マンションのリフォーム費用、相場はいくら?部位別価格まとめ

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事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0094/ より

マンションのリフォームやリノベーションをしようと思い立ったとき、最初に気になるのはやはり費用のことではないでしょうか。

今回の記事では、「リフォームを検討したいけれど、いくらぐらい掛かるの?」と不安やお悩みを抱える方に向けて、キッチンや浴室、リビングといった代表的な部位のリフォーム価格の相場をご紹介します。

理想の住まいを手に入れるためにいくらぐらい必要なのかが分かれば、リフォームのプランも立てやすくなるはず。見積もりを取る前に、大まかな相場をチェックしておきましょう。

工事部位別・リフォーム費用の目安

リフォーム費用は工事の内容によって大きく変わります。

たとえば、キッチンのリフォームといっても、「ガスコンロをIHに換える」と「壁付けキッチンをアイランド型にする」というケースでは、それぞれにかかる金額が大きく変わることが想像できますね。

また築年数、マンションか戸建かの違いによっても、かかる費用には差が出ます。

下の表は、一般的なリフォーム部位別の費用相場です。
部位別で見ても、それぞれ倍額ほどの幅があるのがおわかりになるかと思います。工事の内容におうじて、これほどの幅が出てくるわけです。

一般的な部位別費用相場
リフォーム部位 リフォーム相場
キッチン 150~300万円
浴室 100~150万円
洗面室 20~50万円
トイレ 20~50万円
リビング・ダイニング 150~450万円
和室 50~100万円
フルリフォーム 1,000万円から

それでは、部位(空間)ごとに目安となる中心価格帯と、工事内容の詳細をご紹介しましょう。

キッチン(中心価格帯:150~300万円)

コンロなど一部機器の交換は30万円以下、システムキッチンの交換だけなら50万円~150万円ほど(設備のグレードや既存のキッチンがどんなものかによる)で可能です。

しかし、「壁付けからアイランド型に変更する」「独立型のキッチンからリビング一体型のLDKにする」などレイアウト変更を伴う工事は、配管工事や、他の部屋も含めた内装工事が必要になります。この場合、当然費用も上がってきます。

こだわり派の方は、既成のキッチンを設置するのではなく、造作キッチンにしたいという場合も。一般グレードのシステムキッチンに比べ、造作キッチンは高額です。キッチンだけで200万円を超えることも珍しくありません。

浴室(中心価格帯:150~200万円)

浴室のリフォームといえば、ユニットバスの交換が主流です。マンションリフォームに対応したユニットバスも各社から発売されています。

注意したいのは、築年数が経過したマンションのリフォーム。もともとの浴室が在来工法のままというケースも多く、この場合は既存の浴室の解体費が必要となります。高額になった場合、総額200万円ほどに達することもあります。

外資系ホテルのようなオープンスタイルの浴室を希望される方もいます。この場合は基本的に在来工法で造作することになります。既成のユニットバスを入れ替える工事に比べ、造作風呂は高額です。

洗面室(中心価格帯:20~50万円)

洗面台だけの交換なら、ユニット型の洗面台を使えば、20万円台で収めることも可能です。

ただし、洗面室のリフォームを希望される方には、洗面台の交換だけでなく、床や壁も併せて交換したいという場合が多いですね。この場合、費用は空間の広さや使用する部材によって変わってきます。瀟洒なモザイクタイルを壁面にあしらいたいといった場合は、中心価格帯を大きく上回る可能性もあります。

既存の洗面台ではなく造作を希望される方も多いですね。キッチンや浴室の造作に比べると工事費用は控えめですが、ボウルや天板、壁面タイルに何を使うか、収納棚をどうするか等内容によって費用は異なります。

トイレ(中心価格帯:20~50万円)

トイレのリフォームは、便器の交換、壁や床材の張り替えといった内容。設備交換では、シャワートイレや節水型への交換ニーズが多いです。

古いマンションでは和式便器のままの場合もあり、洋式便器に変更するための工事が必要になることも。この場合、当然費用も変わってきます。

リビング・ダイニング(中心価格帯:150~450万円)

リビングやダイニングは暮らしの中心になる空間だけに、リフォームの内容も多岐に渡ります。そのため、費用にも大きな幅ができやすい場所です。

基本的な工事内容は、壁(クロスや塗装)や床(フローリング、フロアタイル、畳、カーペット等)の張替えでしょうか。

既存の仕上げのうえから新たな壁紙や床材を施工する場合と、一度既存の仕上げを撤去してから施工しなおすのでは、費用はもちろん、工期にも違いが出てきますので注意が必要です。

和室(中心価格帯:50~100万円)

マンションでも戸建でも、古い住宅にはつきものの和室。フローリングの洋室に造り変えることもあれば、和室のままリフォームしたいという方もいるでしょう。

和室には無垢の木や和紙など自然素材が似合いますが、自然素材はやや高価。素材にこだわりたい方は、予算に余裕を持っておくのがベターです。

フルリフォーム(中心価格帯:1,000万円から)

マンションの躯体や共用部分を含まない、専有部分の内装や設備などのリフォームが可能な部分のことを「インフィル」と呼びます。
既存のインフィルをすべて撤去し、躯体のみの状態(スケルトン)にしてからリフォームすることを、フルスケルトンリノベーションといいます。
(スケルトンリノベーション、フルリフォーム、スケルトンリフォームと表現する人も)

フルスケルトンリノベーションでは、使用する建材・設備機器や工事費のほか、養生や解体費も、部分リフォームに比べ高額になります。
さらに配管を交換するか、既存設備を残すか一新するか等、工事の内容が画一的でないため、費用も幅があります。

下記は専有面積60㎡のマンションの一室をスケルトンリノベーションする場合を想定し、出来ることと予算のめやすを表にまとめたものです。
(ひかリノベも加盟しているリノベーション会社ポータルサイト『SUVACO』調べのデータ)

工事内容
※マンション 60㎡を想定
予算
800万円 1,000万円 1,500万円
水まわり設備の取り換え
内装(床、壁、天井)の一新
間取り変更
造作家具や素材へのこだわり
断熱工事 × ×

リフォーム周期の目安

新築マンションも住み続けていれば必ずリフォームが必要になります。
逆に築年数の経過した建物でも、適切にリフォームをしていれば、いつまでも快適に住み続けることができるのです。

では、適切なリフォーム周期とは、いつ・どんなリフォームを行えばよいのでしょうか。
下の表は、一般的なリフォーム周期のめやすをまとめたものです。

築年数  リフォーム内容 概算費用 
20年まで 部分的な補修、ガス給湯器の交換 300万円~500万円
30年まで キッチン・トイレ・浴室などの水廻り設備交換 700万円~1,000万円
30年以上 フルリフォーム(スケルトンリノベーション) 1,000万円~1,500万円

築20年までは、日々の暮らしの中で傷んでしまった部分の補修が中心。
設備の中でも、給湯器は耐用年数が10年から15年(ガス給湯器の場合)といわれているので、比較的短いサイクルで交換が必要となります。

築20年を超えると、水回り設備の傷みが目立つようになります。
もちろん大事に使っていれば長持ちしますが、20年以上経つと時代に合わなくなってきたり、住む人のライフスタイルの変化もあったりする時期に差し掛かるため、設備を中心としたリフォームを考える人が多くなります。

築30年以上になると、配管を含め各部の老朽化や陳腐化が気になる時期に突入。
一定規模以上のリフォームをしていない場合であれば、フルリフォーム(スケルトンリノベーション)を検討すべきでしょう。
また築古の中古物件の購入を検討しているという方も、配管など目にみえない部分の経年劣化を考慮したうえで、フルリフォームを実行することをおすすめします。

マンションのフルリフォーム事例と実際にかかった費用

それでは、フルリフォーム費用について実例を挙げてご紹介しましょう。

間取り変更なし


専有面積 66.39㎡
間取り 2LDK→2LDK
築年数   2007年(築16年) 
費用 約780万円(税抜)

間取りは大きく変えずとも、天井や梁・柱の仕上げを見直すことでより広々とした空間を表現できます。
本事例では、リビングの天井高を際立たせるために、玄関ホールからキッチンまでの天井の仕上げ面をあえて一段低く設計。また素材も変化させることで、リビングの明るさ・広さを印象付けています。
リビング収納下部はキッズスペースに。かまくらのような形がかわいらしい印象。将来はオープン収納に用途を変えても使いやすい形状です。

金額は60㎡台後半で1,000万円未満で収めています。
ただし、これは間取り変更がなければ必ず収まるというわけではなく、壁材や床材、キッチン等の水廻り設備になにを使うかによっても変わってきます。
本事例は、メリハリをつけることで費用節約に成功した事例です。

間取り変更あり


専有面積 73.07㎡
間取り 2LDK→2LDK
築年数 1987年(築36年)
費用 約1,400万円(税抜)

リビングを拡張し、キッチンも壁付型から対面型に。拡張したリビングの一角にはリモートワークスペースを設けました。
玄関土間は奥行を拡げ、シューズクローゼットを設けました。
玄関脇の個室は不要なスペースを削り、そこにウォークインクローゼットを新設。入口を斜めに設けることで、廊下の動線をゆるやかにし、移動しやすく。

全面的な間取りの見直しを行う場合は、70㎡前後で1,200万円を超えてきます。
天井の一部を木板仕上げとし、キッチン設備にハイグレードなものを採用した本事例では、金額は1,400万円に。

マンションリフォームの注意点

マンションをリフォームする際、建物の構造や規約によっては制約がかかる場合もあります。ここからご紹介するポイントに注意して、物件選びやリノベーションプランを計画するようにしましょう。

専有部分と共用部分

マンションには、専有部分と共用部分があります。個人でリフォーム可能な範囲は、このうち「専有部分」のみです。

専有部分に該当するのは、玄関ドアの内側から、窓サッシの内側まで。
玄関ドアそのものや、窓の外のバルコニーは、専有部分に含まれません。

住民みんなが共同で使用するエントランスや共用廊下、建物の躯体、各住戸の排水管や給水管を繋いでいるパイプスペースなどは、もちろん共用部分にあたります。これら共用部分は、個人の判断でリノベーションをすることはできません。

壊せる壁と壊せない壁

建物の構造上、間取りを思い通りに変更できない場合もあるため注意が必要です。

マンションの構造には「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類があります。
壁式構造のマンションの場合、構造壁といって建物の構造耐力上壊せない壁が存在するため、間取り変更の障壁となる可能性があります。物件選びの段階で、構造壁の有無と位置を確認しておくことが大切です。

水廻り移動と配管

マンションの給水管・排水管は、通常、床下を通っており、配管の勾配を充分に確保するため、床下にスペースが必要となります。

物件によっては水回りの移動が困難なケースもあるため、リフォーム検討の段階で、プロに図面や現地の確認をしてもらう必要が出てきます。

管理規約による制約

マンションには管理規約があり、住民全員が守らなくてはいけないルールが定められています。先述した専有部分のリノベーションであっても、好き勝手なデザインや工事を施していいという訳ではありません。

例えば、床材の遮音等級の指定や電気容量に制限が設けられているケースもあります。
物件選びの段階で、リフォームでやりたいことと管理規約に齟齬がないか、確認しておく必要があります。

予算と優先順位

技術的に可能な工事であっても、費用が予算を大きく超過してしまってはいけませんね。
予算内ですべての要望を叶えられれば良いですが、予算をオーバーしてしまう場合にはどうしたら良いでしょう。

他社に相見積もりをとってみるのも一つの手ですが、結果的に金額は大きく変わらないケースも多いようです。前述のように、リフォーム費用には工事内容ごとにおおよその相場があり、各社大きくは変わらないようです。

ただし大規模な工事――フルリフォーム(スケルトンリノベーション)のような――の場合、間取りやデザイン、壁材や床材に何を採用するか等、リフォーム会社から提案を受けることになります。つまり工事の内容が、その会社によって変わってくるわけです。このような大規模工事の場合、見積もりの取り方にコツがあります。

それは「総予算を最初に伝えること」「要望は具体的に伝えること」「要望の優先順位を決めておくこと」。

お施主様がどんなリフォームを望んでいるかが伝われば、リフォーム会社側もより正確な金額を出すことができます。
また全部の要望を素直に反映すると総予算をオーバーしてしまうという場合に、「こうすれば予算内に収めることができます」と代替プランを提案することが可能になります。

マンションのリフォームでローンは組める?

リフォームでも規模が大きくなれば、費用も高額になります。小さなリフォームなら手持ちのお金で賄えますが、大規模なリフォームの場合は、ローンの利用を検討する必要があるでしょう。

ローンの選択肢としては、リフォームを対象にした「リフォームローン」と、住宅購入資金とリフォーム費用をまとめて借りる「住宅ローン(一体型ローン)」の2つがあります。

リフォームローンは、借入額によっては担保が不要で、審査も通りやすいです。しかし、借入額の上限が低い、返済期間が短い、金利が高めに設定されているといったデメリットもあります。

中古住宅を買ってリフォーム・リノベーションするなら、住宅ローンにリフォーム(またはリノベーション)費用もまとめる「一体型ローン」がおすすめ最近は「フラット35リノベ」をはじめとして、中古購入+リフォームを前提とした一体型商品が増えています。

※一体型ローンについては下記の特集記事があります。よろしければ併せてご覧ください。

リフォームで使える補助金や減税制度

住宅のリフォームにつかえる補助金や減税制度があることはご存知でしょうか。

今年2023年は、住宅のリフォームを通して環境保護を推し進める狙いから、断熱リフォームや高効率給湯器の導入など、住宅の省エネリフォームに対する大型の補助事業「住宅省エネ2023キャンペーン」が用意されています。

ほかにも断熱リフォームや長期優良住宅化リフォーム推進事業といった、所定のリフォームを行った場合に適用される補助金もあります。また、介護保険による住宅改修費の支給も認められています。

減税制度としては、リフォーム減税といって、所定のリフォームを行った場合に、所得税の控除や固定資産税の減額がなされる制度があります。
既存住宅を購入してリフォームを行った場合には、住宅ローン控除がリフォーム費用部分にも適用されます。

これらの制度を利用するには、工事内容など一定の要件を満たす必要があり、またすべての制度を併用することもできません。まずは自分のやりたい工事が補助金や減税の対象となるか否か、リフォーム会社との打ち合わせの中で尋ねてみるとよいでしょう。
なお補助金事業のなかには、政府の事業予算の上限に達ししだい申請受付を打ち切るというものもあるため、相談はお早めに。

※補助金や減税制度について詳しく知りたい方は、下記の特集記事も併せてご覧ください。

マンションのフルリフォームのご相談は『ひかリノベ』

本記事では、リフォーム費用の目安について解説しました。

工事費用は同じ部位であっても内容によって大きく金額が変わります。とくに大規模リフォームやフルリフォームの場合、既存の建物の状態によっても金額が左右されるため、予算感を知るには、リフォーム会社にくわしく工事の要望を伝えて、見積もりをとる必要があります。

当社ひかリノベは、フルリフォーム(スケルトンリフォーム)の設計と施工管理をワンストップでご提供する、一級建築士事務所/リノベーション会社です。
家探しからリノベーションをご希望の方には、物件探しから設計・施工までを一貫サポート致します。
居住中のご自宅のリノベーションは、工事中の仮住まい探しから設計・施工までおまかせください。
もちろん、補助金や減税制度のご利用にも対応しております。

マンションのフルリフォームのご相談は、ぜひ当社ひかリノベに、いつでもお気軽にお申し付けください。
現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

尾高 等(宅地建物取引士)

宅地建物取引士の有資格者。住宅購入だけを目的とせず、その後も続く人生のファイナンシャルプランを長期的な視点から提案する。「かつては頭金が2割ないと住宅購入は難しく、多額の現金投資をしなければ理想の住まいはつくれませんでした。しかし歴史的な低金利や、100%融資も可能となった現在、マイホーム購入のあり方は多様化しています。新築、中古、マンション、戸建、いろいろな住居の選択肢がある中から本当に満足できる空間とは何なのか。一緒に探していきましょう」

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