騒音を遮る・防ぐ!マンションの防音力を見極める9項目

はてなブックマーク - 騒音を遮る・防ぐ!マンションの防音力を見極める9項目
Pocket
LINEで送る

この記事のまとめを サクっと 読む
mansion

集合住宅であるマンションでは「お隣の話し声や足音が聞こえる」「目の前の道を車が走る音が響いてくる」といった≪騒音問題≫がしばしばトラブルの種となります。
賃貸なら「引っ越せばいい」と言えますが、ローンを組んで購入したマイホームはカンタンに手放せませんよね。

ですから物件選びは慎重に! お隣の生活音や外の喧騒が気にならないか? 内覧できっちりチェックしましょう。

また≪騒音問題≫は自分が被害にあうケースばかりではありません。
やんちゃ盛りのお子さまが走り回る足音や、ワンちゃんの元気な鳴き声が、お隣の生活を脅かしてしまうこともあり得るのです。

そこで今回は「わが家も、お隣さんも、音に煩わされない防音マンションの選び方」を大特集!
建物構造・壁・床・窓etc…と内覧でチェックしたいポイントをまとめました。
これからマンションの購入をお考えの方、いままさに物件探し中という方も、内覧前にぜひこの記事をご一読ください!

1.「RC造だから大丈夫」ではない!

「木造建築は声や音が響きやすい」とお聞きになったことはありませんか?
一般に防音性能は、RC造(鉄筋コンクリート造)>S造(鉄骨造)>木造とされています。
しかし「RC造の建物は必ずS造よりも防音性能が高い」と断言できるわけではなく、床や壁の材質や厚みによって音漏れのしやすさは変わってきます。

RC造のマンションは、床の構造体(スラブ)はコンクリートで出来ています。
お隣の住戸とを区切る戸境壁はコンクリートであったり、乾式遮音壁であったりと、物件によって異なります。乾式遮音壁とは、石膏ボードでグラスウールをサンドイッチしてつくる壁のこと。

S造では、床はデッキにコンクリートを流し込むか、またはALCパネルを敷いています。ALCパネルとは、軽量気泡コンクリートの板のことで、軽量で丈夫、火事にも強いことから、高層ビルによく用いられる建材です。
戸境壁は床と同じALCパネルか、乾式遮音壁です。

skeleton

床も壁も厚いコンクリートで覆われていれば理想的ですが、厚みが充分でなければ、むしろALCパネルの方が遮音性は高いのです。
しかしALCパネルを隙間なく施工するには高い技術が必要で、それが一般に「S造の防音性能はRC造より劣る」といわれる所以でもあります。

また乾式遮音壁は従来「コンクリートより遮音性に劣る」とされていましたが、イマドキの乾式遮音壁は厚さ200mmのコンクリートと同等の遮音性をもっています。
ただしこちらもボードの継ぎ目に隙間があると、そこから音漏れするので、施工技術によって仕上がりにはバラつきがあるのです。

ですから「RC造はS造よりも静かだ」とは一概にいえないのです。施工の精度によっても違って来ますから、建物構造は参考程度に留めておくのが賢明です。
それよりも内覧で実際にお隣の話し声やTVの音・上階の足音が気にならないかを確かめること。壁・床・窓といった細部のつくりを一つひとつ検証していくことが大切です。

また子育て中のご家庭や、ワンちゃん・猫ちゃんのいるお宅では、ご近所に「声や足音がうるさい」と言われないか心配……という声もよく聞かれますね。
そのようなお悩みがある方も、やはり「RC造だから」という選び方ではなく、内覧で実際に周りの音が気にならないか、よく確かめましょう。隣戸の生活音が聞こえないということは、わが家の生活音もよそに響きづらいだろうと推測できますから。

POINT
  • 「RC造だから」といって安心してはダメ!
  • 壁・床・窓などのつくりを検証
  • 内覧で実際の聞こえをチェック(わが家の生活音の響き方も推測できます)
  • 2.話し声やテレビの防音は≪壁構造≫がカギ

    人の話し声やTV・オーディオ類(空気伝搬音)の音漏れは、壁に原因があります。
    大人が会話する声のボリュームは約55dBです。「お隣の会話が聞こえない・わが家の会話を漏らさない」ためには、コンクリートの戸境壁で150~180mmの厚みが必要です。
    乾式遮音壁の場合、遮音等級を不動産会社に確認なさってください。特級クラス(D-55以上)が望ましいです。

    壁自体の遮音性が高くても、壁と柱・床・天井の取り合いに隙間があれば、そこから音漏れします。
    物件によっては、壁と柱の間にわざとスリットを設けている場合もあります。地震のときに衝撃を逃がすための工夫ですが、このスリットが音の通り道になってしまうのです。
    スリットの有無は図面を見ても分かりづらいので、不動産会社に確認されることをおすすめします。

    slit

    戸境壁にコンセントやスイッチが付いている物件も、避けた方が無難です。
    埋め込みの分そこだけ壁が薄くなっていますから、音が通りやすいのです。

    また戸境壁の内装仕上げにもご注意を。
    コンクリートの上に石膏ボードを張り、その表面をクロスで仕上げるGL工法は、コンクリートと石膏ボードのわずかな隙間で音が共鳴してしまいます(太鼓現象)ですから戸境壁がコンクリートの場合、それに直接クロスや塗装で仕上げる方がベター。
    ALCパネルは直接クロスを貼ってもすぐ剥がれてしまうので、必然的に二重仕上げとなります。太鼓現象を防ぐためには、木下地を組んで100mm程度の空間(空気層)を設けるふかし仕上げが◎です。
    (乾式遮音壁は直接仕上げがふつうですから、この点は考えなくても大丈夫です。)

    POINT
  • 戸境壁のコンクリート厚は150~180mm・遮音等級D-55以上が望ましい
  • 戸境壁と柱の間にスリットがないか、不動産会社に確認して
  • 戸境壁にコンセントやスイッチがないか内覧でチェック
  • コンクリート壁は直接仕上げ・ALC壁はふかし仕上げがベター
  • 3.足音をカバーする≪床構造≫

    床はカトラリー類を落としたときの「カツン」という音(軽量衝撃音=LL)、人が歩くときの「ドスン」という音(重量衝撃音=LH)が上階から下階に響きやすいです。

    LLは床の仕上げ材(フローリング、カーペット、畳など)で軽減できます。
    もっとも遮音性に優れているのはカーペットや畳ですが、デザイン的にはフローリングが人気ですね。そこで近年のマンションは、多くが遮音フローリング(遮音等級LL-45~-40)を採用しています。
    とはいえ築古物件では通常のフローリングも見られますので、中古の場合は念のため不動産会社に確認しておきたいところです。

    floor

    問題になりやすいのはLHです。LHはコンクリートスラブの厚みに左右されます。
    大人が静かに歩く足音はスラブ厚180mm程度でもほとんど気になりませんが、やんちゃ盛りのお子さまが走り回って遊ぶ足音は200mmでようやくカバーできるほどです。
    とくに小さなお子さまがいるご家庭は、お子さまをのびのびと遊ばせてあげるためにも、必ずスラブ厚200mm以上を選びましょう。

    ちなみに、床構造が「二重床の方が直床より防音性能に優れている」という説がありますが、実は二重床は将来の間取り変更がしやすいという理由で採用されるので、遮音性が向上するとは限らない――というのが本当のところです。
    むしろスラブと仕上げの床の間に空間があることで、太鼓現象が起きやすくなります。そのため、スラブと仕上げの床の間に100mm程度の空気層をつくる・スラブの上にグラスウールなどの緩衝材を入れる(浮床)といった工夫が必要です。

    POINT
  • 遮音フローリング(LL-45~-40)はマスト
  • コンクリートスラブ厚は200mm以上推奨
  • 二重床は浮床などの工夫が必要
  • 4. 音漏れ知らずの≪窓サッシ≫

    屋外の車や電車の音、通りを歩いている人の声などは窓から入ってきます。窓を閉じていても、サッシの隙間から入ってきてしまうことがあるのです。

    とくに駅近・街中・幹線道路や線路が近くにあるマンションは、防音性能にすぐれた窓サッシが必須。
    駅近・街中の場合は遮音等級T-1以上、幹線道路や線路沿いはT-2以上のグレードが望ましいのです。
    また楽器を演奏される方・「ペットの鳴き声がお隣に響かないか心配」という方も、T-2以上がおすすめ。

    窓ガラス自体が防音仕様になっている場合もあります。
    レギュラータイプの窓ガラスは3mm厚の単板ですが、5mm厚・8mm厚・あるいは二枚のガラスの間に緩衝材を挟んだタイプなどなど――しかしこれらの防音ガラスも、サッシの気密性が良くないと、ほとんど意味がありません。

    window

    なお「複層ガラスは単板より防音性能に優れている」という説がありますが、実は複層ガラスは結露の防止を目的としているので、遮音性は考慮されていません。
    むしろ二枚のガラスが反響して、とくに低音はよけい大きく聞こえることがあります。
    「複層ガラスだから静かですよ」と紹介されるような物件は、とくに車や電車の走行音を気にされる方は、避けた方がよろしいでしょう。

    POINT
  • 駅近・街中は「T-1以上」、道路・線路沿いは「T-2以上」の窓サッシ
  • 複層ガラスは低い音には逆効果
  • 5.居室の間取りにワンクッション

    キッチンやバスルームで水をつかうと、給排水管を流れる水音が聞こえることがあります。
    お仕事やご家庭の都合で、食事や入浴が夜遅くなりがちな方も多いのではないでしょうか?
    お隣が水をつかう音で目が覚める。あるいは逆の立場で、隣戸に遠慮して「入浴は翌朝にしよう」と我慢してしまう――そんな気兼ねをしないためには、各住戸の間取りに注意しましょう。

    静かに過ごしたい寝室と、キッチン・トイレ・バスルーム等の水回りが隣接していると、水音が聞こえやすくなります。
    ベストな間取りは、お互いの収納スペースを間に挟むカタチです。洋服や布団など、中に仕舞っているモノが音を吸収して、その奥に位置する居室までは音が届きません。

    また水回り同士が隣り合うような間取りもGood! トイレやバスルームは「使うときしか入らない」ので、ふだんは音の緩衝地帯になってくれます。

    POINT
  • 水まわりと寝室が隣接する間取りはNG
  • 収納を挟む間取りがGood!
  • 水まわり同士が隣り合う間取りもOK!
  • 6.住戸配置や階数は目的別に選ぶ

    さきほどの間取りの話とも共通しますが、「音の出る空間と、静かな空間が接している」と騒音リスクが増大します。
    翻っていえば、接している面が少いほど騒音リスクは減少するわけです。

    たとえば「上階の足音が気になる」という方は、上に住戸がない最上階を選びましょう。
    「人の声やTVの音・配管の水音を避けたい」という方は、片側に住戸がない角部屋がベター。

    また「わが家の生活音がもとで騒音トラブルになるのを避けたい」という方も同じことがいえます。
    「子どもの足音が下階に響くかも」と心配なら、地上階が安心。
    「部屋で楽器を練習したい」という場合は、角部屋を選び、住戸が接していない側を練習室になさることをおすすめします。

    POINT
  • 上の足音が聞こえない=最上階
  • 下に足音を響かせない=地上階
  • 隣の生活音を感じにくい=角部屋
  • 7.≪住民層≫でマンション内のムードが決まる

    壁や床も厚く、窓サッシも防音仕様。それでもお隣がひどく騒がしい人なら、まったく音が聞こえないというわけにはいきません。
    他方、子育て中のご家庭は、周囲により静かな環境を望む単身世帯やセカンドライフ世代のご夫婦が多いと、必要以上に気を遣ってのびのびと過ごせない――という悩みも。

    住民同士お互いに気兼ねせず、どちらかが我慢を強いられることなく暮らしていくためには、マンションの住民層も要チェック!
    より静かな環境を望まれる方には、単身世帯やDINKS、セカンドライフ世代が多いマンションを。
    子育て中のご家庭には、子どもが多いマンションを。
    ワンちゃんや猫ちゃんがいるなら、ペットと暮らしているお宅が多いマンションをおすすめします。
    「ウチは犬がいるのですが、他にも飼われているお宅はありますか?」というように、不動産会社に訊いてみましょう。

    pet

    音に対する感覚は、その方の価値観や生活環境によって異なります。
    子どもが身近にたくさんいる環境なら、元気に遊ぶ声や足音はある程度「お互い様」。
    住まいに落ち着きを求めているセカンドライフ世代や、仕事や趣味の外出で家を空けている時間も長い単身世帯・DINKSが多いマンションなら、いつもシーンと静かなのが「当たり前」でしょう。
    ご自分のライフスタイルに合わせた選択が、トラブルを回避するコツです。

    POINT
  • 「音に対する感覚」は価値観と生活環境によって異なる
  • 住民層のライフスタイルが近いマンションを選んでトラブル回避!
  • 8. ≪管理規約≫から分かる「音事情」

    管理規約は、マンションで生活していく上で守るべきルールです。
    翻っていえば、管理規約の内容から、そこで暮らしている住民のライフスタイルが自分と合っているかが判断できます。

    「ペット禁止」「楽器演奏不可」という場合は、ワンちゃんの吠え声や、ギターの音色を(少なくとも、公然と)鳴らしている住民はいないはずです。
    「床材は遮音等級LL-45の遮音フローリングを使うこと」と決まっているのなら、音のトラブルにはきびしい物件だろうと推測できますね。

    楽器を演奏される方は、楽器に制限がないか(ギターやピアノは良いが管楽器やドラムスは禁止、または消音装置を付けること等)演奏時間帯の決まりはないか、といった点も確認しましょう。
    そのような細則が決まっていると窮屈に感じられるかもしれませんが、ルールを守っている限りトラブルには発展しにくいのです。
    それに具体的な決まりがあるということは、実際に演奏家の入居実績がある可能性が高いです。

    また過去に騒音トラブルはあったか、それはどんな内容かも確認しておきたいところ。
    さらに住民のモラルを知るため、駐車場・駐輪場・ゴミ置場などの共用部の使用状況も内覧で見ておきましょう。マナーが良くない物件は、音に関するルールも守られていない可能性があります。

    POINT
  • 静かさを求める方には「ペット・楽器禁止」「遮音床材の使用を義務付け」がオススメ
  • 楽器を弾く方は「使用できる楽器」「演奏時間」がルール化されている物件が安心
  • 過去の騒音トラブル、住民の生活マナーも内覧でチェック!
  • 9.≪立地・周辺環境≫も影響・大

    大型車両がひっきりなしに通る幹線道路や、線路沿いのマンションは、いくら壁を厚くしたリ、防音サッシを設置してもやはり「まったく無音」というわけにはいきません。
    「微かでも、つねに音がする環境には耐えられない!」という方は、幹線道路や線路が目の前にあるマンションは避けられた方が賢明です。

    route

    しかし先ほども申しましたが、音に対する感覚は千差万別で、「車や電車の音は気にならないが、他人の声はほんのわずかでも気になる」という方もいらっしゃるでしょう。
    そのような方は幹線道路や線路沿いよりもむしろ、人通りの多い道に向けて窓があるとか、一階がコンビニやスーパーになっていて人の出入りが多い環境がストレスになります。

    一方、閑静な住宅街にあるからといって静かな暮らしが約束されているとは限りません。
    駅に近い・繁華街に近い物件の方が外の喧騒をシャットアウトする必要から、防音設備が充実しているケースが多く、かえって室内は静かだという場合も往々にしてあり得るのです。

    要するに、立地・周辺環境も「道路沿いだから」「街中だから」「住宅街だから」というのではなく、内覧で実際の音の聞こえをよく確かめることが大切です。

    POINT
  • 幹線道路や線路沿いは100%の防音は難しい
  • 条件だけで決めずに、内覧で音の聞こえを確認!
  •  

    以上のように、騒音トラブルの被害者にも・加害者にもならないためのマンション選びについてお話してきましたが、いかがでしょうか。

    マンションの防音性能は「RC造なら安心」「窓サッシが防音仕様なら安心」というように一面的に語られがちです。
    しかし「騒音」と一口に言っても、壁から漏れ聞こえてくる人の会話やTV音声、上階から響いてくる足音、窓の外の喧騒と、原因はさまざま。
    快適な住環境のためには、壁・床・窓etc…と、一つひとつ内覧や不動産会社を通じてチェックすることが大切です。

    「わが家では静かな環境で過ごしたい」
    「子どもをのびのびと遊ばせてあげたいけど、お隣に迷惑はかけたくない」
    そんな風にお考えの方は、ぜひ私たちひかリノベにおまかせください!

    personal-seminar

    ひかリノベは、物件探しからリノベーションまでワンストップサービスでご提供しているリノベーション会社です。
    ひかリノベではご希望に合わせた物件のご紹介からリノベーションのご提案、住宅ローンのご相談まで、「中古リノベーション」に関するご相談にお答えしております。
    ご相談は上の画像から♪ どうぞ皆さまお気軽にご連絡くださいませ。

    この記事のまとめ

    マンション購入にあたり、多くの方が心配される「騒音トラブル」のリスク。
    隣戸の生活音や外の喧騒に悩まされたり、反対にわが家の足音や話し声が下階やお隣の迷惑になるのは、絶対に避けたいですよね。
    騒音被害者にも、加害者にもならないためのマンション選びのポイントは、次の9つ。

    • 「RC造だから大丈夫」ではなく、内覧で実際の音の聞こえを確認すること
    • 話し声やTVの音を防ぐには、戸境壁の厚さ150~180mm・遮音等級D-55が必要
    • 足音を防ぐには、床スラブ厚200mm以上・仕上げ材の遮音等級LL-45~-40
    • 外の騒音を遮るには、窓サッシの遮音等級T-1以上(大通りや線路の近くはT-2)
    • 水まわりの流水音は、居室が隣り合わない間取りで緩和
    • 被害を防ぐ住戸配置は最上階角部屋・加害を防ぐには地上階
    • ライフスタイルが似ている住民層は「音に対する意識」も共通
    • トラブル回避には「音のルール」が管理規約に定められた物件を選ぶこと
    • 100%防音は難しい。うるさく感じない立地のマンションを選ぶこと

    「騒音」と一口にいっても、人の会話やTV等の音声は壁から・足音は床から・外を走る車や電車の走行音は窓からと、原因はさまざま。
    「RC造だから静かなはず」というのではなく、原因となりそうな箇所を一つひとつ、内覧や不動産会社を通じてチェックすることが大切です。

    防音性能にすぐれた、静かに暮らせるマンション、あるいは音の迷惑を気にせずのびのびと暮らせる物件をお探しの方は、ぜひひかリノベにご相談ください!

    • Pocket
    • LINEで送る