最近では、1Kや1DKといったコンパクトな物件にもウォークインクローゼットがついていることが増えてきました。
ウォークインクローゼットと聞くと、「とにかく広い」「収納スペースが多い」というようなイメージをお持ちの方が多いかもしれませんね。
そもそも、普通のクローゼットとウォークインクローゼットの違いはどんな点なのか。リノベーションやリフォームで新たにウォークインクローゼットを設置するには、どんな間取りがよいのか…。今回は、私たちの日常生活を豊かにしてくれるウォークインクローゼットの特集です!
2020年4月28日初出→2021年7月12日更新
目次
ウォークインクローゼットとクローゼットの違い
「ウォークインクローゼットは普通のクローゼットとなにが違うの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ウォークインクローゼットとは、中に人が入れるスペースがある衣類収納スペースのこと。間取り図では「WIC(またはWCL)」と表記されます。
通常のクローゼットと同じように、洋服をかけるハンガーパイプや作りつけの収納棚のほか、換気や採光のために窓を設けてあるタイプもあります。
広さは2〜3畳ほどのものが多く、ひとつの部屋のように独立したスペースに扉がついているタイプが一般的です。とくに海外ではポピュラーな収納方法であり、海外ドラマなどで目にしたことがある方もいるかもしれません。
最近ではリフォームの際、あえて扉をつけずに2つ以上の出入り口があるウォークスルークローゼットと呼ばれるタイプを希望される方も増えてきました。
通常のクローゼットとの違い
クローゼットとウォークインクローゼットの大きな違いは、なんといっても「広さ」でしょう。中を人が歩けるほどの幅が確保されている場合が多く、ウォークインクローゼット内に全身鏡を置けば、そこで身支度をすべて済ますこともできます。
通常、クローゼットと呼ばれるものは、人が入るスペースがありません。ハンガーパイプがついており、洋服を収納するだけのスペースが確保されているものがほとんど。
部屋の壁にタンスやチェストがはめ込まれている……といったようなイメージです。
極端に荷物が少なかったり、「クローゼットを広くするくらいなら、他の部屋の広さを確保したい」という場合は、コンパクトな通常のクローゼットが適しているでしょう。
ウォークインのメリットとデメリット
ウォークインクローゼットのメリット
代表的なメリットは次の通りです。
ウォークインクローゼットのメリット
- 収納スペースが広い
- 衣替えの必要がない
- 家全体のデザインを損なわずスッキリした印象を与える
ウォークインクローゼットのメリットは、なんと言っても広さでしょう。
広さが確保されている分、1年を通して使う洋服を一箇所に収納することも可能です。
洋服にとどまらずバッグやアクセサリー・スーツケース・季節ごとの布団・ゴルフクラブのようなスポーツ用品を収納することもできます。
部屋のように独立したスペースとして扉がついているため、家全体のデザインを壊すこともありません。来客からの目線を遮り、生活感のない印象を与えることもできます。
近年では、「魅せる収納」も流行中。あえて扉をつけないウォークスルークローゼットにして、アパレルショップのショーウィンドウのような収納することも可能です。オシャレ好きにはたまらない演出ですね!
ウォークインクローゼットのデメリット
一方で「収納は広くて大きい方がいい!」と安易にウォークインクローゼットを選んでしまうのも考えものです。代表的なデメリットも確認してみましょう。
ウォークインクローゼットのデメリット
- 収納が増える分、部屋の広さが減る
- 配置を考えないと逆に使いにくい収納になってしまう
- 湿気やカビの対策がより必要になる
ウォークインクローゼットは人が入れるスペースがある分、収納スペースとして使える空間はその分減ることになります。
さらに家全体の広さを考えた時、広いウォークインクローゼットを作れば、その分リビングや寝室のスペースも削られることも考慮しなくてはなりません。
また、広いからという理由で物や洋服を詰め込みすぎてしまうと、逆に物が見つかりにくくなり不便です。家の中における配置や動線が悪く使いにくいと、結局物置きになってしまう……なんてこともありえます。
換気や湿気の対策を怠ると、カビや虫などの心配も出てきます。窓を設置するなどの工夫も必要です。窓の少ないマンションでは、室内窓で風の通り道を確保するといった配慮も必要になってきます。
通常のクローゼットのメリットとデメリット
クローゼットのメリット
代表的なメリットは次の通りです。
クローゼットのメリット
- 物や洋服を必要以上に持たないようになる
- リビングや寝室のスペースを広く確保できる
通常のクローゼットは、収納できる広さが限られているからこそ、必要以上にものを増やさない習慣が身に付くというメリットもあります。
この数年で増加している「ミニマリスト」の方などは、クローゼットの方が適している場合もあるでしょう。
また設計の段階で収納スペースをコンパクトにしておけば、その分リビングや寝室といったくつろぎのスペースを広く確保することも可能です。
「物を少なく、空間は広く確保したい」という方には、通常のクローゼットがおすすめです。
クローゼットのデメリット
次に、デメリットも確認してみましょう。
クローゼットのデメリット
- 荷物や洋服が多い人には適さない
- スーツケースや扇風機などをしまうことは難しい
通常のクローゼットは、ウォークインクローゼットに比べ収納スペースが限られます。そのため、荷物や洋服が増えれば必然的にクローゼットの外、つまり来客などの目に見える場所にハンガーラックやキャビネットを置くしかありません。
お洒落をすることが好きで、たくさんの洋服を持っているという人には、通常のクローゼットはあまり向かないと言えそうです。
同時に、ウォークインクローゼットには扇風機やスーツケースなど、大きな荷物をしまうことができますが、通常のクローゼットはそうはいきません。
一箇所に、全ての荷物を入れておくことが難しいため、家のさまざまな場所に収納スペースを確保する工夫が必要になります。
それらの収納場所を考えることが面倒であったり、さまざまな場所から物を探すことが苦手という方にはあまりおすすめできません。
レイアウト別ウォークインクローゼット実例紹介
ここからは、実際にひかリノベが担当した施工の実例とウォークインクローゼットに適した間取りや配置をご紹介します。
実例1:L字型
スペースを上下に分けることで収納スペースを多く確保。照明もあり、中も明るくなっています。そのため、物が見つけやすいストレスフリーな構造に仕上がりました。
実例2:I字型
片側だけにハンガーパイプを備え付けた、シンプルなI字型タイプ。
着替えスペースを広くとり、空間に余裕をもたせました。荷物の増減に合わせて、タンスなどの収納家具を置いても良いですね。
実例3:U字型
コの字型にすることで、一目で空間全体が目に入るように設計しました。
同線も一本道でシンプルな造りになっており、物が取り出しやすいのもポイントです。
洋服はパイプハンガーにかけ、帽子やバッグは天井部分に収納する使い方がおすすめです。
実例4:ウォークスルー型
廊下側からも寝室からも入れる、通路のようになったウォークスルータイプ。
朝目が覚めたらクローゼットで着替え、廊下へ抜けて洗面所へ……と、生活導線に合わせた作りになっています。効率良く、朝の身支度を整えることができます。
実例5:魅せるタイプ
あえて見せる収納にすることで、パッとみて自分の手持ちの服を把握できるように。
朝の忙しい時間にも、さっと着る服を選ぶことができ、家族全員がスムーズに動けるような同線になっています。
また単純に見せているだけでなく、アパレルショップのような「魅せる」収納にすることで、インテリアの一部として収納を楽しみたい方にもおすすめです。
上記の4タイプのほかにも、空間の真ん中に通路を作り、両サイドにハンガーパイプや棚がある二列型のレイアウトなど、プランは多種多様です。
ウォークインクローゼットに適した間取り
リフォームやリノベーションをする際は、2畳ほどのスペースがあればウォークインクローゼットを作ることができます。
大切なのは「家のどこにウォークインクローゼットを配置するか」です。
洗面所に隣接すれば、シャワーを浴びたりお化粧をして、着替えまでをスムーズに行うことができます。
廊下から入れるような位置にすると、家族の生活リズムが異なる場合でも、気を使わずにそれぞれが着替えや荷物の準備をすることも可能です。
床からハンガーパイプまでの高さは100〜120cmほど確保できれば、ロングコートをかけることもできます。例えば、60cmの高さを上下二段に設置すれば、充分な数のスーツやシャツも収納できるでしょう。
自分の生活スタイルや収納したい荷物の量・家族の生活導線に合わせた間取りで、どこにウォークインクローゼットがあれば使い勝手がよいのか、しっかり検討してみましょう。
ウォークインクローゼットの収納術
ウォークインクローゼットは、空間が広いからといって詰め込み過ぎてしまうと、かえって物が見つかりにくく使いづらい収納になりかねません。
生活雑貨を取り扱うお店などで販売されている、収納ボックスや取り付け家具などを上手に取り入れた収納を心掛けましょう。
収納ボックスに関しては、様々なサイズが販売されています。同じブランドで、何通りにも組み合わせられるよう設計されたユニットタイプも多くあります。
無駄なスペースができないよう、自宅のウォークインクローゼットに合う組み合わせを購入すると良いでしょう。
また帽子やストールなどの小物は、完全に収納ボックスにしまってしまうと、どこに何が入っているかパッと見てかわからない状態になってしまいがち。
そんな時は、S字型フックに吊り下げたり、ウォークインクロゼットの壁に取り付けるタイプのフックを設置し、常に見える状態で収納すると探す手間を省くことができます。
最近は壁に取り付けるタイプの収納も、壁に大きな穴や傷を作ることなく、最小限のダメージで設置できるものも増えています。
リノベーションで自分だけのウォークインクローゼットを
ご夫婦で使うのか、家族全員で使うのかなど、人数や目的によってウォークインクローゼットのサイズ感も変わってきます。
ウォークインクローゼットは配置する場所や、中の空間をうまく利用すれば、実用的にもデザイン的にもとても魅力的な収納場所になります。
ご紹介した実例や理想とする生活スタイルをいま一度見直し、自分だけのウォークインクローゼットを作り上げてみてください。
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