「古くて寒いお風呂はもうイヤ! もっとオシャレで、いつでも温か、ゆったりと湯舟でリラックスできる、最新のシステムバスに変えたい!」
そんなあなたに、バスルームをもっとオシャレに・もっと快適にする、リノベーションとアイデアのご提案です。
水垢汚れやカビがつきにくい床、寒さから浴室を守る二重窓、おうちでスパを楽しめるジェットバスなどなど……。
いま取り入れたい機能・心地よい空間をつくるデザインを、プロの視点からご紹介。
リノベーションやリフォームをご検討の皆さま、システムバス選びやオプションにお迷いの方、ぜひこの記事をリフォームプラン作りのガイドブックとしてお役立てください!
2018年2月1日初出→2022年9月7日更新
目次
お風呂のリノベーション費用と工期
お風呂をリノベーションしようと考えたとき、気になるのが「リフォーム費用」や「期間」の内容ではないでしょうか。
どの程度の規模でリノベーションを行うのか?またどのくらい最新機能がついた商品を選ぶのか?といった点で、かかる費用や工期は大きく変わってきます。
例えば、「システムバス(ユニットバスともいう)のみを交換したい」といった場合は、以下のような内容になります。
- 費用:工費:25万円~ システムバス(SB)価格:58万~
- 工期:1〜3日程度
在来工法の浴室は、特に木造住宅では下地や土台が傷みやすいので、100万円以上のリフォーム費用が必要になることもあります。
また、浴室の寿命が20年なのに対して、給湯器・水栓といった設備機器の寿命は10年と言われています。そのため、「給湯器だけ新しいものに変えたい」ということもあるかもしれません。
メーカーや業者による差はありますが、給湯器のみの交換であれば20万円程〜工事が可能となっています。
こちらはあくまで、おおよその数字です。
もともとの物件の構造などによってもコストは上下します。また依頼する業者によっても、金額に差があります。詳しくはリフォーム会社や担当者にご相談下さい。
ほかにも、古い浴室をすべて取り払ってシステムバスに変える……というような大掛かりなリフォーム、一部のパーツのみ交換したいケースなど、それぞれの事例や費用相場について、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも合わせて参考になさってください。
デザイン性が高いバスルーム
お風呂は、ただ身体を清潔にして身繕いをする場所という以上に、ゆっくり湯船につかって一日の疲れをリセットする、大切な癒しの空間。
より心地よく過ごせる空間作りのためには、内装や浴槽・ドアや窓といった建具のデザインにもこだわりたいもの。
つい長風呂したくなるような、リラックスできるデザインのアイデアをご紹介します。
色と素材で決める空間イメージ
浴室に限った話ではありませんが、お部屋の印象を決めるのは、内装の『色』と『素材』です。
とくに、お風呂はソファやテーブルといったインテリア家具を置くことがありませんから、内装選びにはより一層こだわりたいですね。
まずは色。バスルームの印象は白っぽく・明るいイメージか、黒っぽく・重厚なイメージか、カラーリングによって大きく二系統に分かれます。
白い色は光を集めて明るく感じるほか、膨張色で広く感じやすいという特長があります。また、水アカ汚れが目立ちにくいのもメリットです。
一方、黒い色はシックな印象で、気持ちが落ち着きます。
照明がよく映え、キャンドルやバスライトのほのかな灯りを楽しみたいという方は、とくにオススメです。
それぞれイメージや効果は違いますから、目的に合わせて選びましょう。
例えば「狭い空間を少しでも広々と見せたい」という方は白系統を、「夜はゆっくり湯舟につかって仕事の疲れを癒したい」という方は黒系統を選ぶと良いでしょう。
また、最近は壁一面にアクセントカラーを取り入れたり、木目調や石目調といったナチュラルなデザインを選ばれる方も多くなっています。
例えば「汚れが目立たないように白を選びたいけれど、シンプル過ぎて物足りない」という方は、好みのカラーのモザイクタイルを模したスリットパネルを挿入するのも、「やりすぎない」オシャレです。
また、内装の素材は見た目だけでなく、掃除のしやすさや丈夫さにも関わってきます。
使用されることが多いのは、タイル・FRP・人工大理石・ホーロー。それぞれのメリット・デメリットを表にまとめました。
素材 | メリット | デメリット |
タイル | ・色柄・風合いが豊富 ・汚れが落ちやすい ・保温や抗菌など、機能性タイルも登場 |
・目地の掃除がしにくい ・割れやすい |
FRP | ・肌当たりがやわらかい ・カラーバリエーションが豊富 ・軽量 ・衝撃に強い |
・汚れが付きやすい |
人工大理石 | ・天然大理石に似せた風合い ・色柄のバリエーションが豊富 ・汚れが落ちやすい ・アクリル系は衝撃に強い |
・ポリエステル系は風合いが落ちる |
ホーロー | ・表面が滑らかで、高級感がある ・カビが生えにくい ・保温性がある |
・傷がつくと錆びが出やすい ・重い |
システムバスの壁・床・天井のパネルや浴槽の素材としてポピュラーなのは、FRPと人工大理石です。
FRPは価格が比較的安価なことも魅力。標準仕様は壁・床・天井パネルや浴槽もFRP、というメーカーが多いです。また大変丈夫で、最近はデザインも豊富になりました。
人工大理石はオプションで選択可能というメーカーが多い傾向です。
アクリル系とポリエステル系の人大があり、保温性や丈夫さ・掃除のしやすさといった品質はアクリル系に軍配が上がります。その代わり、ポリエステル系に比べて値段もお高め。
「ポリ系人大とFRPはどちらの方がオススメ?」と訊かれる方が時折いらっしゃいます。
その答えは、メーカーによって「ウチの人大はポリ系でも丈夫ですし、肌触りも良いですよ」というケースもあれば、「ウチのFRPはコーティングが優秀ですから、汚れ落ちも改良されています」というケースもあります。
一概にどちらがベターとは言えないので、ご自分にとって重要なポイント(見た目のツヤ感を重視したいとか、掃除のしやすさが大事とか)をクリアできる方を選ばれるとよいでしょう。リフォーム会社や各メーカーのショールームで、よく相談してみてくださいね。
リラックスできるバスルーム
システムバスの浴槽は、浴槽の下1/3程度を床の中に埋め込んだ『半埋め込み型』が主流です(床面から浴槽の縁までの高さが300~400mm程度)。出入りしやすく、天井高が広く感じられる、というメリットがある一方、浴槽の形が資格に限定されがちでした。
しかし、近年はよりリラックスできるよう、工夫あるデザインの浴槽が選べるようになってきました。この傾向はコロナ禍で加速。お風呂のデザインでは、ラグジュアリー感や癒しを重視する傾向が見られます。
大人が肩までつかれる、500mm程度の深さの浴槽が主流でしたが、ステップやベンチと呼ばれる腰掛け・段差を設けた浴槽の人気も高まっています。
椅子に腰掛けるような恰好で半身浴ができ、反対向きに入れば足を伸ばして全身浴も可能です。
床が立ち上がる分、節水にも繋がりますし、小さなお子さまやご高齢のご家族には出入りが楽チン、というメリットもあります。
浴槽の奥行きも快適さを左右します。もともとSBの浴槽は、浴室の広さに応じてサイズが決まっていました。浴室が1坪なら浴槽幅は最大1600mm・0.75坪なら1200mmと規格があるのですが、奥行きはどのサイズも620~690mm程度で、バリエーションがほとんどありませんでした。
しかし「大人が足を伸ばして入浴できる幅」というニーズに加えて、「親子で入っても余裕がある奥行き」「湯舟でマッサージやストレッチがしやすい奥行き」といったニーズにも対応した製品が次々登場。
800mm、中には1000mmを超えるものもあるワイド浴槽も選べるようになりました。これなら親子での入浴もゆとりがあります。
ジェットバスや打たせ湯で一日の疲れを癒したり、お肌のお手入れができるオプションの進化も目覚ましいものがあります。
例えば、パナソニックから発売されている「リゾートバブル」。
心地よいリズムで、浴槽底面の噴気口から泡が放出され、身体を刺激してくれます。加えて、泡が身体全体を包み込むように設計されているため、従来より短時間の入浴で効率よく身体を温めてくれる効果も。
忙しい現代人が、短い時間でリラックスすることが可能になる最新技術です。
多機能シャワーも充実しています。水量や勢いをスイッチ一つで変えることができ、水流マッサージや打たせ湯のような強めの吐水も。
頭上から雨のようにやさしくお湯が降り注ぐレインシャワーなら、包み込まれるような感覚を楽しめます。
浴室暖房乾燥機に取り付けられるミストサウナも、お肌のお手入れやリラックスに効果的。超微粒子のミストや、心地よい刺激の噴射が選べるタイプも登場しています。
なお、建物の構造や、とくにマンションの場合は規約によって、機能やデザインが制約されるケースもあります。
そうしたケースについては他にお風呂リノベーション(工事のポイント編)という記事がありますので、よろしければそちらも併せてご覧になってみてください。
機能性が高いバスルーム
コロナ禍のもうひとつのトレンドが「家事ラク」。お風呂は毎日、水を使うところですから清潔にしておきたいところですが、水垢やカビに始まり、排水口に詰まる髪の毛、石けんやシャンプーのヌメリ…何かと面倒なのがお風呂掃除です。
しかし、近年は汚れにくい素材・お掃除がカンタンになる機能も取り入れられています。排水口の詰まりは気が進まないお掃除の一つですが、イマドキのシステムバスは手を汚さずにササっと髪の毛や石けんカスを取り除けるようになっています。
髪の毛が絡まないヘアキャッチャー、開口が広く凹凸が少ないので汚れを拭き取りやすいトラップと、オプションではなく基本仕様で搭載されているメーカー・製品も一般的になりました。
そもそもカビや水垢がつきにくい壁・床を取り入れるケースも多くなっています。
カビや水垢の原因は水濡れです。水はけが良く、乾きやすいパネルは、使用後にシャワーで流したり、軽くスポンジでこするだけでカビ付き知らず。
浴槽は、皮脂汚れをはじく人大やホーローが人気です。
浴槽を自動洗浄してくれるオプション(TOTO「きれい除菌水」「おそうじ浴槽」、LIXIL「おそうじ浴槽」)もあります。
一昔前のお風呂掃除といえば、水垢を洗剤でゴシゴシ擦ったり、タイルの目地のカビをタワシでこそげたりするものでしたが、いまはこんなにお手入れできる時代なのですね。
最新のIoT搭載システムバス
近年は、アレクサやGoogleスマートの登場もあり、さまざまな電化製品がインターネットを通じて、私たちの生活をより便利にしてくれています。お風呂場も例外ではなく、IoT機能が追加された商品も発売されるようになりました。
例えば、外出先からスマホで湯張りや追い焚きができたり、浴槽掃除までできるものも出てきています。
パナソニック・LIXIL・TOTOなど、各社から商品や発売されており、専用アプリを使うことで、簡単に操作することが可能。
「湯船の温度が下がっています」といった通知がアプリ等に届き、最低限の必要に応じて操作することができるなど、給湯器の電気・ガス代の省エネ効果も期待できます。
家族みんなが安全に入れるバスルーム
安らぎを与えてくれるお風呂ですが、実は家庭内事故が発生しやすいところでもあります。安全にお風呂を楽しむため、各メーカーも様々な工夫を凝らしています。
服を着ていない分、大きなケガにつながりやすい浴室での転倒。転びにくい・転んでもケガをしにくい工夫は、いまやマストです。
かつてはタイル様のツルンとした素材が主流だった浴室の床ですが、現在は表面にざらつきがあり、濡れても滑りにくいものや、転んでも痛くないクッション性があるものが急速に普及しています。
さらに速乾性があるもの、断熱性が高くヒヤリとしないものと、これまでの「お風呂の床」のイメージを覆すような、画期的な床が各メーカーから次々と売り出されています。
浴槽をまたぐ動作も、重心が不安定になり、転びやすいポイントです。
床から浴槽の縁までが高すぎるとまたぐのが大変ですし、浴槽が深すぎても爪先立ちになり、危険です。
床から浴槽の縁までの高さは、おおむね400mm前後が目安ですが、小柄な方は300mm~と低めに。あるいは、浴槽のリムを広くして、リムにいったん腰掛ける形で浴槽に入るようにすると、バランスを崩す心配が減りますね。
浴槽は和式・洋式・和洋折衷とありますが、出入りしやすく、姿勢が安定するのは和洋折衷タイプです。和洋折衷タイプは膝を伸ばして座ることを想定した形状で、深さ500~550mm。これより浅い浴槽は入るときは良いのですが、出るとき立ち上がりにくいです。
また、浴槽を出入りする際は手すりがあると体を支えやすく、より安心です。浴槽の縁の真上に縦型の手すりが掴みやすく、オススメ。
さらに、浴槽の奥側の壁にL型の手すりがあると、立ち座りがラクになります。
ヒートショックを防ぐ
暖かいリビングから寒い洗面所・脱衣室を通って、熱いお風呂に入ると、短時間で血圧が大きく変化し、ヒートショックを引き起こすリスクがあります。
ヒートショックを防ぐには、脱衣室や浴室を暖め、温度差をなくすのがポイント。
断熱改修の定番・二重窓(内窓)はお風呂でも有効です。最近では、浴室全体を断熱材・保温材で包み込んで保温するシステムバスも増えています。
足元のひんやりした感覚も軽減できるので、快適性アップの効果も大。
浴槽を高断熱タイプにすればお湯も冷めにくくなります。
また、同時に浴室暖房を設置するのもおすすめ。むしろ、浴室自体の断熱性が低いと、暖房を付けても光熱費ばかり掛かって非効率なので、必ずセットで考えましょう。
浴室暖房は洗濯物の室内干しにも重宝します。浴室内に物干しバーを設置すれば、梅雨どきや花粉症のシーズンでも「洗濯物が干せない」と困ることはありません。
また、浴室の水濡れがすぐに乾くので、カビやヌメリが生じにくく、お掃除も楽に。副次的効果も大きい設備です。
ドア・窓・照明の工夫
浴室に付属するアイテムにも注目してみましょう。
浴室扉は、従来はすりガラスの中折れ戸が主流でしたが、現在は浴室をより広く使える引き戸や、掃除がしやすい開き戸もオプションで選べるように。
それぞれメリット・デメリット・向き不向きがありますので、分かりやすく表にまとめてみました。
扉の種類 | メリット | デメリット |
中折れ戸 | ・開閉にスペースを取らない ・タオル掛けを設置できる |
・折れ目が故障しやすい ・レール部分が汚れやすい |
引き戸 | ・開閉にスペースを取らない ・開閉しやすい |
・間取りによっては間口が狭くなる ・レール部分が汚れやすい |
開き戸 | ・間口が広い ・タオル掛けを設置できる |
・開閉にスペースが必要 ・中で人が倒れたとき、救助しにくい |
お風呂はお家の中でも事故が起こりやすい場所です。もしもの場合は外から救助できる工夫が必要です。
そういう意味では、引き戸は中で人が倒れてもドアが開かなくなる心配はなく、オススメです。しかし、戸袋が必要ですから、間取りによっては間口が狭くなってしまう場合があります。
間口を広く取りやすいのは開き戸ですが、中で人が倒れたとき、ドアが開かなくなる恐れがあるので、開き戸なら脱衣室側からドアを外せる仕様にしておくと安心です。
窓や照明でお風呂をより快適な空間に
一戸建て住宅なら、構造上の問題さえなければ窓を増設することも可能です。
現在の換気システムは優秀で、窓がなくても数時間でジメジメ感はなくなりますが、外の景色や自然の光が取り入れられると、やはり開放感が違います。
ただ、大きい窓はバスルームを広く見せてくれる効果がある一方、外から見えてしまう心配があります。窓ガラスをスモークガラスやマジックミラーにする工夫が考えられますが、このとき注意したいのが照明の位置。
窓のちょうど反対側の壁に照明を付けると、明かりを灯したときに窓にシルエットが浮かび上がってしまいます。したがって、照明は窓側の壁に取り付けましょう。
大きめの窓だと「落ち着かない」という方には、小さめの窓を高めの位置に設置する(ハイサイドライト)もいいでしょう。
外から人影が見える心配がなく、自然光が降り注ぐように射し込むので、空間に広がりが生まれます。
また、温かい空気は上昇するので、窓を開ければ排気もスムーズ。入浴中に窓を開けて、自然の通気を感じることも可能です。
精神的な安らぎや癒しに、照明が影響する度合いは大きいもの。
いまは無駄なスペースを省きながら、より空間をスッキリと見せてくれるお風呂場照明も登場しました。
パナソニックの「導光棒技術」により、光も線状にまでコンパクトにすることができるようになりました。また、白色から電球色への色の切り替えができたり、調光・調色機能もついています。
ひかリノベで施工を担当したお宅でも、この導光棒技術を採用しました。
浴室造作でもっと自由に
お風呂場のリフォームで思いつく代表例は、既存品のシステムバスに取り替えるといった内容ではないでしょうか。
しかし、こだわりのお風呂場や個性を出したリフォームを希望される場合、実は一からお風呂場を造作することも可能です。
浴室全体をパッケージ化し、そのままはめ込むようなシステムバス(ユニットバス)に対し、浴槽などのパーツを組み合わせて一から浴室をつくるやり方が在来工法です。「在来浴室」とも言います。
在来工法で浴室をつくれば、下の写真のように日本では珍しいタイプのオープンスタイルを実現することもできます。
浴室・洗面脱衣所・トイレの空間を分けずに、ひと繋がりの空間に。全面ブルーのタイル張りになっているところも、まるで海外ホテルのような仕上がりでお洒落ですね。
これは、リフォームだからこそできる水回りの空間作りです。
もちろん、住宅の構造や築年数などによっては出来ない工事もあるため、確認が必要です。リフォームをする際は、まずリフォーム会社の担当者に予算やご希望を伝えてみてくださいね。
お風呂にこだわるリノベーションのご用命も、ぜひひかリノベに。
家探しからのリノベーションをご希望の方は、物件探しから設計・施工まで。居住中のご自宅のリノベーションは、工事中の仮住まい探しから設計・施工まで、ワンストップでおまかせいただけます。
現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。