マンションの防音リフォーム 効果的な対策と費用


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テレビや雑誌などでしばしば話題となるマンションの騒音問題。マンション生活を始める人にとっては、騒音をきっかけとした近隣住民とのトラブルは極力避けたいところ。
この記事では、気になる音の種類に応じた効果的なリフォーム内容や必要な費用、工期の目安などを紹介。
また家具の配置や防音家具の選び方など、自分でできる防音対策の方法もピックアップします。

2018年6月18日初出→2019年6月25日更新

 

音の種類で異なる防音対策

防音リフォームに必要なのは、壁や床、窓の防音性能の強化です。
話し声やTVの音声は壁、足音は床や天井、外の喧騒は窓ガラス・サッシと、音の種類によってそれぞれ対策が大きく異なります。

戸境壁の遮音リフォームで生活音をガード

人の話し声やTV等の音声(空気伝搬音)の音漏れは、に原因があります。
リフォームする場合、戸境壁(隣の住戸との間の壁)は、遮音等級D-55以上が理想的です(一般成人が話す声のボリュームは約55dB)。

戸境壁のコンクリートの厚さが不十分であったり、天井や床との取り合いに隙間があったり(戸境壁がコンクリートではなく、ALCパネルや乾式遮音壁を用いているマンションで時折みられる現象です)といった場合には、壁の遮音性能を高める対策が必要です。

また戸境壁の内装は、コンクリートと下地ボードを貼って、クロスで表面を仕上げる工法が一般的ですが、接着剤の厚みでボードがわずかに浮き、音が反響しやすくなることがあります(太鼓現象)。

戸境壁の遮音性能を高めたり、太鼓現象を防ぐためには、下記の図のようにコンクリートの上に木下地を組み、下地ボードとの間に空間を作成。その中に遮音シート・吸音材を挟み込めば、問題を解決できます。

壁の防音工事の方法。躯体と壁下地との間に空間を設け、そこに吸音材と遮音シートを挟み込む。

また壁を増設する(室内に張り出す)場合、お部屋が少し狭くなるので注意が必要です。
全ての壁に防音を施さずとも、リビングや寝室などに部分的な対策で充分に緩和される可能性があります。
隣室への音漏れが気になるケースでも、子ども部屋や水回りなど、音の出やすい場所を検討して対策するようにしましょう。

壁の遮音リフォームにかかる費用は、6畳間の寝室の戸境壁の場合で、18~25万円。
工期は2〜4日ほどが一般的な見積もりです。

戸境壁の遮音・吸音材施工の費用と工期

費用:18~25万円(6畳間の寝室の戸境壁の遮音)
工期:2~4日

床材のリフォームで階下の物音を軽減

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足音が響く原因は床にあります。人が歩く「ドスン」という衝撃は、話し声やTVの音の漏れとはメカニズムが違い、床から階下の天井に響きます。こういった現象を防ぐためには、遮音性能にすぐれた床材に変えましょう。

簡単な対策としては、カーペットや畳、コルクといった床材を敷いて衝撃音を吸収する方法があります。
あるいはフローリングであっても、遮音等級LL-40/LL-45の遮音フローリングを選べば、足音の響きは軽減できるでしょう。自由にフローリングのデザインを選べるので、部屋全体の雰囲気も変えられます。

また床構造によっても、音の響きやすさは大きく変わります。
スラブに直接フローリング等を貼って仕上げる直床は音が反響しづらいため、防音対策にはおすすめです。
対して、仕上げの床とスラブの間に空間がある二重床は、音が反響しやすいため、床下空間を100mm以上とったり、スラブの上に緩衝材を敷いたりといった工夫が必要です。

上階の足音が気になる場合は、天井に防音処理が必要です。
天井のクロス下地に防音性能の高いボードを使用したり、遮音シートを貼ったりすれば、音を軽減できるでしょう。

それでも上階の音が気になる場合は、管理組合を通じて上階にお住まいの方と話し合い、床に遮音対策を施してもらうのも方法のひとつ。遮音フローリングやコルクシートを設置すれば、トラブルを解消できます。

遮音フローリングに変更する場合、費用はおよそ24~30万円(10畳間のリビングの床一面のケース)、工期には3週間ほどかかることを押さえておきましょう。

遮音フローリングへの変更費用と工期

費用:24~30万円(10畳間のリビングの床一面)
工期:3週間

二重窓で外からの騒音を大幅カット

二重窓施工の例

二重窓施工の例(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0031/より)

自動車の走行音や通行人の声など、外からの騒音対策は窓のリフォームが有効です。
ただしマンションの窓ガラス・窓サッシは共用部分であるため、勝手に取り替えられないのが難点。そのため窓の内側にもう1枚窓を設け、外からの音を二重ロックする対策(内窓・二重窓)がよいでしょう。

街の喧騒を避ける目的なら、内窓の窓サッシは遮音等級T–1以上、幹線道路や線路沿いの音を防ぐためならT–2以上がおすすめです。
楽器を演奏したり、ペットの鳴き声がでたりする場合にも二重窓施工がおすすめ。サッシの遮音等級はT–2以上を用意するとよいでしょう。

内窓施工の費用は7万円〜15万円ほど。工期は1日で設置可能です。

内窓施工の費用と工期

費用:7~15万円/箇所(窓の大きさによって金額に幅あり)
工期:1日

防音タイプの通気口で音漏れを防ぐ

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防音の落とし穴となりがちなのが通気口
各居室に取り付けられたスリーブ(スラブを貫通して筒を通した給排気口)や水回り・ガス回りに設置された換気口からも音が漏れている場合があります。

防音タイプの通気口に交換すれば屋外の喧騒を遮り、室内の音をお隣や上下階に漏らさないようにすることが可能。専用のものであれば、きちんと換気もされるので安心です。

注意すべきは、決して通気口をテープ等で塞がないこと。換気がうまく起こらず、結露やシックハウスなどのトラブルを起こす原因となります。

防音換気口の設置は、2〜5万円が相場。数時間で取り付けられます。

防音換気口への取替費用と工期

費用:2~5万円/箇所
工期:数時間

インテリアの配置変更で防音対策

家具の配置でできる防音対策の例。壁一面を覆う本棚で音を吸収

壁一面を覆う本棚で音を吸収 (事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0031/より)

大規模なリフォーム以外にも、家具の配置を変更することでも防音効果が期待できます。
背の高い本棚や洋服箪笥を壁側に設置すれば、洋服や本が音を吸収できます。
また窓辺に遮音カーテンを下げれば、外の喧騒を通常のものよりガードできます。防ぎたい音の種類に合わせた遮音カーテンもあるので、今の環境に合うものを選びましょう。

ただし限度を超えた騒音に関しては、防音リフォームやインテリアの変更では解消しない場合があります。
もし過度な騒音を起こす隣人がいた場合は、管理組合に現状を報告して解決を図りましょう。
その場合、管理会社の規約にどのような騒音条件がNGとして記載されているかも必ずチェック。夜21時以降の楽器演奏禁止やホームパーティの禁止など、特定のルールに抵触している場合は、問題解決がスムーズになされる場合があります。

注意が必要なのは、直接住人に苦情を入れると大きなトラブルに発展する可能性があることです。
騒音の原因は特定が難しく、隣人のものとは限らない場合があるので、管理組合を通じて検証してもらうのが、解決の最善策といえるでしょう。

騒音を「出す側」にならないために

自分の生活音が、マンションのほかの住人の騒音被害にならないための対策例。テレビは壁から10cm離すとよい。

テレビは壁から10cm離して (事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0027/より)

最後に、自分が騒音を出す側になり、トラブルに発展するリスクを避けるための対策を紹介します。

部屋の音はちょっとした工夫で、外側に響きにくくなるよう対策できます。
楽器やオーディオ、TVなど、音の出る機器は戸境壁側から少なくとも10cm程度離して設置しましょう。
壁にピッタリ設置すると、隣に振動が伝わって音が大きく響きますが、10cm程度の空間があれば、空気層が音を吸収して、隣戸に音が届きにくくなります。

掃除機や洗濯機といった家電の稼働音に関しては、静音仕様の家電が市販されていますから、そうしたタイプの購入するのもよいでしょう。

楽器を演奏する機会が多い場合は(楽器演奏可のマンションであっても)夕方以降は消音器具を使用するようにしましょう。
また消音器具をつけても完璧に防音するのは難しいため、隣の住戸と隣接する部屋では、極力演奏を避けた方が安心です。

時間を気にせず練習したいという方は、簡易防音室の設置がおすすめ。
防音室は大きさや機能に応じて数十万円から販売されています。
大手楽器メーカーをが取り扱っている場合が多いので、自分の楽器の種類や、必要な広さを販売員と相談してみましょう。

なおリフォームやリノベーションをお考えの方で、防音室の設置を検討している場合は、あらかじめご相談ください。
部屋の広さや天井高など、防音室のサイズに合わせてプランをお作りします。

マンションで静かに暮らすためには、リフォームはもちろん、インテリアの配置変更や家具選びなど、さまざまな方法で対策が可能です。
隣り合っている住戸に迷惑にならないよう適切な方策を選べば、双方がストレスなく暮らせます。
どのような対策が自分の住まいに必要なのか、防音リフォームを含むリノベーションのご相談は、ひかリノベまでお気軽にお寄せください。

 

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【執筆】堀田 隆大(ライター)
【監修】高橋 冬(二級建築士)

 

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