高台に建つ小さな階段とお庭のあるマンション
エリア | 神奈川エリア |
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家族構成 | 二人暮らし |
面積 | 69.09㎡ |
間取り | 2LDK → 1LDK |
テイスト | ナチュラル,ヴィンテージ |
特徴 | 回遊動線 |
リノベ費用概算 | 8,100,000円 |
戸建て感覚の低層マンション
横浜エリアは独特の、どこか異国情緒の漂う雰囲気が魅力的です。港町として長い歴史を持つ横浜は、桜木町・関内・石川町・山手と街ごとに、まるで違う国を訪れたようにガラリと表情が変わります。
毎年恒例の『住みたい街ランキング(関東版/SUUMO)』でも、2018年から3年連続でNo.1に選ばれている横浜。
Y様夫妻もそんな横浜の魅力に惹かれ、家をもつならこのエリア、と決めていたそう。
共働きのY様ご夫婦。ご主人が都内、奥様が横浜方面にお勤めということで、「どちらにも出やすい路線の沿線」が物件選びの条件でした。
そして通勤利便性を考えると、駅までは車を使わずに歩いて行き来できる距離がベター。となると、このエリアではマンションが中心となります。
一方で、「いまは二人暮らしだけれど、子どもが産まれたときのことを考えると、できれば足音など気にせずのびのび過ごせる環境を用意してあげたい」という希望も。
「バーベキューが出来る庭があれば最高だね」と、夢は膨らんでいきます……。
最終的にY様が選んだのは、メゾネット風の門扉と専用庭がある低層マンションでした。
一階ですが高台に位置しているためたいへん見晴らしがよいこと、また専用庭を囲むように植栽が配置されておりプライバシーが守られていることも、決め手となりました。
独特の構造を生かしたプラン
マンションでありながら戸建てのような感覚もある物件は魅力たっぷりですが、ユニークな構造はリノベーションを行う上で課題にもなりました。
第一の課題は、壁式構造(壁で建物を支えるつくり)のため、間取りはほぼ変えられないという点。
当初から「リビングを広くとりたい」「家事動線をシンプルにしたい」というご希望があったので、これらを制約の中でどのように叶えていくかが、設計上のテーマとなりました。
設計担当・宇津木の提案したプランは、建具をなくし、部屋の配置を工夫することで、暮らしやすさを向上させるというものです。二間をひと続きの空間とした広いリビング⇔クローゼット⇔廊下と、回遊できる動線になっています。
第二の課題は、土地に傾斜があるため、マンションであるにも関わらず階段があること。
玄関まで階段を下りてゆき、門扉をくぐってさらに階段を下り、お部屋の中も廊下の階段を下りて……とどんどん潜っていくようなつくりとなっており、まるでトンネルのような閉鎖的なアプローチでした。
設計担当・宇津木はこれを逆手にとり、プライベート感を強調するデザインを提案。街灯のようなウォールランプと窓のない建具を並べ、秘密の隠れ家への小路のように演出しました。
リビングドアを開けると一気に視界が開けるため、お部屋に入ると実際の広さ以上に広々と感じる効果も狙ったデザインです。
Y様夫妻には入居後まもなく新しい家族が誕生し、現在は子育ての真っ最中。お住まい探しをはじめられたときには「いつかの話」と考えていたそうですが、結果的に「家族が増えたときのことを考えた物件選びをして良かったね」と、お二人で顔を見合わせて頷いていらっしゃいました。
「思っていたよりも早く3人になったので、お庭づくりがぜんぜん進んでいないのがちょっと心残りかな。でも、これからみんなでゆっくり作っていけばいいですね」。