和室リノベーションのアイデア集~和室を洋室に、オシャレな和モダン空間に

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持て余しがちな中古住宅や中古マンションの和室。「リフォームしたい」とお考えの方は多いのでは。

畳はカビが発生しやすく、定期的な張替えが必要。洋室との段差も生じることから、バリアフリー化を目的として「和室を洋室にしたい」という要望は多いです。

一方で、コロンと寝転がれる畳の空間はくつろぎの場として最適。「現代的な洋室と調和する畳スペースにしたい」というご相談もまた多いのです。

こちらの記事では、和室を洋室にリフォームする方法や、和モダンな空間にリフォームする方法について、実例を通してご紹介していきます。実際にリフォーム・リノベーションにかかる費用もご紹介していきますので、予算の参考になさってくださいね。

和室リノベーションの方法

昔ながらの和室は、使い勝手やデザインの面で持て余してしまうという人も多いのではないでしょうか。現代的に使い勝手の良い空間にリノベーションしたいと検討するとき、2つの方法があります。

  • 和室を洋室にする
  • 和室を生かして和モダンな空間にする

それぞれの方法を詳しく紹介していきます。

和室を洋室に変更する

床・天井・壁の内装を変えることで、和室を洋室にリノベーションすることができます。

和室の特徴といえば、

  • 」の床
  • 天井板」が表に出た天井
  • 柱や梁が表に出た「真壁
  • 」や「障子」といった和の建具
  • 床が一段高くなった「床の間

これらを洋の材に変えることで洋室に変更することができます。
たとえば、以下のような工事を行います。

  • 畳の床をフローリングやタイル張りの床にする
  • 天井を解体・または上から一枚重ね、クロス仕上げの天井にする
  • 壁を解体・または上にボードを張り、クロス仕上げの「大壁」にする
  • 襖や障子を洋風の引戸や開き戸にする
  • 床の間をクローゼットやデスクスペースにする

また物件によっては、床や天井の高さが洋室部分と和室部分で異なる場合があります。
壁をなくして一室にするなど、フラットに仕上げたい場合は、これらの段差の解消も検討すると良いでしょう。

和室を生かして和モダンな空間に

和室のしつらえは生かしつつ、「和モダン」な空間に仕上げるという方法もあります。

たとえば畳です。「畳」とひと口にいっても、昔ながらの「縁あり畳」と、スッキリと軽やかで色も選べる「縁なし畳」では、印象が全く異なります。

最近は、壁や天井は大壁のクロス仕上げ、建具は洋風引き戸、床は縁なし畳、というモダンスタイルの和室が人気です。床の間をアートやグリーンのディスプレイスペースとして活用するケースも。

また、和室部分の床を一段高くした「小上がり和室」も近年人気を集めています。リビングの一角にコンパクトな小上がりを設け、コロンと気軽に横になれるくつろぎスペースとしたり、デスクカウンターをしつらえてワークスペースとしたり、洗濯物を畳む家事スペースとしても便利に活用できます。

和室リノベーション工事の注意点

実際にリノベーション工事をする際には、どんな点に注意すれば良いのでしょう。工事の注意点を解説していきます。

床の高さ

畳はフローリングに比べて厚みがあるため、和室のほうが畳厚の分だけ洋室より床が高めに仕上がっている場合が多いです。

翻れば、仕上げ面に段差がない場合、和室側は床下地を低めに組んでいるか、躯体が一段下がっている可能性もあります。

いずれにせよ床をフラットに仕上げるためには、床下地を組み直す必要があります。

天井の高さ

和室と洋室では天井の高さが違っているケースもあります。

特に間仕切り壁を取り払い、和室とリビングを一体化して広いLDKにしたいといった場合、天井の高さが違うと一つの空間としての一体感がなくなります。天井の高さを同じにすることで、違和感のない一体空間となり、圧迫感も解消されます。

そのためには、床と同様に天井も下地を組み直す必要があります。

マンションの場合は、下地を組まずに躯体を見せる「あらわし天井」を選択することも可能です。あらわし天井は下地を組まない分天井高を最大限に高く確保できる点もメリットもあります。

ただし、あらわし天井にできる物件は一定の条件があります。

  • 躯体がある程度綺麗な状態であること
  • 最上階の住戸でないこと

最上階の部屋で天井を躯体あらわしにすると、結露が起きたり、夏の暑さ・冬の寒さを防げなくなってしまう可能性があります。

また、ダウンライトを取り付ける場合もあらわし天井にはできません。ダウンライトは天井を組んだ中に照明を取り付けるため、照明が入る分だけ天井を下げる必要があります。

撤去できない壁

ひと昔前のマンションや建売住宅では、リビングの隣に和室を設けているプランがたくさんありました。リビングと和室の間仕切りを取り払い、和室部分をリビングに取り込んでリビングスペースを拡げたい、という人は多いのではないでしょうか。

ただしマンションの場合、注意しなければならないポイントがあります。

マンションの建物内には「共用部分」と「専有部分」とがあり、所有者が自由にリフォームできるのは「専有部分」のみです。建物の構造強度にかかわる躯体は「共用部分」となるため、手を加えることはできません。

住戸の中の間仕切壁であっても、すべて自由に撤去できるとは限りません。マンションの建物構造には主に「ラーメン構造」と「壁構造」があります。壁構造とは、躯体にかかる力を柱や梁ではなく壁で支える構造のこと。リビングと和室の間の壁が「建物を支える躯体の一部」である場合もあります。つまり、撤去できない可能性があるのです。

間仕切り壁の撤去が可能かどうかは、リフォーム設計・施工の専門家が図面を検討したり、現地を確認したりして判断する必要があります。

リフォーム会社にも得意分野があります。リフォームを検討している物件がマンションの場合はマンションリフォームの経験が豊富なリフォーム会社を、戸建ての場合は戸建のリフォーム実績が豊富なリフォーム会社を選ぶようにしましょう。

和室リノベーションの費用の相場は?

リフォームやリノベーションの費用は「どの部分を」「どんな風に改装するか」で大幅に変わってきます。

工事範囲が「床の仕上げを変えるだけ」の場合、畳からフローリングへの変更は、6畳の部屋で20万円前後。壁紙の交換だけなら、10万円以下と安く済むこともありますが、室内全体に及ぶ大規模改修では数百万円~一千万円以上かかることも。上でご紹介した内装全体を和から洋に変える場合では、8畳の部屋で100万円からが相場です。

間取り変更を要する工事では、㎡当たり15~20万円が目安の金額になります。
ただし内装に使用する材料のグレード、建具の機能によって価格が変わってきます。マンションか一戸建てかに応じて工事の方法が変わってきますし、既存の構造や劣化具合によっては追加で補修費用が必要となるケースもあります。正確な費用を知るには、個別に見積もりが必要です。

下表は、専有面積60㎡のマンションの一室を例に、800万円~1,500万円で「何ができるか」をまとめたもの。ひかリノベも加盟しているリノベーション会社ポータルサイト『SUVACO』調べによる、一般的な工事費用相場です。

工事内容
※マンション 60㎡を想定
予算
800万円 1,000万円 1,500万円
水まわり設備の取り換え
内装(床、壁、天井)の一新
間取り変更
造作家具や素材へのこだわり
断熱工事 × ×

ひかリノベの和室リノベーション施工事例

内装を変えて和室を洋室にする方法や、和室とリビングを一体化するリフォームについて、リノベーション事例を通してご紹介していきます。

すっきりモダンな和室

事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0093/ より

すっきりデザインのモダン和室の事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0093/

縁なし畳と洋風引戸、クロス仕上げの大壁で、洋風家具も馴染む和室に。掃き出し窓にはカーテンを合わせていますが、違和感なく馴染んでいます。

クロスは和紙のようなテクスチャーを採用しました。一面を淡いブルーグリーンのクロスとし、現代的なアクセントに。
天井は木目を採用し、和の要素も残しています。

ヴィンテージな小上がり和空間

築50年の物件を大幅に間取り変更した事例( https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0067/ )

洋の空間に馴染む小上がり畳の事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0067/ 

色違いの縁なし畳をパズルのように組み合わせた小上がり畳が、空間のフォーカルポイントに。色を建具やキッチンと合わせているため、アメリカンヴィンテージスタイルのリビングの一角に違和感なく調和しています。

壁面にカウンターを設け、リモートワークや読書に最適。畳の下は引き出し収納となっており、才色兼備の小空間です。

マンションにも縁側を

土間から腰掛けられる「縁側」のような小上がりを設けた事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0064/

土間から腰掛けられる「縁側」のような小上がりを設けた事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0064/

土間から腰掛けられる高さの小上がり和室を設けました。玄関先でお客さんが靴を脱がなくても畳に腰かけ、お茶を飲んだり会話に花を咲かせたりすることができる、縁側のようなスペースになっています。

引き戸を閉めると個室に早変わり。来客時には客間として利用できます。

また、段差を利用して収納を増やせるのも小上がり空間のメリット。本事例では、畳を上げると中に季節家電などを収容できる大物収納を設けています。

和室を洋室の子供部屋に

和室を洋室の子供部屋にした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0099/

和室を洋室の子供部屋にした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0099/

既存の和室を洋室化し、子供部屋とした事例。

隣接するリビングと同じ床材を採用し、見切りのないフルフラットフロアで仕上げました。空間を仕切っていた襖は取り払いつつ、下がり壁を壊さず残したことで、緩やかに空間をゾーニングしています。

キッチンやリビングにいてもお子様の姿が見えるようになっているので、ご家族間でのコミュニケーションも取りやすいですね。

和室を土間アトリエに

和室を土間アトリエにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0113/

和室を土間アトリエにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0113/

玄関横の和室を、土間空間のアトリエとした事例です。

玄関から靴を履いたまま行き来できる開口を設け、玄関/アトリエ/廊下と回遊できる動線としています。居室からも出入りしやすいよう、廊下側の開口には框をしつらえました。

既存の押し入れと仏間はあえて残し、押し入れはそのまま収納に、仏間は作品の飾り棚として活用。押し入れの建具はもともと襖ではなく木だったため、既存残しでも元が和室だったとは感じられません。

和室とリビングを一体化

和室とリビングを一体化し広々LDKにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0075/

和室とリビングを一体化し広々LDKにした事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0075/

既存の和室とリビングの壁を取り払い、空間を一体化した事例。

和室部分の床をあえて一段下げ、スキップフロアのダウンリビングとしました。窓の建具をあえて一部残し、和の要素を取り入れています。

また、こちらの事例は、洋室だった空間を「和室化」した事例でもあります。
玄関側の洋室を土間空間とし、そこに小上がりの畳コーナーを新設。土間床には屋根瓦のパーツを埋め込み、遊び心を。

おわりに

この記事では、和室のリノベーションについて徹底解説しました。

「和室は使い道がない」という方、「和の空間は好きだけれど、既存のままではイメージと異なる」という方。和室のリノベーションは、要望される方の多い施工箇所です。

実用的に、そして残したいところを残せるのもリノベーションのいいところ。リノベーションのプロに相談して、快適で素敵なお住まいにしませんか?

ひかリノベでは、和室から洋室への変更を含むデザインリフォームのご相談、間取り変更を伴うリノベーションのご相談を承っております。今回ご紹介した実例以外にも、さまざまなプランでマンションや一戸建てを施工した実績があります。ぜひお気軽にご相談ください。

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

 

記事監修

宇津木 和子(一級建築士、インテリアコーディネーター)

一級建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターの有資格者。家族一人ひとりの生活時間や動線を考え抜き、細部まで暮らしやすさにこだわったプランを提案する。「人の暮らしは十人十色。ありきたりの間取りに自分を合わせるのではなく、自分のライフスタイルに合わせた間取りを。リノベーションで”自分らしく楽しく暮らせる家”を目指していきましょう」

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