家を買うタイミングはいつ?2024年は購入すべきか待つべきか

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いつの時代も、マイホームの「買い時」は悩みの尽きないテーマです。いまの年齢や年収で家を買って問題はないのか、ほかの人はどんなタイミングで買っているのか知りたい、と思う人も多いのではないでしょうか。

仕事、結婚、出産・子育て、老後など、人生にはさまざまなステージがあり、生活も絶えず変わっていきます。国際情勢や円安の影響で物価が上昇し、住宅価格も上がり続けている中、「いま家を買っても大丈夫なのか?」と疑問や不安を持っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、年齢・年収・ライフステージ・住宅ローンの返済や市況を踏まえ、家を買うベストなタイミングについて解説します。

データで見る「家を買うタイミング」

マイホーム購入を決断するタイミングは人それぞれですが、周りの人は「いつ・何をきっかけに」住宅を購入しているのだろう? と悩む人も少なくないのでは。

ここでは、国土交通省や住宅金融支援機構の調査データから、一般的な住宅購入のタイミングを探ってみましょう。

家を買う「年齢」の平均は?

国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、住宅の一次取得者(初めてマイホームを購入する人)の平均年齢は、30代後半~40代前半。
物件種別ごとに見ると、新築は30代が多く、中古は40代が多いという傾向がみられます。

年齢は、住宅ローンの仕組みとも関係があります。ほとんどの住宅ローンは、返済期間が最長で35年間となっています。定収入のある期間、つまり定年の65歳までに完済しようとするなら、30代前半までに住宅を購入するのがベターということになります。

金融機関の審査でも、年齢に上限を設けています。多くの銀行では、完済時年齢を80歳としています。逆算すると、35年ローンを組めるのは40代前半までということになります。ちょうど上述の、住宅一次取得者の平均年齢と一致しますね。

家を買った人の「平均年収」は?

年収は、資金計画を考えるうえで重要なポイントです。

住宅ローン審査では年収がいくらなのかを考慮して、無理なく返済していくために融資する金額が決定されます。また、毎月の返済額に無理がないかも考えなくてはなりません。

初めて住宅を購入する一次取得者の世帯年収はどれくらいでしょうか。
先ほどの国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、新築の注文住宅では、一世帯あたりの平均年収は731万円。新築分譲マンションだと923万円。中古マンションを選んだ世帯だと609万円となっています。

住宅ローンの審査では、年収だけでなく、返済額とのバランス(返済比率)がチェックされます。「1年間の返済額(利息含む)が年収の35%以内」としている銀行が多いようです。
ただし審査では、利息は後々の金利上昇を見込んで、現実の適用金利よりも高めに設定されています。主要都市銀行では、3~4%として計算している銀行が多いようです。

2023年現在の適用金利は固定金利でも1%台ですから、これをベースにする場合、「1年間の返済額が年収の20~25%以内」として計算すると、銀行の審査基準と似た金額になります。

実際、前述の国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、住宅一次取得者の返済負担率は、どの物件種別においても20%以内に収まっています。

住宅ローンの年間返済額(出典:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」)

住宅ローンの年間返済額(出典:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」


ライフステージから考える「家を買うタイミング」

先ほど「家を買った平均年齢は30~40代」と見ました。30代〜40代は、結婚・出産・子育て・子どもの進学などライフステージの変化が多い年代でもあります。

住宅金融支援機構「住宅ローン利用予定者調査(2023年4月調査)」によると、30代の住宅取得動機として多いのは「子供や家族のため」「結婚、出産を機に」というものでした。
実際に当社ひかリノベのお客様でも、結婚や家族を理由にマイホーム購入に動き出した方は多いです。

40代・50代になると、「老後の安心のため」という理由での購入が増えます。子育てが終わることや、定年退職したあとのプレシニア期をどう過ごすか考えはじめる時期でもあり、30歳前後で購入した持ち家の買い替えを検討する人も出てくる時期です。当社ひかリノベに「買い替えて引っ越そうか、いまの家をフルリノベーションをしようか迷っている」と相談に来られる方もいます。

住宅ローンの返済からみた「家を買うタイミング」

住宅ローンの返済期間は、最長35年です。

前述のとおり、多くの金融機関ではローンを利用できる年齢に上限を設けています。35年ローンを組めるのは、44歳まで。45歳以上になると、返済期間はもっと短くなります。
返済期間が短くなるということは、月々の支払額が増えるということ。ローン返済以外の生活費や教育費との兼ね合いも考慮する必要が出てくるでしょう。

また年齢だけでなく、住宅ローンの審査では健康状態もチェックされます。

多くの金融機関では、融資条件として団体信用生命保険への加入が義務付けられています。加入したいタイミングで健康面に問題があると、団信には加入することができません。健康不安が原因で住宅ローンが組めない場合もあるのです。

こうした観点からいえば、住宅ローンを組むのは健康で若いうちのほうが有利といえるでしょう。

住宅購入に悩み続けて賃貸に住んでいる間も、家賃の支払いは発生します。賃貸に住んでいる時間が長ければ長いほど、生涯の住居費は増えることになります。

住宅ローンは家賃と違い、完済というゴールがあります。完済すれば土地や建物が自分の資産として手元に残り、将来的に住み替えの必要ができたときは売却して現金化することも可能です。

2024年は家を買うべき?待つべき?

住宅の購入しやすさは、物件価格・所得・金利の三要素によって決まります。
価格や金利が上昇すれば購入は困難になり、所得が増加すれば購入は容易となりますね。

2023年は、新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが季節性インフルエンザと同じ5類となり平時対応となった一方、ロシア・ウクライナ戦争の終わりが見えない中、さらにパレスチナでも軍事衝突が起こり、日本経済にも多大な影響が及んでいます。

住宅市場は経済と密接な関係があり、2023年の変化を踏まえ、2024年の市場を展望してみましょう。

2024年、不動産価格は上がる?

不動産価格は、首都圏を中心に上がり続けています。

国土交通省が毎月発表している不動産価格指数を見てみましょう。不動産価格指数とは、2010年の平均価格を100として、不動産価格の値動きを表したものです。
2013年以降、マンション物件も戸建物件も価格が上昇していて、とくにマンション価格の高騰が著しいことが読み取れます。

不動産価格指数(出典:国土交通省「不動産価格指数」)

不動産価格指数(出典:国土交通省「不動産価格指数」

不動産経済研究所の調査によると、2023年上半期(1~6月)の首都圏の新築マンションの平均価格は8,873 万円、平米単価は 132.1 万円と、過去最高値を更新しました。
同研究所の年次調査によると、2013年の首都圏平均価格は4,929万円ですから、10年で1.8倍に上昇している計算ができます。

新築価格の上昇に伴って、中古も相場が上昇しています。
(公財)東日本不動産流通機構の調査では、2023年7-9月期の首都圏の中古マンションの平均成約価格は4,621万円。前年から6.1%の上昇で、2012年10-12月期以来44期連続で前年同期を上回り続けています。平米単価は72.61万円で、こちらも13期連続で前年同期を上回り続けています。

価格高騰の背景には、日銀の低金利政策があります。住宅ローン金利が1%を切る「超低金利」であったために、高額の物件でも買いやすい状況がありました。
さらに2022年はウクライナ、2023年はパレスチナと紛争が続き、世界経済へも影響を与えています。日本国内ではインフレや円安による資材やエネルギー価格の高騰、建設業界での人手不足を背景に、建築費が高騰しています。先行きが見えにくい状況で、デベロッパーも新築マンションの供給を絞っており、新築は「高価で、選択肢も少ない」状態が続いています。「中古を選ぼう」と考える人が増えるのは当然の流れといえます。

局地的には、再開発に伴う大規模マンションの竣工によりマンションの買い替えが進み、周辺の相場が一時的に下落する可能性も考えられます。しかし、全体として考えると中古マンション価格の相場はこれまで同様、2024年以降も価格が下降傾向になることは考えにくいと言えるでしょう。

住宅ローンの金利は上がる?

国際的に金利は上昇傾向にあり、アメリカでは住宅ローン金利が7%超まで上がっています。

その影響を受けて日本国内でも住宅ローン、とりわけ長期金利に連動する固定金利型のローンは2022年以降、徐々に金利が上昇しています。
たとえば住宅金融支援機構のフラット35(全期間固定35年ローン・融資比率9割以下・機構団信加入の場合)の金利は、2022年1月には1.30%~でしたが、2024年1月には1.87%~に上昇しました。

メガバンク三行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)も22年以降、10年固定型住宅ローンの金利を相次いで引き上げ、23年11月には各行ここ10年でもっとも高い水準に達しています。

一方で、短期金利に連動する変動金利型ローンの金利水準はまだ動きがなく、優遇後の適用金利でみると0.3%台で推移しています。

日本では住宅ローン利用者の約7割が変動金利型、約2割が固定期間選択型を利用しており、全期間固定型を選択する人は1割に満たない結果となっています。多くの人にとって、金利上昇のリスクはまだ顕在化していない状況です。

しかし、将来的には変動金利型ローンも金利が上がっていく可能性が高く、問題は「それがいつになるか」ということです。2024年中に上がるのかどうか?ということが気になる方も多いのではないでしょうか。

日銀はこの10年間、金融緩和政策を続けてきました。16年にはマイナス金利を導入しましたが、これはおもにデフレ脱却を目的としたものでした。物価が健全に上昇すれば、マイナス金利も解除される見通しです。

現在、日本の物価は上昇していますが、実質賃金は上昇しておらず、国民の可処分所得は減少している状況です。

日銀の植田総裁は23年10月の会見で、物価目標達成の見通しが得られていないとして、現行の金融緩和政策を当面継続する方針を示しましたが、見極めのポイントとして24年春の春闘を挙げ、賃金の上昇を判断材料の一つとする考えを語りました。

円安が進んでいる状況もあり判断材料は賃金だけではありませんが、まずは春闘の結果を注視したいですね。

まとめ

国際情勢の不安定化や金利政策の転換など、住宅市場の行き先は不透明です。

しかし、人生の中で住まいを見直すべきタイミングは必ずやってきます。マイホームの買い時は景気だけではなく、あなたやご家族のライフステージが決める部分も大きいのです。

価格推移や金利ばかりを気にするのではなく、正しい知識に基づいて、今の状況で無理なく買える物件を選び、資金計画をしっかり作成すれば費用に関して不安になる必要はありません。周囲の状況に振り回されすぎず、自分にとって良きタイミングを見極めながら、じっくりとマイホーム購入と向き合ってください。

当社ひかリノベでは、中古不動産の仲介からリノベーションまで、ワンストップでご提供しています。適正な予算がわからない、マイホーム検討を機に人生全体のファイナンシャルプランを見直したいなど、資金計画のご相談からサポートいたします。「そろそろマイホームを考えているけれどお金の不安が……」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

 

記事監修

三浦 英樹(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの有資格者。中古不動産購入からリノベーションの設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで理想の住まいを提供する『ひかリノベ』代表。「住宅は立地や景観、環境のよい『場所』で選び、購入と同時にリフォームやリノベーションを施すことで、自分らしい暮らしをリーズナブルに取得することが可能となります。住宅ローンの返済に縛られることのない、豊かなライフプランの実現を、家探し、家づくりを通じてサポートいたします」

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