和室を洋室に、和モダンに。事例で学ぶ「和室リフォーム」のコツ

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リノベーション相談会では、古い和室を洋室に改装したいという要望が多く集まります。
実際どのように改装すれば、住みやすくオシャレな居住空間に生まれ変わるのかは悩みやすいポイント。
そんな和室のリフォームやリノベーションのアイデアや、洋室化する際に気をつけるべきポイント、工事の予算や期間の考え方を、実際の施工事例をもとに解説します。

2018年4月2日初出→2019年5月18日更新

内装チェンジでオシャレな洋室に様変わり

古い和室を洋室仕様にリフォームするには、畳の張替えや真壁のクロス仕上げ、建具の交換など、さまざまな部分を一新する必要があります。
この章では、実例をもとに、和室を洋室に変える際のポイントを紹介しましょう。

床の張り替えは適切な下地処理がポイント

床の畳をフローリングやカーペット、クッションフロアなどに張り替えるだけで、和室の雰囲気は洋室へと様変わりします。

畳をフローリング等に取り替える際に気をつけるべきは、防音や断熱の性能です。
畳は厚みと弾力があるため、吸音性や遮熱性、保湿性に優れているのが特徴。築古物件では床下に断熱材や防音材などを入れていないケースが多く、畳を外すと足元が冷たく、音が響きやすい可能性があります。
事前に床の状況と張り替えたい素材の特徴を把握して、適切なものを選びましょう。

真壁と天井はもう1枚重ねて隠す

和室の壁は、柱を外に露出させたつくり(真壁)が特徴。表面素材も色染めした土を塗ったものが多く、ベージュやモスグリーンなどの色がよく用いられています。
洋風の部屋へとアレンジするには、既存の真壁の上に石膏ボードを重ねて柱を隠し、表面にクロスを貼る方法が一般的です。

和室の天井は、合板の表面にラミネートされた紙を貼った「ラミネート天井」とよばれるものが多いです。
これを洋室に改装する際は、下地は既存のものを利用して、板と板の継ぎ目をパテで均すなり、上からボードを張るなりして、表面をクロスで仕上げるのが一般的です。
もし下地が傷んでいる場合は、解体して組み直す必要があります。

あるいは下地を撤去して、梁や構造体をそのままデザインとして見せるあらわし天井という方法もあります。
表面を好みの色でペイントして、雰囲気を変えるのもよいでしょう。

襖と障子は洋風建具に交換

出入り口の襖は、戸板とレールを洋室用の引き戸に交換するだけで簡単に雰囲気を変えられます。最近は襖用の敷居でつかえる引き戸も販売されているので、この場合は戸板の交換だけでも大丈夫です。窓側の障子は、カーテンやロールスクリーンなどに交換しましょう。
引き違いの障子は半軒しか開けられませんが、カーテンなら全開にできます。
ただし鴨居にそのままカーテンレールを取り付けると、重さに負けてしまうので注意。鴨居や敷居、縦枠を撤去して、洋室用の窓枠を設置する必要があります。

和室の押し入れは布団収納がメインですが、ベッドを採用する場合はクローゼットとして使うのが便利。収納ユニットや棚を増設すれば、生活用品や小物を収納しやすくなります。
この場合、扉は2枚に折れて開くタイプの折れ戸にするのが一般的。引き違いの襖に比べて間口が大きく、荷物を出し入れしやすいのが特徴です。

和室とリビングを一体化

隣接したリビングと和室を一体化して、開放的なLDK空間にしたいという要望も多くあります。この章では一間にする際の注意すべきポイントを紹介します。

間仕切りを撤去

リビングと和室の間の壁を壊す際、壊せない壁があることに注意。
木造住宅には、建物を支えるために筋交い構造用合板が入っている壁(耐力壁)があります。
耐力壁は撤去すると、建物の歪みや倒壊の原因になる可能性があるのでNGです。

マンションは、柱と梁で支えるタイプ(ラーメン構造)が一般的ですが、築古物件ではコンクリートの壁(構造壁)で支えるタイプも少なくありません。
もし和室とリビングの間仕切りに構造壁が使われていた場合、やはり撤去は見送りとなります。

床の高さを合わせてワンフロアに

もともと和室だった場所は、畳の厚さに合わせて、床を他の部屋より低く設計している場合があります。
その場合、リビングと和室だった場所で段差ができてしまうことに注意が必要です。

木造住宅であれば、床レベルは比較的自由に調整できますが、マンションの場合、建物の構造体は共用部分のため、コンクリートを削ることはできません。したがって床レベルの高い部屋に合わせて、下地を組み直す工事が必要になります。
天井高が低い物件だと、床が上がることで、圧迫感が出てしまう場合があるので要注意。

天井の高さを合わせる

和室部分の天井の高さが違っているのを、揃えたい場合、下地を組み直す必要があります。
このとき注意すべきは、排気ダクトの配管です。
配管を切り回すための空間が天井裏に充分でない場合、その部分だけ梁のように天井が下がることになります。
なるべく凹凸が目立たないようにしたいなら、空調設備やキッチン(換気扇)などの排気経路をよく考える必要があります。

和モダンな空間づくりのコツは?

和と洋の両方のスタイルを部屋に取り入れたい場合、どのようにデザインすればよいのでしょうか? この章では、和モダンな雰囲気の部屋づくりのコツを紹介します。

縁なし畳でカジュアルな和室を演出

和室の畳は、最近流行りの琉球畳など縁(へり)のないタイプに取り替えるだけでも、雰囲気がガラリと変わります。
ヘリの部分がない分、スッキリとしたデザインが特徴。さまざまな色が選べ、2色を交互に配置して床をオシャレに演出できます。
ソファやコーヒーテーブルといった洋家具との相性がよく、カジュアルな雰囲気の和室を作り出せるのも魅力的です。

段差を利用した小上がりの和室スペース

小上がり部分に収納を設けた例

和室とリビングを一体化して、LDKの一角にタタミスペースを設ける「半独立」型の空間が流行しています。

あえて段差を強調して小上がりのスペースにすれば、ベンチのように腰掛けられます。また床下に空間が空いた分、収納も可能です。真ん中をくり抜くように設計して、掘り炬燵を設置するのも魅力的です。

和洋折衷のコツは、何を残すか

和室部分の何を取捨選択するかで、部屋の雰囲気はガラリと変わります。
モダンな和空間には、軽やかな洋室仕様の内装がぴったり。畳以外の内装をすべて洋風にしたり、真壁の木の柱だけを残したりと、工夫次第でレトロ感を演出できます。

また寝具のような大きな家具に合わせて、扉や押し入れなどのデザインを変更するのもおすすめ。全体のバランスを見ながら調整しましょう。

リノベーションの費用と工期の見積もり

和室リノベーションの工事費用はいくら掛かるのか、期間はどれほどを想定すればいいのか、設計や施工の業者はどう選ぶのか。具体的なリノベーションのプロセスについて紹介します。

費用はいくらかかる?

室内の何をどう改装するかで工事費用も変わります。
ベーシックなグレードのフローリングやクロスを使うとして、和室(8畳)の内装・建具・押入れをひととおり洋室仕様にする場合は、概算で約100万円~。とはいえ、用いる内装素材のグレードによって、価格には幅があります。
さらにリビングと和室を一体化させる場合は、既存の床や天井などの構造によって価格は大きく変わりますから、見積もりを取るのがやはり正確です。

ひかリノベへのお見積り依頼は、下記の個別相談にて承っております。
「小上がりの畳スペースをつくりたい」等のご希望に応じて、プラン提案と、必要な費用の目安をご提示いたします。

工期はどれくらいの長さを想定すればいい?

費用と同様、工事にかかる期間も手を入れる部位・範囲によって変わってきます。

8畳間を想定した場合、床を畳からフローリングに張り替える工事は、平均3~5日。
内装一式(床・壁・天井・建具)を変更する場合は、平均1~2週間。
既存の和室とリビングと一体化する場合は、間取り変更を伴うため、数ヶ月単位を見込んでおく必要があります。特にマンションの間取りはLDKが生活空間の中心になりがちのため、工事中はマンスリーアパートで仮住まいという選択肢も考えた方がよいでしょう。

和室の印象を変えるインテリアのアイデア

簡単なDIYやインテリアの模様替えだけでも、気軽に和室の印象を変えることは可能です。
この章では誰でも手軽にできる「セルフリノベーション」のアイデアを紹介します。

初心者OKのお手軽DIY

パネルを重ねたりクロスを貼ったりといったDIYは、あまり経験がない方でも気軽にチャレンジできます。

例えば、畳の上からウッドカーペットを敷けば、フローリング調のフロアに様変わり。木目だけでなく、コルクやタイル風のデザインもあるので、好みに合わせて選んでみましょう。

障子のある窓には、ロールスクリーンを設置するのもおすすめです。カーテンの設置とは異なり、ロールスクリーンは軽量で、レールの取り付けも手軽。引き違いの障子がなくなるだけで、窓を全開にでき、薄暗い和室が明るくなります。

飾り気のない襖は、華やかなクロスで飾り付け。最近は水で貼れる襖紙や、裏面がシールになっている襖紙が流通しているので、利用するのも良いでしょう。もとの襖紙を下地にすれば、失敗してもあとから剥がせます。花柄や幾何学模様、ナチュラルな木目調など、デザインも豊富です。

インテリアで和の空間をオシャレに彩る

畳の床に絨毯とテーブル&チェアを組み合わせると、大正ロマン風の部屋に様変わり。重厚なカラーリングとヴィンテージな素材感のある家具を設置するのがポイント。ガラス扉の茶箪笥や本棚といったアンティーク家具もよく合います。

また、ナチュラルな素材感とカラーリングが特徴の北欧家具は、意外に和室とフィットします。モスグリーンやベージュの砂壁は、ニュートラルな質感のローテーブルやボタニカルカラーのソファにもぴったりです。

あえてコタツやちゃぶ台、吊り下げ照明など、昭和レトロなインテリアを揃えるのも人気です。昔ながらの和室との相性はぴったり。
ヴィンテージ感のある木製家具を中心に、座布団・クッションといったファブリック類で差し色を入れるスタイルにすれば、現代的なエッセンスがプラスできます。

ひかリノベは築古物件の施工経験も豊富。そうした和室のリフォーム設計や施工に関する知識の蓄積があります。お見積もりやプランのご相談は個別相談会から。皆さまどうぞお気軽にお申し込みください。


【記事監修】大宮 良明(ひかリノベ両国デザイナー )

一級建築士、既存住宅状況調査技術者の有資格者。木造建築の構造計算をはじめ、安全性に配慮した設計を得意としている。「住まいのデザインは見た目のカッコよさはもちろんですが、それ以上に暮らしやすさや安全性が大切だと考えています。長い目で見て『こうして良かった』と思える家を、いっしょにつくっていきましょう」。


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