中古マンションのリノベーション、後悔した理由は?失敗事例から学ぶ中古リノベの注意点

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中古マンションのリノベーションは、新築よりも費用を抑えて、自分の好みに合ったデザイン、ライフスタイルに合った間取りが実現できると大変人気です。

一方で、技術的な制約やコストオーバー、思わぬトラブルによって後悔するケースもみられます。

この記事では、中古マンションのリノベーションで陥りがちな失敗事例を紹介し、これからリノベーションを計画している方が後悔しないための注意点を解説します。失敗を未然に防ぎ、理想の住まいを実現するヒントにしてくださいね。

マンションリノベーションで後悔した理由は?

中古物件のリノベーションは構造や規約の制約があり、物件によってできる工事とできない工事があります。

またマンションの管理状態や、どんな人が隣に住んでいるかなど工事で変えられない問題もあります。

ここでは、リノベーションで後悔した理由について、具体的な事例を交えて紹介していきます。

構造上の制約で希望の間取りにできない

間取り変更はリノベーションの醍醐味ですが、室内に構造上取り払えない壁があり、間取り変更の障壁となる場合があります。

マンションには、室内の間仕切壁も含めた壁で建物を支えている「壁構造」と、柱と梁で建物を支えている「ラーメン構造」の二つの種類があります。壁構造の場合、たとえばリビングを広くするために壁を取り壊そうとしても、それが建物構造を支えている構造壁であったら、壊すことはできません

出典:(一社)マンションリフォーム推進協議会「中古購入+リフォーム チェックリスト」 (http://repco.gr.jp/knowhow/checklist/check4)

出典:(一社)マンションリフォーム推進協議会「中古購入+リフォーム チェックリスト」 (http://repco.gr.jp/knowhow/checklist/check4

さらにキッチンや浴室といった水廻りの移設を計画している場合、給水・排水の配管が障壁となる場合があります。水は高い所から低い所に流れるため、配管には一定の勾配が必要となります。そのため、上階と下階の住戸を貫く竪管などを通しているパイプスペース(PS)から、あまり遠い場所に水廻りを移すことはできません

中古マンションのリノベーションを成功させるためには、物件の購入前に構造をよく確認し、希望の間取りにできるかどうかよく確認することが大切です。

マンション規約により希望のデザインにできない

マンションの管理規約によって、デザインが制限されることも。たとえば足音が下階に響かないよう、規約によって床材が指定されている場合があります

また前提として、マンションには共用部分と専有部分があります。バルコニーや玄関ドアは、住戸に接してはいるが「共用部分」。バルコニーの塗り替えや玄関ドアの交換は、一般的なマンションでは禁止となっています。

このほか、物件ごとに規約は異なるため、マンションのリノベーションを計画する際は、事前にマンション規約を確認し、希望するデザインが実現可能かどうかを確かめておきましょう。

リノベーション費用が予算をオーバー

リノベーションは、工事の内容に応じて個別に金額が決まります。そのためいくら必要なのかイメージできず、結果的にリノベーション予算が不足し、不満の残る住まいになってしまった、という失敗はよく聞かれる事例です。

中古リノベーションの場合、物件の購入の資金とリノベーションの資金が必要になるため、予算の考え方がより複雑になります。

物件購入と同時にリノベーションを行う場合、住宅ローンを利用することが可能です。
この場合、融資額(+自己資金)の範囲内で住宅購入とリノベーションを行います。

物件価格は、エリアに応じておおよその相場が決まっています。
融資額(+自己資金)からこの相場価格を差し引けば、リノベーションに掛けられる費用は自ずと決まってきます。

リノベーションに譲れないこだわりがある場合は、まずリノベーション予算を確保して、物件購入につかえる金額を逆算し、その範囲内で買える物件を探すことになります。リノベーションのプランが決まらないと工事費用も決まりませんが、おおよその概算はリノベーション会社に「リノベでやりたいこと」を伝えれば概算は可能です。

住みはじめたら隣人の生活音がうるさい

騒音問題はマンション生活とは切っても切れない課題です。

マンションは壁や床が隣戸と接しているため、一戸建てに比べて音が響きやすいため、隣の部屋の話し声やテレビの音、上階の足音は、よく聞かれる困りごとです。

リフォームや家具のレイアウトで軽減できる音もありますが、音の程度や時間帯によって限界があるので、物件選びの段階でのチェックが重要となります。

またトラブルを避けるためには、日常的なコミュニケーションも大切です。挨拶や日常的な会話を通じて良好な関係を築くことで、お互いに配慮し合えることもあるでしょう。

修繕積立金が値上げされた

マンションを購入したら、毎月ローンの支払いのほか、管理組合に管理費・修繕積立金を納めることになります。
購入時の金額がずっと続くと思っていたら、値上げが後から発生するケースもあるので注意が必要です。

マンションの修繕積立金は、将来の修繕計画をもとに10年、20年単位で値上げの必要がないよう金額設定をする場合(均等積立方式)と、新築時には安く、築年数が経ち修繕箇所が増えてきたら値上げをする場合(段階増額積立方式)があります。

段階増額積立方式を採用しているマンションは全体の43.3%(国土交通省「令和5年度 マンション総合調査」)半数近くが段階的な値上げを前提にしています。

ランニングコストは安いほど良いと考えがちですが、修繕積立金が安すぎる物件は、将来的に値上げや一時金が必要になる可能性があると覚えておきましょう。

後悔しないための物件選びとリノベーションのポイント

このように、中古マンションのリノベーションではさまざまな失敗事例があります。これらのよくある失敗事例を踏まえて、ここからは後悔しないための「物件選びのコツ」と「リノベーションのポイント」をまとめていきます。

リノベーションを前提に中古物件を購入する場合、そのまま住むことを前提とした新築や築浅の購入とは注意すべきポイントが異なります。物件購入とリノベーションをどのような手順で進めていくか、物件選びではどんなところを重点的に注意すべきかを解説します。

リノベーションでやりたいことを予め決めておく

まず重要なポイントは、「物件探しより先に、リノベーションでやりたいことを決めておくこと」です。

前述のとおり、物件によっては構造や規約上の制限で希望の間取りが実現できない場合もあります。大空間リビングにしたい、キッチンの周囲を回遊できる動線にしたい、床は無垢フローリングにしたい等、譲れない希望をまず明確にしておくことで、リノベーションの計画に合った物件を選びやすくなります。

内覧では「工事で変えられない部分」をチェック

新築や築浅物件にそのまま住む場合、内装が好みかどうかや汚れ具合、キッチン廻りの設備の機能性や、故障の有無に注目する人が多いですが、リノベーションをする場合、これらはすべて解体することが前提となるので、さほど気にしなくて良いことです。

注意すべきは、工事で変えられない部分です。
たとえば住戸の広さや眺望、陽当たり
構造壁や、PSの位置
エントランスのオートロックや防犯カメラなども個人では変えられない部分です。
内覧時には、これらの「工事で変えられない部分」に注目しましょう。

管理状態を書類で調べる

管理状態も、工事では変えられない部分です。

物件の管理状態が良好であることは、長期的な住み心地や将来的な修繕費用に直結します。管理状態がよくない物件は、居住後のトラブルや予期せぬ出費のリスクも。

管理状態は、エントランスやゴミ捨て場、駐輪場などの使われ方に表れます。きちんと整理され、美観が保たれているか、内覧では共有部分もチェックするようにしましょう。

より直接的に管理状態が表れるのが、過去の修繕履歴や今後の修繕計画といった管理書類です。

国交省のガイドラインによれば、マンションの外壁塗装や屋上防水処理などの大規模修繕は、12~15年に一度を目安に実施されるのが望ましいとされています。その際に資金が足りなければ、管理組合が借金をするか、住民から一時金が徴収される場合も。最悪、修繕資金が足りないために必要な修繕工事が見送られる可能性もあります。

建物の寿命は管理状態に左右されます。計画的に修繕が行われてきたか、過去の実績を評価できるのは、中古マンションならではの利点です。
修繕履歴や修繕計画といった管理書類は不動産会社を通じて入手できるので、必ず取り寄せて、不動産会社の担当者といっしょにチェックをしましょう。

修繕積立金の積立状況も、不動産会社を通じて確認することができます。計画的に積立されているか、長期滞納が放置されていないか、こちらもよく確認しましょう。

月々の修繕積立金の目安は、総戸数100戸・階数10階建て・床面積7,000㎡のマンションで、専有面積70㎡の住戸に住んでいる場合、月額11,900~22,400円です(国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン 令和6年改訂」)修繕積立金の金額設定が安すぎる場合、積立金額が足りなくなってしまったり、将来的な値上げの可能性もあるので注意が必要です。

物件購入とリノベーション予算の考え方

中古リノベーションでは「物件購入の予算」と「リノベーションの予算」を併せて考える必要があります。

住宅ローンを利用する場合、融資額と手持ちの自己資金の合計が、全体予算の上限となります。

物件のエリアを最優先したい場合は、まずそのエリアの相場に応じた物件の予算を確保し、リノベーションにいくらかけられるかを考えましょう。

リノベーションにこだわりたい場合は、リノベーションの予算をまず確保して、「買えるエリア」を検討することになります。

リノベーション費用の目安は、収納棚や家具の造作、設備や部材のグレード、また物件の構造や状態など、工事内容に応じて金額が大きく上下するため、一概にいくらが相場と言いにくいですが、一般的なマンションであればいくらで何ができるのか、過去の施工事例から、おおよその目安は把握できます。

下表は、一般的な60㎡のマンションを想定し、いくらで何ができるかの目安をまとめたものです。

工事内容
※マンション 60㎡を想定
予算
800万円 1,000万円 1,500万円
水まわり設備の取り換え
内装(床、壁、天井)の一新
間取り変更
造作家具や素材へのこだわり
断熱工事 × ×

データ出典:SUVACO『予算別 リノベーションでできること』

間取り変更を伴うフルリノベーションの場合は、およそ1,000万円~が目安となっています。

「ワンストップリノベーション会社」がおすすめ

2章、3章の注意点は、いずれも「マンション購入を先行するのではなく、リノベーションの計画を立ててから物件を決めること」がポイントとなっていました。そこで中古リノベーションをお考えの方におすすめしたいのが、「ワンストップリノベーション会社」の活用です。

「ワンストップリノベーション会社」とは、物件の紹介からリノベーションの設計・施工まで一貫したサービスを提供しているリノベーション会社のこと。不動産会社・設計事務所・施工会社を行き来することなく、物件購入からリノベーションの完成までひとつの窓口で完結できることが特長です。

通常の不動産会社は、不動産取引の専門家であって、建築の専門家ではありません。そのためリノベーション前提の物件探しのポイントとなる構造壁や配管経路の検討が充分にできないデメリットがあります。

その点ワンストップリノベーション会社なら、予め希望の間取りや水廻りの計画などリノベーションの概要を整理したうえで、それらの希望がかなえられる物件を、建築知識に基づいて選ぶサポートをしてもらうことができます。

住宅ローンでリノベーション資金まで借入する場合、融資申込の時点でプランと見積もりを提出する必要がありますが、そうした中古リノベーション特有のスケジュール管理も慣れており、お施主様の負担も少なくなります。

当社ひかリノベもワンストップリノベーション会社です。オーダーメイドのリノベーションと中古マンション・中古戸建の売買仲介サービスをご提供しています。
家探しからのリノベーションをご希望の方は、物件探しから設計・施工まで。居住中のご自宅のリノベーションは、工事中の仮住まい探しから設計・施工まで、ワンストップでおまかせいただけます。

中古マンションのリノベーションをご検討中の方は、ぜひ「中古リノベーション」の専門会社である当社ひかリノベにご相談ください。

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

三浦 英樹(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの有資格者。中古不動産購入からリノベーションの設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで理想の住まいを提供する『ひかリノベ』代表。「住宅は立地や景観、環境のよい『場所』で選び、購入と同時にリフォームやリノベーションを施すことで、自分らしい暮らしをリーズナブルに取得することが可能となります。住宅ローンの返済に縛られることのない、豊かなライフプランの実現を、家探し、家づくりを通じてサポートいたします」

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