
「リノベーションしたいんだけど、どんな物件が良いのだろう」
そう悩まれている方はいらっしゃいませんか?
一方で、「リノベーションすれば、どんな物件だって同じでしょ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、リノベーション向き物件を選ばなければ後悔につながりかねません。
間取りを思い通りに変えたいと思っても、壁を取り壊せない構造で自分の思い通りにリノベーションできなかったり、あるいは、リノベーションしても建物の土台や枠組みが劣化していて、永く住めなかったらガッカリしてしまいますよね。
ですから、リノベーション向き物件とはどんなものか、良く知っておく必要があるのです。
この記事では、リノベーション向き物件とはどんなものかを解説し、購入する際にそれらを見抜く方法について書いています。
これを読めば、リノベーション向き物件を安心して選べるようになりますから、リノベーションを検討している方は、ぜひご覧ください!
1.リノベーション向き物件の3つの要素
リノベーション向き物件の特長について見ていきますが、「リノベーションってそもそも何?どんな魅力があるの?」と思われた方は、別の記事「住宅の選択肢を豊富に!リノベーション物件の魅力と選び方」をご覧ください。
- 築年数が20年以上前
- 間取り変更しやすい構造
- リフォーム・リノベーション前
1つずつ見ていきましょう。
1-1.築年数が20年以上の物件
住宅は新築時から時間が経つごとに資産価値が下がっていきますが、マンションも戸建ても20年経つと、価値の下落が小さくなっていきます。
新築マンションを購入すると、住宅ローンの返済よりも資産価値の下落が早いという事態が起きることがありますが、築20年以上の物件ならお手頃な値段で購入でき、新築と比較して2割引から4割引程度の値段におさえることができるのです。
▲2015年中古マンションの築年帯別平均価格。(出典元:東日本レインズ)
築21年以上になると、平均価格が1,000万円台になります。
▲2015年中古戸建ての築年帯別平均価格。(出典元:東日本レインズ)
築21年以上になると、平均価格が2,000万円台になります。戸建ての価格は土地がある分、マンションよりも価格の低下幅は小さいです。
1-2.間取りを変更しやすい構造・工法
リノベーションは枠組みを利用して造りかえるのですが、物件の構造次第では間取りの変更が難しいものがあり、注意が必要です。
まず、マンションの構造ですが、「ラーメン構造」「壁式構造」があります。
▲マンションの代表的な2つの構造。
ラーメン構造とは柱と梁で骨組みが造られた構造です。一方、壁式構造とは壁で支える構造のことです。
ラーメン構造は柱と枠組みを除き、間取り変更も自由ですが、壁式構造では、耐力壁という建物を支える壁があり、撤去することはできません。
リノベーションの自由度という点で言えば、ラーメン構造がお勧めです。壁式構造は5階建て以下の低層の建物で採用されますので、低層マンションが気に入った場合は、不動産会社に尋ねてみてください。
次に、一戸建てですが、「木造軸組工法」「2×4工法」「プレハブ工法」「RC(鉄筋コンクリート)造」「鉄骨造」という主に5つの工法があります。
▲それぞれにメリット・デメリットがありますが、詳細は出典元をご覧ください。(出典元:スーモ)
木造軸組工法(在来工法)は、柱と梁、それに筋かいで造られる工法で、木造住宅の半数以上を占めますが、間取り変更が容易でリノベーションの自由度は高いです。
プレハブ工法は工場生産された部材を組み立てる方法で、材質によって「鉄骨系」「木質系」「コンクリート系」に分かれます。鉄骨系は間取り変更が容易ですが、木質系とコンクリートは壁で支えるため、間取り変更が難しく、リノベーションには向いていません。
次にツーバイフォーですが、2×4インチの角材と合板で造る工法で、面で支える構造のため、間取りの変更が難しい場合があります。
また、RC(鉄筋コンクリート)造にはマンション同様にラーメン構造と壁式構造があり、ラーメン構造なら間取り変更が容易です。
最後に鉄骨造ですが、重量鉄骨造と軽量鉄骨造があり、軽量鉄骨造の場合は耐力壁の移動を自由にできないという制約があります。
- マンション→ラーメン構造
- 一戸建て→木造軸組工法、プレハブ工法(鉄骨系)、RC造(ラーメン構造)、重量鉄骨造
ただし、建物の構造次第では、間取りの変更ができる場合もありますので、「ツーバイフォーだから無理だ」と諦めるのではなく、一度、リノベーション会社に相談してみることをお勧めします。
1-3.リフォーム・リノベーション前物件
すでにリフォーム・リノベーションがされていて販売されている物件は、当然のことながら、物件価格に改修費用が上乗せされています。
リフォーム・リノベーション前物件なら、そんなことはありませんので、こちらを選びましょう。
ただ、リフォームをして売りに出している物件がほとんどなので、リフォーム前物件がほしい場合は、リノベーション会社に相談することをお勧めします。
▲ひかリノベHP。
不動産探しからリノベーションまで一括で行ってくれる会社に依頼すると、不動産探しとリノベーションのプランニングを一緒に行えるのでお勧めです。
2.リノベーション向き物件を購入する際の注意点
リノベーション向き物件を購入する場合は、専門家にチェックしてもらうべきポイントが出てきますので、それを解説しておきます。
2-1.自分でチェックする2つのポイント
自分でチェックするのは、建物の管理状況と資産価値です。
まず、建物の管理ですが、戸建てにしてもマンションにしても「リノベーションで変えられない部分」について注目します。
戸建ての場合は、建物の土台部分にひび割れがないか、水漏れやシロアリ被害はないかなど、自分の目で確認したり、不動産会社に尋ねるなどします。(不明な場合は専門家にチェックしてもらうことになります。)
また、駐車場や庭があるなら綺麗に管理されているかもチェックします。購入してすぐに修繕費用がかかるということがないようにしましょう。
マンションの場合は、エレベーターや廊下、エントランスなどの共用部分の管理は行き届いているか見てください。それに、管理費、修繕積立金はあるのか、長期修繕計画は立てられているのか、書類面でも確認します。(マンションのチェックポイントについて詳しく知りたい方は、別の記事「最適なリノベーション向きマンションを見極めるポイント4つ」を参考にしてください。)
次に資産価値ですね。
資産価値に注目するべき理由は2つあり、1つは相場に見合った額で購入できるか調べるためであり、もう1つは売却することになった時、なるべく高い値段で売れるようにするためです。
物件の相場は立地、築年数、広さ、管理状況で決まってきます。
「調べるのは難しそう」と思われるかもしれませんが、素人でもネットで簡単に調べることができます。詳しく知りたい方は、別の記事「中古マンションの相場・動向の調べ方と値引き交渉2つのコツ」を参考にしてください。
2-2.専門家にチェックしてもらうポイント
専門家にチェックしてもらうのは、やはり、自分では分からない部分ですね。
お勧めは購入前(買付申込みを入れてから契約するまで)と工事中(解体から木工事の間)に2回チェックしてもらうことです。
そうすれば、明らかな欠陥住宅を購入することを回避できますし、解体してみて初めて分かる建物の傷みをチェック、補修できるからです。
耐震は問題ないか、どれくらい長く住めそうかなど、一般人では分かりづらいこと、不安に思うことを尋ねてみましょう。
相場は5万円~10万円程度になっています。各社によって、チェック内容や費用が異なってきますので、ホームページで良く確認してください。
2-3.購入費用・工事期間
住宅ローンを利用する場合は、物件購入費用に加え、リノベーション費用を上乗せした額を申し込むと、費用も手間も少なくすることができます。
リノベーションのローンの組み方や払い方、それに減税について知りたい方は、別の記事「あなたはご存知?リノベーション費用をローンで賢く払う方法」を参考にしてください。
また、工事期間ですが、リノベーションの規模にもよりますが、フルリノベーションだと約2ヶ月かかると見込んでおきましょう。
リノベーション費用をおさえたい方、とにかくすぐに購入し、引っ越したい方は、リノベーション済みの物件を検討してみてください。
詳細は、別の記事「話題のリノベーション物件とは!?安くてキレイの謎に迫る!」をご覧ください。
2-4.保証
リノベーション向き物件を購入する上で気をつけるべきは、瑕疵担保責任と適合リノベーション住宅です。
瑕疵担保責任は、買主が購入時に気づかない欠陥があった場合、売主が責任をもって修理するというものです。
中古住宅の場合、売主が業者なら2年間の瑕疵担保期間がありますが、売主が個人の場合は3ヶ月、あるいは保証がない場合があります。(その代わり、売主が個人の場合は消費税がかからないというメリットがあります。)
瑕疵担保責任がない場合は、リノベーション工事保証に注目しましょう。
一般社団法人リノベーション住宅推進協議会はリノベーションの質を保証するため、適合リノベーション住宅という認定制度を設けています。
これは、リノベーションの工事の質を保証するだけではなく、工事していない部分も含めて、給排水管や電気配線、換気設備など、重要部分について2年間の保証を受けることができます。
▲ひかリノベHP。
リノベーション住宅推進協議会に加盟している業者なら、適合リノベーション住宅の基準に則った工事をしてもらえます。
それに、会社独自の保証制度にも注目してみましょう。
例えば、ひかリノベには、1年間の工事保証があるほか、有料になりますが、エアコンやトイレなど、最大10年間の住宅設備保証を受けることができます。
会社を選ぶ際には、「リノベーションの工事保証には、どのようなものがありますか?」と尋ねてみてくださいね。
3.リノベーション向き物件を賃貸する際の2つの注意点
賃貸物件でリノベーションしたい場合は、次の点に注意してください。
- どこまで自分で変えられるか
- 原状回復義務はあるか
賃貸でリノベーションできる物件は、「DIY 賃貸」「リノベーション可能 賃貸」等と検索すると、いろいろ出てきます。
借りる前に必ずチェックしたいのは、リノベーションでどこまで変えていいのか、それにリノベーションした場合は原状回復義務があるのかについてです。
原状回復義務があるのなら、元に戻さないといけないわけですから、リノベーション内容も限られてしまいますよね。
自分の思い通りにできるか、事前に良く確認してから借りてくださいね。
DIY物件の中には、「フリーレント」という無料で借りられる期間がついてくるものがあります。
家賃節約にもなりますから、ぜひ探してみてください。
4.最後に
リノベーション向き物件について見てきましたがいかがでしたでしょうか?
「リノベーションすれば何でも同じでしょ」と思っていた方も、そうではないということがお分かりいただけたでしょうか?
重ねて書きますが、リノベーション向き物件は、築年数が20年を過ぎたリフォーム・リノベーション前物件で、間取り変更が容易な構造のものです。
しかし、リノベーション向き物件がどんなものか分かっても、探すのはなかなか難しいものです。
リノベーションしたいという方は、リノベーション会社に相談することをお勧めします。物件探しからリノベーションまで一括で行ってくれる会社に相談してみてください。
また、リノベーション済み物件をお手軽に選びたい」という方は、別の記事「話題のリノベーション物件とは!?安くてキレイの謎に迫る!」をご覧ください。
この記事が、皆様の満足のいく住まいづくりにお役に立てば幸いです。