データで読み解く女性のマンション購入術


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「住宅双六(すごろく)」を存知でしょうか? 都市・建築計画学者の三宅醇さんが提唱した概念で、独身時代のアパート生活から、結婚して賃貸マンションに引っ越し、子どもが育ってきたら分譲マンションを購入。子どもが大きくなったらマンションを売って、郊外の庭付き一戸建てを手に入れる――高度経済成長期に、このようなライフプランを理想とする風潮が生まれ、長らくそれが正しいと信じられてきました。

しかし、人々のライフスタイルが多様化し、社会情勢や経済状況も大きく変わったいま、住宅とライフプランの関係も様変わりしています。一人暮らしの単身者でも賃貸ではなく、マンションを購入する人が増え、独身女性でも住宅ローンを組んでマンションを買うケースは、もはや珍しくはなくなりました。

本日は実際にマイホームを手にした方たちのライフスタイルや年収、物件の選び方など、最新データをもとに「女性のためのマンション購入術」を解説します。

シングルのマンション購入が増加

住宅金融支援機構の2017年度「フラット35利用者調査」によると、注文住宅や建売住宅、中古でも戸建だと、家族の人数は3人以上がマジョリティです。一方、マンションは2人以下が半数以上を占めており、しかも中古マンションだと、4分の1近くが1人、つまり単身者なのです。
このデータを見ると、単身者、つまり独身の一人暮らしでもマンションを購入して住むケースは確実に増えていると言えるでしょう。

住宅金融支援機構 2017年 フラット35利用者調査 住宅ローン利用者の家族構成

出典:住宅金融支援機構「2017年度 フラット35利用者調査」https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf

「単身女性のマンション購入」その実態は?

単身世帯の住宅購入に関する興味深いデータとして、(一社)不動産流通協会(FRK)が2018年1月に公表した「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」があります。さっそくその結果を見てみましょう。

独身女性の持家志向、意外と強い?

まず、住宅を購入しようとしている(検討者)、または実際に購入した(購入者)人の、約3分の1が女性です。男性は、検討者よりも購入者のほうが「既婚」である割合が高いですが、女性は検討者、購入者で独身・既婚の差はあまりありません。

また、検討段階から一人暮らしをしていた人も多いことから、住宅を購入する独身女性は少なくないと考えてよいでしょう。

(一社)不動産流通協会(FRK)「一人住まい」の持ち家ニーズ調査 性別と婚姻状況

出展:(一社)不動産流通協会(FRK)「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」https://www.frk.or.jp/suggestion/201801_hitorisumai.pdf

さらに、検討段階で将来的な結婚(配偶者と同居)を考えていた人は、男性では約2割なのに対し、女性は1割ほど。ずっと「一人暮らし」であると考えている人は、男性83.1%・女性87.5%。結婚を考えていない、という女性は意外と多いようです。

女性は「戸建よりマンション」

単身生活を想定していると考えられるコンパクトな住宅(50㎡未満)の検討者、購入者の場合、男性は「新築一戸建て(注文住宅)」にこだわる人が多いですが、女性は新築、中古を問わずマンションを好む傾向があるようです。

(一社)不動産流通協会(FRK)「一人住まい」の持ち家ニーズ調査 最も購入に近かった/実際に購入した住宅種別

出展:(一社)不動産流通協会(FRK)「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」https://www.frk.or.jp/suggestion/201801_hitorisumai.pdf

単身女性の住宅購入のホンネ

住宅を購入しようと考えた理由について見ると、女性は「資産的な価値」「家賃を払い続けるのは無駄」「老後の安心のため」といった理由を挙げる人が少なくありません。「老後は持ち家のほうが安心」と考える女性は90.1%に達しており、男性よりも住まいを資産として考えている人が多いようです。

(一社)不動産流通協会(FRK)「一人住まい」の持ち家ニーズ調査 住宅購入を検討した理由

 

出展:(一社)不動産流通協会(FRK)「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」https://www.frk.or.jp/suggestion/201801_hitorisumai.pdf

資産だからこそこだわりたい

せっかく家を買うのだから、できるだけ希望に合った家が欲しい――住宅購入にあたって、多くの人がそう考えるでしょう。

特に女性は、住まいへのこだわりが強いようです。譲れない条件として「日当たり」「駅近」「通勤アクセス」など、女性は軒並み男性に比べてスコアが高く、住まいやそれを取り巻く環境への意識が高いことが伺えます。資産として住まいをとらえている証でしょうか。

(一社)不動産流通協会(FRK)「一人住まい」の持ち家ニーズ調査 住宅の購入を検討する上で絶対に譲れないと考えていたこと

出展:(一社)不動産流通協会(FRK)「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」https://www.frk.or.jp/suggestion/201801_hitorisumai.pdf

割安感のある物件選びが主流

マンションを購入するにあたって、みなさんがやはり気にするのはお金のことではないでしょうか。新築よりは中古マンションのほうが安いとは言っても、高額な買い物であることには変わりありません。自分の収入で住宅ローンが組めるのか、支払っていけるのか――そう不安に感じる方も多いでしょう。

価格は2000万円台前半が中心

単身女性が購入した住宅の価格は、平均2085.8万円。2000万円~2500万円がボリュームゾーンです。また、頭金は平均884.9万円ですが、500万円未満が最も多くなっています。

首都圏の場合、新築マンションは約5600万円、中古マンションは3300万円程度が2018年の相場だといわれています。広さや間取り、築年数、立地も当然考慮しなくてはいけませんが、比較的割安感のある物件が選ばれているようです。

(一社)不動産流通協会(FRK)「一人住まい」の持ち家ニーズ調査 最も購入に近かった/実際に購入した住宅の購入金額

出展:(一社)不動産流通協会(FRK)「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査」https://www.frk.or.jp/suggestion/201801_hitorisumai.pdf

「老後の不安」を感じて家を買ったという女性が多い中、いかにお得な物件を選ぶかは重要なポイントになっているのでしょう。

年収とマンション購入の関係

ここで、再びフラット35の利用者調査の結果を見てみましょう。利用者の世帯年収は、全体的には600万円未満が多く、新築マンションも中古マンションもほぼ似たような割合です。単身者が多いためか、400万円未満という人も3割を超えています。

住宅金融支援機構 2017年 フラット35利用者調査 住宅ローン利用者の世帯年収

出典:住宅金融支援機構「2017年度 フラット35利用者調査」
https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf 

年収に対するマンション購入額の目安

それでは世帯年収に対して何倍の金額を購入に要したか、年収倍率を見てみますと、新築マンションでは6.9倍、中古マンションでは5.6倍が平均値となっています。

住宅金融支援機構 2017年 フラット35利用者調査 住宅ローン利用者が購入した物件の価格の年収倍率(新築マンション)

住宅金融支援機構 2017年 フラット35利用者調査 住宅ローン利用者が購入した物件の価格の年収倍率(中古マンション)

出典:住宅金融支援機構「2017年度 フラット35利用者調査」https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf 

「中古」も当たり前の時代

マンションにしても戸建にしても、新築じゃなくちゃイヤ――そう思う人もいるかもしれません。確かに、新しい家は気持ちがいいですし、新築を良しとする価値観もまだ根強く残っています。

ですが、中古住宅を選ぶ人は増え続けています。例えば、フラット35の融資区分別(取得した住宅の種類による区別)では、戸建・マンションを問わず「中古」の割合が増えている傾向が見られます。
リーマンショックが影響したと思われる2009年を除けば、この10年間、中古住宅を購入するためにフラット35を利用する人は増えており、マンションでは1割を超えるまでになりました。それだけ中古住宅が住まい選びの選択肢として定番化した、といえるでしょう。

住宅金融支援機構 2017年 フラット35利用者調査 住宅ローン利用者が購入した住宅の区分

出典:住宅金融支援機構「2017年度 フラット35利用者調査」https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf

中古マンション「だけ」30代が増加

住宅を初めて取得する人を「一次取得者」と呼び、30代から40代前半が一次取得者層の大半を占めていると言われます。最長期間である35年住宅ローンを組むことができる年齢の上限は44歳(80歳の誕生日が完済日)ですが、60代のうちに払い終えたいと考えている人が多いと思われます。

近年は収入減が影響してか、30歳代で住宅ローンを組む人は減りつつありますが、中古マンションだけは違います。わずかではありますが、30歳代の比率は上昇しているのです。

住宅金融支援機構 2017年 フラット35利用者調査 住宅ローン利用者の年齢

出典:住宅金融支援機構「2017年度 フラット35利用者調査」https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf

もちろん、経済的な要因もあるでしょう。しかし、全員が「お金がないから、仕方なく中古のマンションを買った」とは考えにくいものです。積極的に中古マンションを選んだという人もいるでしょう。

今なら中古マンションを安く買い、リノベーションをすれば、新築並み、もしくはそれ以上のレベルの住まいを、割安な費用で手に入れることも難しくありません。「中古マンション+リノベ」を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

「資産」としての住まいを考える

最後に、住まいの資産価値について考えてみましょう。
まず、マンションでも戸建でも、モノとしての質が保たれていなくてはいけません。耐震性がちゃんとあるか、配管が劣化していないか、水まわりや給湯などの設備に問題はないか。後々交換ができる部分もありますが、あらかじめちゃんと作っておかないと改善が難しい部分も少なくありません。
中古マンションを購入する場合、建てられてからある程度の時間が経過しているため、物件選びには特に注意が必要です。

リノベーションでより楽しく、安心な暮らしを

また、せっかくの高い買い物なのですから、自分が住み続けたいと思えるような住まいにカスタマイズすることも大切です。

中古マンションを買うなら、ぜひ視野に入れてほしいのがリノベーションです。単に壁紙を張り替えたり、水まわりを一新するだけでも良いのですが、徹底的に手を加えて性能やデザイン性を高め、間取りも変えて、自分好みの空間を作りましょう。

買ったはいいけど、何となく気に入らない、住み心地が悪いと感じてしまい「家なんか買うんじゃなかった……」と後悔しても、ローンの返済は待ってはくれません。初めにリノベーションをして「いいな」と思える空間を作れば、そんな後悔をすることもなくなるでしょう。

さらに、もしその住まいを手放さなくてはいけなくなったりした場合、ありきたりなものよりもリノベーションをした物件のほうが、より高く売却できたり、賃貸住宅として活用できる可能性が広がります。つまり、リノベーションによって資産価値がアップするということなのです。

ひかリノベでは、物件探しから資金計画、リノベーションのプラン作りから工事までをワンストップで提供し、シングルの方からファミリーまで、皆様の不安を解消し、理想の住まい探しをお手伝いします。各ショールームでは個別相談会を随時開催していますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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【執筆】荒井 隆大(ライター)
【監修】三浦 英樹(ファイナンシャルプランナー)

 

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