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古民家リノベーションの費用の相場と注意点

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昔ながらの暮らし方や、その地方の気候に応じた家づくり。
それらを現代に伝えてくれる「古民家」への注目が集まっています。

民家をリノベーションした宿泊施設や飲食店も増え、日本を訪れる外国人観光客からの人気も高まっています。民泊サイトでも、古民家をリノベーションした物件がたくさん紹介されていますね。
また日本国内でも、地方移住が注目を集めています。地元に帰る“Uターン”はもちろん、子育てやリタイア後のセカンドライフの場として、地方に移り住む“Iターン”など、地方での新たな住まいとして古民家を選ぶひと、古民家暮らしを希望するひとは後を絶ちません。

一方、古民家のつくりは現代の住まいと大きく異なっています。いざリノベーションしようとなると、住まい手はもちろん、住宅や建築のプロでさえ戸惑うことも多いのが実情。

今回は、「古民家をリノベーションして住むにはいくらかかるの?」「どのような点に注意すればいいの?」といった疑問にお答えします!

また、古民家に住みたいけれど「現実的に難しい…」という人もいるでしょう。そんなひとでも、古民家を味わえる「古民家風リノベーション」についてもご紹介します。

2016/2/25初出→2020/4/1更新

1.古民家リノベーションの魅力

古民家リノベーションに興味はあるけど、どんなメリットがあるんだろう……と思う方も多いかもしれません。はじめに、古民家リノベーションの大きな3つの魅力をお伝えします!

古民家リノベーションの魅力

  • 古き良き日本家屋を「現代風」に味わえる
  • 古民家に使用されている材料は強度が高い
  • 固定資産税の軽減や補助金の利用が可能

①古き良き日本家屋を現代の暮らしの中で味わえる

吹き抜けや高い天井・土間・縁側など、現代の住まいにはない良さをうまく残しつつ、キッチンやお風呂などの設備は、最新のものでリフォームすることが可能なのが、古民家リノベーションです。
そのため、「古民家だから暮らしにくい」といったマイナス面を排除し、住みやすい家作りを実現できます。

②古民家に使用されている材料は強度が高い

古民家で使われている木材には、ヒノキやケヤキがあげられます。
これらは、強度が落ちるまで800〜1200年とも言われており、今では入手困難な唯一無二の素材も少なくないのです。

一方で、築年数の古さから「耐震補強や断熱対策はどうなの?」といった不安の声もあるかもしれませんね。
たしかに経年変化もあり、そのまま住むには心配な場合も少なくありません。しかし、これらはリフォームやリノベーションによって、新築と同様の機能へと補うことが可能です。

③固定資産税が安い

固定資産税は、建物の築年数が古いほど安くなります。築数十年~100年を超える場合も多い古民家は、新築と比べ、購入に伴う税金を安く抑えられる可能性が高いのです。

他方、経年変化による建物の状態や、現代の暮らしにそぐわない設備の交換など、リノベーションには高額の費用が必要になるケースが多いのもまた事実。
この点については、行政の支援制度を利用するのも一つの方法です。とくに耐震リフォームや断熱リフォームなど、古民家リノベで必要になりやすい部分は、さまざまな支援制度が用意されています。

2.古民家リノベにかかる費用、相場はいくら?

古民家を購入してリノベーションしようと考えはじめたとき、やっぱり気になるのは「お金」。リノベーション費用のことではないでしょうか?

傷んだ部分の修繕、設備の交換、スケルトン状態にしてのフルリノベーションともなるとーーー規模や内容によって、コストには大きな差が出ます。

そうなると、インスペクションや耐震診断、構造計算(多くの設計事務所や工務店は外注)などの費用がかかることから、古民家リノベーションは、在来工法の住宅よりも高額になる傾向があります。

出典:パナソニック 住まいの設備と建材「古民家再生のリフォーム費用の相場・目安」

出典:パナソニック 住まいの設備と建材「古民家再生のリフォーム費用の相場・目安」(http://sumai.panasonic.jp/sumai_create/hiyou/kominka/

ボリュームゾーンは500万円から2000万円の間というところでしょうか。
3000万円超も15%を占めており、かなり大規模なリノベーションを行っている人が多いと予想されます。

3.そもそも「古民家」とは?

「古民家」には、実は具体的な定義はありません。
とはいえ、それでは話を進めにくいので、一般社団法人全国古民家再生協会が掲げている定義を前提にすることにしましょう。

(略)「古民家」の定義は、昭和25年の建築基準法の制定時に既に建てられていた「伝統的建造物の住宅」すなわち伝統構法とする。

出展:一般社団法人古民家再生協会「『古民家』の定義について」http://www.g-cpc.org/%E3%80%8C%E5%8F%A4%E6%B0%91%E5%AE%B6%E3%80%8D%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6

この記述の中にある「伝統構法」(「伝統工法」と表記することもある)という言葉が、古民家か否かをわけるカギだといえるでしょう。

木だけでつくるのが日本の伝統

現代の木造住宅は、主に耐震性を高めるために、基礎と柱、もしくは、柱や梁と桁を接合金物と呼ばれる金具で固定することが、建築基準法で定められています。これは伝統構法と区別して「在来工法」と呼ばれます。
また、アメリカから導入されたツーバイフォー工法という、壁を主体とした構造もあります。

一方、伝統構法は、地域による差はいくらかありますが、基本的には大工さんが手作業で「仕口」や「継手」と言われる凹凸の加工を柱や梁に施し、組み合わせることだけで構造体をつくります。
柱も、基礎となる石を地面に埋め込み、そこに立てるだけ(固定しない)の「石場建て」(「独立基礎」や「玉石基礎」とも)が用いられ、筋かいや土台も使いません。

「そんなつくりで地震に耐えられるの?」と思うかもしれませんが、伝統構法は地震の揺れに対して柔軟性を持たせることで、地震の力を吸収するのです。

古民家とは対極的な存在に見える超高層ビルの設計にも、伝統構法の知恵が活用されており、決して古いだけの存在ではないのです。

在来工法の軸組、伝統構法の軸組

各部

在来工法(建築基準法)

伝統構法

基礎・柱脚

コンクリート基礎上に土台・柱脚を金物で緊結する

一般に土台を設けず、柱脚を磁石に乗せただけの石場建ても多い

接合部

必要な柱と横架材の接合部を金物補強する

仕口・継ぎ手は、木を生かした「木組み」であり、金物は用いない

耐震壁

筋かいや構造合板、石膏ボードなどを用いる

壁は、土塗り壁や板張りの前面癖・小壁(垂れ壁、腰壁)が多い

木材

人工乾燥木材の他、合板、集成材など木質系工業製品を多く使う

丸太や製剤など天然乾燥木材を多く使う

出典:内閣府 規制改革推進会議農林ワーキング・グループ「伝統的構法木造建築物の建築基準法における問題」(https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/nourin/20180216/180216nourin01-1.pdf

「古民家の構造=デザイン」が大きな魅力

古民家のもうひとつの特徴が「真壁」。

在来工法では、接合金物と同様、耐震のために強度の高い構造用合板などを、柱の上から張ることがほとんど。これを「大壁」といい、柱は合板や内装の下地になる石膏ボードに隠れてしまいます。

一方、伝統構法は柱の間に「小舞」と呼ばれる下地を作り、その上に土を塗ったりして壁をつくるので、柱が覆われず、外にあらわれた状態になります。これが「真壁」です。

柱のラインが目に見えるので、構造がそのまま内外装のデザイン性を決める要素になります。石場建てもそうですが、木材が絶えず外気に触れているので、湿気がたまりにくく、腐りにくい、というメリットもあります。

その他にも、縁側とそれを覆う深い軒の出、むき出しの梁や桁、茅葺き屋根、独立した玄関とは異なる出入り口と台所、仕事場など複数の役割を兼ねる土間、「田の字プラン」と呼ばれる間取りなど、いろいろな特徴が思い浮かぶでしょう。

これらは、夏の強い日差しを遮る、室内で火を使った時の煙を逃がすなど、機能的な理由や、その地域で手に入れやすい材料を使った結果であったりするのですが、同時にデザイン的な魅力にもなっているのです。

4.古民家ならではの特長がリノベのネックに

現代の工業化された均質な家づくりとは全く異なる、「職人の技」や「地域の特性」を生かしたつくりが魅力の古民家。
ですが、いま「古民家を購入してリノベーション」となると、かなり大きなハードルが目の前に立ちはだかります。

まず問題になるのが、建築基準法上の扱いです。

今、伝統構法の建物をつくろうとすると、構造計算を行い、現在の法規が求める耐震性を持っていることを証明しなくてはなりません(在来工法の場合、2階建てまでならほとんどの場合は不要です)。リノベーションでも、確認申請が必要な規模ならば、構造計算が必要です。

断熱性能も現代の住まいには欠かせない要素ですが、土壁や茅葺屋根をそのまま残そうとした場合、断熱材を施工することはかなり困難。できなくはありませんが、かなりの手間やコストを要します。

決して古民家を理想の住まいにできない訳ではありませんが、コスト面が課題となりやすいことは、頭に入れておく必要があります。

5.適切な設計・施工ができる業者を探そう

伝統構法を正しくリノベーションできる、設計者や職人・工務店が、決して多いとは言えない……というのも、大きな問題です。

設計図をもとに、あらかじめ工場で木材を加工するプレカットの普及や工具の進歩、各種建材の工業化などの理由から、伝統構法では必須だった「刻み」(木材を手作業で加工すること)や「墨付け」(加工に必要な木材へのマーキング)が、大工には求められなくなり、経験がないという大工も今や珍しくはありません。

もし、あなたが古民家を「伝統構法のままフルリノベーションしたい」と思っているなら、まずは伝統構法をちゃんと理解し、適切な設計や施工ができる設計事務所や工務店を探すことが第一歩。

とはいえ、伝統構法に対応できる設計者や大工・職人は「どうやって探せばいいの?」という方が多いのではないでしょうか。

そんな悩みに応えられるのが、ひかリノベのリノベーションの仕組みです。物件購入からリノベーションの設計・施工まで、すべてひかリノベが窓口となって、住宅の工法やリノベーション内容に合わせ、最適な設計者や大工・職人を手配します。リノベーションをお考えの方は、まずは各ショールームで開催している相談会にてご相談ください。

6.古民家物件の探し方

そもそも、古民家はどうやって探せばいいのでしょうか。「実家が築100年以上の古民家だ」なんてひともいるかもしれませんが、多くの場合、まず物件を探すことがスタートになるでしょう。

まずは、どこに住みたいかを決めましょう。
古民家に住みたいという人の中には、地方への移住を考えている人も多いでしょうが、縁もゆかりもない土地に移り住むこと自体が、物件探し以上のハードルになってしまうことも…。
そこでおすすめしたいのが、各地の自治体などが主催している「移住体験ツアー」。
短期間でも、その地域を経験することで、その土地が自分に合っているかどうかを判断する材料になるでしょう。

古民家購入のステップ

古民家を探すには、ネットの不動産ポータルサイト・地元の不動産業者・知人からの紹介など、いくつかの方法が考えられます。

「古民家住まいる」「田舎ねっと.日本」のように、古民家や地方移住に特化したサイトもあります。

また、移住先の自治体が「空き家バンク」を開設していたら、ぜひ覗いてみましょう! 掘り出し物が見つかるかもしれません。

なお、ひかリノベは長野県松本市に拠点があり、首都圏からの移住を検討中の方向けに、物件紹介を行っています。両国・五反田・横浜・湘南の各ショールームで、首都圏にいながら現地の物件情報を閲覧したり、リノベーションの相談も可能です。

また当然ながら、築数十年以上が経過しているものなので、購入する際には、インスペクションを行うことをおすすめします。ひかリノベでは、ご希望の方に、購入前のインスペクションを実施しています。古屋のご購入をお考えの方は、どうぞお気軽にお申し付けください。

7.「古民家風」リノベーションのすすめ

ここまで、古民家リノベーションのコツを紹介してきました。
しかし、「今住んでいるところから離れたくない」「予算や場所など、ちょうどいい物件が見つからない」という人もいるでしょう。
それでも古民家の暮らしを味わいたい!という人には、一般的な中古物件を購入して「古民家風」にリノベーションすることをご提案します。

古民家は、デザイン的な特徴が豊富なため、インテリアコーディネートにそのテイストを盛り込みやすいのです。また、インテリアだけならRC造のマンションだって、日本の伝統を感じさせる空間をつくることができます。新しい木材であっても、塗装や仕上げ方次第で古材のように見せることも可能です。

古民家は確かに大きな魅力を持っていますし、資源を有効に使うという意味でも、古民家をリノベーションして住むことには大きな意義があるといえるでしょう。しかし、予算や地域などの制限も、現実問題として存在するのもまた確かです。
そこで「古民家風」を取り入れることによって、限られた条件の中でも、日本の伝統的な住まいを味わうひとつの方法になるのではないでしょうか。

各種の補助金や優遇制度も、耐震性などの条件を満たしている物件ほど利用しやすくなりますし、築浅物件ならメンテナンスの負担も小さくなります。

古民家に興味があるけれど、現実的に難しい…という悩みを抱えている方は、マンションの「古民家風」リノベーションも、ぜひ選択肢に入れてみてください。あなたのライフスタイルに、変化をあたえるきっかけになるかもしれませんよ。

【監修】 三部 浩一(宅地建物取引士)


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