リノベーションを成功に導くプランニングのポイント

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リノベーションは長期的に住むことを前提に行われるもの。
デザインはもちろんですが、間取りや機能面など、とくに暮らしやすさにかかわる部分は簡単に決めてしまわずに、しっかりとしたプランニングをすることが重要です。
この記事では、リノベーションで自分や家族が心地よく過ごせる生活環境を実現するための、プランニングのコツを解説します。

2016年3月30日初出→2019年6月25日更新

リノベーションの「プランニング」とは?

リノベーションのプランニングとは、部屋の間取りや設備・仕様を決定することです。
たとえば、間取りは部屋の配置や広さを図示して、現在の住まいをどのように変更するかを検討します。
また、内装のデザインや、仕様する建材・キッチンやシステムバス等の設備機器といった細かな仕様の決定も、プランニングの中に含まれます。

プランニングはリノベーションの醍醐味。自分らしいデザイン、生活をより便利にする機能――理想の住まいを思い描くのは楽しいものです。

一方で、コンセントの位置はどうするか、家具や家電の搬入のために間口はどれくらいの広さが必要かなど、考えるべきことは思った以上にたくさんあります。プランがいつまでも決まらないと、着工がどんどん遅れてしまうため、スピード感も大切です。

また、理想を追ううちにより上質な建材、より高度な機能を求めがちですが、その分費用も嵩んでしまいます。予算内で収めるために、何が必要で、何が必要でないか、優先順位をつけて決断する必要があります。

実際に暮らしてみたときに「よかった」と思えるプランを、限られた時間の中で決めていくためには、事前の準備が大切です。どのような住まいが自分の理想に叶うものかを想像し、家族でよく話し合いましょう。

打ち合わせ前に決めておくべきこと

 プランニングは、設計の専門家であるデザイナーといっしょに考えていくことになりますが、その事前準備として、暮らしの要望や、好みのデザインについて整理しておくことで、打ち合わせの際にイメージを伝えやすくなります。
また、リノベーションに掛けられる予算も、このタイミングで確認しておきましょう。

要望を整理する

どんな住まいが理想的なのか、アイデアを書き出しましょう。
リビングを広げたい、キッチンを対面型にしたい、床を無垢材フローリングにしたい等、自分の希望、家族の希望を挙げていきます。

技術的に可能かどうか、予算内で出来るかは、ここではまだ考える必要はありません。
まずはいまの家で困っていることを解消し、便利で快適な暮らしを実現するために、必要と思われることはすべて洗い出してみてください。

予算を確認する

自己資金で出せる金額はいくらあって、ローンでいくら借りるのか、具体的な予算を検討します。
家計の状況に合わせ、無理のない予算はいくらか、家族でよく話し合って決めてください。

とくに中古を買ってリノベーションをお考えの方は、住宅購入とリノベーションのトータルで予算を考える必要があります。そもそもいくら借りられるのか、それによって予算も変わる、という場合もあるでしょう。
住宅ローンの借入可能額については、審査を通じで年収や働き方、マイカーローンや学資ローンの借入状況などから、総合的に判断されますが、中でももっとも重視される年収から、おおよその目安を試算してみました。ざっくりと予算感をつかみたい、という方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

優先順位を検討する

最初に挙げた要望のすべてが実現できるとは限りません。予算の範囲内で、満足度の高いリノベーションを実現するには、より優先度の高い要望から取り入れていくことが重要です。
「絶対に譲れない条件」「できれば取り入れたい条件」「あったらいいなという条件」に振り分けておくと、プランニングの中で予算の制約が生じたときに、何が必要で、何が必要でないか、判断しやすくなります。

やりたいことの優先順位は、家族の中でも違うことがあります。プランニングに入る前の、このタイミングで、意見のすり合わせを行っておきましょう。

打ち合わせで希望を上手に伝えるコツ

リノベーション会社との打ち合わせは、設計担当者に(2章で整理した)要望や予算を伝えることから始まります。
設計担当者は、ヒアリングした情報をもとにプランをまとめ、提案します。また技術的に可能かどうか、予算の範囲内でできるか等、プロの立場からアドバイスします。

理想のイメージに限りなく近いプランを作り上げるためには、要望を具体的な形で伝えることが大切です。2章でリストアップした要望を、優先順位をつけてノートにまとめ、設計者と共有しておくと、話を進めやすくなります。

予算についても、「少なめに言っておいた方がいいのかな?」と駆け引きのように考えがちですが、ざっくばらんに金額を伝えてほしいのです。
設計者は、予算の範囲内で可能なプランをつくり、提案します。はじめに予算を少なく伝えることで、本来であれば受けられたはずの提案が、受けられなくなってしまうこともあるのです。

物件購入とプランニングはどっちが先?

中古物件を購入してリノベーションする場合は、プランニングを物件探しと並行で行いましょう。
物件の構造上、間取り変更が困難な場合や、あるいは配管や床・天井の下地のコンディションが悪く、すべて交換となったために予算をオーバーしてしまう場合など、物件によっては予定どおりに進まないことがあります。
物件購入を先行した場合、購入後にこのような問題が明らかになっても、いまさら「やっぱり買うのをやめます」というわけにはいきません。
まずプランの概要を決めた上で、設計者といっしょに物件選びを行うことで、希望のプランが実現可能な物件を選ぶことができます。

プランニングの最終期限は、住宅ローンの本審査まで。審査では、物件価格に加え、リノベーション費用の見積書を提出します。

「中古を買ってリノベーション」では、住宅ローンで物件の購入費用も、リノベーション費用もまとめて借入します。
リノベーション費用については別途リフォームローンを活用する方法もありますが、金利が割高で、また保証料などの融資に伴う諸費用も別途かかるため、無駄な出費が多くおすすめできません。
住宅ローンの融資金額が確定した後のプラン変更は、もしそれによって追加金額が発生する場合、自己資金で用意しなければなりませんので、ご注意ください。

空間別・プランニングのポイント

最後にキッチンやリビングなど、各部屋順に空間づくりのヒントを紹介します。空間ごとの特集記事がありますので、より詳しく知りたい方はそちらも併せてご覧になってみてください。

リビングダイニングのプランニング

リビングダイニングは一日でもっとも過ごす時間が長い部屋です。
広さはもちろん、窓からの採光、照明プラン、家具と内装の相性や、インテリアの配置などを総合的に、家族みんなが心地よく過ごせる間取りや内装を考えていきましょう。

キッチンのプランニング

キッチンは家事の要(かなめ)となる重要なスペース。
「キッチンの使い勝手には、とくにこだわりたい!」という方が多いのではないでしょうか。料理は運びやすいか、ごみは捨てやすいかなど、実際の動きをイメージしながら、レイアウトを考えましょう。
キッチンに立つ人数に合わせて、調理スペースの広さを確保することも重要です。
収納については、食器や調理器具を納められるだけのサイズはもちろん、取り出しやすさも考えておきたいところ。

バスルームのプランニング

「浴槽を足を伸ばせる広さにしたい」「掃除がしやすいデザインにしたい」等、バスルームにもさまざまなリクエストが聞かれる場所です。
とくに築年数が古い物件では、昔ながらのタイルの浴室で寒い、という悩みがよく聞かれます。そんな場合に検討したいのは、システムバスの導入。断熱性に優れており、在来工法に比べて暖かいです。
またミストやジャグジーなど、よりリラックスできる機能にも、各社力を入れています。メーカーショールームで体験もできるので、そうしたオプション機能についても検討してみましょう。

玄関のプランニング

マンションの玄関は、居室の広さを確保するために、最小限のスペースで、窓もないので暗く、閉鎖的になってしまっている場合が多いです。
玄関土間は、配下経路や構造壁(建物の構造上壊せない壁)の位置にもよりますが、拡張が可能です。土間を広くとることで、シューズインクローゼットを設けるなど、収納も充実しやすくなります。

プランニングでは、事前の準備と家族との相談をしっかり行えば、自分の理想の住まい像が見えてきます。
予算との兼ね合いや、建物の構造上の制約などから、決断が必要な場面もありますが、迷ったときこそ設計担当者に相談を。予算の範囲内で、目的を叶えるベストな方法を、いっしょに考えていきましょう。

当社ひかリノベは、オーダーメイドのリノベーションと中古マンション・中古戸建の売買仲介サービスをご提供しています。
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記事監修

大宮 良明(一級建築士、既存住宅状況調査技術者)

一級建築士、既存住宅状況調査技術者の有資格者。木造建築の構造計算をはじめ、安全性に配慮した設計を得意としている。「住まいのデザインは見た目のカッコよさはもちろんですが、それ以上に暮らしやすさや安全性が大切だと考えています。長い目で見て『こうして良かった』と思える家を、いっしょにつくっていきましょう」

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