和室を洋室にリフォーム。費用・工事方法と注意点・事例を紹介

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持て余しがちな中古住宅や中古マンションの和室。使い勝手がいい洋室にリフォームしたい、とお考えの方は多いのでは。

畳はカビが発生しやすく、定期的な張替えも必要。洋室との段差も生じることから、使い勝手が良いバリアフリー化を目的として「和室を洋室にリフォームする」という要望は多いです。

こちらの記事では、内装を変えて洋室にする方法や、和室とリビングを一体化するリフォームについて、実例を通してご紹介していきます。実際にリフォーム・リノベーションにかかる費用もご紹介していきますので、予算の参考になさってくださいね。

和室の内装をリフォームで洋室化

和室の特徴といえば「畳の床」、柱や梁が表に出た「真壁」、「天井板」を見せた天井、襖や障子といった「和の建具」。

畳敷きの床をフローリングに、障子などの建具を洋風ドアに、押入れをクローゼット収納に――内装を変えることで、和室を洋室化できます。
内装のみの変更となるので、工期は比較的短く、リフォーム費用もそれほどかかりません。

床を畳からフローリングに

和室といえば畳の床です。洋室化というと、床をフローリングやタイルといった洋の材に変えることをまずイメージされる方が多いのではないでしょうか。

和室の畳をフローリングにする場合、適切な下地処理を施すことが重要となります。
畳とフローリングではもともとの厚みが異なるため、隣り合う部屋との段差を下地材(根太など)で調整する必要が出てきます。

写真の事例では、空間の一部が和室空間でした。壁を取り払い、一室の広いLDKとするにあたり、畳からフローリングへと仕上げを変更するだけでなく、下地組みで床の段差を解消しています。

また、築年数が経った住宅の床下地には断熱材が入っていないことが多いため、遮音性や断熱性をアップする目的で断熱材を追加する工事を検討される方もいます。

壁・天井を洋室仕様に

柱や梁がみえる「真壁」は、和室ならではの壁構造。
洋室では、柱や梁を隠す「大壁」が一般的です。

真壁から大壁に変更するには、既存の真壁を解体して下地から組み直す方法と、既存の真壁の上からボードを全体に張り、クロスや塗装で仕上げる方法があります。
写真の事例では、後者の上張りの方法をとり、漆喰で仕上げて大壁に変更しました。

天井板がみえる天井も、壁と同様、解体または上から一枚重ねる方法で洋室仕様に変更できます。上記の事例では、天井も壁と同じく上張りで仕上げました。

壁や天井を重ねるリノベーションは、壁と壁のあいだに空間ができるため、断熱や防音効果も得られ一石二鳥です。

襖や障子を洋風建具に

ふすまや障子といった建具は、和の象徴的なマテリアル。これらの建具を洋風の扉(引き戸)に交換するだけでも、洋風の雰囲気になります。

ふすまや障子は床に敷居があり、その上を滑らすようにして開け閉めしているため、床をバリアフリーにするには敷居を撤去し、戸の枠ごと交換する方法が採られます。

引き戸から引き戸への交換は比較的簡単な工事ですが、引き戸から開き戸など、開閉方法が変わるリフォームでは工事期間や工事費がかかる場合があります。

和室を解体しリビングと一体化

一昔前の建売住宅では、フローリング張りのLDKの隣に和室が付いているというタイプの間取りが一般的でした。しかし、実際にそういった間取りに住まわれている方も、客間や子どもの遊び場として使う以外は、あまり和室を活用できていないというケースも多いのではないでしょうか。

そういった場合には、思い切って和室をリビングと一体化させ、リビングスペースを広げるリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。家族が集まるリビングを大きくすることで空間にゆとりが生まれ、よりリラックスできるスペースになります。

もともと洋室と和室に分かれていた部屋を一体化する場合、どんな工事が必要になるのか見ていきましょう。

間仕切りを撤去

写真の事例はマンションのリノベーション事例です。リビングと隣り合った和室の間仕切りを撤去し、広々としたLDKにリノベーションしています。

マンションでの間取り変更では、注意しなければならないポイントがあります。マンションの建物内には「共用部分」と「専有部分」とがあり、所有者が自由にリフォームできるのは専有部分に限られます。建物の構造強度に係る躯体部分は共用部分となるため、手を加えることができません。

マンションの建物構造には「ラーメン構造」と「壁構造」があり、後者の壁構造では、リビングと和室の間の壁が「建物を支える躯体の一部」である場合があります。つまり、撤去できない可能性があるということ。

間仕切り壁の撤去が可能かどうかは、リフォーム設計・施工の専門家が図面を検討したり、現地を確認したりして判断します。リフォームを検討している物件がマンションである場合、ぜひマンションリフォームの経験が豊富なリフォーム会社を選ぶようにしましょう。

床の高さを合わせる

こちらの写真も、マンションのリノベーション事例です。
もともとはダイニングキッチンとリビング、二つの和室が壁や建具で仕切られていた空間でした。寝室となる一部屋を除いて間仕切りを無くし、広々としたLDKにリノベーションしています。幸いすべての壁が撤去可能な構造だったため、このように大胆な間取り変更が可能になりました。

リノベーション前の間取りでは和室や洋室が隣り合っており、床に段差が生じていました。畳はフローリングに比べて厚みがあるため、洋室より和室のほうが畳厚分高めに仕上がっている場合が多いです。翻っていえば、仕上げ面に段差がない場合、和室側の床下地は洋室より低めに組んでいるということ。

写真の事例では、床下地から解体する「スケルトンリフォーム」を採用し、違和感のない一体空間に生まれ変わりました。

天井の高さを合わせる

和室と洋室が混在している場合、天井の高さが部屋ごとに違っているケースも。間仕切り壁を取り払っても、天井の高さが違うと一体感が生まれにくいもの。天井の高さを同じにすることで、違和感のない一体空間となり、圧迫感も解消されます。

写真の事例は、スケルトンリノベーションで既存の床や天井の下地を解体。床は下地を組みなおし、天井は躯体のコンクリートをそのまま見せる「あらわし天井」を採用しました。下地を組まないため、天井を最大限に高く確保できる手法です。

ただし「あらわし天井」にできる物件は一定の条件があります。躯体がある程度綺麗な状態であること、最上階の住戸でないこと等。最上階の部屋で天井を躯体あらわしにすると、結露が起きたり、夏の暑さ・冬の寒さを防げなくなってしまう可能性があります。
また、ダウンライトを取り付ける場合もあらわし天井にはできません。ダウンライトは天井の「中」に照明を取り付けるため、照明が入る分だけ天井を下げる必要があります。

和テイストを残し「和モダン」な空間に

和室を洋風に変更する際、あえて和のテイストを残すのもおしゃれ。

洋室にも馴染む縁なしの畳や、無垢材を使用した格子間仕切りなど、和の要素をモダンに取り入れるアイデアをご紹介します。

軽やかな印象の縁なし畳

縁なしのカジュアルな畳

縁なしのカジュアルな畳

格子状に配置した縁なし畳は、最近の和室のトレンドです。縁がないため、スッキリとしたカジュアルな印象を演出してくれます。洋風のリビングともよく調和し、リビングから出入りする和室におすすめ。

ただし縁のない畳は縁部分が保護されていないため、どうしても擦り切れやすくなります。樹脂製や和紙製といった丈夫な素材を使った畳によって、強度をアップさせると良いでしょう。

小上がりの畳スペース

写真の事例では、土間からすぐの場所に腰掛けられる高さの小上がり和室を設けました。玄関に来たお客さんが靴を脱がなくても畳に腰かけ、お茶を飲んだり会話に花を咲かせたりすることができる、縁側のようなスペースになっています。引き戸を閉めると個室に早変わり。来客時には客間として利用できます。

また、段差を利用して収納を増やせるのも小上がり空間のメリット。本事例では、畳を上げると中に季節家電などを収容できる大物収納を設けています。

格子間仕切りでゆるやかにゾーニング

空間を壁で遮蔽するのではなく、ほんのりと視線を遮る格子を立てることで、ゆるやかなつながりを感じられる間仕切りになります。

写真の事例では、リビングに隣接する書斎の間仕切りに縦格子を採用。仕事中もほんのりと家族の気配が感じられる空間に。

本事例の格子間仕切りは無垢材を使用したため、歪みやたわみが生じるリスクが。それを防止するため、横ラインの棚をランダムに設置し、飼っている猫ちゃんのキャットウォークも兼ねました。

工事費用と工期の目安

和室に限らず、リフォームやリノベーションの費用は、工事規模や工事内容によって個別に決まります。
ここでは工事内容ごとの費用の目安と、工事期間について解説します。

費用のめやす

リフォームやリノベーションの費用は「どの部分を」「どんな風に改装するか」で大幅に変わってきます。

工事範囲が床だけの場合、畳からフローリングへの変更は、6畳の部屋で20万円前後。
壁紙の交換だけなら10万円以下と安く済むこともありますが、室内全体に及ぶ大規模改修では数百万円~1,000万円以上かかることも。

上でご紹介した内装全体を和から洋に変える場合では、8畳の部屋で100万円~が相場です。

間取り変更を要する工事では、㎡当たり15~20万円がめやすの金額になります。
ただし内装に使用する材料のグレード、建具の機能によって見積もり価格が変わってきます。
マンションか一戸建てかに応じて工事の方法が変わってきますし、既存の構造や劣化具合によっては追加で補修費用が必要となるケースもあります。

下記の表は、専有面積60㎡のマンションの一室を例に、800万円~1,500万円で「何ができるか」をまとめたもの。ひかリノベも加盟しているリノベーション会社ポータルサイト『SUVACO』調べによる、一般的な工事費用のめやすです。

工事内容
※マンション 60㎡を想定
予算
800万円 1,000万円 1,500万円
水まわり設備の取り換え
内装(床、壁、天井)の一新
間取り変更
造作家具や素材へのこだわり
断熱工事 × ×

工期のめやす

費用と同様、工事にかかる期間も手を入れる部位と範囲によって変わってきます。

8畳間を想定した場合。床を畳からフローリングに張り替える工事は、平均3~5日。
内装一式(床・壁・天井・建具)を変更する場合は、平均1~2週間。
既存の和室とリビングと一体化する場合は、間取り変更を伴うため、数ヶ月単位を見込んでおく必要があります。

とくに、マンションの間取りはLDKが生活空間の中心になりがちなため、「工事中はマンスリーアパートで仮住まい」という選択肢も考えた方がよいでしょう。
その場合、賃貸物件に住むことになるため、工事完了までの家賃も予算に組み込む必要があります。

自分でできる和室の印象を変えるアイデア

簡単なDIYやインテリアの模様替えで、気軽に和室の印象を変えることは可能です。
ここでは、誰でも手軽にできる「セルフリノベーション」のアイデアを紹介します。

初心者OKのお手軽DIY

パネルを重ねたりクロスを貼ったりといったDIYは、あまり経験がない方でも気軽にチャレンジできます。

例えば、畳の上からウッドカーペットを敷けば、フローリング調のフロアに様変わり。木目だけでなく、コルクやタイル風のデザインもあるので、好みに合わせて選んでみましょう。

障子のある窓には、ロールスクリーンを設置するのもおすすめです。カーテンの設置とは異なり、ロールスクリーンは軽量でレールの取り付けも手軽。引き違いの障子がなくなるだけで、窓を全開にでき、薄暗い和室が明るくなります。

飾り気のないふすまは、華やかなクロスで飾り付け。花柄や幾何学模様、ナチュラルな木目調など、クロスならデザインも豊富です。
最近は水で貼れる襖紙や、裏面がシールになっている襖紙が流通しています。それらを利用するのも良いでしょう。もとの襖紙を下地にすれば、失敗してもあとから剥がせます。

インテリアで和の空間をオシャレに彩る

畳の床に絨毯とテーブル&チェアを組み合わせると、大正ロマン風の部屋に様変わり。

重厚なカラーリングとヴィンテージな素材感のある家具を設置するのがポイント。
ガラス扉の茶箪笥や本棚といったアンティーク家具もよく合います。

また、ナチュラルな素材感とカラーリングが特徴の北欧家具は、意外に和室とフィットします。モスグリーンやベージュの砂壁は、ニュートラルな質感のローテーブルやボタニカルカラーのソファにもぴったりです。

あえてコタツやちゃぶ台、吊り下げ照明など、昭和レトロなインテリアを揃えるのも◎。昔ながらの和室との相性はぴったり。

ヴィンテージ感のある木製家具を中心に、座布団・クッションといったファブリック類で差し色を入れるスタイルにすれば、現代的なエッセンスがプラスできます。

和室をオシャレに飾るインテリアのコツについては、こちらの記事で詳しく特集しています。よろしければ併せてご覧ください。

実際に和室を洋室にリフォームした事例

最後に、ひかリノベが手掛けたリフォーム事例を4つ紹介します。

和室を洋室の子供部屋に

和室を洋室の子供部屋にした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0099/

和室を洋室の子供部屋にした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0099/

既存の和室を子供部屋に。隣接するリビングと同じ床材を採用し、見切りのないフルフラットフロアで仕上げました。空間を仕切っていた襖は取り払いつつ、下がり壁を壊さず残したことで、緩やかに空間をゾーニングしています。キッチンやリビングにいてもお子様の姿が見えるようになっているので、ご家族間でのコミュニケーションも取りやすいですね。

和室とリビングを一体化し広々LDKに

和室とリビングを一体化し広々LDKにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0075/

和室とリビングを一体化し広々LDKにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0075/

既存の和室とリビングの壁を取り払い、空間を一体化。和室部分の床をあえて一段下げ、スキップフロアのダウンリビングとしました。窓の建具をあえて一部残し、和の要素を取り入れています。

また、こちらの事例は、洋室を和室化した事例でもあります。玄関側の洋室を広い土間空間とし、そこに小上がりの畳コーナーを新設。土間床には屋根瓦のパーツを埋め込んでいます。

和室を解体しランドリー&パントリーに

和室を解体しランドリー&パントリーにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0110/

和室を解体しランドリー&パントリーにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0110/

住戸全体の間取りを大胆に見直した事例。和室だった空間は、一部をリビングに取り込み、また一部をランドリールームに充てています。押し入れ~隣接した洋室は、ランドリールームとひと繋がりのファミリークローゼットに。洗面脱衣室→ランドリールーム→ファミリークローゼットと繋がる動線としました。

また、ランドリールームの一角を切り取るようにパントリーを新設。パントリー裏の空間にはデスクカウンターをしつらえ、リモートワークスペースに。死角のない空間設計となっています。

和室を土間アトリエに

和室を土間アトリエにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0113/

和室を土間アトリエにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0113/

玄関横の和室を、土間空間のアトリエとした事例です。玄関から靴を履いたまま行き来できる開口を設け、玄関/アトリエ/廊下と回遊できる動線としています。居室からも出入りしやすいよう、廊下側の開口には框をしつらえました。

既存の押し入れと仏間はあえて残し、押し入れはそのまま収納に、仏間は作品の飾り棚として活用。押し入れの建具はもともと襖ではなく木だったため、既存残しでも元が和室だったとは感じられません。

おわりに

「和室は使い道がない」という方、「和の空間は好きだけれど、既存のままではイメージと異なる」という方。和室のリノベーションは、要望される方の多い施工箇所です。

ひかリノベでは、和室から洋室への変更をはじめとするリノベーション相談を承っております。今回ご紹介した実例以外にも、さまざまなプランでマンションや一戸建てを施工した実績があります。ぜひお気軽にご相談ください。

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

宇津木 和子(一級建築士、インテリアコーディネーター)

一級建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターの有資格者。家族一人ひとりの生活時間や動線を考え抜き、細部まで暮らしやすさにこだわったプランを提案する。「人の暮らしは十人十色。ありきたりの間取りに自分を合わせるのではなく、自分のライフスタイルに合わせた間取りを。リノベーションで”自分らしく楽しく暮らせる家”を目指していきましょう」

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