
リノベーション資金の借入ができるローンとして、「リフォームローン」のほか、「住宅ローン」も利用できることはご存じでしょうか。
住宅ローンは金利が割安。しかし、すべてのリフォームに最適というわけではありません。
この記事では、リノベーションに使えるローンの違いや種類、ケース別の選び方のポイント、申し込み方法や手続きの流れを解説します。リノベーションをしたいけれど、どんなローンが使えるの? とお悩みの方はぜひ参考になさってくださいね。
リノベーションに使えるローンの種類
リフォームやリノベーションをする場合、その費用を借入できるローンは2タイプあります。
まず1つが、リフォームローン。その名のとおり、リフォームやリノベーション専用に用意された金融商品です。
もう1つが、住宅ローン。住宅ローンといえば住宅購入のための金融商品ですが、実はリフォームやリノベーションの費用も借入することが可能です。
近年、マイホームを手に入れるための選択肢として「中古住宅を買って、リノベーションする」という方法が人気を集めています。このように購入と同時にリノベーションやリフォームをおこなう場合、住宅ローンにリフォーム費用を組み込んで借入することができるのです。
すでに所有している物件をリフォーム・リノベーションする場合にも、金融機関によっては利用可能な住宅ローン商品があります。
また、住宅取得時のローンが残っている場合には、他の金融機関に借り換えすることによって、リフォーム費用を上乗せして借入することが可能です。
リフォームローン
リフォームローンは、リフォームを目的としたローン商品です。「中古住宅を購入してリノベーションする」または「すでに所有している自宅をリフォームする」どちらの場合でも使うことができます。
リフォームローンのメリットは、借入額が小さければ無担保で利用できること。審査も比較的通りやすいです。
リフォームローンのデメリットは、借入額の上限が500~1,000万円程度にとどまること。その分、返済期間も短く(~15年程度)したがって毎月の支払額は高くなります。
住宅ローンに比べ金利が割高であることも要注意(年2.0%~6.0%前後)。
また、住宅ローン控除の対象にもなりません。
住宅ローン
住宅ローンは、住宅購入を目的としたローン商品です。中古住宅を購入してリノベーションする場合は、物件の代金だけでなくリノベーション費用もまとめて借入することができます(一体型ローン)。
さらに、近年は住宅購入を伴わないリフォームにも使える住宅ローン商品を取り扱う金融機関も増えています。
住宅ローンのメリットは、借入額の上限が最大1億円程度と、リフォームローンに比べて高い銀行が多いこと。その分、返済期間も最長35年と長く、長期間で少しずつ返済することが可能です。
金利も、リフォームローンと比べぐっと割安(変動金利で1%前後)。
また、住宅ローン控除が利用できることも大きな利点。住宅ローン控除は「住宅ローンを組んでマイホームを購入した人」のための優遇税制です。
住宅ローンのデメリットは、融資事務手数料や保証料、抵当権の登記費用などの諸費用がかかること。
そして審査が厳しく、ローンが組めない場合や、満額の借入が認められない場合があることです。
ケース別:ローンの選び方
リフォームローンと住宅ローン、それぞれにメリット・デメリットがあることがわかりました。では、リフォームローンと住宅ローン、結局どちらを選ぶべきなのでしょうか? ケース別にみていきましょう。
中古物件を買ってリノベーション
「中古を買ってリノベーション(住宅購入とリノベーションを同時におこなう)」の場合は、住宅ローンの利用をおすすめします。
住宅購入資金に住宅ローン、リノベーション費用にリフォームローン……と分けてローンを組むと、諸費用も2本分かかってしまい、金銭的な負担も大きくなります。住宅ローンでまとめて借りてしまえば、諸費用を一本にまとめることができるだけでなく、金利も抑えられます。最終的な返済額を考えると、住宅ローンでまとめて借入した方がお得になることが多いです。
ただし、住宅ローンにリノベーション費用も組み込むには、ローン申込みの時点で、リノベーション工事にかかる費用が明らかになっていなければなりません。ローン申込みと同時に審査に入るため、リノベーションのプランと見積書を金融機関に提出しなくてはいけないのです。
そのため、「とりあえず物件を購入してから、リノベーションを計画する」というのはNG。物件探し・売買契約・ローンの申込み……ここまで進めるまでの間に、リノベーションプランを確定しておく必要があります。
持ち家のリノベーション(まだローンが残っている場合)
この場合、選択肢は「リフォームローン」か「住宅ローンの借り換え」の2つです。
リフォームローンを(返済中の住宅ローンとは別途)組む方法では、住宅ローンの返済とリフォームローンの返済の二重負担になります。
住宅ローンを借り換え、現在の住宅ローン残債にリノベーション費用を上乗せする方法では、ローンは一本化されますが、登記費用や手数料などの諸費用がかかります。短期間で完済できる場合には、低金利による恩恵よりも、これらの諸費用のほうが高くつく場合もあります。
どちらが総返済額を抑えられるか、諸費用も考慮して判断しましょう。一般的にはリノベーション費用が高額であるほど、住宅ローン借り換えのほうが、金利の割高なリフォームローンよりもお得になります。
持ち家のリノベーション(購入時の住宅ローンは残っていない)
この場合、従来は「リフォームローン」しか選べませんでしたが、いまは(金融機関によっては)「住宅ローン」も選択肢になります。
住宅購入を伴わないリフォームの資金にも使える住宅ローン商品が、増えてきました。とくに1,000万円規模のリノベーションをする場合、最長35年の返済期間・低金利の住宅ローンを利用するメリットは非常に大きいといえます。
ただし、住宅ローンは担保が必要で、審査も厳しい点に注意が必要。審査では物件の担保としての価値が評価されます。築年数の古い物件は担保評価額が低く抑えられ、借入可能額が低く抑えられたり、返済期間が短く設定されることがあります。また、接道要件を満たしていない「再建築不可物件」、建ぺい率・容積率が現行基準を満たしていない物件は、多くの金融機関は融資を認めていません。
ローンの申し込み方と融資の流れ
リフォームローンを使うか住宅ローンを使うか決まったら、次はいよいよ申し込みです。融資までは、事前審査・本審査・金消契約…といくつかの手続きがあるため、全体の流れを知っておくと安心です。
ここでは、申し込みから融資までの流れを、順を追って解説していきます。
リフォームローンで持ち家のリノベーションをする場合
リフォームローンの申込手続きや審査はシンプルで、リノベーション工事の内容と費用が決まった段階で申し込みを行えばOK。担保も不要です。
審査は事前審査と本審査の二段階。事前審査はごく略式で、書類提出も不要という金融機関もあります。この場合、見積書や請負契約書は、本審査のタイミングで提出します。
審査に通ったら、金消契約を締結し、融資が実行されます。
住宅ローンで中古物件のリノベーションをする場合
住宅ローンでリノベーション費用を借りる場合、所有物件をリノベーションする場合と、中古物件をあらたに購入してリノベーションする場合とで、進め方が異なります。
所有物件をリノベーションする場合は、リノベーション工事の内容と費用が決まり次第、申し込みをすればOK。審査は事前審査と本審査の二段階で、リフォームローンよりも厳しく、物件の担保評価も審査対象となります。
中古物件をあらたに購入してリノベーションする場合、進め方に注意が必要。この場合、物件の売買契約を結んだタイミングで住宅ローンの本審査申込を行いますが、このときリノベーションのプランと見積書を金融機関へ提出しなくてはいけません。そのため、物件探しとリノベーションの計画を並行して進める必要があります。スムーズに進めるためには、不動産仲介からリノベーションまでをワンストップで対応できるリノベーション会社を利用するとよいでしょう。
ローンとリノベーションについてよくある質問
リノベーションローンについて、さまざまな疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。
住宅ローン控除はリノベーション費用にも適用される?
住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人に適用される優遇税制です。毎年の所得税・住民税から、「年末時点での借入残高の0.7%相当」が控除されます。
住宅購入資金には住宅ローン/リノベーション費用にはリフォームローン…と分けてローンを組んだ場合、リノベーション部分には控除が適用されません。しかし住宅ローンで購入費用とリノベーション費用をまとめて借りれば、控除が適用されます。住宅ローンにリノベーション費用を組み込むことで、適用範囲が広がるのです。
住宅ローン控除を利用するには、「床面積が50㎡以上である」「ローンの返済期間が10年以上である」「世帯年収が2,000万円以下である」など、いくつかの要件を満たす必要があります。上手く利用すれば、住宅購入費用やリノベーション費用の金銭的負担を大きく減らすことができます。
住宅ローンを利用しない人にも使えるリフォーム減税や補助金はある?
住宅ローン控除は「住宅ローンを組んでマイホームを購入したこと」が必須条件ですが、住宅ローンを利用しない場合にも適用される減税や補助金制度があります。
たとえば、リフォーム促進税制。耐震・バリアフリー・省エネといったリフォーム工事を実施すると、所得税の控除や、固定資産税の減額措置を受けられます。
さらに、断熱リフォームや省エネ給湯器の導入などの住宅の省エネリフォームには、リフォーム箇所や内容に応じて補助金が用意されています。(住宅省エネキャンペーン)。
リノベーションの規模が大きくなるほど、費用の負担も増えるので、こうした制度を上手に活用して、総費用を抑えることも検討しましょう。
おわりに
リノベーションに使えるローンの種類と、ケース別の選び方、申し込み方法や手続きの流れを解説しました。
リノベーションに利用できるローンには、リフォームローンと住宅ローンの2種類があり、それぞれ利用できるケースやメリット・デメリットが異なります。中古住宅を購入してリノベーションする場合、持ち家をリノベーションする場合、またリフォーム規模によっても有利な選択肢は変わるため、自分の目的や状況に合わせて選択することが大切です。
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