「子育てしやすい街」を見極める。ポイントは行政による支援!


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住まいを購入するタイミングを左右する要素のひとつに、「子ども」の存在が挙げられます。子どもが生まれたり、成長して幼稚園や保育園、あるいは小学校に入学するのを機に、マイホームを買おう――そう考えている方も多いのではないでしょうか。

国土交通省の平成29年度「住宅市場動向調査」によると、住宅の一次取得者(初めて住宅を購入する人)の世帯主は、住宅の種類でいくらかの差はあるものの、30代から40代が中心です。
平成29年の第一子出産平均年齢は30.7歳(厚生労働省「人口動態統計月報年計」)ですから、やはり子どもの誕生や成長が、住宅を購入するタイミングに大きく影響しているのは間違いないようですね。

本日は子育て中のご家庭の住まい選びのポイントを、日経DUAL「子育てしやすい街ランキング2018」(2018/12/13発表)を中心に解説します。

子育てには「住まいの周辺環境」も大事

子どもを育てていくには、例えばある程度の広さがある、けがをしないような安全対策が取られているなど、住宅そのものももちろん大切です。
ですが、子どもは家の中だけで過ごすわけではありません。ある程度大きくなれば外へ遊びに出たり、幼稚園・保育園や学校に通うようになります。

また、お金や体力も、子育てには不可欠。少子高齢化が進み、共働き世帯も増える中、多くの自治体がさまざまな支援策を実施していますが、多かれ少なかれその内容には差があります。どこに住まいを構えるか、つまり立地も子育てを左右する、重要な要素のひとつなのです。

「子育て向きの環境」ってどんなもの?

子どもには健やかに育ってほしい――そう願うのが親の素直な想いでしょう。ですが、想いだけで子どもを育てることはとても難しく、物理的な要素や経済面も考えなくてはなりません。

子どもが安全に暮らせることが第一

住まいやその周辺環境が子どもに与える影響は、決して小さくはありません。家庭内事故によるけが、カビやダニ、化学物質によるアレルギー……住まいが原因になって子どもの成長が阻害されることは、何も珍しいことではありません。

周辺環境も同様です。自由に遊びまわれる場所がない、空気が汚れている、騒音がひどい、交通量が多かったり治安が悪かったりして、安心して外に出せない。大人でも、こうした環境はストレスが多いもの。行動範囲がまだ小さい子どもにとっては、なおのこと負担が大きいでしょう。

まずは、子どもに害を与えるような要素が住まいとその周辺にないかを事前に調べることが、子育て世帯の住まい選びにとっては大切です。

公の支援が今の子育てを左右する

昔の日本では、地域の人みんなで子どもを育てるという風潮がありました。しかし、今でもその考え方が通用するかというと、必ずしもそうではありません。
そのかわり、公共の施設や公的な支援策をうまく活用することが、子育てのキーワードになっています。

病院や公園、文化・教育施設は要チェック

子育てに必要な公共施設として、まずは病院が挙げられます。子どもは突然具合が悪くなることもありますし、健康診断や予防接種など、病院に行く機会が必然的に多くなります。信頼できる病院が、利便性の高いところにあれば、親の不安、負担はぐっと軽減されるでしょう。

子どもが思い切り遊べるような広い公園も、近くにあると嬉しいもの。普段から子どもがたくさん遊んでいれば、子ども同士の交流も生まれますし、お母さんにとっては、近くの「ママ友」を作るきっかけにもなります。

図書館や児童館など、文化的な施設の存在も重要ですし、いずれは通うことになる学校(教育)の質も気になるでしょう。補助金や給付金がある自治体なら、経済的な負担も減ります。

すべてが完璧に揃っている環境を見つけるのはとても難しいので、優先順位を決めて立地を考えるとよいでしょう。

ランキングでみる「子育てしやすい街」

日経DUAL、日本経済新聞社が2015年から毎年公表している「共働き子育てしやすい街ランキング」。2018年の総合ランキングでは、栃木県宇都宮市と東京都新宿区の2つの自治体が1位を獲得しました。
続いて厚木市(神奈川県)や千代田区(東京都)、松戸市(千葉県、2017年)など、首都圏の自治体が上位を占めましたが、17位の堺市(大阪府)や21位の福岡市(福岡県)、23位の大分市(大分県)、静岡市(静岡県)といった地方自治体も少なからずランクインしています。

日経DUAL「共働き子育てしやすい街2018 総合ランキング」

※調査期間:2018年9月~10月
※調査対象:首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、中京圏(愛知・岐阜・三重)、関西圏(大阪・兵庫・京都)の主要市区と全国の政令指定都市、道府県庁所在地の162自治体 うち回答は143自治体

出典:日経DUAL「共働き子育てしやすい街2018 総合ランキング」
https://dual.nikkei.co.jp/atcl/column/17/120400144/120400001/

東京と地方、その差は?

東京都に絞ったランキングでは、区部の多さが目立ちます。都下で上位20位にランクインしたのは福生市、武蔵野市、羽村市、東大和市、国立市の5自治体。郊外・23区外にマイホームを構えよう、あるいは実際に構えたという人も少なくないように思いますが、意外と東京の郊外は評価が低いようです。

日経DUAL「共働き子育てしやすい街2018ランキング 東京都内」

出典:日経DUAL「共働き子育てしやすい街 上位50自治体と東京分析」
https://dual.nikkei.co.jp/atcl/column/17/120400144/121400003/

地方でも子育て支援は充実

東京を除く全国編のランキングでは、首都圏なら神奈川県や千葉県、中京圏では愛知県、関西圏は大阪府や兵庫県、奈良県がランクイン。それ以外の地域でも、東北から九州まで幅広い地域の自治体がランキング入りしています。

日経DUAL「共働き子育てしやすい街2018ランキング 東京以外」

出典:日経DUAL「地方自治体躍進の理由は? 全国編詳細リポート」
https://dual.nikkei.co.jp/atcl/column/17/120400144/121900004/

総合ランキングでも1位を獲得した宇都宮市は、妊産婦を対象にした医療費の助成制度や、市内7カ所の子育てサロンに、パパ・ママからの相談に対応する「宮っこ子育てコンシェル」を配置するなど、特に未就学児への支援が充実しています。待機児童も2017年、18年の2年連続でゼロ人を達成しています。 

2位の厚木市では、2人目以降の育児をしている人には紙おむつなどの育児用品を支給。しかも、自宅まで配送してくれます。また、保育士に復職した人への助成や、保育士資格を取得するための奨学金など、子育てを支える立場の人々を支援しているのも大きな特徴です。

共働きならまず「保育園」を調べよう

日経DUALの調査では、次の13項目が評価のポイントになっています。

  • 認可保育園に入りたい人が入れているか
  • 認可保育園の保育利用枠の今後の増設状況
  • 認可外保育園などの受け皿がどのくらい用意されているか、利用者への助成はあるか
  • 病児保育施設の充実度
  • 幼児教育・保育無償化以上に保育料値下げなどしているか
  • 未就学児がいる世帯へのサービス・現物支給があるか
  • 学童保育が充実しているか
  • 保育士確保へ自治体独自の取り組みがあるか
  • 保育の質担保への取り組み
  • 産後ケアへの取り組み
  • 不妊治療助成を実施しているか
  • 児童虐待に対応する支援拠点の整備
  • 未就学児の人数

出典:日経DUAL「共働き子育てしやすい街2018 総合ランキング」
https://dual.nikkei.co.jp/atcl/column/17/120400144/120400001/

このランキングで特に重視されているのが、子どもを保育園に預けたいのに預けられない「待機児童」の数です。共働き世帯が専業主婦のいる世帯よりもはるかに多くなっている今、安心して子どもを預けられる保育園の存在はもはや欠かせません。

子どもを保育園に預けて、働きに出たいと思う方も多いと思いますが、地域によっては保育園への入所を待たなくてはいけない可能性もあります。また、すぐに入所できたとしても例えば保育園が駅からも自宅からも遠く、送り迎えが負担になることもありえます。
出産後も働き続けたいと考えているなら、まずは住みたい地域に待機児童がどれくらいいるのか、調べてみましょう。

参考までに、東京都の待機児童数の変化を示しておきます。

東京都福祉保健局「都内の保育サービスの状況について」より保育所等利用待機児童の推移

出典:東京都福祉保健局「都内の保育サービスの状況について」
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2018/07/30/documents/04_02.pdf

自治体の子育て支援策は充実傾向に

最近では、地方への移住やUターンを促進して地方を活性化させようという機運の高まりもあってか、地方自治体が結婚や出産・子育てに対する支援策を充実させる動きが各地で見られるようになってきました。

都道府県レベルでは9割が今後の「計画」あり

内閣府の「地域少子化対策強化事業の効果検証・分析と事例調査」の結果では、2017年度の時点で「結婚、妊娠・出産、乳児期を中心とする子育てに温かい社会づくり・機運の醸成」に取り組むため、都道府県では約3割、市区町村では5%ほどが条例を設けています 

都道府県の例として、鳥取県の「子育て王国とっとり条例」を見てみましょう。県、市町村、保護者、子育て支援団体、県民、事業主、それぞれの責務や役割を定めており、特に事業主に対しては地域の子育て支援に協力すること、出産や子育てを妨げることのない職場環境づくりを求めている点が特徴です。

市区町村の例としては、千葉県流山市の「流山市子育てにやさしいまちづくり条例」が挙げられます。安心して出産、子育てができる環境づくりを主軸に、自然環境、住環境、労働環境を整備し、子育て世帯が定住しやすい環境づくりに取り組んでいます。

条例となるとまだまだ少ないのが現状ですが、実行に向けた計画づくりは都道府県レベルでは9割、市区町村でも3割を超えており、今後は子育てに関する条例を制定する自治体が、もっと増えていくでしょう。

内閣府「平成29年度 地域少子化対策強化事業の効果検証・分析と事例調査 」より子育て支援に関する条例および予定の有無

出展:内閣府「平成29年度 地域少子化対策強化事業の効果検証・分析と事例調査 」
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/h29/kensho_bunseki/pdf/s2-1.pdf

全国どこでも使える「子育て支援パスポート」

特に取り組んでいる自治体が多いのが「子育て支援パスポート」。国や地方自治体と企業やお店が連携して、子どもがいる世帯に対して割引・優待サービスや、外出のサポートなどを提供する事業で、すべての都道府県で実施されています。

2017年4月からは、それまで各都道府県が独自に実施していた制度を、全国47都道府県で相互利用することが可能になりました。旅行や帰省のときも、住んでいる自治体のパスポートが利用できます。

内閣府「子育て支援パスポート」の概要

内閣府「子育て支援パスポート」の概要

内閣府「子育て支援パスポート事業」のロゴ

内閣府「子育て支援パスポート事業」のロゴ

出展:内閣府「子育て支援パスポート事業の全国共通展開について」
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/passport/pass_tenkai.html

それ以外にも、例えば男性の育児休暇取得や家事・育児への参加の促進、ライフデザイン教育など、さまざまな取り組みが行われています。

今後、条例や制度をつくって子育てを公的な立場からサポートしていこう、という自治体は増えていくと思われます。国も力を注いでいる分野ですので、今お住まいの地域、あるいはこれから住みたいと思う地域の情報を、こまめにチェックしていくことをおすすめします。

ここなら安心して子育てができそう――そんな場所が見つかったら、まずはひかリノベにご相談ください。ご希望のエリアでの物件探しから、子育て世帯の住まいづくりをサポートします。

 

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【執筆】荒井 隆大(ライター)
【監修】柴田 朝子 (宅地建物取引士)

 

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