旅するように暮らしたい
エリア | 東京23区エリア |
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家族構成 | 二人暮らし |
面積 | 62.72㎡ |
間取り | 2LDK → 1LDK |
テイスト | ヴィンテージ |
特徴 | 回遊動線、間接照明、IoT、モロッカンタイル、サブウェイタイル、エコカラット |
リノベ費用概算 | 13,000,000円 |
家で過ごす時間も好きになりたい
「もともと家で過ごす時間が好きじゃなかった」と口をそろえるB様ご夫妻。
「二人ともアウトドア派で趣味も多いし、旅行も大好き。でも、そもそも賃貸に住んでいたころは、家が好きじゃなかったんですよね……。狭いし、素敵な家具を置いてもなんだか決まらない。休みの日は、用事が無くても買い物に出かけたりして、家には寝に帰るだけ、という生活でした」
そんなお二人が『中古を買ってリノベーション』に踏み出したきっかけは、ご結婚。二人のくらしの基盤となる家、そこで過ごす時間も大切にしたいという想いから、リノベーションを考えるようになったそう。
「友人が注文戸建を建てたんですが、やっぱり間取りも内装も自分たちで考えた家は、満足感も愛着もぜんぜん違うんだなって。私たちも注文戸建にしようかって最初は考えてたんですが、家族構成もこれから変わるかもしれないし。たとえば10年後、やっぱり引っ越そうかとなった場合、マンションのほうが動きやすいでしょう。それなら中古リノベだね、と」
三つの窓から光が差し込む、ワイドスパンのLDK
B様邸の最大の特徴は、三つの窓から日の光が差し込む、ワイドスパンのLDK。
対面キッチン正面のリビングスペース、配膳動線を考慮してあえて中央に配したダイニングスペース、そしてカーペットの上に横になって読書をしたり、手足を伸ばしてストレッチをしたりと、ユーティリティに過ごせる床座スペース……3つのシーンがひとつになった空間となっています。
「子供部屋や書斎をつくる案もあったんですが、最終的にはリビングを広くとって、その中でいろいろな過ごし方ができる、という方が、いまの私たちには合っていると思ったので。今後やっぱり部屋を割りたいとなったときに、建具や壁を立てられるよう、天井に下地を入れてもらいました」
もとは壁付け型だったキッチンは、対面型にレイアウトを変え、頭上に天吊りタイプのオープンラックをしつらえました。このラックはお酒とグラスを飾るためのもの。夜のひととき、ソファでくつろぎながらグラスを傾けるのが、お二人の新しい『お家習慣』になったそう。
この夜のひとときを彩るもうひとつの仕掛けが、カーテンレールに忍ばせた間接照明です。天井を縦断するダクトレールライトの明かりを落とし、この間接照明のほのかな光を灯すと、陽射しの明るい昼間とはまったく違う表情に。「ちょっとした非日常感」を演出してくれる、お二人のお気に入りポイントとなっています。
この間接照明をはじめとするリビングや寝室の照明は、すべてIoTで制御されており、声をかけるだけで点灯・消灯・調光が可能です。
「朝起きたときや夜寝る前、どちらが電気をつけるか・消すかって、小さなことですが面倒だったりしませんか?(笑) そういう小さなストレスが無いっていうことも、暮らしのメリットとしては意外と大きいんですよね」
最大の課題・収納は「小さなスペースも無駄にしない」
キャンプ、スノーボード、ゴルフ、フットサル……。アクティブ派のお二人は、趣味の道具の収納が悩みの種でした。
「ゴルフバッグのような大物はもちろん、付随して増えていくシューズ類も、どこにしまったらよいのか……。マンションの玄関ってふつう狭いでしょう。かといって玄関を広くしたら、生活空間が狭くなる。すっかり困ってしまって、設計担当の方に相談したんです」
B様邸の収納プランは「小さなスペースも無駄にしない」が合言葉。収納空間は大きく4つ、玄関土間に設けたL字型のシューズインクローゼット、リビングから寝室に通り抜けできるウォークスルークローゼット、リビング収納、寝室収納という構成です。
シューズインクローゼットは上がり框を斜めにカットすることで、二面の棚と、ゴルフバッグや自転車を置ける土間スペースを確保。
この上がり框と平行に、台形のかたちに洗面室を取ることで、空間の無駄が省かれ、バスルームを挟んだ向こう側にウォークスルークローゼットを設ける余裕が生まれました。
リビング収納は洗濯機置き場横のスペースを利用したもので、寝室収納はバスルームからパイプスペースまでの間にぽっかり空いた空間を利用したものです。
水廻りを中心に、玄関・リビング・ウォークスルークローゼット・寝室を通って回遊できる動線とし、朝の身支度や帰宅後の身じまいもスムーズに。
「間取りを工夫することで、家の広さは変わらなくても空間が生まれるんですね。もとの間取りからカットしたのは、玄関ホールやちょっとした凹凸。生活空間を犠牲にせずに、こんなに収納スペースができるなんて、なんだか魔法みたい」
旅の思い出を散りばめて
インテリアはインダストリアルテイストをベースに、多国籍なフォーカルポイントが点在しています。
「旅行先で一目惚れした小物があちこちに……。このキリンの置物は、アフリカに行ったときに目が合って(笑)、持って帰るのに苦労したんです。キリっとした表情だけど、可愛らしさもあって、どこかユーモラスでしょう。世界地図は、結婚式のときに友人たちからもらった寄せ書きです。夫婦とも世界旅行が好きなので、そこに書いてもらうことにしたんですよ」
キッチンまわりのモロッカンタイルは、奥様が独身時代、モロッコに旅したときから「ずっと憧れていた」もの。背面のサブウェイタイルも、やはり奥様が旅行先のブルックリンで見かけた街の景色から着想したそう。
そしてリビングでひときわ目を惹くのが、壁に据えたギブソンのギター。ギターは旦那様のご趣味で、「せっかくだから仕舞い込まずに飾れないかな、と言ったら、設計担当の方が提案してくださって」。壁に浅く凹みを作ることで、収納時にフラットに収まるよう設計しています。
「『好きだ!』って思えるものを集めて、居心地の良い空間ってどんなだろうって考えて……そうして完成したこの家で暮らすようになってはじめて、休日に家で過ごすのも良いなって思えたんです。子供のころから家で過ごすのがきらいで、暇があれば外に出かけていたのに、いまは無理に家を出ようと思わなくなりました。二人で過ごす時間はもちろん、友人を家に招いて楽しく過ごす時間も、ああ、好きだなって。うちに来た友人たちも、みんな居心地が良すぎて、気づいたら何時間も過ぎちゃうって言ってくれています」