新しい住まいを探すとき、どんな家に住むかと同じぐらい大切なのが、「どの街に住むか」ではないでしょうか。
住みやすい街というのは、家族構成や仕事、ライフスタイルによってそれぞれです。
今回は、ARUHI『本当に住みやすい街大賞2023 in 関東』の結果から、いま本当に住みたい街の条件を探ってみましょう。
目次
「本当に住みやすい街」上位はどこ?
ARUHI『本当に住みやすい街大賞 in 関東』は、一都三県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)を対象に、住宅や不動産の専門家の選定委員会による審査のもと選出されるランキングです。
審査は「住環境」「交通の利便性」「教育」「文化環境」「発展性」「コストパフォーマンス」の5つの基準から、実際にその町で生活することを想定しておこなわれます。
さっそく2023年の結果を見てみましょう。
1位 |
西八王子(JR中央本線) |
2位 |
流山おおたかの森(首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス) |
3位 |
新小岩(JR総武線) |
4位 |
保谷(西部池袋線) |
5位 |
辻堂(JR東海道線) |
6位 |
柏(JR常磐線) |
7位 |
新川崎(JR横須賀線) |
8位 |
川越(東武東上本線) |
9位 |
東村山(西部新宿線) |
10位 |
鶴ヶ峰(相模鉄道本線) |
10位以内の街はいずれも郊外エリアで、SUUMO住みたい街ランキングとは大きく異なる結果となりました。
ランキング上位となったのはどんな街?
上位を獲得した街はどんな特徴があるのでしょうか。
1位を獲得した西八王子、2位流山おおたかの森、3位新小岩の特徴・魅力を見てみましょう。
1位『西八王子』の特徴
第1位に輝いた西八王子駅は、都心や横浜方面へのアクセスが便利な八王子駅の隣駅で、閑静な住宅街エリアです。
「八王子市役所」があることや、駅周辺に商業施設が充実していることや、区画整理された山坂の少ない住みやすい地勢が特徴的な地域です。
また、隣の八王子駅に比べてマンションや戸建て住宅の価格も抑えられていることも魅力的。
最寄りの八王子IC付近には、2025年に次世代型複合商業施設が、八王子駅南口には公園と図書館を有する施設が2026年に開業予定で、さらなる利便性の向上が期待されています。
2位『流れ山おおたかの森』の特徴
千葉県の北西部に位置し、東京近郊のベッドタウンとして知られるこの街は、「都心から一番近い森のまち」というテーマで2005年のつくばエクスプレス開業に合わせて誕生しました。
駅前にはスーパーや映画館まである「流山おおたかの森S.C」をはじめとした商業施設や、市役所の出張所もある文化施設などがあり、駅前でほとんどの生活の用事を済ませることができます。
子育て支援制度が手厚く、たとえば送迎保育システム(保育所から駅や送迎ステーションまでバスが送迎してくれる制度)や、子育て応援マンション認定制度(一定の基準を満たすマンションを子育てしやすいマンションと認定することで、子育て世代の家探しの道しるべにしてもらう制度)などがあります。
駅周辺は、マンションや戸建て住宅の建設が進んでいますが、都心に比べてまだまだ住宅の価格は割安です。
駅を中心にして、商業エリア・住宅地・公園や自然が近接配置され、暮らしの便利さと自然のやすらぎを享受できる街づくりがされています。
3位『新小岩』の特徴
荒川を越えれば千葉県というエリア、東京都の東端に位置する街です。
駅前には飲食店が軒を連ね、駅の南北口共に商店街やスーパーがあるため、生活用品の買い物には困りません。
2023年冬には商業施設や葛飾区の行政サービス施設の入る駅ビルを建設中と、暮らしの利便性の向上が期待できます。
また、東京都23区内で快速停車駅であり、利便性から考えて住宅価格のコストパフォーマンスは高く、住宅の資産価値の伸びにも期待ができるエリアです。
『本当に住みやすい街大賞』の選出基準は?
ARUHI『本当に住みやすい街大賞』は「住環境」「交通の利便性」「教育・文化環境」「発展性」「コストパフォーマンス」を指標として、住宅や不動産の専門家が選出するランキングです。
SUUMO『住みたい街ランキング』は一般アンケートによるものですから、この点で主旨が異なるのですね。
本ランキングの5つの指標について、それぞれの評価基準を見ていきましょう。
住環境
生活圏内にスーパーやコンビニ、ドラッグストア、病院などの数や充実度は、住みやすさに直接影響する部分です。
家族構成やライフスタイルによって、利用する施設や内容は異なってきますが、ランキング上位の街は、商業施設や、行政施設などの充実度が高い特徴があります。
交通の利便性
毎日の通勤・通学のしやすさとして、都心部へのアクセスの快適さは、日常の快適さをおおきく左右します。
急行や快速が止まることや、乗り換え不要で行けること、始発で座りやすく快適に通勤・通学ができること、複数路線が使える点も交通の利便さに直結してきます。
上位の街は、交通の利便性に優れている上に、利便性に優れた土地は売却する場合も買い手がつきやすく、資産価値も落ちにくいという優れたポイントもあります。
教育・文化環境
子育て世帯について、子育てのしやすさや、教育環境の充実性は大切な指標になりますね。
ランキング上位の街は、自治体の子育て支援が充実しているだけでなく、子どもたちが安全・安心に暮らしていける環境かどうか、治安の面でも安全性に優れた特徴があります。
また、自治体の文化施設や教育サポート施設が駅の近くにあり、活用しやすい街づくりも教育・文化環境の充実に繋がっています。
発展性
商業・工業・インフラ整備や交通面など、総合的な街全体としての利便性や、将来的に便利になる計画があるかなど、街としての価値の向上が見込めるかどうかを判断するための指標です。
ランキング上位の街は、今現在も街の利便性が高い上に、駅ビルや便利な複合商業施設などの建設が予定されており、今後ますます利便性の向上に期待ができる特徴があります。
コストパフォーマンス
住環境の充実度や、交通の利便性が高い街は、伴って家賃の相場や分譲価格相場、物価価格も高くなる傾向があります。
ランキング上位の街は、利便性や生活のしやすさに対して、物件価格や物価価格のコストのバランスに優れ、暮らしのコストパフォーマンスが高い特徴があります。
2023年のランキング結果から見る不動産市場のトレンド
『本当に住みやすい街大賞 2023 in 関東』でTOP3入りした3つの街は、いずれも2022年ではランク外だった街です。
一方で2022年に1位を獲得した辻堂が今回は5位、2位だった川口・3位だった多摩境が今回はランキング外と、昨年と今年では大きな変動がありました。
1位を獲得した西八王子駅は、隣の八王子駅の利便性を享受しながらも物件価格が抑えられていること、自然豊かな環境がポイントとなってのランクインでした。
2位流山おおたかの森は、交通の利便性や、手厚い子育て支援制度の充実、豊かな自然環境と街づくりが評価されました。
3位の新小岩は、東京駅まで最短12分の交通利便性のよさ、駅前開発による利便性の向上が期待されての選出です。
共通するキーワードは「交通利便性」。コロナ規制の緩和により移動機会が増えたこと、リモートワークを終了する企業も増えたことが影響した結果、といえるのではないでしょうか。
この傾向はSUUMO『住みたい街ランキング』も同じでした。
一方でSUUMOと異なっているのは、10位以内にランクインした街がいずれも郊外エリアである点。
これは本ランキングの指標に「コストパフォーマンス」が含まれるためでしょう。都心の物件価格は高騰し続けています。価格と利便性のバランスを考えると、より現実的なのは「都心に出やすい郊外の街」、という審査員の判断でしょうか。
おわりに
ARUHI『本当に住みやすい街大賞2023』について、上位の街の特徴や、そこからみえる2023年の不動産市場のトレンドを考察してみました。
ARUHIのランキングは、選考委員会が「多くの人にとって住みやすいであろう街」を選出するもの。その性質上、いま人気のエリア、資産価値が今後高まる可能性のあるエリアを知る手がかりにはなりますが、あなたや家族にとって本当に住みたい街・住みやすい街とは必ずしも一致するものではないでしょう。
通勤通学経路、実家との距離、街の雰囲気、価格の相場。実際にどこに住むかを考えるとき、条件は人によりさまざまです。
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