築30年の中古マンション、本当に買って大丈夫?


shutterstock_443295325-min

建築年数の古いマンションは、価格も安く、新築よりも立地条件の良い物件が多くあります。
一方で、建物の老朽化や耐震性などに不安がある方も少なくないのでは? そもそもマンションの寿命とはいつなのでしょうか。

「築30年以上のマンションを購入することに問題はないの…?」

そう思っている方に、中古マンションを購入するメリットや気をつけるべきポイントをお伝えします!

2017/2/23初出⇒2019/10/8更新

築30年のマンションは何年住める?

「築古物件はいつまで住めるの……?」 という心配の声がよく寄せられます。

マンションの躯体に使われているコンクリートの寿命は、100年以上といわれています。
一方で、これまでに建て替えや取り壊しとなったマンションの多くが、築50年より若い物件です。

その理由は躯体の老朽化ではなく、給排水配管にありました。
高度経済成長期に普及した鋼管は、耐用年数が20~30年ほど。しかし当時の建物は、配管交換を想定した設計になっていなかったので、配管の経年劣化とともに、住宅としては住めなくなってしまったのです。
(いまは配管交換が容易な設計が主流となっています)

このように躯体は丈夫でも、「住宅として何年住めるのか?」は、住宅設備を含めた管理状態に左右されます。
管理状態は、新築マンションはまだ分かりません(建てられたばかりなので!)が、中古はこれまでの実績を確認できる、という利点があります。

新耐震基準の適用は1981年から

マンションの寿命と同じく気になるのが、建物の耐震性

「昔の建物って、大きな地震が来たら倒壊するのでは……」と心配される方も少なくありません。
しかし、築30年前後のマンションは、すでに新耐震基準が適用されています。

新耐震基準は、1981年6月以降に建築確認を受けたすべての建物に適用されています。
つまり2019年現在、築37~38年以内のマンションは、全て新耐震基準に適合しているのです。

築30年だからこそのメリット

築年数を重ねたマンションには、築古物件ならではのメリットもあります。

価格がリーズナブル

築年数が古いマンションの魅力は、なんといっても物件価格が安価であること。

マンションの価格は新築時がもっとも高く、築20~25年頃で約半額まで下落します。そして築25年を過ぎると、価格の変化はゆるやかになります。
すなわち築30年のマンションは、手頃な価格で購入できるだけでなく、将来もし売却することになった場合にも損が出にくい。資産価値の安定は、新築や築浅にはないメリットです。

東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」

出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201902.pdf)より 中古マンションの築年帯別平均価格

立地の良い物件が豊富

立地の良い物件が多いことも、築古ならではの魅力です。

駅近や都心へのアクセスが良いエリアはすでに開発されていて、新築マンションを建てる余地はまずありません。
立地条件を優先して物件を探すのであれば、築古物件ほど選択肢が多くなります。

立地はマンションの資産価値にも大きく影響します。
建物の価格は築年数の経過とともに下落していきますが、土地の価格は経年によって変わりません。
とくに都心エリアでは、建物価格の下落を補って、地価が上昇している物件もあります。

敷地が広く、土地の持分が大きい

土地がたくさんあった時代に建てられたマンションは、敷地がたっぷりとしていて設計にゆとりがあることも特長です。

マンション自体の敷地が広ければ、区分所有者の土地の持分面積も、それに応じて大きくなります。
立地が良いうえに、持分も大きければ、値崩れのリスクはさらに小さくなります。

物件選びのポイント

それでは実際に築30年前後のマンションを選ぶとき、どんな点に注意すればいいのでしょうか。

大規模修繕は計画的に実施されているか

中古マンションを選ぶ際に、ポイントとなるのが管理状態。とくに「計画的に大規模修繕が行われているのか?」という点です。

外壁塗装や防水処理などが主な大規模修繕にあたりますが、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」によると、これらを12年に一度のペースで定期的に行うよう推奨しています。
ところがガイドラインは法的拘束力がないため、残念ながらすべてのマンションが計画的にメンテナンスを行っているわけではないのが現実です。

過去の修繕は修繕履歴で、また今後の予定は修繕計画で確認できます。
しかし、中には履歴も計画もつくっていないマンションもあるようです。ですからまずは、修繕履歴長期修繕計画の有無を確認しましょう。

修繕積立金の貯蓄額は充分か

修繕資金は、区分所有者が毎月納める修繕積立金によってまかなわれます。

大規模修繕は1回につき、一戸あたり100~120万円の費用がかかります。したがって、修繕積立金はマンション全体で100~120万円×総戸数相当の貯蓄が必要です。
大規模修繕を終えたばかりの物件の貯蓄は目減りしていると思いますが、次回への繰り越し分が残っているかをチェックしましょう。

1回目の大規模修繕は、外壁塗装や屋上防水が中心となりますが、2回目はさらに貯水槽や配管類の交換が検討されます。
3回目は、各住戸の玄関ドアや、窓ガラス・サッシといった建具の交換も必要になるかもしれません。
築年数の経過とともに、修繕箇所も多くなるため、余裕を持った積立ができているかがポイントとなります。

毎月納める修繕積立金の金額は、国土交通省のマンションの修繕積立金に関するガイドラインによると、10階建ての中規模マンションの場合、8,400~15,900円が目安となっています(※専有面積60㎡として計算しました
月々の負担は少ない方が嬉しいですが、設定金額が安すぎると、大規模修繕の直前に一時金が徴収されたり、予定していた工事ができないといったリスクが生じます。

日常の管理業務は適切に行われているか

管理状態は書面だけでなく、実際に現地を見てみることも大切です。

共用部の美観が保たれているかどうかは、管理の実態を見極める良い指標となります。
駐輪場やゴミ捨て場などの共用部はキレイに使用されているか、エントランス前に自転車や雨傘が放置されていないか。
共用部が雑然としている、清掃が行き届いていないといった問題があるマンションは、管理組合が正常に機能していない可能性が高いです。

管理組合が機能していない物件は、居住空間が快適に保たれないだけでなく、管理費・修繕積立金の管理にも不安があります。

管理費や修繕積立金の支払いは区分所有者の義務ですが、中には滞納してしまう人もいるようです。
一時的な延滞が数件出てしまうのは、さまざまな事情がある中でやむを得ない部分もありますが、滞納が重なって修繕資金が不足すると、毎月の積立金額の増額や、一時金の徴収が必要になる場合もあります。
そのような事態に陥らないよう、長期間にわたって滞納している所有者がいないか、確認しておきましょう。

建て替えの可能性はあるか。その場合、必要な費用を負担できるか

築30年以上、とくに新耐震基準に適合していない築40年近い物件は、建て替えが検討されているかもしれません。
まだ充分住める状態であっても、耐震性を高めたいとか、ついでにエレベーターがなくて不便なので付けたいとか、高齢の住民もいるのでバリアフリー化したいとか、さまざまな動機から、補修や改修よりも建て替えの方が良いと判断される場合もあります。

建て替えが議論されるということは、建物の維持管理に関心が高いということで、決して悪いことではありません。
しかし、とくに購入後にリフォームやリノベーションを行う場合、数年で建て替えになってしまうのはもったいないですから、数年以内に建て替えの予定がないか、確認しておく必要があります。

また、建て替えには多額の費用が掛かります。
建物を高層化するなどして、新たな住民を増やすことで、一人ひとりの負担を軽く出来る場合もありますが、容積率建ぺい率に余裕がないと出来ないことです。
建て替えが議論されている場合は、住民が負担する費用はいくらになるのか、必ず確認しましょう。
建て替えの議論が始まっていない場合でも、将来に備え、容積率や建ぺい率に余裕のある物件を選んでおくと安心ですね。

将来的な売却は可能か

転勤や子どもの成長など、さまざまな理由から、将来は売却を考えることもあるかもしれません。

築年数が古い物件は売れにくいと思われていますが、実際は築年数に関わらず「立地がよければ買いたい」という人は多いです。
価格面でも、建物の市場価値は築年数の経過とともに下がっていきますが、土地の価格は経年によって変わりません。
都心にアクセスしやすい、再開発による人口流入が見込める、最寄り駅まで徒歩15分以内といった条件を満たす物件は、築古でも一定の価格で売却できる可能性が高いのです。

また専有面積が極端に狭い物件は、家族で住むには適さないので、買主が限られてしまいます。
ですから、ある程度の広さ(少なくとも50㎡以上)がある物件の方が、将来の売却可能性は高くなります。

リノベーションで理想の住まいに

前の居住者の生活感、古くなった内装や設備、現代の暮らしにそぐわない間取り――こうした課題は、リノベーションで解決することができます。

新築マンションは間取りや設備が画一的で、収納が足りないとか、部屋数が多いのは良いけれど一室が狭いとか、なかなか理想どおりの部屋が見つからないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
しかし中古マンションを買ってリノベーションすれば、間取りやデザインや機能、すべてを思い通りに決めることができます。

とくに築30年前後のマンションは物件価格が手頃な分、リフォームやリノベーションに予算を回しやすいですね。

リノベーション前提のマンションの選び方

古いマンションは構造上、間取りの変更が制約されるケースもあるので、注意が必要です。
近年はラーメン構造といって、柱で支えるタイプの建築が主流ですが、昭和50年代頃までは壁式構造といって、壁で支えるタイプの建築も多くありました。

壁式構造のマンションは、住戸内の間仕切り壁の中に、建物の構造上壊せない壁(構造壁)があり、思うような間取りに出来ない場合があります。
構造壁の位置が、あなたが変えたい間取りの邪魔をしていないかをチェックする必要があります。

また水回りの間取り変更は、給排水配管の経路がネックになることも。
床が二重構造になっていて、床下で配管を切り回せれば良いのですが、物件によっては直床といって、床下の空間がない場合もあります。
こうした物件は、キッチンや浴室など水回り部分の床だけ躯体に凹みがあって、その中に配管を通しているため、移動ができないのです。

天井の低さも、築古物件によく見られる課題です。
現し天井といって、通常は天井裏に隠しておく配線や配管をむき出しにするデザインで開放感を演出する、という手法もありますが、そもそもの天井高は劇的には変えられません。
とくに背の高い方は、圧迫感を感じないか内覧で必ず確認しましょう!

間取りの変更や水回りの移動は、あらかじめリノベーションプランが決まっていれば、物件も格段に選びやすくなります。
ひかリノベでは、まずリノベーションプランの概要を決めて、そこからプランに合わせた物件を選ぶ、というスタイルをとっています。
「中古を買ってリノベーション」をお考えの皆さま、プランや物件探しのご相談は、ぜひショールームで開催中の個別相談会へ! お気軽にご相談ください。

 

【記事監修】坂田 皓基(ひかリノベ五反田コーディネーター )

宅地建物取引士。関東県内でマンション、戸建てを合わせて100件以上の不動産取引に従事。「お客様の希望を最大限に叶える家探し」をモットーに、リノベーション向き物件の見極め、資金計画相談など総合的な視点から物件選びをサポートする。「住宅は一生で一番大きな買い物と言われています。暮らしやすさはもちろん、資産としての価値、購入後のライフプランなど、多角的に理想的な住まいを選ぶためのサポートをさせていただきます」。

 

◆関連記事◆

 

住宅購入・リノベーション相談会を開催!

    • 物件のご紹介・リノベーションのご提案
    • 資金計画や住宅ローンのご相談
    • ご利用可能な優遇税制・補助金制度のご案内

……などなど、家づくりに関する疑問やお悩みにお答えする個別相談会を、ひかリノベでは連日開催しております。平日のお仕事帰りでも、ご家族一緒に来て頂ける休日・祝祭日も、ご予定に合わせてお気軽にお申し込みくださいませ。

 

|   一覧に戻る   |

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る