コミュニティスペース“MÜCHA” 「学ぶ・語る」に開かれた家

エリア神奈川エリア
家族構成二人暮らし
面積61.60㎡
間取り3DK → 1LDK
テイスト和風,ヴィンテージ
特徴小上がり和室 ,  ウォークインクローゼット , オーダーキッチン
リノベ費用概算10,500,000円

両親、祖母、そして若い二人へ

東京と神奈川の県境に建つ、築41年のマンション。
丹念に手入れされた専用庭、その一隅に植えられたあじさいの花が窓から見える一階の住戸が、S様とH様、二人の新居です。

この家はもともと、S様が子どもの頃に家族で暮らしていた場所。S様が小学生のとき、一家は隣町の戸建住宅に引っ越し、このマンションはS様のお祖母様の住まいとなりました。

「でも、7年前に祖母が亡くなってからは、ずっと住む人がいない状態だったんです。その間も、なるべく人が住める状態のまま保つようにはしてきましたが……。そういう状況の中で、僕たちが二人で暮らそうとなったときに、新しく借りたり、買ったりという選択肢もありますが、せっかくならこの家を活かしたいなと思って」

昔住んでいた頃のご近所さんが、いまもこのマンションに住んでいるそう。庭のあじさいも当時植えたもので、「もう樹齢30年近いんじゃないかな」。

そんな幼い日の思い出が色濃く残る家ですが、一方で若い二人が暮らすには、不便な点も多々ありました。

プライバシー性とパブリック性が共存する間取り

現状の課題として、第一に上がったのが『間取り』でした。
既存の間取りは中央にダイニングキッチン、玄関入ってすぐに四畳半の洋室、庭に面して和室と洋室の二間を配した、1970年代に建てられたマンションによくある3DKでしたが、「DKを挟んで、玄関脇の洋室だけが離れ小島のように分断されてしまっている」。
この洋室は外廊下に面しているのでプライバシー性も低く、「ここだけ使わなくなりそう」という危惧がありました。

キッチンの狭さも気になりました。「二人で料理をすることが多いので、作業スペースを広く取りたい。オーブンや食洗機の置き場も必要」。
また、共通の友人と集まることも多い二人。「友だちを呼べるスペースと、自分たちだけのプライベートスペースを分けられたらいいよね」。

そんな二人のライフスタイルに基づき、新たに計画したのが、玄関に近いほどパブリック、奥に行くほどプライバシー性が高まる、グラデーション状にゾーニングされた間取り。
①玄関土間から縁側のように続く小上がり和室、②馴染みの喫茶店のように友人たちと集まれるダイニング、③二人のプライベートリビング&ベッドスペースと、3つのゾーンで構成したプランです。
各ゾーンは壁で完全に分離するのではなく、引き戸やスクリーンロールでゆるやかな繋がりをもたせています。

マンションにも縁側を。土間から繋がる小上がり和室

玄関のドアを開けるとまず目に飛び込んでくるのが、土間から直接つながる和室です。
腰掛けるのにちょうどいい高さの小上がりは、まるで縁側。外廊下に面した窓から自然光が射し込むため、明るさも確保されています。
「田舎の家で近所の人がちょっとお茶を飲んでいくようなイメージで、訪ねてきた人が気軽にくつろげる場所があればいいな、と思って」

ダイニング側からもベンチとして腰掛けたり、ときにはゴロンと寝転がってくつろいだりと、多目的に活用できます。
泊まりがけの来客の際は、ここへ布団を敷いて客間にしても。
外廊下との間に土間を挟んだことと、建具を閉めれば独立した空間にもなるよう、土間側に障子と雨戸様の引き戸、ダイニング側にロールスクリーンを設置したことで、課題となっていたプライバシー性も担保されています。

段差の中は収納スペースになっており、畳を外して荷物の出し入れが可能です。この中には、H様の着物を収納。
「和箪笥はかさばるし、かといってクローゼットに吊るすわけにもいかないし、着物の収納ってけっこう困るんですよね。これなら場所をとらずに、効率的に仕舞えます。取り出したらその場で着付けも出来て、すごく便利なんですよ」
収納された着物の中には、S様のお祖母様から受け継いだものもあるそう。
「帯や小物の合わせ方で、現代的に着こなすこともできるのが、着物の良いところ。自分なりにコーディネートを楽しみながら、大事に着ていきたいと思います」

気のおけない仲間と集まるダイニング

H様とS様の出会いのきっかけとなった「哲学カフェ」。哲学や倫理、社会問題など、さまざまなテーマについて話し合うコミュニティ活動で、大学の研究室ではなく、街場のカフェやバーで、もっと気軽に哲学について学べる場をつくろう、というものです。
そこで知り合った友人たちと、勉強会やディスカッション、あるいは食事やお酒を楽しむために、ダイニングは「開かれた場」にしたい、というのが二人の希望でした。

ダイニングテーブルを中心に、正面の壁一面に本棚を造作。中央に設置した壁掛けテレビは、集まりの際にモニターとして活用することを想定しています。
本棚の棚板には、土木工事の足場板としてつかわれていた古材を使用しました。
使い込まれた素材感が魅力の古材ですが、棚板として使用するには、反りや厚みの違いといった課題もあります。
そこでアイアンのフレームを壁に固定し、その間に棚板を挟み込むように設置することで、安定性と、「積み木のようなデザイン」という施主様のリクエストを両立しました。

背面のキッチンはオーダーメードで、二人でキッチンに立っても充分な作業スペースを確保しつつ、オーブンレンジや食洗機、炊飯器といった家電類の置き場を、作業動線に基づいてレイアウトしました。
「調理家電は、コンロやシンクと同じ動線にあった方が使いやすいと思うんです。オーブンレンジはコンロから手の届く場所に置きたい、炊飯器もキッチン内部に収納したい、でも見た目はシンプルにしたい。希望を全部デザインに落とし込んでいただいて、すごく使い勝手の良いキッチンになりました」

セミオープンなプライベートスペース

二人のプライベートスペースは、手前からリビング、ベッドスペース、ウォークインクローゼットという構成です。
リビングは壁面にカウンターを造り付け、ミシン掛けやPC作業ができるワークスペースも兼ねています。
ベッドスペースはかまくらのように周囲を壁で囲い、「お籠り」感のあるデザインに。上部はロフトで、来客用の布団や季節ものの寝具などの置き場としました。

当初、S様・H様はこのプライベートスペースは壁で完全にダイニングと分離する形を想定していました。
しかしフロア全体の間取りを見たとき、掃出し窓に面したこの空間を壁で塞いでしまうと、ダイニングの採光が不充分となることから、間口の広い引き戸を設けることをひかリノベは提案しました。

ほぼリビングスペースの幅に相当する間口は、開放すれば掃出し窓から射し込む光をダイニングまでたっぷりと届けることができます。
またキッチンからリビングに出入りする動線がシンプルになり、コーヒーを淹れてそのままソファに持っていくなど、日常の動作がスムーズになるというメリットもあります。
一方で来客時などプライベートスペースを見せたくないときは、引き戸をサッと閉めれば、簡単に目隠しが可能です。

「戸を開け放つと家中がひと続きの空間になり、戸を閉めればそこだけ独立した部屋にもなる。その時々に応じていろいろな使い方ができる、というのは僕たちの価値観に合っていると思います。いままでの家って、どうしてもつくりが決まっていて、それに合わせて生活する必要があった。でもこの家は逆で、僕たちのしたいことに合わせて、空間の方を変えることができるんです」

リノベーション・オブ・ザ・イヤー2020最終選考ノミネート

『リノベーションオブザイヤー』とは、その年もっともすぐれたリノベーション作品を選出するコンテスト。
その最終選考に、こちらの事例がノミネートされました!
リノベーションオブザイヤー2019ノミネート作品「コミュニティスペース“MÜCHA”-「学ぶ・語る」に開かれた家」



間取り図

◆Beforeリノベーション前の間取り図

◆Afterリノベーション後の間取り図

リノベ前のお部屋

  • リノベーション前のお部屋
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