【事例あり】団地リノベーションで理想の暮らしを叶えるポイント

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Toshima_danchi

近年は団地を購入し、リノベーションを施して住むというスタイルが人気を得ています。団地物件は価格が手頃なため、物件にかかる費用をリノベーション費用へとまわすことができるのがメリットです。

土地が豊富にあった時代に建てられただけあり、広い敷地に緑地や公園が備えられた環境が多いのも魅力。また、子ども会や季節のお祭りなど、住民同士のコミュニティが充実していることも団地ならではの魅力といえるでしょう。

今回の記事では、いま再び注目されている団地リノベーションについて、その魅力と注意すべきポイントをまとめました。工事にかかる費用の目安についても解説していますので、ぜひ参考になさって下さい。

2017/4/28初出→2019/7/13更新→2021年7月8日更新→2022年9月8日更新

『団地』と『マンション』の違いとは?

「団地とマンションはなにが違うの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
具体的な両者の違いとはどんな点なのでしょうか。

辞書には「大規模な土地に計画的に集めて建築された建物群のある地区のこと」といった内容が記載されています。一般的には辞書の内容と合わせて、公団住宅もしくは都道府県や市町村による公営住宅を指していう場合が多いようです。
よって、団地=公営住宅のイメージが強い方もいるかもしれません。

ですが、実は公営・民間どちらの管理下なのかに関わらず、共同住宅が集まった地区であれば「団地」に該当します。
マンションは、一棟の建物を一住戸づつ区分けした共同住宅で、尚且つ3階建以上の規模、鉄筋コンクリートもしくは鉄骨鉄筋コンクリート、鉄骨造で建設された耐火構造の建物のことを指します。1960年代頃から一般の住宅として普及しはじめ、民間企業が主体となって販売し、設備・管理・防犯体制をしています。

団地と呼ばれる住宅が多く建設されたのは、昭和30年〜50年頃のこと。
その当時、高度経済成長期に都市人口が急激に増えたことから、住宅の大量供給のために設立されたのが日本住宅公団であり、効率的な住宅供給のため専有面積50㎡前後、画一的な間取りの集合住宅が多く建てられたことも団地の特徴です。

団地リノベーションで出来ること

団地は年代が古い分、間取りや設備、デザインといった面で現代の生活にそぐわない部分があります。しかしそれらの課題は、リノベーションで解決することが可能です。
もとの部屋をいったん解体して躯体だけの状態にし、間取りや内装・設備を最初からデザインすることを、「スケルトンリノベーション(フルリノベーション)」といいます。
マンションや団地のようなRC造・S造の集合住宅の場合、住戸内の間仕切り壁は壊せる場合がほとんどです。閉鎖的な印象の部屋も間仕切りを取り払い、開放的な空間を生み出すことができます。

また昭和的な和室空間においても、ゼロから改装できるため、好みのインテリアスタイルの部屋にすることも可能です。
古いタイルの浴室は高機能なシステムバスに、狭くて作業しづらい台所はオープンレイアウトのキッチンに変えることもできます。

スケルトン状態のマンション

スケルトン状態のマンション

その分、どのような部屋を設計すべきか一から考える必要があるので、リノベーション相談会などでプランナー(設計担当者)と十分に相談しましょう。
見た目だけでなく、暮らしやすさ・建具を引き戸にするかドアにするか・コンセントの位置など、細部までよく考えられたプランを練ることで、日々の生活を心地よく送れる家が出来上がります。

その際、住む人数や取り入れたい設備・予算など、要望をメモに書き出しておくのがおすすめです。リスト化してみることで、自分や家族のライフスタイルが明確になります。
また設計担当者にもそのメモを見せることで、抜け・漏れなく希望をつたえることができます。

団地リノベが人気の背景とは

団地再生が急務といわれる中、UR都市機構や全国の住宅供給公社と大学・民間企業が連携して「団地再生」を目指す取り組みも活発化しています。

例えば、UR都市機構とMUJIの共同によるデザイナーズ賃貸住宅や、地域の住宅供給公社と大学・民間企業の連携によるリノベーション済み物件(賃貸・販売)が代表的です。

リノベーションやリフォームができるUR都市機構の賃貸住宅「UR-DIY」も人気です。

UR-DIYは原状回復の義務がなく、プランニング・施工期間として3ヶ月間無料で使用できます。リノベーションやリフォームで変えられる範囲は団地によって異なりますが、間取りを自由に変えたり、壁や床材を好みの色・素材に取り換えたり、浴槽を交換したりと、希望に合わせて部屋を更新しながら住めるような、かなり自由度の高い団地も見られます。

物件が安い分、リノベに思いきりこだわれる

団地に住むメリットのひとつは、価格の手頃さ。
多くが築30年以上を経て価格がほぼ底値となっており、立地や間取りといった条件が同じであれば、新築のおよそ半額で購入できます。

新築は内装も設備も新品ですが、平均的な使いやすさ、平均的なデザインで、入居者一人ひとりのライフスタイルに合ったものであるとは限りません。
リノベーションは間取りも生活動線に合わせて決められますし、設備機能も自分にとって必要なものを選択できます。もちろん、内装デザインも思いのまま。
予算との折り合いは考えなくてはいけませんが、団地は物件購入にかける予算を抑制できる分、リノベーションに自分のこだわりをより多くつめこむことができます。

参照:東日本レインズ「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2018年)」(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201902.pdf)

参照:東日本レインズ「築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2018年)」(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201902.pdf

資産価値の面でも、立地条件の良い物件ーーー都市部へのアクセスが良く、生活インフラが整い、地盤が強いといった条件がそろっていれば、築年数に関わらず需要があります。

また、価格は購入時点ですでに底値を迎えているため、売却時に大きく値が下がる心配もありません。

壁式構造で震災にも安心

古い建築物は耐震性が心配です。実際、多くの団地は旧耐震基準(震度5を想定)が適用されていた時代に建てられており、1981年以降の耐震基準(震度6強~7を想定)を必ずしもクリアしているとは限りません。
しかし、多くの団地は「壁式構造」といって、柱ではなく壁全体で建物を支える構造のため、非常に堅牢です。
実際に阪神淡路大震災や東日本大震災といった大地震でも、全国の団地は大きな被害を受けませんでした。実際に住む際にその頑丈さは安心要素の一つといえます。

広大な敷地と余裕のある容積率

広い敷地とゆったりした設計も団地に住むメリットのひとつ。
陽当たりや風通しが良好なことはもちろん、容積率・建ぺい率に余裕があります。したがって将来建て替えが必要になったとき、高層化して戸数を増やすことも可能です。
いかに堅牢なコンクリート建築であっても、いつか寿命を迎え、建て替えが必要になります。

老朽化したマンションが住民の反対などで建て替えができず、スラム化してしまうというニュースを耳にしたことはありませんか?
建て替え費用の負担が重いことを理由に、建て替えの決定に必要な「住民の4/5の賛成」が得られないケースがままあるようです。ですが、この場合は増えた住戸の販売によって建て替え費用がまかなえるため、住民は高額の負担金を支払うことなく新しい建物に住み替えることができます。

住民間のコミュニケーションが充実

生活で困りごとが起こった際、住民同士で協力しやすいのもポイント。子ども会や季節のお祭りといった住民同士の交流がいまも健在です。
さらに、広い敷地内をぜいたくに利用した公園・緑地も団地の特長。団地内の公園なら住民の目が届くので、気軽に安心して子どもたちを遊ばせることができます。

団地リノベーションの注意点

高度成長期に最盛期を迎えていた「団地」。
その時代ならではの住環境の名残があることも多く、デメリットやリノベーションの注意点も存在します。

天井が低い

高度成長期に最盛期だった団地は、各部屋の天井が低いというデメリットも。

しかし、これはリノベーションによって解決できます。程度は限られますが、建物の躯体をあえてみせる「表し天井」の技法によって高くすることも可能です。
基本的に大幅な高さを出すことは難しいため、身長の高い方は物件選びの際に注意が必要です。

壁式構造の物件も多い

団地に多い壁式構造の物件は、構造上どうしても壊せない壁が存在します。

壁式構造とは、住戸内に構造を支える壁(構造壁)が存在する建物構造のことで、その場合は間取り変更に制約があるケースも。変更を希望する場合は、プロであるリノベーション会社の担当者、または業者へ希望を伝えた上で、対応可能な範囲でリノベーションしていくことになります。

共用部分はリノベできない

団地の中で住民がリノベーションできる範囲は、住戸内(専有部分)に限られます。
玄関ドアやバルコニーは共用部分にあたるため、改装できません。

また住戸の広さや天井高といった、部屋の「枠」も変えることができないため注意が必要です。半面、構造体(スラブ)と部屋からみた天井の間に空間がある場合(二重天井)は、スラブ面をあらわにすれば天井高をある程度高くできます。

壁や床の薄さは、遮音材・断熱材の使用でカバーできます。
開口部(窓やドア)も音や熱の出入り口となりますが、マンションや団地においては窓ガラスやサッシは共用部分になるため、個人で交換することはできません。
窓の断熱や防音については、インナーサッシを取り付けることで対策が可能です。

そして、マンションには当たり前についているエレベーターも、団地には設置されていないケースが多くあります。中には5階建てや6階建ての物件もあるため、自分や家族の体力と相談が必要なケースもあるでしょう。
団地リノベーションをして住まいを構えるとき、階段を利用することに不安があるような場合、高層階の購入は避けるようにしましょう。

構造壁は動かせない

住戸内でも建物の構造に関わる部分は変更できません。
先述したとおり、一般的に壁式構造の団地には壊せない壁(構造壁)があるので、物件選びの際は間取りの邪魔にならないか検討するようにしましょう。

さらに、水回りの移動はPS(パイプスペース)の位置にも注意が必要です。
PSは、各住戸の給排水配管をまとめて納めている空間のため動かせません。
キッチンやトイレといった水回りは、PSからあまり離れた場所には設置できないことを覚えておくと良いでしょう。

電気・ガスの容量にご注意

古い団地では、給湯設備はキッチンが瞬間湯沸かし器・浴室がバランス釜というケースがしばしばみられます。
これらをガス給湯器に変える場合、外壁に設置することになるため、管理組合の許可が必要になります。

また、物件によっては電気・ガスの容量が小さいこともあります。
集合住宅では容量の上限が決められていることも多く、その場合は容量の大きな給湯器やガス暖房を導入できないといった問題が起こります。
追い焚き機能の後付やIHヒーターの導入を考えている方は、内見の際に事前に容量をチェックしておくと安心です。

リノベーション費用の相場

実際に団地を購入してリノベーションをする場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

現在、おおよその目安は1㎡あたり15万円~20万円が相場といわれています。
ただし専有面積が小さい場合は、単価がもっと高くなることも。その理由は、水廻りの工事を行う際、物件の広さに関わらずある程度の費用がかかるためです。

また使用する設備や建材のグレード、オーダーメイドの家具造作を行うかどうかなど、個人の希望によってかかる費用は大きく変化します。
以下のページではさらに詳しく解説していますので、参考になさって下さい。

ひかリノベの団地リノベーション事例紹介

千葉県にある団地の一室。親子3人が暮らすため、団地によくみられる3DKの間取りを、広々としたカウンターキッチンを中心とした1LDKに変更しました。

天井のコンクリート現し(スラブ面をあらわにした天井)と、木をふんだんに用いたナチュラルな内装で、現代的でおしゃれな印象へと一新しました。

中央に配したキッチンは、たっぷりの作業スペースと家事動線を両立した二列型。
ダイニングテーブルを置く代わりに、無垢材のカウンターを造作し、家族がリラックスして集まりやすい空間となっています。

三室を一体化したLDKは、子どもの成長に合わせて部屋を分割できるように設計。
現在は収納スペースとして活用されている一角を、将来的には子どもの寝室として使えるよう工夫されています。

寝室は団地特有のノスタルジックなイメージを生かし、和室を残しました。
ただし畳は縁なしタイプをフローリングに埋め込み、建具は洋室用の引き戸として、現代的なアレンジを利かせています。

このように、団地ならではの魅力を生かしながら自分のライフスタイルに合わせ、好きなように「オンリーワンの部屋」を作り上げられるのが、団地リノベーションの魅力です。

団地リノベーションで理想の住まいを実現するためには、自分のライフスタイルに合わせた団地選びと、しっかりとしたプランニングが重要です。
「団地リノベーション」をお考えの方は、ひかリノベにご相談ください。物件探しからリノベーションまで、あなたの理想の住まい作りをサポートいたします。

【監修】 三部 浩一(宅地建物取引士)


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