抜けない「筋交い」、おしゃれに生かすリノベーション方法は?

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柱と筋交いをオシャレに活かした戸建てリノベーション事例

筋交い(すじかい)は、建物の耐震性や強度を保つための構造部材です。

木造戸建のリノベーションでは、この筋交いや柱が抜けないために、理想の動線が作れない、解放感が得られないなど間取り変更の障壁となる場合があります。

しかし最近では、あえて筋交いを残し、現しにしてデザインに生かすリノベーション事例も増えてきました。

この記事では、筋交いのおしゃれな活用法とリノベーション事例を紹介します。

筋交いとは

筋交いとは、建物の構造強度を高めるために、壁面や床面の対角線上に(斜め方向に)差し込む補強部材のこと。耐震性や構造耐力上、欠かせない部材です。

木造住宅では「筋交い」と呼ぶのが一般的ですが、鉄骨造などで鋼製の部材を使用している場合は「ブレース」と呼ぶこともあります。

筋交いとリノベーション

構造部材の入った壁が閉塞感を生み出している場合は、筋交いや柱を残し、面でそびえる壁は撤去することで、建物の耐震性を損なうことなく開放的な空間にすることができます。

この場合、残った筋交いや柱は、空間デザインに自然に取り込む工夫が必要です。空間のテイストに合わせて塗装やクロスで仕上げたり、薄い木板を巻いたり。古民家のリノベーションなどでは、古い梁や柱をあえてそのまま現わし仕上げとする場合もあります。

筋交いを空間に調和させるコツ

重要なのは全体との調和です。床・壁・建具等と色や素材を統一すると、筋交いを空間に自然に馴染ませることができます。

また、筋交いはスチール製のブレースに置き換え可能な場合もあります。スチール製のブレースは、木材の筋交いに比べ細いため悪目立ちせず、上手に取り入れれば質感の違いをアクセントとしておしゃれに活かすこともできます。

筋交いを生かしたリノベーション事例

当社ひかリノベのリノベーション事例の中から、筋交いや柱をおしゃれに生かした例をご紹介します。抜くことができなかった筋交いや柱に悩んでいる方は、ぜひ参考にご覧になってくださいね。

筋交いを室内窓のデザインに取り込んだ事例

戸建てのフルリノベーション事例。

LDKとワークスペースをつなぐ室内窓に見えているV字のラインが筋交いの一部です。建具と同じブルーグレーで筋交いを塗装し、室内窓のデザインのように見せています。

キッチンの中央にある柱も筋交いと同様、構造上抜くことができませんでした。構造計算を行ってキッチンの使い勝手を妨げない位置に移動し、こちらも筋交いと同じ色で塗装し、LDK全体のデザインに調和するよう仕上げています。

リビングとダイニングを緩やかにゾーニング

戸建てのフルリノベーション事例。リビングを1階から2階に移動しました。

使用頻度の低い荷物を収納するため、天井裏の空間を活用してロフトを新設。同時に廊下や洋室の壁をなくし、空間を横にも拡げました。そのために梁や柱・筋交いが残ることになりましたが、梁は壁や天井と同じクロス、柱や筋交いは床材に調和する木肌の木板を巻くことで、空間の中に自然に馴染んでいます。また残った柱にリビングとダイニングをゾーニングする役割を担わせ、オープンなLDK一体空間を緩やかに区分しています。

木板で仕上げた柱とブレースで木立のように

戸建てのフルリノベーション事例。廊下を作らず、玄関土間から直接リビングに入る間取りにしました。

1階の間取りを変更するにあたり、廊下の壁の中に入っていた柱と筋交いが残りましたが、「木をたくさん使った内装にしたかった」というご要望にお応えし、柱には薄い木板を巻いて、まるで立ち並ぶ木立のようにナチュラルに仕上げました。また、梁を現して天井高を最大限に確保。あらわになった梁にも柱と同じ木板を巻いて、統一感を持たせています。

筋交いは、開放感を担保するため、重たい印象の木材からスチールのブレースに置き換えました。細いブレースを採用したことで視界が通り、OSB合板で仕上げた壁一面がフォーカルポイントとして映える空間に。

まとめ

この記事では、構造的に抜くことのできない筋交いや柱をおしゃれに生かしたリノベーション事例をご紹介しました。

ご紹介した事例は一部でしたが、飾り棚を設置したり、グリーンインテリアに活かしたりと、アイディア次第で活用方法は様々です。暮らしに合わせて工夫し、間取りやお部屋のデザインにあった活用方法を見つけてください。

当社ひかリノベのリノベーションでは、お客様ひとりひとりのご予算と暮らしの要望にあわせたプラン・デザインをご提案いたします。

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記事監修

大宮 良明(一級建築士、既存住宅状況調査技術者)

一級建築士、既存住宅状況調査技術者の有資格者。木造建築の構造計算をはじめ、安全性に配慮した設計を得意としている。「住まいのデザインは見た目のカッコよさはもちろんですが、それ以上に暮らしやすさや安全性が大切だと考えています。長い目で見て『こうして良かった』と思える家を、いっしょにつくっていきましょう」

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