最近、TV番組などで取り上げられる機会も多くなった「DIY(Do It Yourself)」。
自分自身で部屋のリフォームする方も増え、一大ブームになっています。
「自分で全部やるなんて無理…」と感じている方もポイントをおさえれば、セルフリノベーションは可能です。
例えば、インテリアの塗り替え、取っ手の交換などのちょっとしたアレンジ。それぞれの暮らしに合わせた間取りへの変更、アレルギーの方でも安心な無垢フローリングへの床の張り替え。このような、大規模なセルフリノベーションに挑戦される方も増えてきました。
自分で作り上げた空間は、愛着もひとしお。「自由な発想で、自分らしいデザインの住まいをつくる」ーーーそんなセルフリノベーションに挑戦したいけれど、経験もないし…学生時代も図工は苦手だった……と、踏み出せずにいる方も多いかもしれません。
今回は、自分で美しく仕上げるための方法とポイントをお伝えします!
2016年5月17日初出→2020年2月22日更新→2021年7月7日更新⇥2022年9月15日更新
目次
DIYリノベーション例
最近、ひかリノベのお客さまの中にも「DIYが好き」という方が、多くなってきました。
リノベーションの一部をセルフで施工したい、自宅でDIYを行うための作業スペースを作って欲しいーーーといったリクエストをいただくことも。
そういったお客さまが、ひかリノベのアドバイスのもと、ご自身でセルフリノベーションを完成させた3つの実例をご紹介いたします。
ケース①:トイレの壁をあざやかな色に塗装
まず1件目は、こちらのK様ご夫妻。
「トイレには鮮やかな色の壁紙を使いたい」 とのご希望でしたが、クロスではちょっとイメージが違う…。
「それでは、塗装はどうでしょう?」とデザイナーが提案したところ、「ペイントって自分でも出来るんでしょうか…?」とご相談が。
実は、以前からDIYに興味があったというK様ご夫妻。しかし、上手にできる自信がなくて挑戦できなかった、とのこと。
「そういうことでしたら、この機会にぜひ挑戦しましょう!」と、施工管理・現場の職人も、K様ご夫妻に全面協力。
養生や塗装のコツなどをアドバイスさせていただきながら、K様はじめてのDIYに挑戦です!
速乾性の水性塗料・Jカラーで、海を思わせる鮮やかなブルーに塗装します。
設備機器を入れてしまってからだと塗りにくくなってしまうため、設置前にお日にちを合わせて、作業にいらしていただきました。
ケース②:キッチン横に黒板
2件目は、もともとDIYがご趣味という奥さま。キッチン横の壁に、黒板塗装をDIYされた例です。
「家族で施工に参加して、自分たちの家を自分たちの手で作りたい!」とのお話からはじまり、収納棚とシューズラックは、奥さまが慣れた手つきでエイジング加工の塗装を。
既存の棚は、塗装剤を弾いてしまう素材だったため、まずサンドペーパーで荒らしを掛け、その上から下塗り・上塗りをして、さらにスタンプなどを施します。
キッチン横の壁の黒板塗装は、夏休み中のご長男・A君がペイントに挑戦! 黒板塗装は何度も塗り重ねて完成します。
2㎡を超える広さをムラなく塗装するのは、大人でも骨の折れる作業ですが、汗びっしょりになりながらも楽しそうなA君。
自分で塗った壁は特別。この先、見たり触ったりするたびに愛着が湧きますね!
ケース③:壁面に本棚を造作
次は、「せっかくの機会なので、本格的なDIYに挑戦してみたかった」というI様。壁面本棚をDIYされた例をご紹介します。
I様のDIY計画をアシストするため、ひかリノベ設計担当は「DIY用の下地づくり」と「作業用スペースの確保」という二つの提案を行いました。
ここ数年でDIYで家具をつくったり、自宅をプチリフォームしたりすることが一般的になり、ひかリノベのお客様の中にも「この部分は自分で施工したい!」という方が増えてきました。
「壁の塗装やタイル張りの一部をやってみたい」といった比較的小規模なものから、「造り付けの棚や机を造作したい」といった大規模なものまで、ご要望はお客様によってさまざまですが、壁一面の本棚を造作しようというケースは、ひかリノベでも初めてのことでした。
壁面に収納棚を造作するには、棚板やその上に載せるモノの重さを支えるための下地が不可欠です。
シューズインクローゼットやリビングのディスプレイ棚は、もともとDIYで仕上げる計画だったので、あらかじめ下地補強を行うことは当然…とした上で、設計担当は「実際に住んでみると新たな計画が出てくるかも」と、当初の計画には含まれていなかった部分にも下地補強を施すことを提案しました。
設計担当:「実際に、書斎の本棚は当初の計画とは逆側の壁につくることになりました。リビングと書斎の間の壁は、テレビの配線を収めるため、壁内に空間を作っていたので、それを利用して埋め込み型の本棚を作れないかと考えたんです。」
I様:「本棚はとくに重さがかかりやすいので、どれくらいの大きさまで壁が耐えられるかなど、事前に設計担当さんに相談しました。引き渡しも終えた後に連絡したんですが、どんな補強をしているのか、丁寧に説明していただきました。施工は友人に応援に来てもらって、最終的に丸一週間かかって完成しました。」
ケース④:引き渡し後、床に塗料を塗ったお宅
次は、引き渡し後に床に塗料を塗ったお宅をご紹介します。
こちらは、2日に分けて『リボス』という自然健康塗料を塗ったそう。
コツは、しっかり塗るというよりも拭き取るような感覚で塗ること。跡が残らず自然な仕上がりになりますよ。
ケース⑤:お花でお部屋を華やかに
最後にご紹介するのは、玄関にフラワーコーナーを作ったお宅です。
切ったり塗ったりといった作業が不要なので、誰でも簡単にお部屋をイメージチェンジすることができます。
このコーナーを作ったのは、実は旦那様。
リノベを機にお部屋を彩る楽しさを発見されたようで、入居後にどんどんグリーンが増えていってるそう。
本格的なDIYはまだ怖いといった方は、このように身近な素材でお部屋をアレンジすると手軽にお部屋の印象を変更できます。
DIYは準備が9割!
作業計画をリストアップする
美しく上げるコツは、手際よく進めること。
まずは作業内容を洗い出し、必要な資材と工具をリストアップしましょう。ToDoリストを作っておくと分かりやすいですね。
作業時の服装は動きやすく、汚れても良いものを準備しましょう。動きやすい服装は、けがを防ぐ意味でも大切です。
意外と見落としがちなのが、作業場所と資材置き場の確保です。
家具造作やリフォームで、木材のカットなどに挑戦される方は、ホームセンターの工作スペースが便利。
電気ノコギリなど、重くて大きな音の出る工具も無料で貸し出してくれるところが多く、工具を買う費用や時間の節約ができ、近隣住民への騒音も気にせず使用できます。
作業手順やリノベーションのアイデアは、体験型のブログや動画が参考になります。
実際に施工に入る前に目を通しておくと流れがイメージでき、スムーズに進めやすくなりますよ。
ゴミや資材の捨て方もあらかじめチェック
リノベーション後に余った資材やゴミの捨て方も、あらかじめチェックしておきましょう。
クロスの切れ端や木くず
燃えるゴミに出すこともできますが、木片は自治体によって燃えるゴミに含む場合・木片類として別途回収の場合、と扱いが異なります。
ペンキ類
ペンキは新聞紙等に染み込ませるか、固化材で固めて燃えるゴミへ。 シンクやトイレに流してはいけません。
釘・ネジ・ガラス
これらは燃えないゴミですが、量や大きさによっては産業廃棄物扱いになります。こちらも自治体によって規定が異なりますので、お住まいの市区町村のHPをご確認ください。
木材やペンキの余剰は、捨てずに保管しておけば次の機会に活かせます。木材は、雨や直射日光を避けられる場所に平らにして置きましょう。
ペンキは、缶のふち汚れをキレイに拭き取り、ふたをしっかりと閉め、冷暗所で保存しましょう。暑さや湿気は、塗料の劣化を早めますのでご注意を!
要注意! リノベーションできるところ・できないところ
賃貸は原状回復義務といって、退居のときに元々の状態に戻して返さなくてはいけないので、リノベーションには工夫が必要です。
たとえば壁を変えたいなら、ディアウォールやラブリコ等を活用し、もとの壁には手を付けない。床を変えたいなら、もとの床材の上からフロアタイルを敷き詰める。居室のドアや戸棚の扉を外したら、もとの建具は必ず保管しておきましょう。
持ち家は基本的に自由にリフォームできますが、マンションの場合は、共有部分(玄関ドア、バルコニー、躯体)には手を加えることができません。
専有部分(室内の内装や設備機器)についても、物件によっては管理規約で「床はカーペットのみ」等と決まっていることがありますので、作業前に必ず規約をご確認ください。
戸建てのセルフリノベーションはたいてい自由にできますが、間取り変更についてはプロに任せることをおすすめします。
木造住宅の間仕切り壁は、建物の構造上壊せない壁(耐力壁)や柱・梁があります。うっかり抜いてしまうと、建物の耐震性に影響が出てしまいますので、くれぐれもご注意を。
またマンション・戸建てに限らず、ガス・電気工事は資格のない方が行うと違法になります。コンセントの増設や、キッチンの設備交換といった工事は、プロにお任せください!
美しい仕上がりの秘訣は「養生」にあり
作業中とくに気を付けたいのは、施工箇所周辺を誤って傷つけたり、塗料で汚してしまったり、といった失敗です。
家具を組み立てるときは、床に布を敷いて傷を防ぐ。
壁を塗装するときは、養生テープで縁取りをして、塗料をつけたくないところはブルーシートなどで覆っておくーーーといった養生の一手間で、思わぬ失敗を防ぐことができます。
壁塗装前の養生。床や幅木など、色を乗せない箇所にカバーを。
とはいえ、「DIYは多少の失敗はご愛敬!」…という大らかな気持ちで、楽しく、無理せず取り組んでいただくことが一番です。
うっかり汚してしまった壁は、そこも一面塗ってしまえば分かりませんし、多少の傷は味わいになります。全て完璧に…と気負わずに、ご家族やお友達ともの作りを楽しんで。
もし失敗してしまったときは、プロにリカバリーの仕方を相談するのも手です。
大型ホームセンターにはDIYアドバイザーが常駐していまスノで、相談に行かれるときは施工箇所の写真を持参されると、より具体的なアドバイスが貰いやすくなりますよ。
ご紹介した実例のほかにも、輸入品の窓ガラスの取り付け・お気に入りの和室の畳を床へ……といった、リノベーションの要となる部分や仕上げを「自分で!」とお考えの方は、ぜひ打ち合わせの際にお気軽に施工管理担当にご相談ください。
工具の使い方・美しく仕上げるコツ・養生の仕方など、ひかリノベではプロの立場からお客様の理想の住まい作りにご協力させていただきます。
現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。