団体信用生命保険って? 告知のポイントと引受の判断基準

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住宅ローンを組むとき、多くの銀行では団体信用生命保険団信)の加入を義務付けています。
団信とは、万が一ローンの返済中に死亡または高度障害を負った場合に、保険金で残債を完済できる、という生命保険です。

そのためローンの審査では、あなたの健康状態――現在治療中の病気や過去の病歴を保険会社に告知しなくてはいけません。
そこで健康リスクが高いと判断された方は引受を謝絶され、融資が否決となる場合も……。

本日は『住宅ローン審査と団信』をテーマに、団信の告知事項にかかる病気や症状、告知書の書き方、もし保険の加入が否決となってしまった場合の対応についてお話します。

2018/2/20初出→2018/12/9更新

1.告知義務がある病気・症状

住宅ローンは何千万円という借入を最大35年間かけて返済していくわけですから、もしも完済前に不慮の自己や病気で命を落としたり、高度障害を負って支払いが続けられなくなったら……という心配がありますね。
しかし団信に加入することで、あなたは不足の事態に備えることができますし、銀行としても貸したお金を確実に回収できるので心安です。

一方で保険会社の立場からすると、実際に多額の保険金を支払うことになるのはなるべく避けたいのが本音です。
そのため告知を通して、とくに健康リスクが高い方の加入を謝絶しています。

告知書は次の3つの質問にはい・いいえで答え、該当する方は病名と具体的な症状、治療の経過、服用している薬があれば薬名と服用期間、入院した方は入院期間等を記入します。

    • 過去3年以内に以下の病名で手術を受けたこと、または2週間以上にわたり医師の治療・投薬を受けたことがあるか。
病気の種類 病名
心臓 狭心症・心筋梗塞・心筋症・不整脈・心臓弁膜症・先天性心臓病
脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)・脳動脈硬化症
呼吸器 慢性気管支炎・ぜんそく・気管支拡張症・肺結核・肺気腫
胃腸 胃潰瘍・十二指腸潰瘍・潰瘍性大腸炎・すい臓炎、クローン病
肝臓 肝炎・肝硬変・肝機能障害
腎臓 腎炎・ネフローゼ・腎不全
緑内障・網膜の病気・角膜の病気
ガン ガン・肉腫・白血病・腫瘍・ポリープ
代謝異常 免疫疾患 高血圧症・糖尿病・貧血症・膠原病・リウマチ・紫斑病
精神疾患 認知障害 精神病・神経症・統合失調症・てんかん・うつ病・自律神経失調症・アルコール依存症・薬物依存症・知的障害・認知症
婦人科系 子宮筋腫・子宮内膜症・乳腺・卵巣のう腫
  • 最近3ヶ月以内に、医師の治療・投薬を受けたことがあるか。
  • 手・足の欠損または機能に障害があるか。または、背骨(脊柱)、視力、聴力、言語、そしゃく機能に障がいがあるか。

※このほか保険会社によっては、1年以内に健康診断や人間ドックで異常を指摘されたことがあるか問われることもあります。

なおご夫婦でペアローンを組まれる方は夫と妻、それぞれ団信に加入します。したがって告知も各々が行うことになります。
保証範囲は各々の借入比率によります。しかし近年は連生団信といって、ご夫婦どちらかに万一のことがあれば、パートナーの分も一括して保証されるという仕組みを用意している銀行が増えてきました。
住宅金融支援機構のフラット35はペアローンではなく連帯債務という形をとるので、基本的に主債務者のみ団信に加入することになります。しかしこちらも連生団信が用意されていますので、この場合はお二方とも加入、したがって告知もお二方とも行う必要があります。

ペアローン・連帯債務とは……

共働きが一般的になったいま、夫婦共同でローンを組むという例も増えてきました。 夫婦で組むローンにはペアローン・連帯債務・連帯保証といった形がありますが、その仕組みの詳細はこちらの記事をご覧くださいませ。

2.告知書の書き方のポイント

告知は自己申告ですから、抜け・漏れがないよう、よく注意しなくてはいけません。
というのは、保険金の支払い前に、保険会社は通院歴や既往症の調査を行います。
そこで告知義務違反が見つかると、保険契約の解除、もしくは詐欺とみなされて保険金が支払われない、というリスクがあります。

先述の表の病気は、たとえいまは罹患していなくとも、過去3年以内に手術や2週間以上の治療を受けた経験がある方は告知義務があります。
完治して4年以上が経過していれば記入する必要はありませんが、ここでいう完治とは一切の治療が完了し、再発のおそれもないという状態をいいます。
経過観察や定期検診をしているうちは、完治とは認められないのでご注意を。

先述の表にない病気でも、最近3ヶ月以内に医師の治療・投薬を受けた方は告知義務があります。
風邪や食中毒、花粉症といった日常の病気やケガによる通院も、省略せずに書きましょう。

また次のいずれかに当てはまる方は、医師の治療を受けていなくとも告知義務があります。

  • 手・足の欠損または機能障がい
  • 脊髄(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能障がい

具体的な症状、日常生活や仕事に影響はあるか、今後症状が進む可能性はあるか、といったことを記入します。
障害者手帳をお持ちの方は、等級も付記しましょう。

告知は先述の告知事項にかかる病気があれば直ちに謝絶されるというわけではなく、引受の可否は治療の経過等から総合的に判断されます。
心臓・脳・精神疾患・がんは比較的厳しく見られやすいようですが、病状や治療状況によって判断は変わってきます。
そのため保険会社によっては、医師の診断書を求められる場合があります。
診断書は必ず治療を受けた病院で、「住宅ローンの審査に使う」といって書いてもらいましょう。

また通常の団信にガン保証三大疾病保証等をオプションで追加した方は、健康診断書も提出するよう求めてくる保険会社が多いです。

ガン保証・三大疾病保証とは……

通常の団信は死亡または高度障害を負った場合を想定したものですが、死亡や高度障害に至らなくとも、事故や病気でいままでどおりの働き方を続けることができなくなり、ローンの支払いが難しくなったら……という心配がありますね。
そのような場合に備えて、オプションでガンに罹ったり、脳梗塞や心筋梗塞で手術を受けたりしたら、保険金で残債が完済される等の特約を付けることができます。
くわしくはこちらの記事をご覧くださいませ。

3.もし保険に入れないときは

実は告知で健康リスクが高いと判断され、団信の引受が謝絶されてしまったからといって、直ちに住宅ローン自体を諦めてしまうことはありません。

  • 引受基準が緩和されたワイド団信に申し込む
  • フラット35は団信なしで組める

引受基準が緩和されたワイド団信に申し込む

一般の団信の引受が難しい方に、ワイド団信が用意されています。
すべての金融機関ではありませんが、みずほ・りそな・三井住友・三菱UFJ銀行といったメガバンク系のほか、新生銀行・武蔵野銀行・千葉銀行といった都銀・地銀系でも取り扱いが増えてきました。

ただしワイドといっても、誰もが加入できるわけではありません。
通常の団信よりも引受基準が緩和されているとはいえ、やはり告知がありますし、さらにほとんどの保険会社が満50歳までと年齢制限を設けています。

※スルガ銀行は55歳、ソニー銀行・じぶん銀行は65歳と、年齢が高めの方でも加入しやすい商品も登場しています。

また団信の保険料はふつう金利に含まれており、別途保険料を納める必要はありませんが、ワイド団信に加入される方は金利が割高になります。
上乗せ分は銀行によって異なりますが、0.3%前後としているところが多いです。つまり通常の金利が1.4%だとすると、ワイド団信では1.7%になります。

フラット35は団信なしで組める

民間の住宅ローンは団信が必ずセットになっていますが、住宅金融支援機構のフラット35は団信に入らなくてもローンが組めます。
団信に入らずフラット35を組む場合、金利が(団信付きと比べて)0.2%安くなります。

とはいえ借入金額も大きく、返済期間も30年以上にわたるローンを何の保険もなしに組むのは大きなリスクです。
返済中に万一のことがあったら、ご家族に何千万円という負債が残されることになるかもしれないのです。
残されたご家族がローンの返済を続けていくか、あるいは残債を一括返済できるよう、備えをしておきましょう。

具体的には、すでに加入中の生命保険や、会社の福利厚生による死亡保障・遺族年金。
それだけでは保障が不充分な場合は、引受基準緩和型の生命保険がありますから、併せてご加入を検討されるのもよろしいでしょう。

一般論でいえば、団信なしのフラット35+引受基準緩和型の生命保険に新たに入るよりは、ワイド団信つきの住宅ローンを組む方がコストパフォーマンスは良い場合が多いです。
ワイド団信は金利が上乗せされるとはいえ、引受基準緩和型の生命保険の保険料と比較すると、35年間の総支払額はお安くなるケースが多いためです。
保障の手厚さから言っても、団信は残債がいくらであっても全額保証されるのに対し、生命保険は保証金額の上限が決まっており、保証金額が高くなればなるほど、毎月の保険料も比例して高額になっていきます。

ひかリノベではこうした保証も含めて、家計の負担にならないローン選び・資金計画のご提案をさせていただきます。
ご不安なことは、どんなに小さなことでもお気軽にコーディネーターまでご相談くださいませ。

 

【執筆】高橋 千晶(ひかリノベ 広報)

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