カンヴァスに線を引くように

デザイナーのI様がご購入されたのは、44㎡のお部屋。コンパクトな空間を、ゆったりと贅沢にお使いいただけるように、設計の田口は思い切った間取りを提案しました。

それは空間を「斜め」に区切るプラン。ホールとリビングを繋ぐ廊下は、リビングに向かって幅が広がる台形状に。天井にはナラの木を張り、リビングより一段低く。そうすることで廊下を進むごとに視界が開け、リビングの天井を高く、また奥行きも感じられるようになりました。段差部分には間接照明をしつらえ、ゆったりとしたリビング空間をやわらかに照らします。

テラス側のワークスペースも「斜め」。段差で境界をつくり、公と私の空間を分けました。一段上り下りするだけでカチッとスイッチが切り替わります。グレイッシュな空間に映える、木のカウンターデスクは造作品。シンプルなコの字形状のデスクですが、柱を利用した本立て、デスク廻り三箇所に設けたコンセントと、I様のお仕事に必要十分な機能を備えています。

空間に合わせてご購入されたソファも斜め置きに。縦・横だけでない、「斜め」を取り入れた空間設計が、お部屋を面積以上に広く、無駄のない空間に仕上げてくれます。