DIY前提プラン「完成」に向けたアシスト
エリア | 千葉エリア |
---|---|
家族構成 | ファミリー |
面積 | 60.61㎡ |
間取り | 3LDK → 2LDK |
テイスト | ナチュラル,ヴィンテージ |
特徴 | インナーバルコニー , システムキッチン |
リノベ費用概算 | 13,700,000円 |
DIYが趣味のご主人
「これまでもちょっとした家具づくりの経験はありましたが、賃貸なのであまり大掛かりなことはできませんでした。せっかくの機会なので、壁面本棚の造作や、壁の漆喰塗装といった、本格的なDIYに挑戦してみたかった」
そう語るI様が実際に手掛けた場所は、シューズインクローゼットの収納棚、キッチンまわりのタイルやカウンター、書斎の本棚、トイレ壁面の漆喰塗装などなど……。
I様のDIY計画をアシストするため、設計担当・木村は「DIY用の下地づくり」と「作業用スペースの確保」という二つの提案を行いました。
ここ数年でDIYで家具をつくったり、自宅をプチリフォームしたりといったことが一般的になり、ひかリノベのお客様の中にも「この部分は自分で施工したい!」という方が増えてきました。
壁の塗装やタイル張りの一部をやってみたい、といった比較的小規模なものから、造り付けの棚や机を造作したい、といった大規模なものまで、ご要望はお客様によってさまざまですが、壁一面の本棚を造作しようというケースは、ひかリノベでも初めてのことでした。
DIY用の下地づくり
壁面に収納棚を造作するには、棚板やその上に載せるモノの重さを支えるための下地が不可欠です。
シューズインクローゼットやリビングのディスプレイ棚は、もともとDIYで仕上げる計画だったので、あらかじめ下地補強を行うことは当然として……設計担当・木村は「実際に住んでみると新たな計画が出てくるかも」と、当初の計画には含まれていなかった部分にも下地補強を施すことを提案しました。
「実際、書斎の本棚は当初の計画とは逆側の壁につくることになりました。リビングと書斎の間の壁は、テレビの配線を収めるため、壁内に空間を作っていたので、それを利用して埋め込み型の本棚を作れないかと考えたんです」
写真が完成した本棚。角を丸く落とした棚板、ネイビーに塗装した内部と、いわゆる日曜大工の範囲に収まらない本格的な仕上がりです。
「本棚はとくに重さがかかりやすいので、どれくらいの大きさまで壁が耐えられるかなど、事前に木村さんに相談しました。引き渡しも終えた後に連絡したんですが、どんな補強をしているのか、丁寧に説明していただきました。施工は友人に応援に来てもらって、最終的に丸一週間かかって完成しました」
作業用スペースとなるインナーバルコニー
庭やガレージのないマンションでは、DIY作業のスペースをなかなか確保できません。
限られた室内スペースでも不便を感じないよう、設計・木村はワークスペースとしてインナーバルコニーを提案。
掃き出し窓を開ければ、バルコニーからひと続きの空間として、広い作業用スペースを確保できます。
リビングとの間仕切りは透明アクリルとガラスで造作しました。外まで視線が抜ける開放的なデザインです。
「もともとバルコニーが広いのと、目の前が緑地で眺望が開けているので、とても気持ちよく過ごせます。DIY用にと提案されたインナーバルコニーですが、春は桜の木が見えるので家でお花見をしたりと、単なるワークスペース以上の楽しみ方ができています」
「DIYできない部分」設備機能へのこだわり
一方で奥様のこだわりが全面的に反映されたのが、キッチンや浴室といった水廻りの設備機能です。
システムキッチンやシステムバスは、家事の時短に繋がる機能や、暮らしをより快適にする機能を、各メーカーがさまざまな形で提案しています。
たとえば手をかざすだけで水を出したり、止めたりできるセンサー付水栓。
完全フラットで掃除が簡単なIHクッキングヒーター。
炊飯器の蒸気を吸収する機能をもつカップボード。
自宅のお風呂でスパのような肩湯が楽しめるシステムバス……。
内装デザインはDIYであとから変えることができますが、こうした設備機能をあとからプラスするのは、容易ではありません。
こうしたオプション機能は、ショールーム見学で興味をもつ方は多いのですが、コスト削減のために諦めてしまうケースがよくあります。
I様の場合は当初から奥様たってのご希望でもあり、機能最優先で予算を計画しました。
コストのバランスを取るための工夫は、リビングの床材を一部貼り分けるなど、リーズナブルな内装材をデザインで上手に取り入れることで、設備以外の費用を抑制しました。
「やっぱりあの機能も付けておけば良かったと後悔しないように、欲しかった機能を『全部盛り』で取り入れたんです。濡れた手で蛇口をひねることがなくなれば、水栓まわりが水垢で汚れにくくなるし、炊飯器の蒸気を逃がすためにカップボードを引き出す必要がなくなれば、作業スペースが広くなる。一つひとつは小さなことですが、日常のちょっとしたストレスがなくなると、暮らしってこんなに変わるんだ! と毎日実感しています」