みなさんが今お住まいの家には、和室がありますか?
最近では、戸建、マンションを問わず、和室のある住まいは少なくなりましたね。
リフォームやリノベーションの際、畳部屋を洋室に作り替えたりする事例も多いです。
賃貸マンションやアパートも、フローリングの洋室が人気を集めています。
とはいえ、肌触りがやわらかく、寝転がったときの心地よさや、床の間に代表される日本ならではのデザインは、わたしたち日本人の心にくつろぎを与えてくれるものでもあります。
今、和室のある家にお住まいなら、ぜひ和室を暮らしのスペースとして有効に活用していただきたいものです。
また、洋風のお部屋に暮らしているという方も、和のテイストをインテリアコーディネートに取り込むことで、純粋な洋室とは一味違う、日本的な感覚を味わうことができるでしょう。
一度、「和」のコーディネートに挑戦してみませんか?
目次
リビングと一体化してくつろぎ度UP
どんな用途で使うかが、和室のインテリアコーディネートでは重要になります。
ワンルームマンションや、古い戸建て住宅を除けば、今どきの住宅では、和室がリビングのようにメインの居室になっているケースは少ないでしょう。
6畳程度の広さの和室が、1~2部屋ある、という間取りが大部分を占めるのではないでしょうか。
もし、和室がリビングと隣り合う位置になっているなら、リビングと一体に感じられるようなコーディネートがおすすめ。
家族が集う場であるリビングに、和室を取り込めば、温かい日差しの中でごろりと横になったり、床に直に座って子どもと遊んだりと、よりくつろぎや癒しを感じられる暮らし方が実現できるでしょう。
目線の差を意識しよう
リビングと和室を合わせてコーディネートするとき、まず気を付けたいのが、目線の高さです。
洋室は椅子やソファに座ることが多いですが、和室は座椅子やざぶとんなど、床に座り込むことが多いですよね。
すると、和室にいる人はリビングの人を見上げなくてはいけません。首も疲れますし、コミュニケーションにもなんだか違和感が生まれてしまいます。
リビングに置くソファやテーブルは、ローソファ、ローテーブルといわれる、低めのものがおすすめです。
冬なら、思い切ってこたつを置くのもいいかもしれません。和室にいる人との目線の高さがかなり近くなります。
また、例えばちゃぶ台のような日本の家具にも通じる部分があり、床に座った時の感覚に近い開放感も演出できます。
「小上がり」でモダンな畳の空間を
リノベーションで新たに和室や、畳の空間をリビングの近くにつくるなら、「小上がり」の手法をつかうのもいいでしょう。
畳の部分を、他よりもちょっと高めにし、椅子に座っている人と目線を合わせやすいようにするのです。
ひとつの空間の中に、床の高さが異なるスペースをつくると、戸やカーテンをつけなくても仕切られているような感覚が生まれるので、オープンだけどそれぞれのスペースの役割が明確になる、という効果もあります。
また、小上がりがあれば、ちょっと腰掛けたりもできるので、例えば洗濯物をたたむときなど、家事にも役立つ機能的なスペースにもなります。
小上がりの下を収納にすれば、多くの方が悩む整理整頓の問題解決にもつながるでしょう。
ご高齢の方や、足腰を傷めているために、床から立ったり座ったりするのが大変、という方にとっても、立つ、あるいは座るときに一度腰掛けてから、とワンクッション挟むことができます。
高さのめやすは30~40㎝
いくら「小上がり」といっても、低すぎるとつまずきやすくなるのでNG。
高齢者は、階段や玄関よりもむしろ、引き戸のレールのような、ごくわずかな段差でつまずくことが多いと言われます。
階段の1段あたりの高さは、20㎝が一般的です。昇り降りを考えると、最低でもこれぐらいは欲しいところ。
さらに、腰掛けるとなるともう少し高さがあったほうがよく、30㎝から40㎝が小上がりの高さとしては適正だ、といえます。
収納をつくるにしても、20㎝では容量が不十分になってしまうでしょう。
一方、30~40㎝の高さとなると、赤ちゃんや小さなこどもにとっては結構な高さ。小上がりから落ちてしまうと、大きなけがにつながる恐れもあります。
また、背の高い人にとっても、天井が近くなる分だけ、圧迫感が強くなってしまうかもしれません。
ご自身やご家族の状況に合わせて、小上がりをつくるか、家具を活用するか、よく考えて決めてくださいね。
寝室なら低めのベッド
続いて、和室を寝室として使う場合を考えてみましょう。
和室なら寝具は布団でしょう、と言いたいところでもありますが、「やっぱりベッドがいい」という方も多いはず。
ベッドもリビングの家具と同様、高さが低めのものが和室には似合います。ヘッドボードのないタイプを選ぶと、ふとんや小上がりに印象が近くなり、和室でも違和感がなくなるのでおすすめです。
また、「畳ベッド」にしてみるのも一興かもしれません。
これはベッドに限った話ではありませんが、デザインや色合いも重要です。
メタリックな質感のパイプベッドは、どう考えても和室にはマッチしにくそうです。木製や木目柄のもののほうが、違和感なく置くことができます。
畳や壁、柱の色合いとの相性もよく考えましょう。
畳のへこみやカビ・ダニには要注意
畳は床としては柔らかいので、ベッドのような重いものを載せたままにしておくとへこみがついてしまいます。
脚がついているもの、前後のパネルで支えるタイプは、特に畳がへこみやすいので、賃貸住宅で退去時の原状回復が必要な場合などは注意を要します。
こうした場合は、脚の下にゴム片やマット、カーペットを敷いて、へこみをできるだけ抑えるようにしましょう。
ベッド全体で重さを支える、下が箱型になっているタイプのほうが、畳がへこみにくくなります。
しかしこの形は、通気性が悪く、下の畳にカビが生えたり、ダニが発生しやすくなるというデメリットもあります。
和室にベッドという選択肢は、どんなタイプのベッドでも多かれ少なかれデメリットがあることは覚えておきましょう。
子ども部屋にもちょうどいい
和室を子ども部屋にする人も多いようです。
子どもが小さいうちは椅子に座るより、床で遊んだり、お昼寝をすることも多いですから、その意味でも子どものためのスペースにするのはピッタリだと言えるでしょう。
フローリングよりも滑りにくく、柔らかい畳なら、転びにくく、また転んだとしても安全です。足音も吸収してくれるので、走り回っても下の階に音が伝わりにくいというメリットもあります。
子ども部屋にも、収納は欠かせません。おもちゃや絵本など、子どものまわりにはものがたくさん。
収納をちゃんと整えてあげれば、片付けの習慣をつけさせやすくなりますし、そもそも散らかったおもちゃを踏んづけてしまったり、つまずいたりする可能性が高くなるので危険です。
部屋の雰囲気に合っているだけではなく、子どもの持ち物がちゃんと片づけられるだけの収納を用意しましょう。
ポップな雰囲気をつくろう
大人なら、和室を「落ち着く」と感じることも多いでしょう。しかし、小さな子どもにとってはちょっと地味かもしれません。
大人のためのスペースなら、モノトーン系のシックなコーディネートもいいですが、思い切って、子どもが好きな色や柄を取り入れると、和の雰囲気を残しながらも子どもが喜ぶ部屋にすることもできます。
雰囲気を変えるために役立つのが、ふすまや障子。
どちらも紙を簡単に張り替えられるので、洋風の柄やパステルカラーなどのふすま紙、障子紙を使うだけでも、地味な印象からポップなイメージの部屋に早変わり。
カッティングシートやウォールステッカーを使うのもいいでしょう。
畳の種類~縁の有無・大きさ・素材
和室といえば、畳をはじめとして、木や紙など自然素材がたくさん用いられています。
新たに和室をつくる、リノベーションで手を加えるなら、ぜひ素材も吟味して選んでほしいものです。
畳には、縁(へり)があるものとないものがあります。縁があるものは、耐久性が高いので、子ども部屋や、大きな家具を置く場合に向いています。一方、琉球畳に代表される縁なしの畳はモダンな印象なので、洋風のインテリアにも合いますが、傷みやすく値段も割高です。
畳表にも、高価だけど色合いや光沢のよい国産、安価な中国産、汚れや傷みに強いポリプロピレンなどを原料にしたもの(科学表)などの種類があります。カラーバリエーションも増えているので、部屋全体のコーディネートに合わせて選びましょう。
同じ1畳でも大きさが違う
最後に、畳で気を付けたいのが、サイズです。同じ6畳の部屋でも、1畳あたりのサイズは地域や、住まいの形によって異なります。
関東地方では、176㎝×88㎝の「五八間」と呼ばれるサイズが一般的。関西では「京間」といって、関東より大きい191㎝×95.5㎝の畳が多いです。さらに、古い公団住宅などでは、170㎝×85㎝と小さいものが使われていることがあります。
同じ1畳だからといって、何も考えずに選ぶと入らなかったり、逆にすき間が空いてしまうことも。気になる場合は畳屋さんなど、専門家に相談してくださいね。
木目や紙で和を演出
木や紙も、和の雰囲気を演出するならぜひ取り入れたいアイテムです。
コンクリートのマンションでも、木材、できれば無垢の木を柱のように壁に取りつければ、ぐっと和室らしさが出ます。
柱を露出した壁は、真壁といって、伝統的な和室によくみられるスタイルです。
より手軽な方法としては、木目がちゃんと見える和風のたんすなどの家具を置くだけでも、和の味わいが感じられます。
壁紙として和紙を使ったり、行灯や提灯をモチーフにしたデザインで、和紙を使った照明器具を使うのもいいでしょう。
雑貨や小物なら、賃貸マンションやアパートで一人暮らし、という人でもインテリアに和のテイストを加えることができます。
北欧スタイルの家具や雑貨も、意外と和室との相性がよく人気を集めています。モダンな感覚を出したいという場合は、海外のデザインを取り入れてみるのもいいかもしれません。
素材やかたちにもこだわって、レトロからモダンまで、お好みのスタイルの和室をつくりあげてください。
ひかリノベでは、基本のスタイルとして和風のデザインもご用意しています。
古民家調から和モダンまで、お客様のご希望に合わせた和のテイストをコーディネートいたしますので、お気軽にご相談ください。
当社ひかリノベは、オーダーメイドのリノベーションと中古マンション・中古戸建の売買仲介サービスをご提供しています。
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