リフォームとリノベーションの違いとは?


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「リフォーム」と「リノベーション」。どちらも住まいの情報誌やTV番組などでよく見かける言葉ですが、実際は言葉の意味にピンと来ていない人も多いのでは?
どこまでが「リフォーム」で、どこまでが「リノベーション」を指すのか、言葉だけではそれぞれの範囲が分かりにくいのも実情です。
この記事では「リフォーム」と「リノベーション」の違いを解説しながら、それぞれの実例を紹介していきます。

2017/4/11 初出⇒2019/3/12 更新

実はあいまい? リフォームとリノベーションの線引き

リフォームとリノベーション。このふたつの線引きは非常にあいまいです。どちらも家の改修や施設の増築、設備の補修など、さまざまな意味合いを含んでいる言葉です。

そもそも英語のリフォーム(reform)の意味は、「制度や組織の改革・改善」というもの。しかし、この言葉が日本に導入された際、TVや雑誌など各メディアの影響で、「家の改装・改修」という意味のものとして浸透していき、建築用語として使用されるようになりました。

そのため日本では、リフォームといえば「古くなった家や設備をもとの状態に戻すこと」という意味で広まっています。和製英語のひとつとして捉えても間違いないでしょう。

一方、リノベーション(renovation)の意味は、「修復・再生」。つまり、日本で「リフォーム」とよばれている言葉の意味は、本来は「リノベーション」が内包していたものであるといえます。

ただし日本では、リノベーションはリフォーム以上に「既存の施設に新たな価値を与える改修を行う」という意味合いが強く、住宅の大規模な改装や修復の際に用いられています。

おさらいすれば、リフォームは「古くなった家や設備をもとの状態に戻すこと」で、リノベーションは「既存の施設に新たな価値を与える改修を行うこと」といえます。

ただし、最初に伝えたようにふたつの言葉は非常に近しいため、各企業によって、意味する範囲の幅が異なる場合があります。

したがって、住まいの改修を業者に依頼する際は、その企業がリフォームとリノベーションをどのような意味合いで使用しているのか、過去の実績や事業内容からあらかじめ確認しておきましょう。

次の章からは、それぞれの具体的な事例を紹介します。

古くなった部分に手を加えるリフォーム

リフォーム専門業者が行う主な業務は、壊れた設備の修繕や古くなった家屋の補修です。具体的には、色あせたクロスの張り替えや外壁の再塗装、畳とふすま紙の交換、水回り(キッチンやトイレ)設備の修復などがあります。

賃貸マンションやアパートでも、入居者が退去した後に以前の状態に戻す(原状回復する)ことを目的に内装や設備の入れ替えを行います。これもまた典型的なリフォームの一例です。

例えばトイレのリフォームの場合、下記の画像のように、設備機器の取り付けや床材の交換など、限定的な工事を行うのが一般的です。

トイレのリフォームの例。古くなった設備を新しいものに交換している。

トイレのリフォームの例。古くなった設備を新しいものに交換している。

こうした事例の場合は、費用の見積もりもある程度決まっていることが多く、「トイレの設備機器の増設と壁紙・床材の交換」であれば、20~60万円(※機器のグレードによって金額は異なります)。「システムバスの交換」であれば、60~100万円程度が相場とされています。

その他の部位のリフォームにかかる詳しい費用が知りたいときには、下記の記事をご覧ください。

住まいを理想の空間に作り変えるリノベーション

リノベーション専門業者の場合、古くなった家全体の刷新を業務とすることが一般的なため、リフォームと比較すれば大がかりな工事になるのが特徴です。

間取りの変更や内外装のデザインの一新、壁の遮音性の向上など、より住みやすい空間を設計するための修復全般が行われます。

中でも近年注目されているのが、もとの部屋を構造体だけ残して解体し、内装や設備機器を一新する「スケルトンリノベーション」です。

スケルトン状態のマンションの一室。内装も設備もすべて取り払い、コンクリートの躯体が剥き出しの状態。

スケルトン状態のマンションの一室。内装も設備もすべて取り払い、コンクリートの躯体が剥き出しの状態。

スケルトンリノベーションは中古住宅を理想の住まいとして再生したいという声に応えたもので、間取りやデザイン、設備などを自由に変更できます。

中古物件の価格が築20年ほどで底値となり、新築のおよそ半値で購入できることや、あるいは日本の人口減少に伴い空き家が増加し、政府がこれらストック住宅の活用を補助金や減税制度などで後押ししていることから、スケルトンリノベーションを選択する人たちも増えています。

オーダーメードとなるため、工事に掛かる費用は場合によって大きく異なりますが、一般的なグレードの建材や設備を使用した場合、10~15万円/㎡が目安となります。

スケルトンリノベーションの例は、下の間取り図を見ると分かりやすいでしょう。リビングダイニング・キッチン・和室と、分断されていた部屋をひとつに統合して、広々としたLDKにしています。

スケルトンリノベーションの例。リビングダイニング・キッチン・和室と、分断されていた部屋をひとつに統合して、広々としたLDKに。

スケルトンリノベーションの例。リビングダイニング・キッチン・和室と、分断されていた部屋をひとつに統合して、広々としたLDKに。

無個性だった内装は、ブルーとホワイトの組み合わせが爽やかな印象の西海岸風デザインに。

スケルトンリノベーションの例。和室をリビングに吸収。内装は西海岸風のデザイン。

スケルトンリノベーションの例。和室をリビングに吸収。内装は西海岸風のデザイン。

リビングと分断されていたキッチンは対面式に変更して、作業スペースを拡大。家族の顔を見ながら、調理のできる空間に作り変えています。

スケルトンリノベーションの例。リビングと分断されていたキッチンを対面式にレイアウト変更。

スケルトンリノベーションの例。リビングと分断されていたキッチンを対面式にレイアウト変更。

写真の事例の詳細はこちら

ご紹介したスケルトンリノベーションの事例について、もっとくわしく見たい方はこちらの事例ページをご覧ください。

ただし、スケルトンリノベーションにも制約が全くないわけではありません。例えば、「PS(パイプスペース)」とよばれる給排水管を通している場所は、給排水の要となるポイントのため、動かすことは困難といえるでしょう。

また、PSから離れた場所に水廻りをおくと、配管の勾配がとれないため、うまく給排水できなくなる恐れもあります。

マンションの場合、床材や壁材に制限がある場合があります。築古マンションは防音性能が充分でないため、遮音性が高い床材や壁材を使用してカバーしている物件もあります。

そのため、床材や壁材を変える場合も、同等以上の建材を用いなければならないという制約があります。他にも玄関ドアやバルコニーなどの共用スペースにあたる部分は、変更できません。

さらに、電気やガス給湯器の容量が決められている場合もあるので、オール電化や、ガスコンロをIHに変更する際は、とくに注意が必要です。

スケルトンリノベーションのメリットやデメリットを詳しく知りたいという人は、下記の記事で詳しくまとめられているので、ご覧ください。

部分リノベーションで「惜しい」を変える

リノベーションは、スケルトンリノベーションのような全体を変えるものだけでなく、部分的なデザインや機能の改良の場合にも用いられることがあります。そういった際は、古くなった箇所の修繕に留まるリフォームの場合と区別して、部分リノベーションと呼ばれています。
部分的な修復という点では、リフォームと似ていますが、ちょっとの工夫で部屋の印象全体がずいぶんと変わる、あるいは機能性が大きく向上するといった違いがあります。

例えば、下の間取り図は、全体を大きく変更せず、キッチンや寝室のデザイン等、ポイントを絞って改装した例です。

部分リノベーションの例。間取りはほとんど変えていない。

部分リノベーションの例。間取りはほとんど変えていない。

LDKと寝室の壁を取り払い、かわりにガラスブロックの間仕切りを設置。和室だった寝室を洋室に変更しています。

部分リノベーションの例。LDKと寝室の壁を取り払い、かわりにガラスブロックの間仕切りを設置。

部分リノベーションの例。LDKと寝室の壁を取り払い、かわりにガラスブロックの間仕切りを設置。

キッチンはレイアウトこそ変えていませんが、視界を覆っていた壁を取り払い、リビングまで見通せるようになっています。

部分リノベーションの例。視界を覆っていた壁を取り払い、リビングまで見通せるようになっている。

部分リノベーションの例。視界を覆っていた壁を取り払い、リビングまで見通せるようになっている。

写真の事例の詳細はこちら

ご紹介した部分リノベーションの事例について、もっとくわしく見たい方はこちらの事例ページをご覧ください。

このように、リフォーム済み物件や築浅物件などの「ここだけが気になる……」という部分に手を加える場合も、リノベーションと呼ばれることがあるのです。

リフォーム・リノベーション済み物件の注意点

中古マンションの広告や物件情報のポータルサイトでは、「リフォーム済み物件」や「リノベーション済み物件」という言葉をしばしば目にします。 注意したいのは、こうした文言がついている場合、工事の内容にそれほどの違いがない場合が多々あることです。

クロスの交換や水廻りを修繕など、ささいな内容でも「リノベーション済み」としている業者が非常に多く、これまで述べてきたような大掛かりな工事が行われていない可能性があります。そのため、配線や配管の交換などが行われているのかは、個々に確認をとる必要があります。

特に、築古物件は見えない部分こそメンテナンスが必要なため、 「リフォーム済み物件」、「リノベーション済み物件」を選ぶ際は、その工事内容を必ず確認するようにしましょう。

中古住宅を買ってリノベーションをする場合は、リノベーションプランを自分で決められるので、このような心配はまずありませんが、購入する物件がそもそもリノベーションに向いているかどうかを判断することが必要になってきます。下の記事では、物件の見抜き方から購入する際の注意点なども紹介されているので、事前にチェックしてみてください。

弊社ひかリノベは≪スケルトンリノベーション≫から表層の変更まで、お客様の「理想の住まいづくり」をサポートするリノベーション会社です。
「既存の部屋を丸ごと造り替えたい!」「気になる部分だけ変更したい」等、お客様お一人おひとりのご希望に応じて住まいをアップデートいたします。
中古物件を買って自由にリノベーションしたいとお考えの方、現在のお住まいのリノベーションをお考えの方も、ぜひひかリノベにご相談くださいませ。

 

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【執筆】堀田 隆大(ライター)
【監修】三好 海斗(宅地建物取引士)

 

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