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古民家リノベーションの魅力 費用・相場や注意点など

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100年の歴史ある古民家リノベーション

最近では、地方移住への関心も高まり、移住先の住まいとして古民家を希望する人も増えています。

一方、古民家のつくりは現代の住まいと大きく異なっており、住まい手はもちろん、住宅や建築のプロでさえリノベーションには躊躇することも多いのが実情。

昔ながらの暮らし方や、地域の特色に合わせた家づくりを現代に伝えてくれる「古民家」。

今回は、「古民家をリノベーションして住むにはいくらかかるの?」「どのような点に注意すればいいの?」といった疑問にお答えします!
また、古民家の雰囲気を味わえる「古民家風リノベーション」についても解説します。

2016/2/25初出→2020/4/1更新→2021/3/08更新

古民家リノベーションの魅力

古民家リノベーションに興味はあるけど、どんなメリットや良さがあるんだろう……と思う方も多いかもしれません。まずは、古民家リノベーションの大きな3つの魅力をお伝えします!

古民家リノベーションの魅力

①古き良き日本家屋を「現代風」に味わえる
②古民家に使用されている材料は強度が高い
③固定資産税の軽減や補助金の利用が可能

①古き良き日本家屋を現代の暮らしの中で味わえる

吹き抜けや高い天井、土間、縁側など、現代の住まいにはない良さが、古民家にはたくさんあります。

古民家の特徴を出来るだけ残しつつも、キッチンやお風呂を最新の設備に交換したり、間取りを変更したりすることで、古民家のマイナス面を排除し、快適で住みやすい家を実現するのが古民家リノベーションです。

②古民家に使用されている材料は強度が高い

古民家で使われていることが多いヒノキやケヤキなどの木材は、強度が落ちるまで800〜1200年とも言われており、今では入手困難な唯一無二の素材も少なくないのです。

一方で、築年数の古さから「耐震補強や断熱対策はどうなの?」といった不安の声もあるかもしれません。
たしかに古民家の元々の作りが、現在の耐震・断熱の基準に合っていないため、そのまま住むのは厳しいことも少なくありません。

そのため、構造自体を大きく変える必要があります。
そうして作り変えた古民家は、現代の建築基準に合った家へと生まれ変わります。

③固定資産税が安い

固定資産税は、建物の築年数が古いほど安くなります。
築数十年~100年を超える場合も多い古民家は、新築と比べ、購入に伴う税金を安く抑えられる可能性が高いのです。

他方、構造の劣化や設備の交換など、リノベーションには高額の費用がかかることも。
ただし、補助金や行政の支援制度を利用することで、費用の負担を抑えることも可能です。

とくに耐震リフォームや断熱リフォームなど、古民家リノベで必要になりやすい部分は、さまざまな支援制度が用意されています。

古民家リノベにかかる費用、相場はいくら?

古民家リノベーションで最も気になるのは「お金」、つまりリノベーション費用ではないでしょうか?

傷んだ部分の修繕、設備の交換、スケルトン状態にしてのフルリノベーションなど、規模や内容によって、かかる費用には大きな差が出ます。

インスペクションや耐震診断も必要になることが多く、古民家リノベーションは、在来工法の住宅よりも高額になる傾向があります。

ボリュームゾーンは1000万円から2500万円の間というところでしょうか。3000万円超も15%を占めており、かなり大規模なリノベーションも多いようです。

古民家リノベで使える補助金

各自治体が独自に行っている補助金・助成制度は要チェックです。

京都市は、京町家を継承していくために必要な改修に対し、費用の1/2(最大250万円)を給付する制度(指定京町家 改修補助金)を設けています。

大がかりな改修だけではなく、小規模な修繕や維持管理にも、費用の補助(個別指定京町家 維持修繕補助金)を行っています。

 

そもそも「古民家」とは?

「古民家」には、具体的な定義はありませんが、それでは話を進めにくいので、一般社団法人全国古民家再生協会が掲げている定義を参考にすることにしましょう。

(略)「古民家」の定義は、昭和25年の建築基準法の制定時に既に建てられていた「伝統的建造物の住宅」すなわち伝統構法とする。

出展:一般社団法人古民家再生協会「『古民家』の定義について

木だけでつくるのが日本の伝統

現代の木造住宅は、主に耐震性を高めるために、基礎と柱、もしくは、柱や梁と桁を接合金物と呼ばれる金具で固定することが、建築基準法で定められています。
これは伝統構法と区別して「在来工法」と呼ばれます。

また、アメリカから導入されたツーバイフォー工法という、壁を主体とした構造もあります。

一方、伝統構法は、地域による差はいくらかありますが、基本的には大工さんが手作業で「仕口」や「継手」と言われる凹凸の加工を柱や梁に施し、組み合わせることだけで構造体をつくります。

柱も、基礎となる石を地面に埋め込み、そこに立てるだけ(固定しない)の「石場建て」(「独立基礎」や「玉石基礎」とも)が用いられ、筋かいや土台も使いません。

在来工法木造住宅の軸組みと伝統構法住宅の軸組み

 

  在来工法(建築基準法) 一般的な伝統構法
基礎・柱脚 コンクリート基礎上に土台・柱脚を金物で緊結する 一般に土台を設けず、柱脚を磁石に乗せただけの石場建ても多い
接合部 必要な柱と横架材の接合部を金物補強する 仕口・継ぎ手は、木を生かした「木組み」であり、金物は用いない
耐震壁 筋かいや構造合板、石膏ボードなどを用いる 壁は、土塗り壁や板張りの前面癖・小壁(垂れ壁、腰壁)が多い
木材 人工乾燥木材の他、合板、集成材など木質系工業製品を多く使う 丸太や製材など天然乾燥木材を多く使う

出典:内閣府 規制改革推進会議農林ワーキング・グループ「伝統的構法木造建築物の建築基準法における問題

柱が見える「真壁」造り

古民家のもうひとつの特徴が「真壁」。

在来工法では、接合金物と同様、耐震のために強度の高い構造用合板を、柱の上から張ることがほとんど。これを「大壁」といい、柱は合板や石膏ボードに隠れてしまいます。

一方、伝統構法は柱の間に「小舞」と呼ばれる下地を作り、その上に土を塗ったりして壁をつくるので、柱が覆われず、外にあらわれた状態になります。これが「真壁」です。

柱のラインが目に見えるので、構造がそのまま内外装のデザイン性を決める要素になります。
石場建てもそうですが、木材が絶えず外気に触れているので、湿気がたまりにくく、腐りにくい、というメリットもあります。

その他にも、縁側とそれを覆う深い軒の出、むき出しの梁や桁、茅葺き屋根、独立した玄関とは異なる出入り口と台所、仕事場など複数の役割を兼ねる土間、「田の字プラン」と呼ばれる間取りなど、いろいろな特徴が思い浮かぶでしょう。

これらは、夏の強い日差しを遮る、室内で火を使った時の煙を逃がすなど、機能的な理由や、その地域で手に入れやすい材料を使った結果であったりするのですが、同時にデザイン的な魅力にもなっているのです。

古民家ならではの特長がリノベのネックに

「古民家を購入してリノベーション」となると、古民家の魅力は一転してデメリットになってしまうこともあります。

まず問題になるのが、建築基準法上の扱い。

今、伝統構法の建物をつくろうとすると、構造計算を行い、現在の法規が求める耐震性を持っていることを証明しなくてはなりません(在来工法の場合、2階建てまでならほとんどの場合は不要です)。
リノベーションでも、確認申請が必要な規模ならば、構造計算が必要です。

その上、いわゆる伝統構法といわれる建物を構造計算する場合、一定の決まった計算方法があるわけではなく、計算方法から模索する必要があり、要する時間とコストが大きくなることを覚悟する必要があります。

断熱性能も現代の住まいには欠かせない要素ですが、既存の土壁や茅葺き屋根をそのまま残そうとした場合、断熱材を施工することはかなり困難。

古民家を、理想の現代的な住まいにつくり変えるには、多大なコストがかかることは覚悟しておきましょう。

適切な設計・施工ができる業者を探そう

伝統構法の建物をリノベーションできる、設計者や職人・工務店が、決して多いとは言えない……というのも、大きな問題です。

設計図をもとに、あらかじめ工場で木材を加工するプレカットの普及や工具の進歩、各種建材の工業化などの理由から、伝統構法では必須だった「刻み」(木材を手作業で加工すること)や「墨付け」(加工に必要な木材へのマーキング)が、大工には求められなくなり、経験がないという大工がほとんどです。

もし、あなたが古民家を「古民家の良さを生かしつつ、フルリノベーションしたい」と思っているなら、まずは伝統構法をちゃんと理解し、適切な設計や施工ができる設計事務所や工務店を探すことが第一歩。

とはいえ、古民家に対応できる設計者や、正しく工事ができる大工・職人は「どうやって探せばいいの?」という方が多いのではないでしょうか。

そんな悩みに応えられるのが、ひかリノベのリノベーションの仕組みです。

物件購入からリノベーションの設計・施工まで、すべてひかリノベが窓口となって、住宅の工法や工事の内容に合わせ、最適な設計者や大工・職人を手配します。

リノベーションをお考えの方は、まずは各ショールームで開催している相談会にてご相談ください。

古民家物件の探し方

古民家を探すには、ネットの不動産ポータルサイト・地元の不動産会社・知人からの紹介など、いくつかの方法が考えられます。

「SUUMO 移住・田舎暮らし」など、古民家や移住先の住まい探しに特化したポータルサイトもありますし、普通のポータルサイトでもキーワード検索で該当する物件が見つかることもあるでしょう。

また、地方への移住を考えているなら、自治体が開設している空き家バンクも調べてみましょう。全国の空き家バンク登録物件を一括して調べられる「全国版・空き家バンク」で検索するのも良いですね。
移住に力を入れている自治体なら、住まいについても手厚く支援を行っていることが多いので、一度問い合わせてみることをおすすめします。

両国・五反田・横浜・湘南の各ショールームで、首都圏にいながら現地の物件情報を閲覧したり、リノベーションの相談も可能です。

古民家は築数十年以上が経過しているものなので、購入する際には、インスペクションを行うことをおすすめします。
ただ現実的には、インスペクションのみで古民家の状況を把握することは難しいので、インスペクション+αで状況を的確にわかりやすくお示しできる検査を行う事が望ましいです。

ひかリノベでは、ご希望の方に、購入前のインスペクションを実施しています。古屋のご購入をお考えの方は、どうぞお気軽にお申し付けください。

「古民家風」リノベーションのすすめ

ここまで、古民家リノベーションのコツを紹介してきました。

しかし、「今住んでいるところから離れたくない」「予算や場所など、ちょうどいい物件が見つからない」という人もいるでしょう。

それでも古民家の暮らしを味わいたい!という人には、一般的な中古物件を購入して「古民家風」にリノベーションすることをご提案します。

古民家は、デザイン的な特徴が豊富なため、インテリアコーディネートにそのテイストを盛り込みやすいのです。
また、インテリアだけならRC造のマンションだって、日本の伝統を感じさせる空間をつくることができます。
新しい木材であっても、塗装や仕上げ方次第で古材のように見せることも可能です。

古民家は確かに大きな魅力を持っていますし、資源を有効に使うという意味でも、古民家をリノベーションして住むことには大きな意義があるといえるでしょう。
しかし、予算や地域などの制限も、現実問題として存在するのもまた確かです。

そこで「古民家風」を取り入れることによって、限られた条件の中でも、日本の伝統的な住まいを味わうひとつの方法になるのではないでしょうか。

各種の補助金や優遇制度も、耐震性などの条件を満たしている物件ほど利用しやすくなりますし、築浅物件ならメンテナンスの負担も小さくなります。

古民家に興味があるけれど、現実的に難しい…という悩みを抱えている方は、マンションの「古民家風」リノベーションも、ぜひ選択肢に入れてみてください。

ひかリノベの古民家リノベーション事例

最後に、ひかリノベの古民家リノベーション事例をご紹介しましょう。

H様邸

100年の歴史を持つ長屋リノベーション

面積:51.88㎡
間取り:2LDK → 3DK
費用:1320万円

約100年前に建てられた長屋を、現代的な住まいにリノベーションしました。

1階の半分を占めていた事務所用の土間スペースはDKに。玄関からDKと和室が一直線に並ぶプランで、家に帰るとすぐに家族の顔が見られます。また、家事動線も短くなり、家事の負担も大きく軽減されました。

風が一直線に抜ける窓配置

風が一直線に抜ける窓配置

部屋の端から端まで、風がまっすぐ通り抜ける空間にしたいというご希望を叶えるため、1階の両端に窓を設置。窓を開けると風が流れるように行き交う、なんとも清々しい空間になりました。

内装は、畳を主役に。シンプルかつミニマルなデザインで、モダンな雰囲気を持つ和の空間に仕上げました。

シンプルかつミニマルなデザインが魅力の和空間

シンプルかつミニマルなデザインが魅力の和空間

階段を上って廊下を進むと、そこは洗面所と浴室。2階で暮らすお子様一家の生活を邪魔することなく、水回りにアクセスができます。

玄関すぐに階段。リビングにいる家族に挨拶。

玄関すぐの階段。リビングにいる家族に挨拶。

水回りへと一直線の廊下

水回りへと一直線の廊下

階段の下は収納スペースとして活用し、コンパクトな住まいでも十分な収納量を確保しました。

築年数が経過し、劣化も進んでいたため、耐震性や耐久性の改善は必須。
しかし、隣家と壁を共有している長屋建てでは、既存の柱に手を加えるのは困難です。そのため、室内側から補強することで解決しました。

繊細な工事が必要な長屋リノベーション

繊細な工事が必要な長屋リノベーション

大変なことも多い古民家リノベーションですが、今の住宅にはない味を持った住宅を手に入れられるうえ、今あるものを大事に使っていくことで環境にも優しい住まいづくりのひとつの形でもあります。

古民家リノベーションをお考えの方も、ぜひひかリノベに一度ご相談ください。


【記事監修】大宮 良明(一級建築士、既存住宅状況調査技術者)

一級建築士、既存住宅状況調査技術者の有資格者。木造建築の構造計算をはじめ、安全性に配慮した設計を得意としている。「住まいのデザインは見た目のカッコよさはもちろんですが、それ以上に暮らしやすさや安全性が大切だと考えています。長い目で見て『こうして良かった』と思える家を、いっしょにつくっていきましょう」


好きな街。好きな暮らし。
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