2023年最新|住宅ローン控除は中古物件やリフォームに使える?

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住宅ローンを組んでマイホームを購入すると、一定の期間、所得税の一部が控除される「住宅ローン控除」が適用されます。きちんと手続きをすれば、税金の還付を受けることができるのです。

新築住宅以外に「中古物件でも適用されるのか?」「リフォーム費用でも適用されるのか?」疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

住宅ローン控除制度は2022年の税制改正により、利用できる要件や控除期間・上限額などが大幅に変更されました。

今回の記事では、2023年現在、中古住宅で控除を利用するための要件、控除の期間や金額、自分で申請する際の方法について解説します。

2015年7月公開⇒2023年4月26日更新

住宅ローン控除制度の概要

まずは、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の概要についておさらいしましょう。

住宅ローン減税制度(正式名称は「住宅借入金等特別控除」)は、毎年末の住宅ローンの残高から一定割合の金額を、所得税から控除する制度です。所得税から控除しきれない場合は、住民税からも一部を控除します。
(厳密には、「毎年末の住宅ローンの残高」もしくは「住宅の取得対価」のうち、いずれか少ない方の額から一定割合を控除)

住宅であれば一戸建てでもマンションでも、新築・中古の別を問わず利用できます
また、工事費が100万円以上のリフォーム(リノベーション)も対象となります。

控除される期間と金額

2022年度の税制改正によって、住宅ローン控除制度の内容も大きく変化しました。
ポイントは、控除期間、控除率、住宅ローンの借入限度額です。
改正前は「新築/中古の別なく一律で控除期間10年、控除率は1%」「借入の限度額は新築・再販が4,000万円、中古・リフォームが2,000万円」でしたが、改正によって以下のように変更されました。

住宅ローン控除の概要(2023年度)

  • 控除期間………新築・再販は13年間、中古住宅やリフォームは10年間
  • 控除率…………新築も中古も一律7%
  • 借入限度額……新築・再販は3000万円、中古・リフォームは2000万円
  • 最大控除額……新築・再販は21万円/年、中古・リフォームは14万円/年

もう一つのポイントは、認定長期優良住宅(長期優良住宅)など「質の高い住宅」への優遇の拡充です。
控除期間・控除率は変わりませんが、借入限度額が住宅の質に応じて変わります。

まず、新築または再販の場合。

  • 認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅の認定住宅)は上限5000万円
  • ZEH水準省エネ住宅(断熱性と省エネ量がZEHの基準を満たす住宅)は上限4500万円
  • 省エネ基準適合住宅は上限4000万円

つぎに、中古・リフォームの場合。

  • 上記「質の高い住宅」は上限3000万円

また所得税から控除しきれなかった場合の住民税の控除額についても、改正で変更となりました。
改正前は「最大13万6500円」でしたが、改正後は「最大9万7500円」まで引き下げ(厳密には、2014年までの水準に戻った)となっています。

なお、上記はすべて2022年度~2023年度の制度設計です。
2024年度~2025年度は、「新築/中古の別なく一律で控除期間10年、控除率0.7%、借入限度額2000万円」で運用されることが決まっています。
さらに新築・買取再販に限っては、省エネ基準に適合している住宅であることが必須要件となり、基準に満たない新築物件は控除の対象から外れることになりました。

ここまでの内容をまとめた図表が、国交省から出ています(下図)。
住宅の質や入居年度によってこまかく設計がわかれていますが、図にするとわかりやすいですね。
なお図中の「既存住宅」というのは、中古やリフォームのことです。

出典:国土交通省「令和4年度住宅税制改正概要」 (https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001447132.pdf)

出典:国土交通省「令和4年度住宅税制改正概要」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001447132.pdf


控除を受けるための要件

住宅ローン減税を受けるためには、定められた要件を満たす必要があります。

新築・中古で共通の要件

まずは新築・中古にかかわらず満たさなくてはいけない要件から。前提として、下記の要件を満たす必要があります。

住宅ローン控除の基本の要件

  • 住宅ローンを利用して住宅を購入した
  • 所得が2000万円以下(2000万円超の年は控除されない)
  • 借入金の償還期間が10年以上
  • 購入した住宅は個人の居住用である(別荘、セカンドハウスは不可)
  • 床面積が50平方メートル以上(所得1000万円以下の世帯は40平方メートル以上)
  • 工事完了引き渡しから6ヶ月以内、控除を受ける年の12月31日までに入居する
  • 2025年12月までに入居する

要件面でも、22年改正前と後では変化がありました。

一つ目が、所得の要件が「上限3,000万円」から「上限2,000万円」まで引き下げとなったこと。
二つ目が、住宅の床面積要件が「一律50㎡以上」から「所得1000万円以下の場合、40㎡以上」に緩和されたことです。

中古住宅に特有の要件

中古住宅の場合、さらに「耐震基準に適合していること」が要件に加わります。
具体的には、1982年1月1日以降に建築された物件(登記簿上の建築日付)が当てはまります。

この築年数要件は、改正前は「木造は築20年・RC造は築25年以内であること」となっていました。改正によって緩和されたということですね。

なお、1981年以前に建築された物件でも、耐震診断を受けて「新耐震並みの耐震性がある」と認められた場合は、控除を受けることができます。
この場合、次に挙げるいずれかの書類を用意し、耐震性を証明する必要があります。

  • 耐震基準適合証明書
  • 既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)
  • 既存住宅売買瑕疵保険付き証明書(既存住宅瑕疵保険に加入する)

ここで二点、注意事項があります。
第一に、マンションの場合、耐震診断・改修は個人では不可能であるということ。
第二に、上記の証明書は物件の引渡日までに発行されている必要があるということです。

したがって、1981年以前の築古物件で住宅ローン控除を利用するためには、「すでに診断済みの物件で、必要な改修が完了しており、上記の書類も取得済みの物件」を購入する必要があります。
築40年を超えるマンションの購入を検討されている方は、物件探しの際に耐震基準適合証明書等の有無を確かめておくとよいでしょう。

控除の申請方法

住宅ローン減税制度を受けるには、初年度(入居した年の翌年)は確定申告をしなければなりません。

確定申告は、毎年2月~3月に、地域の税務署にて行います。所定の書類に計算した金額などを記入して提出しましょう。

確定申告時に必要な書類

  • 源泉徴収票
  • 住宅ローン年末残高証明書(住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書。金融機関から送られてくる)
  • 土地・建物の登記事項証明書
  • 土地・建物の売買契約書・工事請負契約書・増改築等工事証明書
  • マイナンバーカード(もしくはマイナンバー記載の住民票+本人確認書類のコピー)
  • 長期優良住宅、低炭素住宅の認定に係る証明書(長期優良住宅、低炭素住宅の場合)

会社員(給与所得者)の場合、確定申告をするのは初年度だけ。
2年目以降は、勤務先に所定の書類を提出するだけでOKです。具体的には、初めて確定申告をした年の10月中旬~下旬ごろ税務署から送られてくる「住宅借入金等特別控除申告書」と、銀行から送られてくる「借入金の年末残高等証明書」を会社に提出します。
すると会社が年末調整で手続きをしてくれます。ご自身で手続きすることはありません。

自営業の場合は、2年目以降も初年度と同様に確定申告をおこないます。

なお、申請は、世帯単位ではなく、ローンを借り入れている人(本人)が行います。
夫婦や親子でペアローンを組んでいる場合は、2人がそれぞれ控除を受けることができます。

リフォーム減税と併用はできる?

中古住宅を買ってリノベーションするなら、リフォーム減税制度を利用して、所得税の控除を受けることも可能です。
2022年の税制改正で、リフォーム減税も2年間の延長が決定しました。

リフォーム減税制度は、ローンの利用の有無を問わず利用できる税制優遇です。
対象となっている工事をおこなうと、工事費用相当額の10%が、翌年の所得税から控除されます。
また必須工事の限度額を超える部分や、同時に行うその他のリフォーム工事についても、工事費用相当額の5%が控除されます(ただし対象範囲は無制限ではなく、「必須工事全体の標準的な工事費用と同額まで」を限度額と定めています)

「工事費用相当額」とは、予め定められた「その工事にかかる標準的な費用」のこと。実際にかかった工事費用ではありません。

対象工事は、耐震、バリアフリー、省エネ、三世代同居対応(キッチンや浴室、トイレ、玄関の増設)、長期優良住宅化の5パターンです。

2022年度改正により、省エネリフォームの要件のうち窓の断熱改修は「全居室の全窓」が要件となっていましたが、これが外れ「窓の断熱改修工事」に緩和されました。

工事費用の限度額は、

  • バリアフリー工事が200万円
  • 耐震・省エネ・三世代同居対応が250万円
  • 長期優良住宅化A(耐久性向上と、耐震改修または省エネのいずれか)が250万円
  • 長期優良住宅化B(耐久性向上・耐震改修・省エネをすべておこなう)が500万円
  • 省エネまたは長期優良住宅化Aにて太陽光発電を設置する場合は350万円
  • 長期優良住宅化Bにて太陽光発電を設置する場合は600万円

最大控除額(必須工事とその他工事の合計)は、

  • バリアフリーが60万円
  • 耐震・省エネ・三世代同居が62万5000円
  • 長期優良住宅化A(耐久性向上と、耐震改修または省エネのいずれか)が62.5万円
  • 長期優良住宅化B(耐久性向上・耐震改修・省エネをすべておこなう)が75万円
  • 省エネまたは長期優良住宅化Aにて太陽光発電を設置する場合は67.5万円
  • 長期優良住宅化Bにて太陽光発電を設置する場合は80万円

上記の内容をまとめた図表が、国交省から出ています(下図)。

出典:国土交通省「令和4年度 国土交通省税制改正概要」 (https://www.mlit.go.jp/page/content/001445195.pdf)

出典:国土交通省「令和4年度 国土交通省税制改正概要」(https://www.mlit.go.jp/page/content/001445195.pdf

ただし、リフォーム減税制度は、原則として住宅ローン減税と併用することはできません

中古住宅の購入に合わせてリノベーションをするなら住宅ローン減税、居住中の自宅を自己資金でリフォームするなら投資型のリフォーム減税、という風に使い分けるのがベター。

固定資産税の軽減措置は併用可能?

また、対象の工事をおこなうと翌年の固定資産税が一定割合減額される「固定資産税の軽減措置」という制度もあります。
こちらは当初は2020年までの期間限定の措置としてスタートしましたが、2024年3月31日まで延長されることが決定しました。

対象となる工事は、リフォーム減税(所得税の減税)と同じです。
減額率は下表の通り。

 リフォームの種類 減額割合
耐震 2分の1
バリアフリー 3分の1
省エネ 3分の1
長期優良住宅化(耐震・省エネ改修で認定を受けた場合) 3分の2

こちらの制度も、住宅ローン控除との併用はできません。
が、リフォーム減税(所得税の控除)との併用は可能です。自己資金でリフォームをする場合、所得税控除を併せて利用するとよいでしょう。
(ただし、工事の内容によっては同時に受けることができないケースもあるため、利用時はリフォーム会社に個別にお確かめください)

まとめ

住まいは一生に一度の高価な買い物ですから、できる限りお得に手に入れたいもの。物件探しも大事ですが、税制優遇や補助金を活用することもまた重要です。

今回の記事では、中古住宅で住宅ローン控除を利用する際のポイントや要件などについて解説しました。

2022年の税制改正で制度が大きく変わった住宅ローン控除。
今後、2025年の入居分までは控除が適用されることが決まっていますが、それ以降は廃止もしくは制度縮小になる可能性もあります。

住宅取得資金の非課税制度に至っては、すでに2023年で終了することが決まっています。今後の最新情報をしっかりチェックしていきたいところです。

一方で、省エネリフォームの補助金制度は拡充傾向になるなど、変化が大きく混乱してしまう人も少なくないでしょう。

ひかリノベでは物件探しからリノベーション、資金計画までワンストップで住まいづくりをサポートいたします。本来であれば物件は不動産会社に、リノベーションはリノベーション会社に……といった複数社とのやり取りではなく、一社で完結することが可能です住宅ローン金利や返済の計画にも詳しい、お金に関するプロも在籍しております。住まいづくりのご不安やご質問など、ご遠慮なくお問合せください。

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記事監修

三浦 英樹(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの有資格者。中古不動産購入からリノベーションの設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで理想の住まいを提供する『ひかリノベ』代表。「住宅は立地や景観、環境のよい『場所』で選び、購入と同時にリフォームやリノベーションを施すことで、自分らしい暮らしをリーズナブルに取得することが可能となります。住宅ローンの返済に縛られることのない、豊かなライフプランの実現を、家探し、家づくりを通じてサポートいたします」

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