おしゃれなリビングを叶える家具レイアウトのコツを建築士が解説

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リビングは、住まいの中心となる部屋。
一家団らんの場であり、ときには仕事や勉強をする場にもなるでしょう。
友達やお客様を呼んだときは、応接スペースとしての機能も必要です。
リビング空間のインテリアは、さまざまな場面に対応できるようなものがベター。

たとえば、マンションでLDKというと、10畳から12畳程度という住戸が多数。
広いところでは、16〜18畳、20畳以上という住戸もあります。
この限られた空間で、ソファやテーブル、キャビネットといった家具をバランスよく、シーンに応じた動線も意識しながら配置していく必要があるのです。

最近はリビング・ダイニング・キッチンの機能をLDKに集約した間取りが主流ですが、とくにリビングスペースにおいて、中心的な役割を担うのが「ソファ」です。
今回は、このソファを中心に、ライフスタイルに応じた「快適なリビングの家具レイアウト」について紹介します!

2020年9月11日初出→2021年11月12日更新

LDKだからこそ気を付けたいレイアウト

近年は、リビングとダイニング、キッチンをひとつの部屋にまとめたLDKが間取りの主流です。中古マンションのリノベーションでも、間仕切りを取り払ってLDKにするパターンが増えています。

LDKは、「広々と感じられる」「家事をしながらリビングの家族の気配を感じられる」といったメリットがある間取りです。
しかし、来客者にキッチンの様子が見えてしまったり、距離が近すぎてかえって落ち着かないなど、デメリットがないわけではありません。
部屋の形も縦長、横長、正方形に近いなど、多種多様。当然、それぞれに適したレイアウトも異なってきます。
ソファ、ダイニングセット、収納家具と、LDKには置きたい家具も多い分、配置はよく考えねばなりません。

自分がどのようなシチュエーションでリビングを使うのか、どんな時間をリビングで過ごしたいのかを考え、部屋の広さや形に合わせてレイアウトすることが、心地いいリビングづくりの大前提です

ソファの位置でリビングの性格を決める

まずはじめに決めたいのは、ソファの位置です。
ソファは家族の団らんやくつろぎの場であり、リビングスペースのなかでも中心的な役割を担っています。
ソファの位置や向きによっては、リビングでの過ごし方や居心地の良さも変わってきます。

背面レイアウトでゆるやかにゾーニング

ソファを、ダイニングやキッチンに背を向けるようにして置くと、リビングの独立が高まります。
「とにかくリビングはくつろげる空間にしたい」という人におすすめのレイアウトです。

また、キッチンにいる人の動きが目に入らないため、来客が多く、家族以外にキッチンが目に入るのを避けたいという人も、この配置にしてみましょう。
部屋の中央にソファを置くことになるため、ダイニングやキッチンからもテレビが見えるよう、ロータイプのソファを選ぶのがベターです。

家族の顔が見える対面レイアウト

反対に、ダイニングテーブルやキッチンに向けてソファーを置けば、リビングダイニング、キッチン間でのコミュニケーションがとりやすくなります。
家族揃って食事をとる機会が多い、家事をしながら子どもの様子も見守りたい、という方におすすめのレイアウトです。

バランスのいい横並び配置

ソファをダイニング、キッチンと横並びに配置するレイアウトは、コミュニケーションも取りやすく、キッチンも見えにくいバランスの取れたレイアウトです。
縦長の部屋の場合、キッチンからの視線をソファが遮らないため、より広々とした印象を与えます。
ベランダへの動線も確保されるため、洗濯物を干すのにも便利。
家事の利便性を重視したい人にも、おすすめのレイアウトです。

家族構成によって異なるソファの選び方

家族で集まって過ごす時間が多いという方は、みんなでゆったり座れるコーナーソファを。
それぞれで過ごす時間が多いなら、2~3人掛けのハイバックソファなどがいいでしょう。
一人暮らしの場合は、コンパクトで移動しやすい一人掛けソファーを選ぶのもいいかもしれませんね。

ソファとセットで置くことの多いローテーブルは、ソファの横幅よりも狭い幅のものがいいでしょう。ソファへの動線を確保しやすくなります。

テレビとの距離から考えるソファ選び

テレビもソファと同様、リビングには欠かせない存在のひとつです。
テレビとソファの距離は、見やすさ、リビング内の動線にも大きく影響します。
間には、3m以上の距離が取れると、大きなソファやローテーブルがあってもゆったりとレイアウトができます。
3m未満になると、ソファ+ローテーブルはちょっと窮屈に感じるかもしれません。

オットマン(フットスツール)を組み合わせたり、ローテーブルに代えてサイドテーブルを置いたりすると、多少狭くても開放感がでます。
2.5m未満しか距離が取れないようであれば、一人掛けのソファを人数分置く、思い切って床座スタイルにする、というのも選択肢の一つです。

テレビを壁掛けにするとき、テレビボードはなくても大丈夫でしょう。
しかし、レコーダーやDVDプレイヤーなどの周辺機器を目立たないようにしまいたい、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その場合、低めのデザインのものを選ぶと、壁に掛けたテレビとの間に抜け感がでます。

家具の配置で開放感あるリビングに

広々としたリビングが理想ですが、現実的にはなかなか充分な広さが確保できない……そんな方も少なくないのではないでしょうか。
そんなときも、家具の置き方、選び方によって開放感を演出することが可能です。

窓を部屋の一番奥と考え、手前に背の高い家具を置き、奥にいくに従って低くなるように家具を配置していきます。すると、遠近法の効果で、より奥行きがあるように感じられるように。

奥に背の高い家具を置くなら、部屋の角に配置しましょう。
縦方向への空間が広く強調されるので、天井が低く、圧迫感を感じる部屋におすすめです。
家具はまとめて配置し、家具のない一帯を作るのも、広々と感じられる部屋づくりのポイントです。家具の奥行を統一すればなおよし。
動線を確保するという意味でも、家具のまとまりはとても大切です。

動線を確保するために必要な距離感

やみくもに家具を置くだけでは、快適な空間は作れません。
使い方が多岐に渡り、一日を通して人の出入りも多いリビングならなおさらです。
居心地のいい空間にするには、移動や行動にかかるストレスを減らす工夫が必要。

行動にかかるストレスの軽減には「動線」を確保することがカギになります。
大人一人が歩く通路には、600㎜ほどの幅が必要だと言われています。
横歩きなら400㎜程度で済みますが、横向きでしか移動できないのはちょっと面倒ですね。できれば普通に歩けるだけのスペースを確保したいものです。

休日には、ゆっくり映画や録画したドラマを見るのが楽しみーーーそんな方も多いでしょう。
テレビの前はDVDをセットしたり、レコーダーを操作したりと、なにかと細かい動きが多いもの。テーブルを置くなら、テレビボードとの間にはそれなりの余裕が欲しいですね。ここも600㎜ぐらいが適当な間隔です。

逆に、ソファーとテーブルの間が離れすぎていると、テーブルの上に置いたカップやグラスが取りにくくなります。
ソファーと(ロー)テーブルは、300㎜程度の間をあけて配置しましょう。

安全も左右するコンセントの位置

意外と忘れがちなのがコンセントの位置です。

電源はもちろん、テレビのアンテナ線、インターネットのLANケーブルがあるケースがほとんど。コンセントを考慮せずにレイアウトをしてしまうと、無駄な配線と延長コードで室内が雑然となってしまう可能性もあります。

コードが床に張っていることで、足を引っかけてしまうこともあるかもしれません。子どもや高齢者にとって、とても危険な状態です。
室内でペット飼っている場合、ペットがコードを齧ってしまう恐れもあり、ラグなどに引火して火災を引き起こす原因にもなりかねません。
安全のためにも、コンセントの位置はしっかり確かめておきたいものです。

おわりに

最近では新築・リノベーション、マンション・戸建を問わずLDKが間取りの主流とお伝えしました。LDKは、くつろぎや団らんの空間であるリビング、食事のためのダイニング、そして家事(料理)をするためのキッチンと、異なる役割をもつ空間を融合した部屋です。

リビングの機能だけを考えて部屋をつくるのではなく、あなたやご家族のライフスタイルに最適なダイニングやキッチンとの関係はどんなものなのか、全体像を捉えながらレイアウトを考えましょう。

可能であれば、家づくりやリノベーションの段階から、家具の選択やレイアウトも考慮して間取りや内装を計画しましょう。より統一感や一体感のある家づくりが可能になります。

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記事監修

宇津木 和子(一級建築士、インテリアコーディネーター)

一級建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターの有資格者。家族一人ひとりの生活時間や動線を考え抜き、細部まで暮らしやすさにこだわったプランを提案する。「人の暮らしは十人十色。ありきたりの間取りに自分を合わせるのではなく、自分のライフスタイルに合わせた間取りを。リノベーションで”自分らしく楽しく暮らせる家”を目指していきましょう」

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