SIC(シューズインクローゼット)とは?WIC(ウォークインクローゼット)とは違うの?

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靴とアウトドア用品収納を備えた大容量SIC (https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0117/)

間取り図に書かれている「SIC」「WIC」といった略称。何を表しているかご存知ですか。
これらはいずれも収納空間に関する表記です。

SICはシューズインクローゼット(またはシューズインクローク)の略称です。
WICはウォークインクローゼット(またはウォークインクローク)の略称です。

この記事ではシューズインクローゼットとウォークインクローゼットの違いや、それぞれのメリットデメリット、必要な広さや使いやすい間取りを事例を交えて解説します。リノベーションをご検討の方は、収納計画の参考にぜひご覧ください。

SIC(シューズインクローゼット,シューズインクローク)とは?

SIC(シューズインクローゼット,シューズインクローク)とは、靴を履いたまま出入りできる収納空間のこと。そのため、玄関土間に隣接した間取りにする場合が多いです。
靴の収納はもちろんですが、コートやジャケット、自転車、ベビーカー、ゴルフバックなどのスポーツ用品やアウトドア用品の収納を計画する場合もあります。

WIC(ウォークインクローゼット,ウォークインクローク)との違いは、土足がOKか否かです。

SICのメリットとしては、次のような点が挙げられます。

  • 玄関がすっきりと片付く
  • 靴の着脱スペースにゆとりがもてる
  • ベビーカーや自転車を収納できる

玄関がすっきりと片付く

「通常の靴棚だけでは家族全員分の靴が入りきらない」「普段よく履く靴をつい出しっ放しにしてしまう」などの理由から、玄関が散らかってしまう、とお悩みの方も多いのではないでしょうか。そんな方には、SICが特におすすめです。

SICを計画することで、靴の量や家族の人数に合わせて予め必要十分なスペースを確保できます。また手前に普段使いの靴、奥にオフシーズンの靴やフォーマル用の靴、と整理がしやすくなることもメリットです。

靴の着脱スペースにゆとりがもてる

SIC内に靴の着脱スペースや姿見スペースを計画すれば、玄関にさらにゆとりが持てます。

とくにマンションの玄関は、居室の広さを確保するために狭い空間になっている場合が多いですね。そこに靴棚を置いたりコート掛けを置いたりするので、さらにスペースがなくなってしまいます。

SICを設ける際、収納に必要な広さのほかに、着脱に必要な広さや動線も予め計画することで、快適な玄関空間の実現が可能となります。

ベビーカーや自転車を収納できる

ベビーカーや自転車などの置き場に悩む方も多いですね。外で使うものはなるべく土足空間で完結したいもの。

SICは土間空間なので、ここに置き場を設ければ、外から帰ってきたらそのまま置けて、出掛けるときはそのまま押していくことができます。

また、アウトドアがお好きな方は、SICにアウトドア用品の置き場を計画することをおすすめします。土足空間で完結できることはもちろんですが、アウトドア用品は重いものも多いので、車に運ぶ動線も短くできる点もメリット。

このように外で使うものが多いほど、SICはおすすめの収納スタイルです。

WIC(ウォークインクローゼット,ウォークインクローク)とは?

WIC(ウォークインクローゼット,ウォークインクローク)とは、歩いて中に入れる、広い収納空間のことです。
WICは、おもに衣類の収納を目的としている場合が多いです。さらにストーブや扇風機といった季節家電、布団などの収納を計画する場合もあります。

SICと違い、基本的には土足を想定していません。

SICのメリットとしては、次のような点が挙げられます。

  • 衣類や荷物を一箇所にまとめられる
  • ものの出し入れや整理がしやすい
  • 急な来客時の目隠しスペースに

衣類や荷物を一箇所にまとめられる

部屋ごとに分散した押入れやクローゼットは、どこに何をしまったか解らなくなりがち。
一つのWICに荷物をまとめることで、あちこち探す手間が省けます。

また、家族のクローゼットを一箇所にまとめることで、洗濯物をしまう動線を短縮できるというメリットもあります。

このように家族の衣類や荷物を一箇所に集約した収納空間のことを「ファミリークローゼット」といい、近年人気を集めています。

ものの出し入れや整理がしやすい

押入れやクローゼットは奥行きが深く、ぎっしりと詰め込みがち。
それに比べ、歩いて中に入れるWICは、荷物の出し入れがしやすくなります。

また、空間として計画するWICは、「空いたスペースに荷物を詰め込む」のではなく、「収納するものに合わせて広さやレイアウトを決める」ことができます。予め荷物の量や内容に合わせて棚やハンガーを計画することで、より整理がしやすくなります。

急な来客時の目隠しスペースに

部屋が散らかっているときに急な来客があり、慌ててしまった……という経験はありませんか。そんなとき、いざというときの目隠しスペースがあると便利ですよね。

WICがあれば、とりあえず出ているモノをサッとしまって生活感を隠すことができます。

とくに子育て中は、育児用品やおもちゃなど常にものが出ている状態になりがち。WICは、子育て世代のファミリーにこそおすすめしたい収納スタイルです。

SIC・WICに必要な広さは?

SICの広さは、2畳以上を目安に確保できるとよいでしょう。一般的な玄関の構成は、玄関ホール/玄関土間/収納にそれぞれ一畳ずつ、計3畳からが目安となります。SICを設ける場合、さらに2畳分のスペースを確保する必要がある、ということです。

ただし、この広さはあくまで目安であり、実際のプランニングでは「何を収納したいか」により、個別に必要十分な広さを検討することが大切です。靴の量、家族の人数、自転車やベビーカーなど靴以外にも収納したいものをまず決めて、計画するようにしましょう。

WICの広さは、収納スペースに加えて歩くスペースも必要となるため、最低2畳、できれば3畳以上のスペースが確保できると安心です。
こちらも必要な大きさは、衣類の量、家族構成、収納したいものによって異なります。また、WICの中に着替えのスペースをつくりたい場合は、よりゆとりが必要となります。何を収納するか、どのように使用するかをまず決めて、計画しましょう。

SIC・WICの使いやすい間取りは?

SICは、玄関土間から連続した間取りが一般的です。
靴やコートの収納を中心に計画する場合が多いですが、SICは自転車やベビーカーの置き場所とし、靴棚は玄関土間に別途設ける場合もあります。
外出する時や帰宅する時の動きをイメージして、使い方を考えて検討しましょう。

WICの間取りは、寝室近くにレイアウトする場合が多いようですが、生活時間が家族で違うため敢えて寝室から離れた場所にしたいというケースもあり、千差万別です。
衣類の収納は洗濯物をしまう動線も考慮したいので、洗面室やランドリーとの位置関係も重要です。
衣服だけでなくリビングで使うものを出し入れしたい場合や、パントリーを兼ねてキッチン家電や食品ストックなどを収納する場合は、寝室よりLDKの近くに配置することも。

SICもWICも、一つの入口から出入りする「ウォークイン」型の動線と、通り抜け可能な「ウォークスルー」型の動線があります。

ウォークスルー型のメリットは、居室からSICに入って靴やコートを身に着け、そのまま玄関へ……というように、身支度の動線が効率化できることです。玄関に出る前にSIC内で靴を履き替えるので、玄関が散らかりにくい点もメリット。デメリットは、間取りを計画する上で、通り抜ける通路が必要になるため、その分広いスペースが必要になることです。

どちらが良いものと一般化できるものではないので、用途やライフスタイルに合わせて決めましょう。

SIC・WICのリノベーション事例

ここからは、ひかリノベのリノベーション事例から、SIC・WICの特徴的な事例をご紹介します。

広い玄関土間とSIC

抜本的に間取りを変えて玄関土間を拡張し、SICを設けた事例です。大容量の靴棚と、電動式自転車の充電コーナーを設けました。扉や壁のないオープンスタイルのSICですが、レイアウトの工夫で居室からSICの中が覗きにくいよう計画しています。

なお、このSICの奥はリモートワーク室。プライベートな居室空間から土間を通って「出勤」する、離れのような間取りとなっています。

靴とアウトドア用品収納を備えた大容量SIC

靴とアウトドア用品収納を備えた大容量SIC (https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0117/)

靴とアウトドア用品収納を備えた大容量SIC (https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0117/)

玄関土間をワイドに拡張し、壁面に靴棚を造作した事例。ゴルフバッグなどの大物収納コーナーも用意しています。もともと洋室だった空間の一部を利用しており、窓があるので明るく開放感があります。

洗面コーナーに隣接したWIC

洗面コーナーに隣接したWIC (https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0120/)

洗面コーナーに隣接したWIC (https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0120/)

玄関ホールに洗面コーナーやランドリーを取り込んだ事例です。洗面裏にWICを配し、ここで身支度が完結する計画にしました。WIC入口は扉を付けず、アール開口でセミオープンに。

通路をWICとしたウォークスルー型のクローゼット

通路をWICとしたウォークスルー型のクローゼット (https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0101/)

通路をWICとしたウォークスルー型のクローゼット (https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0101/)

中央に配したワークスペースの周囲を回遊するユニークな間取り。リビングから寝室・玄関ホールへ至る通路にクローゼットを設けました。壁や建具のないオープンなクローゼットですが、回り込むようなレイアウトで生活空間からは自然に目隠しされます。姿見とラグを置いて着替えスペースもあり、合理的な空間設計です。

おわりに

収納は、住まいの悩みとして挙げられることの多い空間です。

ポイントは、収納するものの量と大きさ、出し入れの頻度。
広さは充分であっても、動線が考慮されていないと、結局使い勝手の悪い収納空間となってしまいます。「どんな荷物が、どれくらいあるのか」は家族構成やライフスタイルによって異なり、一般化しにくい部分でもあるので、ぜひ間取りから自由に決められるリノベーションで、生活スタイルに合わせて最適な収納計画を実現しましょう。

当社ひかリノベは、オーダーメイドのリノベーションと中古マンション・中古戸建の売買仲介サービスをご提供しています。家探しからのリノベーションをご希望の方は、物件探しから設計・施工まで。居住中のご自宅のリノベーションは、工事中の仮住まい探しから設計・施工まで、ワンストップでおまかせいただけます。

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記事監修

宇津木 和子(一級建築士、インテリアコーディネーター)

一級建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターの有資格者。家族一人ひとりの生活時間や動線を考え抜き、細部まで暮らしやすさにこだわったプランを提案する。「人の暮らしは十人十色。ありきたりの間取りに自分を合わせるのではなく、自分のライフスタイルに合わせた間取りを。リノベーションで”自分らしく楽しく暮らせる家”を目指していきましょう」

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