、成約価格の相場ということになります。

土地総合情報システムは、国土交通省による、取引価格の情報を提供したり、地価を公示するサイトです。
エリアで検索すると、駅までの時間や築年数、面積などの条件と、過去5年間の成約価格が表示されます。

検索結果を並べ替えられるのが、このサイトのメリット。
専有面積が広い順で見てみましょう。同じぐらいの面積で、駅から5分なら○○万円、10分になると××万円、と比較するとわかりやすいかも。

マンション市場・市況を調べる

市況を調べるには、「東京カンテイ」「レインズデータライブラリー」「不動産流通推進センター」の各サイトを覗いてみましょう。

東京カンテイ 市況レポートは、市況を専門家が調査、分析したレポートから、70㎡換算の価格推移、価格の上がり下がりを天気図で表した価格天気図など、マイホームを探している人の参考になるコンテンツが揃っています。

レインズ データライブラリーは、東日本の市場動向や価格推移をチェックできるサイト。毎月の市況分析レポート(マーケットウォッチ)もわかりやすくまとまっているのでおすすめ。中部近畿西日本と、地域別のサイトもあります。

公益財団法人不動産流通推進センターは、レインズのデータを分析して掲載しています。価格の推移もグラフ化されていて一目でわかるので、データライブラリーと合わせてチェックしておきましょう。

おわりに

2022年はウクライナ情勢に金利上昇と、不動産市場も影響を受けそうな変化があった年でした。
そして2023年、社会の先行きがなかなか見通せない中「今、マイホームを買っていいのだろうか」と迷う心理も当然です。

一方で、住まいはわたしたちにとって最も重要なインフラのひとつ。
買い時を考えるうえで何よりも大切なのは、あなたやご家族にとって、いつマイホームを持つのが最善なのか、ライフプランに基づいて判断することではないでしょうか。
あなたやご家族にとって「今」マイホームを持つのが最善ならば、市場の状況にかかわらず、やはり「今」が買い時といえます。

不安定な時代だからこそ、専門家の意見ももちろん必要ですが、あなた自身が情報を集め、自身の価値観で判断することをおすすめします。

当社ひかリノベは物件探しとリノベーションをワンストップで提供するリノベーション会社です。
宅建士の資格をもつコーディネーターが社内に在籍し、不動産会社でしか調べることができない成約情報も、不動産会社と同じように調べることができます。
「レインズマーケットインフォメーション」と「土地情報システム」はエリア単位での情報ですが、ひかリノベにご相談いただければ、より細かい住所で調査が可能です。プロレベルでの相場情報をご希望の方は、ぜひひかリノベにご相談ください!

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

三浦 英樹(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの有資格者。中古不動産購入からリノベーションの設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで理想の住まいを提供する『ひかリノベ』代表。「住宅は立地や景観、環境のよい『場所』で選び、購入と同時にリフォームやリノベーションを施すことで、自分らしい暮らしをリーズナブルに取得することが可能となります。住宅ローンの返済に縛られることのない、豊かなライフプランの実現を、家探し、家づくりを通じてサポートいたします」

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