中古戸建てリノベーションの基礎知識~メリット・費用・注意点


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「リノベーション」というと、メディアでは中古マンションがよく取り上げられていますが、戸建住宅ももちろんリノベーションが可能です。
中古戸建のリノベーションはマンションと違って管理規約の問題がない分、外壁の塗り替えやウッドデッキの設置、増築・減築など、より自由な家づくりを楽しむことができます。

この記事では、戸建住宅にフォーカスして、中古リノベーションのメリットや、戸建てリノベで出来ること、工事前に押さえておきたい注意点などを解説します。

2016/2/29初出→2019/4/29更新

戸建リノベのメリット~新築と比較して

マイホーム購入の選択肢として、新築か、中古かで迷っているという方も多いのではないでしょうか?
まずは新築と比較して、中古戸建リノベーションにはどんなメリットがあるのかまとめてみました。

低コストである

平成29年度住宅市場動向調査」によると、中古戸建住宅の平均購入資金は、2,857万円。一方、新築の場合は、分譲戸建住宅が3,840万円、注文戸建住宅が4,334万円(土地費用込み)です。中古と新築では1,000〜2,000万円の差があると分かります。

一般に、建物の資産的な価値は年数に応じて減額していくため、築古の建物ほど価格は安くなり、20年以上経過すれば、建物そのものの価格はほぼ底値まで下降します。
国土交通省のレポート「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、とくに木造住宅はその傾向が強く、築20年の木造戸建住宅は、ほぼ土地代のみで購入できるということです。築20年経過の中古戸建をリノベーションすれば、土地代とリノベーション費用で新築同然の家を手に入れられます。

また建物自体の価格はほぼゼロのため、将来売りに出す際も、値下がりの心配が少ないといえます。いわゆる「資産価値の安定」です。

国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」中古住宅の築年数による価格の推移

立地条件の良い場所を選べる

新築の場合、好条件の土地を探すのが難しいとされています。理想的なエリアを見つけても物件を建てられるほどの土地が無かったり、土地の条件によって物件が計画通りに建設できなくなったりといった問題がつきまといます。

中古戸建の場合、理想的なエリアに建っている住宅ごと購入できるので、新築のように条件に合う土地の「空き」を探す必要がないのがポイント。好立地のマイホームを手に入れるための近道だといえます。

中古住宅に特有の不安と、その対策

とはいえ築年数を経た建物は老朽化や、建築当時といまの法制度の違いからくる不安も残ります。考えられるリスクと対策を知っておくことは、リノベーションを検討する上で大切なことです。

建物の現状のコンディションが見えづらい

基礎や建物の枠組みとなる柱の状態は、スケルトン状態(内装や設備をすべて解体し、柱や梁といった構造体をあらわにした状態)にしなければ不明な部分があります。
場合によっては、補強が必要だと判明し、当初の想定よりリノベーション費用がかさんでしまう可能性があります。
表層リフォーム(クロスやフローリングの張り替えといった内装交換のみ行う)の場合、解体をしないので、耐震強度やシロアリ被害をチェックできないのも難点。

しかし、建物のコンディションは「インスペクション(建物状況調査)」でチェックが可能です。
「インスペクション」とは、非破壊検査で構造上主要な部分や、雨水の侵入を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏りなどを調査するものです。

瑕疵(かし)担保責任が短い、あるいは免責の場合がある

瑕疵(かし)担保責任とは、買主が購入前に気づかなかった瑕疵の修理を、売主が負担するという保証制度。新築の場合、建物の構造の欠陥や雨漏りなどは10年間の保証が受けられます。

しかし中古住宅の場合、売主の不動産会社からは2年間しか保証が受けられません。
個人売主の物件だと、保証がつかないこともあります。そして現在流通している中古住宅の多くは、個人売主の物件です。
個人間売買の場合の保証の有無や期間については、契約内容によるので、中古住宅を買うときは必ず確認しましょう。

ただし、中古物件を買ってリノベーションをする場合、リノベーション適合住宅(R5住宅)の認定を受ければ、建物の構造に関わる部分の5年間の保証を受けられます。(それ以外の部分は2年間)

ただし、R5住宅は、全てのリノベーション会社で認定が受けられるわけではないので要注意。
認定を受けるには、リノベーション協議会の会員となっているリノベーション会社を選ぶ必要があります。

築古物件は断熱リフォームがマスト

築年数が古い木造住宅では、断熱性能が充分でなく、隙間風や床からの冷気に悩まされることがままあります。
冬の夜など、まるで外で寝ているようだ……という家も。

寒い冬も快適に過ごすためには、壁・床・天井の断熱リフォームや、複層ガラスによる窓の断熱化が効果的です。

壁・床・天井の断熱リフォームとは、家の全体をくるむように、外壁の中・一階の床下・屋根裏などに断熱材を入れることで、屋外の冷気を遮断し、屋内の暖房熱を逃さないようにする工事です。

複層ガラスとは、二重(もしくは三重)の板ガラスの間に、空気(もしくはアルゴンガス)を閉じ込めた窓ガラスのこと。
対流しない空気の層が熱の移動を遮断するため、外の寒さを中に入れず、中の暖かさを外に逃しません。同時に、夏は内部の涼しさをキープできます。

これらはどちらか一方ではなく、セットで行うのがおすすめです。

「建て替えの方が早くて安い」?

中古住宅を完全に壊して建て替えるという選択肢もあります。
既存の枠組みを利用してリノベーションするより、「建て替えてしまった方が早い」という意見もときどき聞かれますが、実際はどうでしょう。

建て替えの落とし穴「再建築不可物件」

とくに住宅が密集している地域では、建て替えがそもそも認められないということが少なからずあります。

再建築不可物件」とは、道路(4m以上の幅の道路)に2m以上接していない物件は、建築基準法で建て替えが認められないというもの。
新築当時は建築基準法にこの規定がなかったため、問題なく建てられたのですが、いま建っている家を壊してしまうと、この場所に再建築をすることはできないのです。

しかし、リノベーションについては、たとえ再建築不可物件であっても、建築確認が必要ない工事に限り(つまり増築や、建物の骨組みとなる柱に手を入れる工事でない限り)認められています。

建築確認が必要かどうかは、非常に専門的な法律問題が絡むため、設計者に確認が必要です。
ひかリノベではリノベーションプランの概要を決めたうえで物件探しを行うので、買ってしまってから「希望の工事ができない物件だった」という失敗を避けることができます。

住宅購入~完工に必要な期間と費用

実際に中古住宅を買ってリノベーションするために必要な期間や流れ、そして費用について確認しましょう。

物件購入からリノベーション完成までの期間

物件探しから引渡しまで、スムーズにいけば3~4ヶ月程度です。スケジュールの無駄をなくすコツは、物件探しとプランニングを平行しておこなうこと。物件購入の段階でリノベーションプランが決まっていれば、前オーナーからカギを受け取ると同時に着工できます。
一方、物件を買ってからリノベーションをする場合、物件購入から工事が完成するまで、半年程度を見込んでおく必要があります。

物件購入とリノベーション工事にかかる費用

中古戸建とリノベーションの費用は、物件購入に係る費用とリノベーション工事にかかる費用に分けられます。もし現在の住まいを改装する場合は、リノベーション費用のみの計算となります。

物件購入に必要な費用は、土地・建物価格のほか、諸費用も計算に入れなくてはいけません。
諸費用とは、仲介手数料や登記費用・住宅ローンの事務手数料や保険料など、物件を買うために付随してかかる費用の総額をいいます。中古住宅の場合、土地・建物価格の10%程度が目安になります。

土地と建物の価格は、周辺エリアの相場と比べて割高でないかをチェックして、高い場合は値引き交渉も考えましょう。中古住宅の取引では、(新築と異なり)端数分など多少の値引きは受け入れられる場合が多いです。

中古戸建のリノベーション費用は、外観やエクステリアまで自由に手を入れられる分だけ、一口に「目安はいくら」というのは難しく、費用感を掴むにはやはり見積もりをとってみるのが正確です。
見積もりのタイミングは、物件購入前に。このタイミングでプランの概要を決めた上で、プランに合わせて物件を選ぶことで、工費の節約にも繋がります。

ひかリノベへのお見積りや、リノベーションプランのご相談は、下記の個別相談会にてお気軽にお申し付けください。

工事によっては、バリアフリー減税・省エネ減税など、税制の優遇を受けられるケースもあります。リノベーションプランを考える際は、こうした補助制度も念頭におきましょう。

事前にチェックしたい注意点

中古戸建には建物の構造や法律によって、工事内容に制限があるため注意が必要。この章ではリノベーションに向いている物件はどのようなものか、解説します。

リノベーション向きの建築と向かない建築

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出展:(一財)大阪住宅センター 工法について
http://www.osaka-jutaku.or.jp/knowledge/method.html

木造戸建ての工法は、主に木造軸組工法プレハブ工法、ツーバイフォー工法の3種類。

このうち、リノベーションに向いているのは、木造軸組工法です。
木造軸組工法は木材で柱や梁、筋交いといった骨組みをつくる、国内で最も多く普及している工法。骨組みは移動させられませんが、それ以外は自由に改装できます。

一方、リノベーションする際に注意すべき工法は、ツーバイフォー工法、プレハブ工法です。

2×4工法は北米発祥の工法で、枠組壁工法ともいいます。2~4インチの角材と合板で面を作っています。
面で支える構造のため、撤去できない壁があり、間取り変更には不向きです。

プレハブ工法は工場生産された壁や床、天井を組み立てる工法。
こちらも壁で建物を支えるため、壁を壊せず、間取り変更が困難です。

「中古を買ってリノベーション」をお考えの方は、こうした建物の構造については、不動産会社ではなく、リノベーションの設計者に事前に相談してください。
不動産会社は「不動産取引」が専門で、建築については必ずしもエキスパートとはいえない部分があるためです。
ひかリノベでは設計担当が物件探しから参加して、希望の工事ができるか否かを調べたうえで、購入を決められるシステムをとっています。

建ぺい率・容積率による制限

建物の工法の他、法律によってリノベーションが制限される場合があります。
2章で言及した再建築不可物件以外にも、建物に対して敷地が狭い物件・隣の敷地や道路が日陰に入る物件は、増改築に制限があるので確認しましょう。

建ぺい率とは、敷地面積に対する建坪の割合です。敷地面積100㎡に対し、建坪40㎡の場合、建ぺい率は40%となります。
容積率とは、敷地面積に対する延床面積の割合です。敷地面積100㎡に対し、1階の床面積50㎡・2階50㎡なら、延床面積は100㎡なので、容積率は100%となります。

建ぺい率・容積率は用途地域によって「何%まで」と決まっています。
決められた以上の大きさの家を建てたり、増築することはできません。とくに首都圏では、限界いっぱいの大きさで建てられた家がほとんどなので、あとから増築することは困難な場合が多いのです。

用途地域とは、住居・商業・工業など市街地の土地利用を定めたもので、各自治体の都市計画情報マップで簡単に調べられます。

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また、容積率は用途地域だけでなく、隣接する道路の幅によっても制限されることがあります。
建物が面している道路の幅が12m未満の場合、住居系の用途地域であれば、容積率=道路幅×0.4
たとえば道路の幅が4mの場合、容積率は4×0.4=1.6なので、160%が上限となります。

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増築して居住面積を増やしたい場合や、屋根裏を広くして居室並みにしたい場合は、とくに注意が必要です。
屋根裏は広さによって容積率にカウントされないケースがあるなど、細かく規定があるので、ここも物件購入前にリノベーション設計者に確認しましょう。

斜線制限による増築の制限

斜線制限とは、隣り合う敷地や道路の日当たりや風通しを確保するために、建物の高さを制限するもの。
斜線制限の建築可能ラインも、用途地域ごとに定められています。

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屋根の形を変えたり、階数を増やしたりする場合は注意が必要です。
必ず物件の購入前に、リノベーション設計者と建築可能ラインを確認しましょう。

防火地域・準防火地域は建材に制限あり

防火地域・準防火地域とは、市街地での火災を防ぐため、特に火に強い建物(鉄筋コンクリート造など)にするよう定められた地域です。各自治体の各自治体の都市計画情報マップで確認できます。

防火地域・準防火地域では、建物の大きさは原則として(木造の場合)100㎡まで。
また、使用できる建材が限られてきます。木造の扉やサッシを使いたい場合や、外装を一新したい場合は、建材に問題がないかどうか、リノベーション設計者に確認しておきましょう。

新築よりリーズナブルに、立地のいい物件を購入し、理想の住まいを実現できる中古リノベーション。
この記事を読んで中古住宅やリノベーションに興味をもたれた方・検討されている方は、ひかリノベであなたの理想の家や暮らしについて、より具体的に考えてみませんか?

 

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【執筆】堀田 隆大(ライター)

 

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