
不動産情報ポータルサイトを覗いてみると、何万件という中古マンションが販売されています。その中から、自分や家族の暮らしに合った物件を選ぶには、どうしたら良いのでしょうか?
住まいに対するニーズは一人ひとりのライフスタイルによって異なるため、まずは自分が必要としている条件や家計に見合った予算はいくらか、自分にとっての「理想の家」像を明確にする必要があります。
条件と予算の双方が折り合う「理想の家」を探し出すための考え方、内覧や販売情報からチェックしておきたいポイントを、実際にマンションを購入された方の体験をもとに解説します。
2017/7/1初出→2021/9/6更新
目次
まずは希望条件を洗い出して
住環境に求めるものは、一人ひとりのライフスタイルによって異なります。
たとえ住みたい街ランキング常連の横浜や、吉祥寺といったエリアでも、「勤務先が遠いので住みたいと思えない」という方も少なくないでしょう。
あなたにとって住みよい家の条件は、自分や家族の生活ありきで考える必要があります。
まずはあなた自身やご家族が住まいに求める条件をリストアップしてみましょう。
住宅情報誌やWebコラム等を見れば、「この沿線が便利」「資産価値が高いエリアはここ」といった情報が豊富に得られますが、それらはあくまで最大公約数的な良さに過ぎないのです。
そのうちあなたにとって本当に必要な条件はどれなのか、あなたの暮らし方に応じていま一度見つめ直すことが大切です。
立地・エリア選定
多くの方にとって最大の関心事は立地です。
通勤・通学時間の短縮はもちろんですが、「電車に乗っている時間は多少長くても、座って通勤したい」との理由から、あえて郊外の始発駅を選ばれる方もいます。
周辺環境、街の雰囲気もQOL(生活の質)の向上に欠かせない要素です。
毎日の買い物に便利な市街地を好まれる方もいれば、安らぎを求めて閑静な住宅地を好まれる方もいます。
子育て中のご家庭は、待機児童が少なく、保育環境が充実していることもポイントになりますね。
将来の売却も見据えて、リセールバリューが高い地域を選びたいという方は、これから開発が進む地域(都内の代表的な例を挙げると、千代田区・中央区・港区・渋谷区・品川区)駅や路線の新設予定地も狙い目になるでしょう。
また駅からの道は、実際に歩いてみることをおすすめします。
なるべくなら昼間だけでなく、夜間のようすも自分の目で確かめておきたいところ。
徒歩何分と一口にいっても、途中に坂道や階段があると感じ方が違いますし、自転車や車に乗られる方は、道が狭い・見通しが悪いと運転がストレスになります。
近年は災害による被害も多くなっています。避難経路の確認と、そもそも地震や水害の影響を受けやすい地形・地盤なのか、ハザードマップで調べておくと安心です。
建物の耐震性は建築基準法によって規定されていますが、現行の新耐震基準が施行されたのは1981年6月~。それ以前の建物は旧耐震基準に基づいて建てられています。
とはいえ、新耐震だから必ずしも安心だとか、旧耐震だから危険だと一口に言うことはできません。旧耐震の時代にも、非常に堅牢につくられたマンションは多くありますし、そもそも地盤がしっかりしていなければ、新耐震基準をクリアした建築でも倒壊・損壊のリスクがあります。
広さ・日当たり・方角
もちろん立地がよければ、そのほかの条件はどうでも良いという方は少なく、専有面積や陽当たりも重要ですね。
専有面積は家族構成から、家族がのびのび暮らせる広さ――たとえば3人以上の家族であれば、50~60㎡以上がおすすめです。
陽当たりは「南向きなら良い」と一概に言えるものではなく、周囲に背の高いビルがあるか等の事情によっても変わってくるので、内覧で直に確かめることが大切です。
予算は物件価格+諸費用・維持費で考える
マンションの購入には物件代金のほかに諸費用が掛かります。
その金額は新築で物件価格の3~5%、中古で8~10%です。
マンション購入に掛かる諸費用
マンション購入に掛かる諸費用
- 仲介手数料(売却価格×3% + 6万円)※中古の場合。新築はデベロッパーから直接購入が一般的
- ローン事務手数料(金融機関による。1~20万円・借入金額の2%※保証料なしの定率型の場合等もあり)
- ローン保証料(金融機関による。融資100万円あたり2万円前後が一般的・保証料なしの事務手数料定率型等の場合もあり)
- 火災保険料(プランによる。火災・落雷・風災10年補償+地震5年補償でおよそ13~15万円前後)
- 団体信用生命保険料(一般団信の場合金利に含まれる※疾病特約やフラット35は別途)
- 登記手数料(地域によって異なる。都内の相場は15万円前後)
- 登録免許税・固定資産税(物件の評価額によって異なる)印紙税(取引価格による。1,000円~6万円)
また購入後は管理組合に管理費・修繕積立金を収めることになりますし、固定資産税も課税されます。
こうした維持費も含めて、資金計画を考える必要があります。
住宅購入は一生で一番大きな買い物と言われます。そこで多くの方が住宅ローンを利用しますが、無理なく返せる借入額の範囲は、ライフスタイルにより異なります。
お子さまの教育費や老後資金など「何にどれだけお金を掛けたいか」はご家庭によってさまざまです。
家計を圧迫しない範囲で、住宅にいくらお金を掛けられるかは、収支の状況から個別に判断する必要があります。
現在お住まい賃貸住宅の家賃と比べて、負担は減るのか増えるのか……ということでしたら、ひかリノベの不動産情報ページにて、月々の返済額(35年ローンを想定)を掲載しています。
管理費・修繕積立金と合計した金額を、いまのお部屋にお支払いの家賃と比較してみてください。
マンション販売情報
Webで中古マンションや中古戸建の販売情報をご覧いただける、ひかリノベの物件検索システム「住まい探しサポート」。
東京・神奈川・千葉・埼玉の不動産情報をご覧いただけます。
※詳細情報の閲覧には会員登録が必要です。登録は無料ですので、お気軽にご登録くださいませ。
なおマンションのリノベーションをお考えの方は、こちらの不動産情報に工事費用の概算も掲載していますので、併せてチェックなさってみてください。
リノベーション工事に必要な費用感が不明確なまま高額のマンションを購入してしまうと、あとで工事にかけられる予算がなくなってしまう……という心配もあります。
ひかリノベではそのような失敗を避けるため、予めリノベーションプランの概要を決めてから物件紹介や内覧に臨みます。
たとえばこちらのお客さま・Oさまは当初からデザインや間取りにこだわりをお持ちだったので、リノベーション費用を確保したうえで予算内に収まる物件を探す、という選択をされました。
一方こちらのお客さま・Iさまは「お子さまがいま通っている学校から転校しなくてよいエリア」という希望を優先するため、間取り変更等の大規模なリノベーション工事が必要ない物件を選ばれました。
このように「中古を買ってリノベーション」においては、物件とリノベーションのどちらに比重を置くか、予算のバランスや程度を考えることが大切です。
リノベーション前提のマンション選び
間取りは気にしなくてもよい
間取りや内装・住宅設備機器はリフォームやリノベーションで変えられるので、とくに中古マンションを検討されている方は、実はそれほど気にかけなくても良い部分です。
しかし建物構造の問題で壁が抜けない、管理規約の成約によって床材が変更できない……という場合もあるので(とくに築年数の古い物件ほど)リノベありきで物件を探している方は、プランの概要を予め決めておく必要があります。
ひかリノベではまず、お客さまのライフスタイル――一人暮らしなのか?ファミリーか? 通勤経路は? ペットはいるか? 階数や眺望の希望は?erc……を伺い、立地・広さ・ペットの可否・階数・周辺環境といったご希望条件を明らかにするところから物件探しをスタートします。
また、その際リノベーションのご要望もお聞きして、プランを実現するために建物構造や規約の問題がない物件をプロが一緒に選んでいきます。
たとえばこちらのお客さま・Oさまは共働きで、お子さまを保育園に預けて仕事に行くという生活をされています。
そのため勤務先へのアクセスが良いこと・保育環境が充実していることを軸として、予算や周辺環境等でも折り合う物件を一緒にお探ししていきました。
当初からフルリノベーションを予定されていましたので、内装や間取りにはこだわらず、リノベーションで変えられない立地や周辺環境に条件を絞ってのお探しです。
そのため二件目の内覧で購入へと、非常にスムーズな流れで進むことができました。
リノベ向きの構造
中古マンションを購入し、同時にリノベーションを考えている方は、立地や価格だけで物件を選ぶことはもちろん「リノベーションしやすい物件か?」という点にも気を配りたいところです。
具体的には、以下のようなポイントを押さえておくと良いでしょう。
マンション構造の注意点
- 間取りを変更するときに、妨げになるような構造壁がないか
- 配管がコンクリートの中を通っており、他の場所に移動できない仕様ではないか
- 水回りの場所を変更したい場合、あまりにも理想とかけ離れた場所に水回りが配置されている物件は避ける
このようなポイントに気をつけて物件を選ぶことで、より理想的なリノベーションを行うことが可能になります。
リノベーション向き物件については、以下の記事でより詳しく解説していますので、ぜひご覧になってみてください。
築年数の選び方
ひかリノベでも度々、中古マンションは築20年以上がおすすめとお伝えしています。
購入後にリノベーションを予定している場合も、やはり築20年以上の中古マンションをおすすめします。
その理由は、以下の通りです。
築20年以上の中古マンションのメリット
- すでに物件価格が底値に近いため、安く手に入る
- 物件購入後も、今の価格より大幅に値下がりすることはないため、将来的に売却する際も損をしにくい
- 築39年以内の物件であれば、新耐震基準が適用されているため安心
- 新耐震基準が適用されていないほど古い物件(築39年以上)は、リノベーションでも改善はできない
購入価格が安価であり、安全面も考慮されている築20年以上の中古マンションはそのまま住んでも、リノベーションをする場合でもおすすめです。
失敗例から学ぶ内覧の注意点
販売情報だけでは分からないマンションの実態を確かめるには内覧が欠かせませんが、このときどこを見たら良いか分からない、という方は少なくありません。
よくあるマンション選びの失敗例
- 隣戸や外からの騒音が気になる
- わが家の生活音が響くと苦情が来た
- 風通しが悪く、冬場は結露がひどい
- 管理状態がずさんで、大規模修繕費用が足りず一時金を徴収された
- エントランスや駐輪場が整理されていないなど、共用スペースが気持ちよく使えない
- 駅からの道に該当が少なく、夜間は通るのが怖い
- 地盤がゆるい地域で、地震や水害が不安
もっとも重要なポイントは「管理状態」
こうした細かな暮らしにくさは、購入前にはなかなか思いつかないものですが、いずれも内覧でチェックが可能です。
騒音や生活音は、内覧時にシンと静かな状態をつくってみれば確かめることが出来ますね。
結露は夏場の内覧でも、窓まわりにカビやシミがないか確認できます。
修繕積立金の残高は、コーディネーターにお申し付け頂ければ調査が可能です。
ひかリノベは中古リノベーションの専門会社として、管理状態は物件選びのもっとも重要な要素の一つと考えています。
一回の大規模修繕に必要な費用は100~120万円×総戸数ですから、次の修繕予定から逆算すれば、必要な金額が溜まっているかどうか分かります。
またこのとき、長期修繕計画がきちんと立てられているか、これまでの修繕履歴の有無と合わせて確認しておきましょう。
内覧では室内はもちろんですが、駐輪場やゴミ置き場など、共用スペースの使われ方も見ておきましょう。
マンションは集合住宅ですから、住民のモラルが低いと今後のご近所トラブルが心配です。
また建物の維持管理も管理組合――つまり住民によって運営されていくので、修繕が計画どおり実施できるか、修繕積立金や管理費の滞納が発生する可能性はないか……といった不安もあります。
内覧のたびにここまでチェックするのか……とお感じになった方もいらっしゃるかもしれませんが、そんな場合のためにいるのがコーディネーターです。
お客さま一人ひとりのライフスタイルに合わせ、必要充分なポイントをしっかり押さえた方法で物件をご紹介します。どうぞ安心して、家探し・リノベーションはひかリノベにご相談ください!
当社ひかリノベは、オーダーメイドのリノベーションと中古マンション・中古戸建の売買仲介サービスをご提供しています。
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