
出産や子育ては、マイホーム購入の大きな動機のひとつです。
夫婦共働きが当たり前の今、子育ては家族以外のサポートがもはや必須に。行政にとっても、子育てファミリーの支援は大きな課題で、力を入れる自治体も増えています。
それだけに、子育て支援が手厚い地域で暮らしたい人も多いはず。
いま「子育てしやすい街」はどこなのか、日経xwoman・日本経済新聞社「共働き子育てしやすい街ランキング」(2025/12/12発表)から解説していきます。住みたい街選びの参考としてご活用ください。
目次
「共働き子育てしやすい街ランキング」1位は品川区
「共働き子育てしやすい街ランキング」とは、日経xwomanと日本経済新聞が毎年行っているランキングです。
共働き世帯の出産・育児を支援する施策について独自の視点で調べ、それをランキング形式で評価。2015年から開始して、今年で11回目となります。2025年は首都圏・中京圏・関西圏の主要市区と全国の政令指定都市、県庁所在地、人口20万人以上の都市の計180自治体を対象に調査が実施されました。
少子化は進行しているものの、共働き世帯の増加により保育園の利用率は上昇中。そこで今年の調査では、「保育所・病児保育・学童保育への入りやすさ」に加えて、「保育料の無償化」や「ICT導入などによる手続きの効率化」、「学童保育での食事提供」など、共働き子育て世帯の負担軽減の取り組みなどが新たに審査項目に加わっています。
2025年の総合編1位は「品川区(東京都)」(82点)。
2位は同着で「福生市(東京都)」「松戸市(千葉県)」(81点)。
4位も同着で「宇都宮市(栃木県)」「神戸市(兵庫県)」(80点)という結果です。
総合編ベスト10
共働き子育てしやすい街ランキング2025の総合編ベスト10は以下の通りです。
| 順位 | 自治体名 | 点数 |
| 1位 | 品川区(東京都) | 82点 |
| 2位 | 福生市(東京都) 松戸市(千葉県) |
81点 |
| 4位 | 宇都宮市(栃木県) 神戸市(兵庫県) |
80点 |
| 6位 | 豊橋市(愛知県) | 76点 |
| 7位 | 北九州市(福岡県) 札幌市(北海道) 豊田市(愛知県) 奈良市(奈良県) |
75点 |
出典:日経xwoman・日本経済新聞社:2025年版「共働き子育てしやすい街ランキング」
今年1位になった東京都品川区は、昨年のランキング20位にも入っておらず、大幅ランキングアップです。2位の福生市・松戸市と4位の宇都宮市・神戸市は、いずれも昨年の3位以内と、引き続きの高評価を獲得しています。
1位2位は東京都が占めていますが、他はいずれも地方都市なのが今年のランキングの特徴です。
全体的に保育料の無償化や長期休暇中の学童保育での給食・宅配弁当を提供する取り組みといった、働く親の負担を軽減する支援策が広がっています。
総合編 11位~16位
| 順位 | 自治体名 | 点数 |
| 11位 | 市川市(千葉県) 大阪市(大阪府) |
74点 |
| 13位 | 豊島区(東京都) 中野区(東京都) |
73点 |
| 15位 | 郡山市(福島県) | 72点 |
| 16位 | 板橋区(東京都) 堺市(大阪府) 鈴鹿市(三重県) 鳥取市(鳥取県) 枚方市(大阪府) 四日市市(三重県) |
71点 |
出典:日経xwoman・日本経済新聞社:2025年版「共働き子育てしやすい街ランキング
今年は近畿地区の5自治体(大阪市・堺市・鈴鹿市・枚方市・四日市市)が大きく躍進。
豊島区と中野区は昨年に引き続いて、安定した評価を受けています。
子育てしやすい街ランキング上位の街の取り組み
子育てしやすい街ランキングの上位となった自治体では、どのような取り組みを実践しているのでしょうか。ここでは上位3都市(東京都品川区・福生市・千葉県松戸市)が行っている子育ての取り組みについて見ていきます。
品川区(東京都)の取り組み
子育て支援を重要施策に掲げた女性区長の元で、品川区では予算を重点化した結果、今年初のランキング1位となりました。
少子化の一方で区では年少人口の増加が予想され、保護者との連絡が容易なICTシステムが整備された認可保育園や小学校、学童保育が利便性の面でも高得点をマーク。乳幼児家庭向け産後ケア支援「産後ドゥーラ」の利用料補助や助産師とのオンライン面接「オンラインMy助産師事業」を試験導入するほか、見守りも兼ねた「見守りおむつ定期便」を実施しています。
物価高の中、子どもの食の支援として早朝開校でのパン等の無償提供の取り組み、学童保育(すまいるスクール)での夏休み中の昼食やお米の無償配布なども、子育て世帯にはありがたい取り組みです。
区役所内でのダイバーシティ化が進み、女性職員比率が55.9%、女性管理職比率が23.2%と高いのも注目すべき特徴です。
福生市(東京都)の取り組み
福生市は「子育てしやすい街ランキング」が始まった2015年~2021年まで7年連続でトップテン入り。
保育インフラの充実、学童保育への入りやすさと利便性など、「質の高い子育て施策」が高評価につながっています。
市内の保育施設すべてで医療的ケア児の受入れが可能で、外国籍保護者対応として保育所等にテレビ電話多言語通訳サービスを提供。
また学童保育は19時以降も預かり可能で、市内3か所に夕食を提供する学童保育があるなど、共働きの子育て世帯にもうれしい取り組みが充実しています。
松戸市(千葉県)の取り組み
松戸市には乳幼児とその保護者のための子育て支援施設が28か所あり、情報交換の場や交流の場としてだけでなく、市認定の子育てコーディネーターによる育児相談や乳幼児の一時預かりも行っています。
医療的ケア児の受け入れ体制整備のための補助金支援制度や、多胎児家庭へのタクシー利用料・ベビーカー購入助成制度なども新たに導入。
学童保育には「小6までの希望者が全員入れる」という点も、高評価のポイントです。
子育てしやすい街の指標
「子育てしやすい街」とは、どのような指標に基づいて評価されるのでしょうか。
本年のランキング調査では、保育所・病児保育・学童保育(放課後児童クラブ)への入りやすさに加えて、保育料の無償化、ICT導入などによる手続きの効率化、学童保育での食事提供、「朝の小学生の居場所」対策など、忙しい共働き子育て世帯の利便性を向上する取り組みが評価の対象に。
また前年同様、市区役所の正規職員における管理職の女性比率や男性職員の育児休業取得率、女性議員の割合など、自治体のダイバーシティ推進への取り組みも重要指標と位置づけられています。
保育の現状と今後
少子化が進む中でも共働き世帯は増加し、保育所の利用率は右肩上がり。
昨年の調査では未就学児の減少が顕著でしたが、今年は保育料無償化の取り組みが広がったことで共働き世帯が増加し、保育ニーズの下げ止まり傾向がみられました。
また学童保育の現場では、長期休暇中の給食や宅配弁当の提供、共働き家庭の小学生の「朝の居場所」対策といった、働く親の負担を軽減する取り組みが進みつつあります。
自治他役場のダイバーシティ推進にも動きが見られ、職員の男性育休取得率は平均で80%を初めて超えました。自治体職員における女性比率は平均45.7%、女性管理職比率は19.1%で、いずれも前年から上昇しています。
まとめ
本記事では日経xwoman・日本経済新聞「共働き子育てしやすい街ランキング2025」をもとに、ベスト16までのランキングと審査分野、上位3自治体の子育てに関する取り組みについて紹介しました。
子育て世帯の共働き率はさらに上昇し、保育園無料化や学童保育の整備はもちろんのこと、病児保育や医療的ケア児の受入れ、長期休暇中の預かりなど子育て支援制度の充実度も、住む街を選ぶ際にはポイントに。
住みたい街と働きたい街、双方の視点から街や住まいを選ぶことが、これからの子育て世帯にとって大きな意味を持つはずです。
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