
天井の構造は、実はマンション選びの重要なポイントです。
特にリノベーションを前提に中古マンション購入を考えている人にはとても重要。リノベーションでできることが変わってきます。
マンションの天井には「二重天井」と「直天井」の二種類があり、どちらも利点と欠点があります。
この記事では、二重天井と直天井の見分け方やメリット・デメリットを詳しく解説します。ぜひ物件選びの参考にしてくださいね。
目次
二重天井とは? 直天井との違いは?
「二重天井」とは、躯体と内装天井を離して仕上げる工法のこと。その名のとおり二重構造の天井です。天井裏に空間ができ、この空間に梁や配管・配線を通します。
メリットは、梁やダクトを天井裏の空間に隠せるので、フラットな仕上がりになること。天井裏の空間に遮音施工や断熱施工をすることも可能になります。また、後から天井高を上げるなどのリノベーションもしやすくなります。

二重天井(出典:SUVACO)
これに対し「直天井」とは、躯体に直接クロスなどの天井材で仕上げるシンプルな工法です。梁や、ダクト用の下がり天井の凹凸が天井面に現れます。
メリットは、比較的リーズナブルであること。また天井裏に空間をとらない分、天井高を最大限に確保できます。
自分でできる見分け方
二重天井か直天井かを知りたいときは、設計図面を確認するのがもちろん一番確実です。
しかし、見た目から推測できる場合もあります。
躯体のコンクリートや配管が見えている場合はわかりやすいです。天井裏がないので、二重天井ではなく直天井です。
反対に、天井にダウンライトが埋め込まれている場合は、二重天井と判断できます。ダウンライトは天井裏に照明器具を埋め込むスペースが必要なためです。
二重天井のメリット
ここからは二重天井のメリットについて詳しく解説していきます。
「フラットな仕上がり」というのは解りやすいメリットですが、「遮音性・断熱性」や「リノベーションのしやすさ」は表面上は見えにくい部分。詳しく解説します。
遮音性が高い
二重天井は、天井裏に空間があるため、上階の床から響く足音などの騒音が天井に直接届きにくい形状です。
ふところ寸法によっては「太鼓現象」により振動音が増幅され、かえって音が響きやすくなるリスクもありますが、近年は天井下地を組む際に防振ゴムを採用するなどして対策している物件が多くなっています。
また主目的は防音ではありませんが、天井裏に断熱材が敷き詰められている場合は、防音効果が高くなります。
リノベーションしやすい
二重天井は、天井裏で配線・配管を切り回せるので、電気設備や水廻りの移動がしやすいです。天井埋め込み型のダウンライトなど、照明の選択肢も広がります。
天井裏のふところ寸法に余裕があれば、天井高を上げることも可能です。
このように、間取り変更を伴う大規模リノベーションを考えている場合、二重天井の物件の方が、リノベーションでできることが多くなります。
フラットな仕上がり
二重天井は、天井裏に梁や配管・配線を隠すことができます。
直天井では、天井面に梁の凹凸や、ダクトの通り道だけ天井を下げる、もしくは配管現わしとすることになります。そのため、フラットな仕上がりにしたいなら、二重天井が適しています。
二重天井のデメリット
メリットの多い二重天井ですが、コストや衝撃音のリスクなど、デメリットもあります。
ここからは、デメリットについて詳しく解説していきます。
直天井より高コスト
二重天井は、天井下地を組んで仕上げる分、スラブに直接仕上げ材を貼って仕上げる直天井に比べ、費用も手間も多くかかります。
太鼓現象のリスク
天井裏の空間で、振動音が太鼓のように増幅してしまう「太鼓現象」が起こる可能性もあります。太鼓現象により、直天井より却って上階の足音などが大きく響くようになってしまうのです。
そのため近年は、二重天井の下地組みに防振ゴムを使用するなどして振動を抑える対策がなされている場合が多くなっています。
まとめ
二重天井と直天井の違いや、二重天井のメリット・デメリットについて解説しました。
二重天井はリフォームしやすいことが特長です。見た目もすっきりするので、デザイン性も高まります。リノベーション前提の物件選びでは、「二重天井」もポイントとして意識してみてくださいね。
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