【2019年】「子育てしやすい街」を見極める。ポイントは行政による支援!

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お子様の誕生や成長を機に、マイホームを手に入れようと考える方も多いでしょう。

住宅を初めて購入する人(一次取得者)は、30代から40代が中心。
第一子の平均出産年齢も30歳前後ですから、出産や子育てと住宅購入のタイミングには密接な関係がありそうです。

かわいい我が子であっても、子育ては大変なことがいっぱいあります。夫婦共働きとなれば、第三者のサポートも欠かせませんね。
子育て支援が充実している街に住みたい、と考える方も多いのではないでしょうか?

今回は、日経DUAL「共働き子育てしやすい街2019」(2019/12/16発表)をもとに、「子育てしやすい街」について考えてみましょう。

2019年3月19日初出→2020年1月21日更新

「子育てしやすい街」はどこ?

日経DUAL、日本経済新聞が実施する「共働き子育てしやすい街ランキング」は、共働き世帯の出産や育児を支援する各自治体の施策を独自の視点で調査、採点したランキングで、2015年から毎年発表されています。

5回目の2019年、全国162自治体のトップに輝いたのは葛飾区(東京都)でした。

次いで松戸市(千葉県)が前年の5位から2位に上昇し、2018年は1位だった新宿区(東京都)と、杉並区(東京都)が同率3位となりました。

出典:日経DUAL「共働き子育てしやすい街2019 総合編」

出典:日経DUAL「共働き子育てしやすい街2019 総合編」 (https://dual.nikkei.com/atcl/feature/19/112700020/121000001/?P=2

出典:日経DUAL「共働き子育てしやすい街2019 総合編」

出典:日経DUAL「共働き子育てしやすい街2019 総合編」 (https://dual.nikkei.com/atcl/feature/19/112700020/121000001/?P=2

※調査対象:首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、中京圏(愛知・岐阜・三重)、関西圏(大阪・兵庫・京都)の主要市区と全国の政令指定都市、道府県庁所在地の162自治体
※回答数は139自治体

18年は新宿区と同率1位の宇都宮市(栃木県)は、今年は8位でした。その他にも福生市(東京都)や厚木市(神奈川県)など、前年に引き続き上位をキープする自治体が目立ちます。
また、19年は特に、東京23区内の自治体が増えていますね。

首都圏以外の地域も健闘しています。6位の堺市(大阪府)や9位の北九州市(福岡県)、12位の明石市(兵庫県)、18位の大分市(大分県)が上位に食い込みました。

一方、前年から順位が下がった自治体も、決して評価が低くなったわけではありません。
19年のランキングは「接戦」で、「最終的には待機児童対策などの問題に積極的に取り組みつつ、細やかな施策を独自に、地道に実施してきたところ」が上位になったようです。

全体的に子育て政策は前進しており、上位の自治体は、2020年までに待機児童ゼロを達成できると回答したところも多かったそう。
子どもを保育園に入れたいと考えているなら、2019年のランキング上位の自治体はおすすめと言えそうです。

東京のランキングは?

東京編のランキングは次のような順位に。トップ10は、4位の福生市以外は全て23区内の自治体という結果になりました。

順位の変動はあれど、2018年も上位にランクインした自治体は、19年も上位にランキングされている自治体が多いです。
また、順位が下がっても、点数は上がっているところが多く、子育て支援策が着実に前進していることが伺えます。

出典:日経DUAL「共働き子育てしやすい街2019 東京編」

出典:日経DUAL「共働き子育てしやすい街2019 東京編」 (https://dual.nikkei.com/atcl/feature/19/112700020/121200002/?i_cid=nbpdual_sied_poya_autom

かつては、環境の良さや家の広さを理由に、子どもが生まれたら郊外に住まいを構えるというパターンが王道でしたが、最近では通勤や生活の利便性から、都心部の住まいを希望する方も増えています。子育てはもちろん大事だけれど、やっぱり都心に暮らしたい――そう考えている方にとって、23区内の自治体の子育て支援が充実してきているのは、うれしいニュースではないでしょうか。

子育てしやすい街の指標

子育てしやすい環境を手に入れるには、住まいの質ももちろん大切ですが、住まいを取り巻く環境にも目を向ける必要があります。

子どもは成長するにつれて、外で遊ぶようになったり、保育園・幼稚園、小学校に通うようになるでしょう。そうなれば、公園や教育施設の数、質が重要になります。
大きな病院が近くにあれば安心ですし、豊かな自然や、美術館・博物館など文化施設があってほしいと思う方もいるでしょう。

大人の目線に立てば、通勤や日常生活に便利な街かどうかも考えるべき要素です。
駅まで徒歩で行けるが楽、スーパーやコンビニが近い、など、子育て以外の部分でも負担が減れば、その分余裕が持てます。

「どの街に住むか」は、子育て世代の住まい選びにとって、避けては通れない問題なのです。

共働き世帯が見るべきは「保育園」

ランキングからもわかるように、子育て支援が充実している自治体もあれば、そうではない自治体もあります。
住む街によっては、恩恵を受けられる支援策が少なく、結果として子育てにかかる経済的・体力的な負担が増えてしまうかもしれないのです。

そういう意味でも、住まいの立地はあなたの子育て環境を左右する要素になります。

「共働き子育てしやすい街ランキング」では、以下の14項目を評価の基準として挙げています。

「共働き子育てしやすい街ランキング」の評価基準

  • 認可保育園に入りたい人が入れているか
  • 認可保育園の保育利用枠の今後の増設状況
  • 認可外保育施設などの受け皿がどのくらい用意されているか、利用者への助成はあるか
  • 病児保育施設の充実度
  • 待機児童ゼロの達成状況
  • 幼児教育・保育無償化以上に保育料値下げなどをしているか
  • 未就学児がいる世帯へのサービス・現物支給があるか
  • 学童保育が充実しているか
  • 保育士確保へ自治体独自の取り組みがあるか
  • 保育の質担保への取り組みがあるか
  • 産後ケアへの取り組みがあるか
  • 不妊治療助成を実施しているか
  • 児童虐待に対応する支援拠点の整備
  • 未就学児の人数

ランキングで特に重視されているのが「認可保育園に入りたい人が入れているか」です。
共働きの子育て世帯にとっては不可欠な存在であり、0歳から保育園に預けて働きに出る人も珍しくない今、保育園への入りやすさは最重点項目というべきかもしれません。

東京都のデータを見てみると、待機児童数は2018年以降大幅な減少に転じ、2019年は3690人(4月1日時点)となりました。前年比で1700人以上の減少です。

ただし、申込者数も年々増加傾向にあります。
2019年10月には、3歳から5歳までの子どもを対象に、保育園等の利用料を無料にする「幼児教育・保育の無償化」がスタート。少子化とはいえ、利用しづらい状況はまだ続くかもしれません。

出典:東京都福祉保健局「都内の保育サービスの状況について」

出典:東京都福祉保健局「都内の保育サービスの状況について」 (http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/07/29/documents/05_02.pdf

また、保育園に入れたとしても、駅から離れたところにあったり、自宅から徒歩で数十分もかかるようでは、送り迎えの負担が大きくなりますよね。
住みたい街が決まっているなら、まずはその自治体の待機児童数や保育園の数、位置を調べてみましょう。

上位の街の取り組み~葛飾区

総合ランキング1位の葛飾区といえば、有名な映画やまんがの舞台にもなっており、いわゆる下町のイメージが強いですよね。
しかし、JR常磐線、総武線、京成本線が通っていて都心へのアクセスは比較的良好なうえ、住居費の相場も安く、子育て世帯以外の人にとっても暮らしやすい街でしょう。

では、葛飾区の子育て支援策とはいったいどんなものなのでしょうか?
補助・助成金や行政サービスの中から、特徴的なものをいくつかご紹介しましょう。

※詳細は葛飾区ホームぺージ「かつしか子育てサイト」を参照してください。

ゆりかご葛飾

保健師・助産師が、面接形式で出産・子育てにまつわる相談に対応し、状況に合わせたサポートプラン「葛飾区ゆりかごプラン」を作成してくれます。
面接を受けた人には、後日、1万円分の「妊娠子育て応援券(こども商品券)」が交付されます。
応援券は、区内の店舗はもちろん、それ以外の地域での買い物や、タクシー代として利用することも可能。

マタニティパス

妊娠中の外出をサポートするため、母子健康手帳の交付から1年以内の人に、5500円分をチャージした交通系ICカードを交付します。
他の自治体で母子健康手帳の交付を受け、その後転入した人も対象になります。

三人乗り自転車等購入費助成事業

6歳未満の子どもが2人以上いる世帯を対象に、子どもを2人乗せられる自転車や幼児用の座席、ヘルメット、電動自転車のバッテリーなどの購入費用を補助する事業。
補助率は2分の1・上限3万円で、購入前の申請が必要です。

多子世帯の利用者負担額(保育料)の減額・免除

2人目以降の子どもから、認可保育所などの保育料が減免される制度です。認可保育所や認定こども園なら、第2子は半額、第3子以降は免除となります。
なお、認可保育所や認定こども園の場合、入所・入園すれば自動的に減免されますが、認証保育所の利用者が減免措置を受ける場合は、手続きが必要です。

 取り組み 第1子 第2子 第3子以降
認可保育所、認定こども園(2、3号)、小規模保育事業所、保育ママ 住民税額に応じて定める利用者負担額(保育料) 住民税額に応じて定める利用者負担額(保育料)の50%減免 免除
認証保育所 園が定めた月額保育料に応じて助成。

  1. 保育料4万円以下=2万円
  2. 保育料40,001円以上=保育料の50%助成(100円未満切捨て)。1カ月あたり3万円を限度
令和元年10月以降、一ヵ月3万5000円を限度に助成 令和元年10月以降、一ヵ月5万円を限度に助成

出典:葛飾区「多子世帯の利用者負担額(保育料)の減額・免除について」(http://www.city.katsushika.lg.jp/kurashi/1000056/1002333/1002371.html

保育ママ

保育の資格や経験をもつ人が、自宅などで子どもを保育します。0歳から3歳未満の子どもが対象で、保育時間は原則として8時間。
1拠点あたり、3人から5人の定員で、区内に20の拠点が開設されています。

幼稚園での2歳児受け入れ

通常、幼稚園は3歳以上でないと入園できませんが、葛飾区では一部の私立幼稚園が2歳児の受け入れを実施しています。希望すれば必ず入園できるわけではありませんが、選択肢が増えるという意味では注目したい制度です。

赤ちゃんの駅

外出時、授乳やおむつ替えに利用できるスペースが、区内の公共施設(保育園、児童館、図書館など)55カ所に設けられています。
利用できるのは施設の開館時間に限られますが、一部を除いてミルク用のお湯も提供しています。

今後の展開

葛飾区は2015年、「葛飾区子ども・子育て支援事業計画」を策定し、5年かけて子育て環境の改善への取り組みを続けてきました。
5年前は250人ほどだった待機児童も、19年には54人まで減少しています。

19年度で計画の期間が終わることから、現在は「第二期葛飾区子ども・子育て支援事業計画」を策定が進められています。
既存の支援策の拡充に加え、ベビーシッターの利用支援、産後ケア体制の整備といった新規事業も盛り込まれており、今後も支援策はより充実していきそうです。

出典:葛飾区「第二期葛飾区子ども・子育て支援事業計画(素案)」

出典:葛飾区「第二期葛飾区子ども・子育て支援事業計画(素案)」(http://www.city.katsushika.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/022/119/28siryou1.pdf

自治体の子育て支援

家族や、地域コミュニティのあり方が大きく変化した今、自治体の子育て支援策は重要度が増すばかりです。

子育て支援は、少子高齢化、共働き世帯の増加、地方活性化など、社会的な課題にも関係する問題ですから、国はもちろん、都道府県・市区町村でも積極的な取り組みが目立つようになりました。

東京都を例に取ると、次のような子育て支援サービスが実施されています。

東京都の子育て支援サービス

  • 子供家庭支援センター:子どもや家庭に関する総合相談窓口
  • 子育てひろば(地域子育て支援拠点):乳幼児(0歳~3歳)と保護者が遊んだり、子育て相談ができる場所
  • ショートステイ:保護者の病気や出張の際、児童福祉施設で子どもを預かる(最長7日間)
  • トワイライトステイ:保護者の帰宅が遅くなる場合、17時~22時ごろまで児童福祉施設等で子どもを預かる
  • 一時預かり・特定保育:保育所に通っていない未就学児を、日中保育所などで預かる
  • 病児・病後保育:病気のとき、または病気の回復期で集団保育が難しい場合、保育所や病院の専用スペースで保育、看護ケアを行う
  • ファミリー・サポート・センター:子どもの送迎や預かりなど、子育ての援助を受けたい人と、援助を行いたい人が地域で相互援助を行う

都内62市区町村での実施状況は、次のようになっています(2019年6月1日時点)。

支援サービスの種類 実施市区町村数
子供家庭支援センター 60
子育てひろば 54
ショートステイ 51
トワイライトステイ 17
一時預かり・特定保育 55
病児・病後保育 49
ファミリー・サポート・センター 51

出典:東京都福祉保健局「子育て支援情報一覧」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/kosodate/jouhou.html

もちろん、これ以外に独自で子育て支援策を展開している市区町村もたくさんあります。自治体のホームページで調べたり、役場の担当窓口で問い合わせてみましょう。
年度が変われば新しい事業が始まったりもするので、お住まいの自治体、あるいは住みたい地域の情報はこまめにチェックするのをおすすめします。

男性の育児参加支援も増加

最近増えているのが、男性の育児参加を促すための施策です。

内閣府の調査では、「男性の配偶者の出産直後の休暇取得の促進に関する取組」「男性の家事・育児への参画促進に関する取組」を実施する自治体(都道府県)が増加。後者の実施率は7割に達しています(2017年度)。

出典:内閣府「地域少子化対策強化事業の効果検証と事例調査(平成30年度)」

出典:内閣府「地域少子化対策強化事業の効果検証と事例調査(平成30年度)」 (https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/h30/kensho_bunseki/pdf/s2.pdf

共働き世帯がごく当たり前になった今、家事や子育ての負担を分担しようというご家庭も多いでしょう。
一方で、男性は育児のために休暇が取りにくかったりするのもまた現実です。社会的な慣習はなかなか変わりませんし、一個人の力ではいかんともしがたいことも多いものです。
「子どもが生まれたら、妻の『ワンオペ育児』ではなく、夫も子育てに参加しよう」という方にとって、男性の育児参加支援が充実している自治体に住むのも、今後より重要な選択肢となっていくのではないでしょうか。

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記事執筆|荒井 隆大(不動産・住宅ライター)


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