調湿建材とは?コロナ・感染症対策にも有効?

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家の中を快適に過ごすために大切な二大要素は「温度」と「湿度」だということをご存知ですか?
コロナ禍で在宅勤務が一気に増えて一日中家の中で過ごす方が多くなると、気になるのはいかに室内で心地よくいられるかということ。

夏のじめじめした湿気を吸ってくれ、冬の乾燥から肌やのどを守ってくれるのに重要な役割を果たすのが調湿建材です。
この調湿建材の素晴らしいところは、ウイルス対策にも役立つ点が挙げられます。コロナやインフルエンザウイルスは寒くて乾燥した環境で活発になるため、室内を適度に調湿してあげることで予防できます。

今回はまさにこれからの時代に使いたい「調湿建材」についてくわしく解説していきます。
一戸建てのリフォームやマンションのリノベーションをお考えの方、注文住宅や建売住宅を購入しようと予定している方は、住宅の壁や床に調湿建材を取り入れてみてはいかがでしょうか。

調湿建材とは?

そもそも調湿建材というのは日本の製品規格であるJISによって、明確な基準が定められています。

JIS規格によると、1㎡に塗り広げられた建材が24時間で何グラムの水分を吸湿し、放湿したかで評価され、調湿建材とうたえるのは24時間で70グラム以上の調湿性能がないといけません。

厳密に環境の湿度や温度が決められており、水分(湿気)を吸湿するだけでなく放湿もする素材でなければならないと決められているのです。

※参考:一般財団法人 建材試験センター 調湿建材の調湿性能評価基準

湿度調整のしくみ

それではなぜ建材が湿気を吸ったり吐き出したりできるのでしょうか。
調湿建材の種類は大きく分けて3種類あります。

調湿建材の種類

  • 土質系:粘土・鉱物など
  • 石質系:天然石・無機鉱物など
  • 木質系:木材・パルプ・木チップなど

いずれも天然素材や、それをまねた構造で人工的に作られています。
調湿建材と呼ばれるものの表面には目に見えない微細な穴がいくつも開いており、その穴から空気中の水分を出入りさせることで湿気を調整(調湿)しています。

人間が快適と感じる湿度はおよそ40~60%ですので、住宅に使用する調湿建材は湿度50~60%になるように設定されています。

吸湿と放湿

調湿建材は空気中の水分を吸い込んだり吐き出したりして湿気を調節しています。
調湿というと従来はジメジメした梅雨時期の湿気を吸い取ってくれるという印象が強いですが、
実は冬場の乾燥対策にも有効です。

冬は外気温が低くなるためどうしてもヒーターやエアコンを使って室内を暖めます。
そうすると空気中の水分が蒸発して乾燥しがちになるのです。

加湿器などを使って調湿する方法が一般的ですが、調湿建材を使っているお宅では、特別なことをしなくても建材自体が水分を室内に放出してくれます。

調湿建材を取り入れるメリット

調湿建材を取り入れるメリットは、住んでいる私たちの健康と建物の快適性を保てること。

冬場空気が乾燥してくると、肌荒れや喉の痛みを起こすだけでなく、風邪やウイルスにかかりやすくなります。

調湿建材は冬場の乾燥した室内へ適度な水分を放湿するので、私たちの健康を保つ上で、とても重要な役割を果たしてくれるのです。

もう一つのメリットは家を快適に保ち長持ちさせてくれることです。
室内の湿度が高すぎるとカビやダニが発生し繁殖しやすくなります。
壁紙やカーテンにカビが発生すると見た目が悪くなるだけでなく、吸い込むことで健康被害を起こすことも。

逆に空気が乾燥しているとフローリングや柱、梁といった木材に反りや割れが発生しやすくなります。
また静電気が生じやすくなることで火災が起きるリスクが増えます。

室内の建材を調湿建材にすることは、家にとっても私たちの体にとってもいいことづくめではないでしょうか。

代表的な調湿建材

リフォームやリノベーションにおすすめの調湿建材をご紹介していきます。

ゼオライト

ゼオライトは火山の活動により数百万年もの長い年月をかけて作られた天然の鉱物です。水の分子よりも少し大きいくらいの微小な管状の穴を持ち、無味無臭かつ人や動物に無害なため、家畜のえさや園芸用、洗剤やろ過材として幅広く使われています。

ゼオライトの主な機能は以下の通りです。

ゼオライトの特長

  • 水質浄化
  • 防臭・消臭効果
  • 調湿効果
  • ホルムアルデヒド吸着分解

ゼオライトの消臭効果が優れているのは、多孔質の表面に悪臭成分を取り込んで消臭する方法と、悪臭を生み出す雑菌の発生を抑制する消臭方法の両方を兼ね備えているからです。

また調湿建材とJIS規格で認められるのは、1㎡当たり70グラム以上の吸放湿量となっていますが、ゼオライトはそれを上回る100グラム以上となっています。

特にキッチンや洗面所、トイレといった水廻りでは高温多湿になりやすいためカビや細菌が発生し、匂いの原因物質が多く発散されています。このような場所にこそゼオライトが配合された内装用塗料などを使用してみてはいかがでしょう。

珪藻土

藻類の一種「珪藻」の殻の化石が堆積して出来上がった珪藻土は、古くからコンロや耐熱用レンガ、壁材として使われてきました。近年ではその高い調湿効果から、バスマットやコースターとして私たちの身近で活躍しています。

珪藻土の機能はこちら。

珪藻土の特長

  • 調湿効果
  • 吸音効果
  • 断熱効果
  • ホルムアルデヒド除去
  • 消臭効果

かつて塗り壁というと漆喰が主に使用されていましたが、漆喰よりも調湿効果が高く消臭機能がある珪藻土が最近ではよく使われるようになっています。

また珪藻土は音を吸収してくれる「吸音効果」も期待できる建材です。日本人が聞き取りやすい200~2000ヘルツの振動数の間でも、500~1300ヘルツの音を30%以上も吸音してくれるという研究結果が出ています。
珪藻土は隣の家と接しているマンションの壁や小さな子どもがいるお宅の建材として使うことで、調湿効果だけでなく吸音効果も発揮してくれます。

エコカラット

ゼオライトや珪藻土は天然素材でしたが、エコカラットは建材メーカーLIXILが製造販売している内装材です。エコカラットは土壁の素材が持つ機能を取り入れた最新技術によ り、様々な機能やデザイン性が魅力となっています。エコカラットの主な機能は以下の通りです。

エコカラットの特長

  • 吸放湿性能
  • 脱臭効果
  • 空気清浄効果
  • 有害物質低減

土壁のような触り心地なのに水拭きができるからお手入れも楽々。カラーバリエーションやデザインが豊富で組み合わせ次第でオリジナリティが出せるのも魅力の一つです。
もしアクセントウォールの建材選びに迷ったら、調湿性のあるエコカラットを取り入れてみてはいかがでしょうか。

※参考:LIXIL エコカラット

調湿建材をとりいれたリノベーション事例

調湿建材を建築に取り入れたリノベーション事例をひかリノベから4つご紹介します。

好きなものを詰め込んだ、リノベーションとDIYでできた家

エコカラットを使用したリノベーション事例(https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0010/)

エコカラットを使用したリノベーション事例(https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0010/

こちらはリビングとダイニングにある掃き出し窓の間の壁にエコカラットを採用しています。モザイクタイル調のポップなデザインで、赤やブルーのアクセントが所々に配置されています。
アクセントクロスとしての役割もさることながら、調湿や脱臭効果によりお部屋の空気をクリーンに保ってくれます。

アレルギーでも猫と暮らしたい!

ペットの為に壁をエコカラットにしたリノベ事例(https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0051/)

ペットの為に壁をエコカラットにしたリノベ事例(https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0051/

ペットを室内で飼っている場合、気になるのはペットのトイレの匂いではないでしょうか?
こちらのお宅では猫と暮らしていて、アレルギーを持つ奥様のためにペットがいるリビングスペースの壁にエコカラットを使用。

レンガ調のエコカラットはトイレの匂いが消臭できるだけでなく、テレビ台の脇に配置されたキャットウォークとの相性も抜群で、モダンでおしゃれな空間に仕上がっています。

自然と光庭がつくる優しい暮らし

自然素材をふんだんに使い温かみのあるリビング(https://hikarinobe.com/constructioncase/dsg_0007/)

自然素材をふんだんに使い温かみのあるリビング(https://hikarinobe.com/constructioncase/dsg_0007/

ナチュラルテイストな空間づくりが得意なデザイナーによる設計の住宅施工例です。

床や天井には無垢フローリングや無垢材を使用し、壁は珪藻土の左官壁に仕上げています。
自然素材をふんだんに使い温かみのある空間になっているだけでなく、住む人の健康にも配慮しています。

自然素材でナチュラルに。オトナかわいいブルーの家。

ブルーの珪藻土がアクセントになっているリビング(https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0051/)

ブルーの珪藻土がアクセントになっているリビング(https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0051/

ナチュラル&ヴィンテージ風に仕上がった、ブルーが映えるリノベーション例です。
アーチ型の入り口が映えるブルーの壁は珪藻土を使用し、あえて凹凸のある扇型に仕上げています。

またキッチンの内壁には調湿効果と消臭効果のあるエコカラットを使用。
見た目だけでなく機能面にも配慮した内装材を選んでいます。

コロナ禍で注目される湿度環境

2020年はコロナウイルスの影響により、私たちの暮らしが一変しました。
これから家を建てる方やリフォームを検討される方にとって、ウイルス対策は家づくりの重要なコンセプトになりつつあります。

政府のコロナ対策によると、寒冷地では湿度40%以上を目安とした適度な保湿が感染防止に有効だとされています。ウイルスが増殖しやすい冬場に少しでも感染を防ぐには、室内の湿度管理が欠かせません。

もちろん加湿器などの設備を使用して加湿をしてもいいのですが、放湿と共に吸湿をしてくれる調湿建材なら住む人の手を煩わせることなく室内の湿気を快適に変えてくれます。

※参考:厚生労働省 緊急提言:最近の感染状況を踏まえた、より一層の対策強化について

使うだけで室内の湿度を快適に保ってくれる調湿建材は、これからの内装材として注目されること間違いなし! 調湿建材を上手に取り入れて、大切な自分の家族の健康を守っていきましょう。

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記事監修

藤井 奈緒美(インテリアコーディネーター)

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