キッチンリフォーム・リノベーションの費用、工期、注意点


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台所のレイアウトを変えたり新しい設備を導入したりと、キッチンのリノベーションも多種多様。改装にどれくらいの費用と時間がかかるのか、見積もりの際に気をつけるべき点は何か、判断つかない人も多いはず。
この記事では、リノベーションのパターン別におおよその見積もりを紹介。実際に改装する際の注意点などをまとめました。

2017/11/16初出→2019/4/25更新

キッチンリノベーションの費用と工期

リノベーションにかかる費用と期間は、改装の規模次第で大きく変化します。特に、キッチンのレイアウト自体を変更する場合は、配管の移動や壁の取替えなど、大掛かりな工事が必要です。

またどのようなシステムキッチンを選択するかも見積もりを決める上での大きなポイント。国内ブランドか海外ブランドかによっても大きく予算と期日が変わるので注意が必要です。当然オーダーメイドの場合は既製品より納期が長くなることが予想されます。

この章では工事のパターン別に、リノベーションの流れや費用と工期を紹介します。

間取りを変えて、キッチンを移動したい

キッチンのレイアウト変更の例。壁付け型からアイランドキッチンに。位置も大きく移動した。

キッチンの場所を移動して、アイランドキッチンに (事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0019/より)

キッチンの位置を移動する場合、排水菅や排気ダクト、電気配線などもいちから配線し直す必要があるので、工事は大掛かりになります。
特にキッチンを区切る壁を壊してオープンキッチンにしたい場合は、壁の解体や、天井・床の内装工事も行う必要があります。

リフォーム工事(内装や配管・配線工事)にかかる費用は、既存の間取りや配管の状態、使用する設備や内装材によって大きく変わります。
またシステムキッチンの商品価格も、20万円〜150万円以上とグレードによって幅がありますから、正確な予算感を把握するには、やはり見積もりをとってみるのが確かです。

上の写真の事例は、キッチンの移設に伴い、もともと三つに分かれていた部屋を、間仕切り壁をなくして一体化しています。同時に家全体の内装変更、洗面やトイレ・お風呂といった水回り設備の交換も含め、総額は約990万円でした。

工期は(キッチン周りに限定すれば)着工から完成まで2〜3週間程度が目安。
ただしキッチンの移設に伴い、LDKを拡張するなど、家全体の間取りを見直す場合や、LDK以外の内装や設備交換も行う場合は、数ヶ月を見込んでおく必要があります。

間取りは変えず、新しい設備に交換したい

キッチンリフォームの例。レイアウトは変えずに、設備を一新した。

場所は変えずに、設備を一新 (事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0036/より)

古いキッチンの取り替えと、周辺の内装(壁のタイル・クロス等)に限定した工事であれば、費用はより抑制できます。

上の写真の事例では、キッチンのレイアウトは既存のまま、設備と内装を交換。家全体の内装変更と、間仕切り壁を解体してリビングを拡張する間取り変更、お風呂・洗面・トイレの設備交換も含めた工費は、約670万円でした。

工期は(キッチン周りに限定すれば)3日〜1週間ほど。
ただしLDK全体の内装を見直すなど、キッチン以外の工事も併せて実施する場合は、より長い期間が必要になります。

キッチンをオーダーメイドしたい

オーダーキッチンの例。オールステンレスで、オーブンと食洗機をビルトイン。

オーダーメードで「世界に一つだけ」のキッチンをつくる (事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0029/より)

オリジナルのキッチンをオーダーメードすることも可能です。
価格は素材や設備によって大きく異なりますが、シンプルな設備であれば50万円ほどから購入可能。最新機能を取り入れたものとなると、200万円を超える可能性もあります。
納期は平均1〜2ヶ月

海外ブランドのキッチンを輸入したい

海外ブランドのキッチンは、各ブランドの代理店を通して購入します。
価格は200〜300万円くらいが平均的なライン。国内製品と同じく、リーズナブルなモノから高級品まで幅があります。
納期は通常の依頼より長くなることに注意。輸送の日数を含め、注文から3〜4ヶ月かかるケースが一般的です。

また海外ブランドは規格が決まっていないため、シンクのサイズやコンロの口数、作業スペースの広さなど細かくオーダーを出す必要があります。

キッチンを移動する際の注意点

キッチンの位置を移動するときにチェックすべきポイントは、排水経路と排気経路。キッチンまわりは電気・ガス・水道といったインフラが集中しており、大掛かりな工事が必要となります。特に、排水経路と排気経路の確保は重要なので、それぞれの注意点を紹介します。

排水配管は勾配に注意

キッチンシンクの下には、排水口からつながった排水管が床下に向かって伸びています。流した水は、この排水管を通って下水に流れる仕組みです。
キッチンを移動する際は、シンクから排水管を繋ぎ直すため、床に穴を開けて配管を移動・延長する必要があります。

住宅やマンションでは、排水管を床下で切り回す床下排水が一般的。
ポンプを使って押し出すような機能はないため、水をスムーズに流れていくための勾配がある程度必要です。

マンションの場合に注意が必要なのがPS(パイプスペース)。各住戸を1階から最上階まで縦につらぬいており、それぞれの排水管が合流する場所です。
キッチンとPSが遠すぎると、水がスムーズに流れるための充分な勾配がとれません。そのため、PSからあまり離れた位置にはキッチンを移動できないと覚えておきましょう。

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直床は配管スペースの確保が課題

床の工法によっては、そもそも配管の移動が難しいケースもあります。

マンションの床には、二重床か直床か、二種類の工法があります。
二重床は、住戸のワクである構造体(コンクリートスラブ)の上に木材で下地を組み、その上にフローリング等の仕上げを張る方式。
直床は構造体に直接仕上げを張る方式です。

二重床の場合は、床下にスペースができるため、排水管をその中で切り回せます。
一方、直床の場合は、排水管を床の中に埋め込めないため、床上でつなぐ必要があります。PSまでの通り道に壁を作れば、その中に排水管を隠すことも可能です。

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ただし、直床の場合、壁に面していないアイランドキッチンにはできないので、要注意です。
LDKの床の高さを上げて二重床にすれば可能なように見えますが、排水管の勾配を充分に取るために床の高さをかなり上げる必要があり、天井の近い圧迫感のある部屋になってしまいます。
もともと天井が高い物件であれば可能ですが、通常はあまりおすすめできません。

排気経路は天井の梁が邪魔になることも

油気やにおいを換気するための排気経路も確保が必要です。
キッチンの換気扇は、プロペラタイプとシロッコファンタイプの2種類があります。
現在の主流は吸気にすぐれたシロッコファンの方で、汚れた空気は排気ダクトを通って外に排出されます。

排気ダクトは天井裏を通って外壁の排気口につながっているため、排水と違って勾配を気にする必要はありません。そのため、元の排気口から離れた場所にキッチンを移動しても大丈夫です。

問題は空気の通り道にがある場合。
排気ダクトは一定の太さがあるため、梁の下をくぐらせると、天井裏に収まりきらないことも。またダクトが折れ曲がることで吸い込んだ油が溜まりやすくなるおそれもあります。
梁のある場所にダクトを移動させるのは難しいことを押さえておきましょう。

最近は、システムキッチンに組み込むタイプの昇降式換気扇もあります。
このタイプは排気ダクトが床下を通る形式になっています。ただし、マンションの場合は排気口の位置を変えられないため、導入は難しいでしょう。

直天井は「見せ梁」でダクトを隠して

見せ梁の施工例。ダクトを隠す梁を、アクセントクロスであえて強調し、デザインのポイントに。

ダクトを隠す梁をアクセントクロスであえて強調し、デザインのポイントに (事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0010/より)

マンションの天井も床と同様、二重天井直天井の2種類があります。
直天井では、排気ダクトを仕舞える天井裏のスペースがないため、構造体の表面で切り回す必要があるのがポイント。
排気ダクトを隠すために天井を下げると、梁のように凹凸ができます。これを、下がり天井とよびます。
天井が下がった部分にアクセントクロスを貼って、オシャレな「見せ梁」にするのもおすすめです。

またLDK全体を二重天井にする方法もありますが、部屋の圧迫感が増すのが難点。
また天井が低いと、レンジフードとコンロが近くなりすぎるという問題があります。

消防法で、レンジフードはコンロから800mm以上離すことが定められています。
キッチンとレンジフードの規格から考えると、天井高は2300mm以上をキープする必要があります。

キッチン設備を交換する際の注意点

また間取りの変更をする・しないに関わらず、全く新しい機能のキッチン設備を導入する場合、事前に確認すべきポイントがあります。注文するキッチンのニーズ別に注意点を紹介しましょう。

いままでにない機能を追加する場合

これまでのキッチンに新しい設備を付加するためには、給水や排水配管、電気配線などの工事が必要になります。
特に集合住宅の場合は、マンション全体の電気容量・ガス容量の変動にも気を配らなくてはいけません。

ビルトイン食洗機を導入する場合、シンクと食洗機に排水管をつなぐ必要があります。
PSとシンクが遠いときは、配管を分岐。食洗機とPSが遠いときは、勾配に気をつけながら配管を伸ばしましょう。

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キッチン中央にビルトイン食洗機。食洗機とシンク、両方に配管が必要になる(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0021/より)

国内メーカーのシステムキッチンは多くの場合、キャビネット内部に配管スペースが用意されているため、内部で排水管を切り回せます。しかし配管スペースが不充分な場合は、キッチンまわりに腰壁(背の低い壁)をつくり、内部で排水管を切り回すなどの工夫が必要です。

また、ガスコンロをIHに変更したりオール電化にしたりする場合は、電気容量が足りるかどうかのチェックが必須。
ガスの口数を増やす場合も、ガス容量を確認しましょう。
戸建てでは電気やガスの容量を増設すれば問題は起きませんが、マンションでは勝手に容量を上げられないので注意。
「60Aまで増設可」といった制限付きで容量アップを許可しているマンションもあるので、管理規約を確認して、必要な容量に足りるかをチェックしてください。

海外ブランドのキッチンを設置する場合

海外ブランドのキッチンは、見た目だけでなく中身も日本のキッチンとは大きく異なります。
そもそもの規格が違うため、日本の設備機器と合わない可能性もあるので、あらかじめ国内の機器が取り付けられることを確認しておくか、取付できるよう業者にオーダーを出す必要があります。

また故障が発生した場合の相談窓口も必ず確認しましょう。多くの場合、国内の代理店が相談窓口を兼ねています。
修理保証の範囲や期間は、代理店によって異なることにも注意しましょう。「5年以内は無償修理」「任意で10年間の延長保証あり」などアフターサービスがしっかりしている代理店がおすすめです。

またネット上での購入は、サイズ感などが想像と違う場合が多いため、実物を見ずに買うのはおすすめできません。海外ブランドのキッチンは、必ず国内に店舗を構えている代理店に足を運んで購入した方がよいでしょう。

施主支給で対応する場合

ご自分で購入したキッチンの設置工事だけお願いしたい、という方もいらっしゃるでしょう。この場合、購入と工事が別ルートになるため、キッチン代金と工事費用の支払いや、アフターケアの保障関係が複雑になりがちなことに注意しましょう。

工務店やリノベーション会社を通してキッチンを購入すると、メーカーによっては割引料金が適用されることがありますが、施主支給の場合は定価での購入のみとなります。
工事費用と合わせると、けっきょく割高になってしまった……という場合があることは、あらかじめご了承ください。

またリノベーション費用をローン払いにする場合、キッチン代金と工事費用の、それぞれの支払先が別個となるため、施主支給品の代金はローンの中に組み込めないことも押さえておきましょう。

アフターサービスについても、工事の施工不良ではなく、機器の故障に関しては、購入された販売店の領分となります。したがってキッチンが故障したときは販売店が保証してくれるか、確認が必要です。

オーダーメイド品を注文する場合

オーダーメイドのメリットは、ワークトップの寸法や素材、組み込みたい設備機器など、使い勝手のよいキッチンを細かくプランニングできるところです。その反面、希望通りの品を引き受けてくれる業者を探すところで悩む方も多いのではないでしょうか。

デザイン重視であれば家具店、あるいは工務店でオーダーを請け負っているところもあります。しかし機能性を考えるのであれば、とくに現代のキッチンは高機能化していますから、ビルトインオーブンや食洗機・ディスポーザーといった新しい設備を取り入れたい方は、やはり専門のキッチンメーカーにオーダーするのがおすすめ。

ひかリノベでは、キッチンメーカーとのお打ち合わせに弊社デザイナーが同席し、お客様のご希望をプランに落とし込むべくサポートさせていただきます。サイズ感や実際の設備内容に不安な方も、どうぞ安心しておまかせくださいませ。

まずはひかリノベにご相談を

ワンストップサービスのひかリノベにご相談いただければ、キッチン選びから購入・設置、内装や間取りの変更まで、すべて窓口一つでスムーズに進めることが可能です。
リフォーム・リノベーションプランのご相談やお見積もりは、下記の個別相談会にて承っております。リフォームやリノベーションをお考えの方は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

 

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【執筆】堀田 隆大(ライター)
【監修】宇津木 和子(一級建築士)

 

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