マンションの名義を親から子に変更するには?手順・かかる税金を解説

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親子間でマンションを引き継いだ、あるいは引き継ぐ予定があるという方も多いでしょう。

自分でマンションを購入すると、不動産登記の手続きを行って所有者を自分名義にしますが、親から引き継いだ場合も、同様に名義変更の手続きが必要になります。

この記事では、親が所有しているマンションを子どもが譲り受ける場合に必要な名義変更の手続きやお金の知識をまとめて解説します。
親のマンションを引き継ぐ方はもちろん、どうしようかと迷っている方もぜひ参考にしてください。

名義変更とは

不動産(家屋・マンション、土地)を取得したら、法務局で不動産登記の手続きを行わなくてはなりません。

不動産登記とは、その不動産が誰のものであるかを証明するものです。

土地、家、建物、マンションなどの不動産の所有者は、法務省法務局の登記簿で住所・氏名等が管理されています。

相続や売買によって所有者が変わった場合は、登記簿に記載されている所有者の名義を変更する必要があります。
親から引き継いだ場合でも、購入した場合でも、同じように所定の手続きをして「たしかに自分のものである」と明らかにする必要があるのです。

名義変更をすることで、所有権や、固定資産税などの納税義務も新しい名義人に移行します。

名義変更が必要なケース

マンションの名義変更が必要なのは、「生前贈与を受けたとき」「相続したとき」「売買するとき」「財産分与されたとき(離婚した場合など)」の4つのケースです。

親のマンションを子どもが譲り受ける際に必要なのは「生前贈与を受けたとき」と「相続しとき」。それぞれのケースで、必要な手続きやかかる税金が異なります。

生前贈与を受けたとき

親または祖父母が存命中に、お金や不動産、車などの財産を子・孫に無償で譲渡することを生前贈与といいます。

贈与を受けた側は、贈与税を納める必要があります。

生前贈与は相続税の節税対策として行われることも多いですが、名義変更をしないと節税効果が得られません。

相続したとき

親や祖父母が亡くなると、所有していたマンションを子どもが相続することになります。この際も名義変更が必要です(相続登記)。

相続した額によって、相続した側に相続税が課されます。

相続時の名義変更(相続登記)は、以前は義務ではなかったのですが、2021年4月法案が設立。土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記するよう義務化されました(※2024年4月1日から)違反すると10万円の罰金刑が課されます。

名義変更の手順

生前贈与と相続、それぞれのケースで手順や必要書類は多少異なりますが、大まかには次の通りです。

①必要書類などを準備する
②贈与の契約を結ぶ/相続する人を決める
③法務局で登記の手続きを行う

必要書類

登記申請書、登記事項証明書(登記簿謄本)、固定資産評価証明書か固定資産税評価通知書(名義変更登記する年度のもの)は生前贈与、相続、どちらのケースでも必要。登記申請書と登記簿謄本は法務局、固定資産評価証明書は市町村役場で入手できます。

その他には、それぞれ以下の書類が必要になります。

生前贈与の必要書類

登記済権利証または
登記識別情報通知

購入・相続した際に法務局が発行

印鑑証明(親)

市町村役場で発行

住民票(子)

市区町村役場で発行

相続の必要書類

戸籍謄本
除籍謄本
改製原戸籍(親)

出生から死亡まで連続したもの。本籍地の市区町村役場で発行

住民票の除票または
戸籍の附票(親)

親の最後の住所があった市区町村役場で発行

印鑑証明(子)

相続人全てのものが必要。市区町村役場で発行

戸籍謄本(子)

相続人全てのものが必要。本籍地の市区町村役場で発行

住民票(子)

名義人となる相続人のもの。市区町村役場で発行

生前贈与の場合~贈与の契約

お互いに贈与の意思が確認できれば口頭でも契約自体は成立しますが、登記の際はそれを証明する書面(贈与契約書)を作成して添付することが必要になります。

贈与契約書には決まった書式はありませんが、お互いの住所・氏名、物件の情報、贈与の日付は必ず明記しておきましょう。

相続の場合~相続する人(相続人)を決める

相続人を決めるにあたっては、親(被相続人)の遺言書があればそれに従えばいいのですが(自筆の遺言書は家庭裁判所で検認の手続きが必要です)、そうでない場合は相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が相続するのかを決めてください。

遺産分割協議を行った場合、遺産分割協議書も登記時には必要になります。

あとは④法務局で登記の手続きを行うだけです。書類を不動産の管轄地の法務局に持参、または郵送するほか、オンラインで申請することも可能です。
問題がなければ、長くても14日ほどで手続きは完了。登記完了証を受け取ったら終わりです。

また、自分で手続きをする余裕がない人、ちゃんとできるか不安な人は、司法書士事務所への依頼も検討しましょう。

名義変更にかかる税金

不動産の名義を変更した場合、登録免許税が発生します。これは贈与、相続、どちらの場合も同じです。法務局で登記の手続きを行う際、収入印紙を添付して納めます。

税率は、贈与なら固定資産税評価額の2.0%(購入、財産分与の場合も同じ)、相続で同0.4%。例えば評価額が2000万円の物件なら、贈与で40万円、相続で8万円となります。

生前贈与を受けるときには、贈与税が発生します。贈与税は、贈与を受けた金額(建物なら固定資産評価額)から、基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額によって税率が決まります。
※暦年課税方式の場合。詳しくは後述

親や祖父母(直径尊属)からの贈与で、受ける側が成人(18歳以上。2022年3月31日以前は20歳以上)だと「特例贈与財産」となり、税率は10~55%となります。

基礎控除後の課税価格

税率

控除額

200万円以下

10%

400万円以下

15%

10万円

600万円以下

20%

30万円

1000万円以下

30%

90万円

1500万円以下

40%

190万円

3000万円以下

45%

265万円

4500万円以下

50%

415万円

4500万円超

55%

640万円

出典:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm

また、不動産取得税も、贈与を受けた場合には発生しますが、相続した場合は非課税となります。税率は評価額の3%(土地)、または4%(住宅)です。

名義変更時の税金を安く抑える方法

贈与にせよ相続にせよ、マンションの名義を親から子どもに変更すると、何かと税金がかかります。できれば負担は軽くしたいもの。相続税対策として生前贈与を選ぶ人もいますが、場合によっては相続して、相続税を支払うほうが安く済むこともあります。

贈与税の課税方式は、1年間(その年の1月1日~12月31日)の贈与額に応じて贈与税額を決める「暦年課税」と、贈与の際は軽減措置を受けつつ、相続時に贈与された財産、その他の相続した財産の合計額から計算された相続税額から支払済みの贈与税を精算する「相続時精算課税制度」の2つがあります。

暦年課税は、贈与する人が誰であっても利用できますが、相続時精算課税制度は60歳以上の父母・祖父母から、18歳(成人)以上の子・孫に生前贈与を行う場合に限って利用できます。

暦年課税の場合、一律で年間110万円の基礎控除があるため、1年110万円ずつ、何年かに渡って分割贈与すれば贈与税は非課税、つまり0円となります。

ただし、この場合は毎年名義変更の手続きが必要になり手間がかかるうえ、物件の評価額が高ければその分、全てを贈与するまでに多大な時間を要してしまいます。
また、分割贈与でも一括で贈与する予定だったのでは、とみなされれば、贈与税の課税対象になる可能性もあるので注意しましょう。

相続時精算課税制度は特別控除(控除額は最大2500万円)を受けることができ、複数年の贈与でも適用されます。マンションのように、比較的高額の財産を贈与するときは、贈与税額を抑えるのに有効な方法です。

2500万円を超えた際の税率も、超えた額の20%と低めなのもこの制度の利点。

注意点としては、相続時精算課税制度を選択すると、暦年課税に途中で変更することは不可能なことがあげられます(暦年課税から相続時精算課税制度への変更はOK)。贈与額によっては、相続税の負担が大きくなる可能性もあり、かえって負担が増えることも考えられます。

マンションは高額な財産ですから、いくら親子の間とはいえ引き継ぐには手間やお金がかかります。しかし、放っておくとかえって面倒なことになる恐れも…。
税制の特例なども上手に使いながら、きちんと名義変更を行って引き継ぎましょう。

※この記事の内容は、あくまで一般的な相続・生前贈与の基礎知識を解説したものです。実際にかかる税額、適用される制度等、その方のご事情によって異なる場合があります。実際に贈与を受ける場合・不動産を相続された場合は、まず税理士にご相談なさることをおすすめいたします。

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【記事監修】三浦 英樹(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー)

ひかリノベ代表 三浦 英樹

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの有資格者。中古不動産購入からリノベーションの設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで理想の住まいを提供する『ひかリノベ』代表。「住宅は立地や景観、環境のよい『場所』で選び、購入と同時にリフォームやリノベーションを施すことで、自分らしい暮らしをリーズナブルに取得することが可能となります。住宅ローンの返済に縛られることのない、豊かなライフプランの実現を、家探し、家づくりを通じてサポートいたします」

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