中古マンションを購入するときには、資金計画から物件探し、契約手続き、住宅ローンの申し込みと、引き渡しまでの間にさまざまな手続きや必要書類があります。
煩雑に思える住宅購入の流れ。ですが8つのステップで考えるとわかりやすくなります。
この記事では中古マンション購入の流れ(資金計画や不動産会社選びから、売買契約、引き渡しまで)と、気をつけるべきポイント、必要書類など、はじめての方にもわかりやすく解説します。
中古マンションの購入を検討されている方は、ぜひ参考になさってくださいね。
目次
中古マンション購入の流れ
中古マンションを購入するまでのステップは、8つに分けて考えるとわかりやすいです。
中古マンション購入の8ステップ
- STEP1. 資金計画
- STEP2. 不動産仲介会社・リノベーション会社探し
- STEP3. 物件探し
- STEP4. 物件の内見
- STEP5. 購入申し込み
- STEP6. 売買契約
- STEP7. 住宅ローン審査と金消契約
- STEP8. 決済・物件引き渡し
引き渡しまでは、最短でも1ヶ月半程度の期間が必要となります。全てがスムーズに進むとは限りませんから、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
それでは、各ステップのポイントをくわしく見ていきましょう。
STEP1. 資金計画
マンションの購入にあたり、最初に決めるべきことは「予算」です。
マイホームを購入する際、多くの人が住宅ローンを利用します。無理なく返済していける金額はいくらか? 年収と借入金のバランス、また今後のライフイベント(出産や転勤など)も考慮して、返済計画を立てましょう。
いまの家賃を参考に、月々の返済額から考えてみるのも良いでしょう。
また、頭金や諸費用として、自己資金をいくら準備できるか?
ご自分の貯蓄の中から住宅購入に使える金額、親からの援助の有無も確認しましょう。
諸費用とは、仲介手数料や登記費用など、購入に伴って発生する諸所の費用のこと。中古マンションの場合は、おおよそ物件価格の10%とみておけば問題ありません。
諸費用も住宅ローンで借入できますが、実際には諸費用相当を手付金として自己資金で用意する人が多いようです。
STEP2. 不動産仲介会社・リノベーション会社探し
予算が決まったらさっそく物件探しへ進みたくなりますが、その前に、まずパートナーとなる不動産仲介会社を決め、プロの協力のもと物件を探すことをおすすめします。
リフォームやリノベーションを検討している方は、ここでリノベーションの依頼先を決めましょう。というのも、このあとの「住宅ローン申し込み」の際、リノベーション費用の概算見積もりが必要となるため。買いたい物件を見つけてからリノベーション会社を探すのでは、スケジュールが間に合わなくなる可能性があります。
また、自分の中でどんなリノベーションがしたいか希望が決まっていても、それにかかるリノベーション費用がいくらかかるのか分からないままでは、物件自体にかけられる予算も決められません。物件を購入した後、リノベーション会社に自分の希望を伝えて見積もりをとったら、予算を大幅に超過してしまい、思ったようなリノベーションができなかった……なんてことにもなりかねません。
リノベーション会社の中には、物件購入を仲介してくれる不動産仲介会社と、リノベーションの設計・施工を請け負ってくれるリノベーション会社、両方の機能を併せ持った「ワンストップリノベーション会社」があります。中古物件を購入してリノベーションをしようと検討している方は、このワンストップリノベーション会社が便利です。
当社ひかリノベも、このワンストップリノベーション会社です。宅建士と建築士が社内に在籍し、完全内製のワンチームで、住まい探しと住まいづくりの一部始終をおまかせいただけます。
STEP3. 物件探し
不動産会社が決まったら、エリアや価格帯など希望の条件を伝え、条件にあった物件を紹介してもらいましょう。
もしくは、自分でインターネットの物件検索サイトを使って理想の物件を探しても良いでしょう。
気になる物件を見つけた場合は、不動産会社の担当者に申し出ます。公開物件は物件情報サイトに載っている問い合わせ先の会社だけでなく、どの会社でも取り扱うことができます。
不動産会社から物件を紹介されるのを待つのと、自分で物件情報を探すのと、どちらがベストかは状況によっても異なりますから、一概には言えません。
ですが、リノベーションを前提とした物件探しの場合は、紹介された物件から選ぶ方がおすすめ。希望の間取りに変更できる建物構造であるか等、「リノベーション向きであるかどうか」も考慮する必要があるためです。
当社ひかリノベでは、リノベーション会社としての建築知識と経験をもとに、リノベーションの計画を考慮して工事可能な物件を紹介しているため、よりスムーズに「リノベーション向き物件」を探すことができます。
STEP4. 物件の内見
購入したい物件が見つかったら、内見(内覧)に行き、自分の目で物件を確かめてみましょう。
内見の手配は、不動産会社を通じて行います。あなたは不動産会社の担当者に「この物件を見に行きたい」と言えばOKです。
内見では、リノベーションを希望する場合とそうでない場合で、見るべきポイントが異なります。
リノベーションを希望している場合は、既存の内装や設備は工事で解体するため、専有部(室内)の汚れや故障は重要ではありません。それよりも、立地や周辺環境・眺望・採光といった工事では変えられない部分、間取り変更の障壁となる構造壁や梁がないかといった構造的な課題をチェックしておく方が重要です。
また中古マンションの場合、とくに注意したいのが管理状態です。建物の寿命や入居後の住み心地に影響する部分であり、リノベーションでは変えられない部分でもあります。
内見では住民によるエントランスやゴミ置き場といった共用部の使われ方に注目してみてください。また、管理規約や修繕計画といった管理書類のチェックも忘れずに。これらの書類は、不動産会社が取り寄せてくれます。
当社ひかリノベでは内見にコーディネーターが同行し、プロの目で一緒に管理状態を見ていきます。また管理規約や修繕計画といった管理書類の取り寄せ・チェックもおこなっていきますので、安心してお任せください。
STEP5. 購入申し込み
内見を済ませ、購入したい物件が決まったら、不動産会社を通じて購入申込書(買付証明書)を提出します。
購入申込書(買付証明書)は、物件の売主に対して購入したい意思表示をする書面です。
この購入申込のタイミングで、価格や引き渡し日などの条件交渉を行います。交渉は仲介会社が行い、買主/売主本人が直接話し合うことはありません。
購入申込は、基本的に早い者順で受け付けられ、その後に条件交渉に入ります。といっても「必ず早い者順で購入できる」と決まっている訳ではなく、指値なしで購入申し込みをした購入希望者が優先されることもあります。
また、まだ住宅ローンの事前審査を出していない場合は、ここで金融機関に審査を申し込みます。購入希望者が複数いる場合、まだ事前審査に通っていない人は「ローンが組めずに白紙になるかもしれない」と売主に危惧され、不利になる可能性があるためです。
STEP6. 売買契約
購入申込が通ったら、正式に売買契約を結びます。
この売買契約は、購入申込後、1週間〜2週間以内に行われるのが一般的。
物件の重要事項説明、売買契約の締結、手付金の支払いが行われます。
手付金の金額は、(STEP1で前述のとおり)およそ物件価格の10%前後≒諸費用相当額を入れる、という人が多いようです。
売買契約当日に行う手続き
- 物件の重要事項説明
- 売買契約の締結
- 手付金の支払い
必要書類・用意するもの
- 印鑑(実印)
- 本人確認書類
- 手付金
- 印紙代(5000万円以下なら1万円)
STEP7. 住宅ローン審査と金消契約
住宅ローンを利用する場合は、売買契約の締結後、金融機関へ融資を申し込みます。
融資は申し込めば誰でも受けられるわけではなく、審査があります。
審査は前述の事前審査と本審査、二段階で行われます。
ここでいう「融資の申し込み」とは、本審査のことです。
審査では、年収と借入金額のバランス、物件の担保価値、契約者の健康状態などから総合的に返済能力がチェックされます。審査には下表の書類が必要です。
書類の名称 | 入手先 |
源泉徴収票(自営業の場合は確定申告書) | 勤務先 |
売買契約書 | 不動産会社 |
重要事項説明書 | |
物件の資料(チラシやパンフレット、図面など) | |
登記簿謄本 | 市区町村役場 |
印鑑証明書 | |
住民票 | |
本人確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証) 課税証明書(住民税決定通知書) |
本審査の結果が分かるまでの目安は、早くて1〜2週間程度、長ければ1ヶ月くらい。
本審査に合格したら、住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)を締び、融資実行日を決めます。通常は、基本的に決済・引き渡し日とします。
STEP8. 決済・物件引き渡し
決済・引き渡しによって、物件が名実ともにあなたのものになります。
当日は、売主・買主・不動産業者のほか、金融機関のローン担当者、登記をおこなう司法書士も同席します。
決済では売買代金の支払い(契約時に手付金として入れた金額を差し引いた残り)、仲介手数料など諸費用の支払い、固定資産税や管理費・修繕積立金の精算といったお金のやり取りを行います。
そして所有権移転登記や住宅ローンの抵当権設定登記といった登記手続きの委任、管理規約や住宅設備の取扱説明書などの書類の受け渡しが行われます。
ここで物件の鍵の受け渡しが行われ、物件の引き渡しが完了します。
決済当日に行う手続き
- 登記手続きの委任
- 融資の実行
- 売買代金の支払い
- 諸費用の支払い
- 固定資産税・管理費・修繕積立金の精算
- 管理規約・住宅設備の取扱説明書など関係書類の受け取り
- 鍵の受け取り
必要書類・用意するもの
- 印鑑(実印)
- 印鑑証明書
- 本人確認書類
- 通帳・届出印・キャッシュカード(ローンを組んだ金融機関のもの)
- 売買代金(手付金額を差し引いた分)
- 諸費用(仲介手数料・登記費用など)
- 固定資産税・都市計画税・管理費・修繕積立金の精算金
リノベーションやリフォームを行う場合
購入した物件をリフォーム・リノベーションして住む場合は、前述のとおり「ワンストップリノベーション会社」に物件探しから依頼することをおすすめします。
住宅ローンは「物件購入費用だけでなく、リノベーション費用もまとめて借りる」ことを認める銀行も多いです。別々に審査を通す手間もかからず、保証料・事務手数料などもひとつにまとめて清算できるのは大きなメリットですね。
ただし、物件の購入費用とリノベーション費用をまとめて借りるには、ローン申し込みの際にリノベーション費用の見積もりを提出しなくてはなりません。そのため、物件探しと並行してリノベーションのプランニングを進める必要があるのです。
また、マンションのリノベーションは、建物の構造や管理規約により、できること・できないことがあります。リノベーション向きの物件を探すには、専門家に内覧同行をしてもらったり、図面を確認してもらったりして、技術的な相談ができると安心です。
不動産会社と設計事務所を別々に手配し、ご自分でスケジュール管理をする方法もありますが、時間的な制約がある中、両社を行き来しながら家探しと家づくりを並行して進めるのは簡単なことではありません。
その点、ワンストップのリノベーション会社であれば窓口は一つ。家探しと家づくりの連携もとりやすく、希望のプランに合わせた物件選びがしやすいメリットがあります。
ここで注意したいのは、ワンストップリノベーションを謳っている会社のなかには、「物件探し/リノベーションは提携企業におまかせ」という会社も少なくないということ。この場合、相談窓口は一つであっても、家探しと家づくりの連携が取りづらく、購入した物件がじつは「建物構造上、希望の間取りに変更できない物件だった」というリスクも。
リノベーション会社を選ぶ際はぜひ、「不動産の専門家(宅建士)とリノベーション設計の専門家(建築士)がどちらも社内に在籍している、完全内製のリノベーション会社」かどうかに注意してみてください。
おわりに
人気のエリアや物件は、購入を希望しているライバルが複数いることもあります。気に入った物件を確実に手に入れるためにも、中古物件の購入は計画的に進めましょう。
中古物件を検討されている方は、リフォームやリノベーションを前提に考えている方も多いでしょう。リノベーション前提で物件をお探しの方は、ぜひワンストップリノベーション会社への相談をご検討ください。
当社ひかリノベは、物件探しからリノベーションの設計・施工までワンストップのリノベーション会社です。宅建資格をもつコーディネーター、建築士資格をもつデザイナー、施工管理の専任スタッフが社内に在籍し、家探しからリノベーション設計・施工まで完全内製でご提供しております。
現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードバナーより、どうぞお気軽にご覧ください。