
新型コロナウイルス感染症予防の目的もあり、以前よりもこまめに換気を行うようになったという方も多いのではないでしょうか。
換気を行うことで、さまざまな感染症の予防効果が期待できることはもちろん、他にもたくさんのメリットを得ることができます。
とくに、冬場の厄介な「結露」の発生を予防する効果があったり、家具や建物を長持ちさせてくれる効果も。
今回は、換気の重要性や効果的な方法、住宅との密接な関係について解説します。
簡単に実践できる上手に換気をするポイントもご紹介しますので、ぜひ参考になさってください!
目次
1.家にとっての換気の必要性
2.健康にとっての換気の必要性
3.コロナ禍における換気の効果とは
4.自分でできる・効果的な換気の方法
5.リフォームで住まいの換気性能をアップ
6.換気のいい間取りとは?
7.まとめ
1.家にとっての換気の必要性
家に換気が必要な理由として、以下のような理由が挙げられます。
まずは、大切な「住宅」を守るために換気が必要な理由をみていきましょう。
除湿効果がある
換気を行うことで、家の中に溜まっている湿気を外に逃がす効果があります。
梅雨の時期でなくとも、意外と部屋の中には湿気が滞りやすいもの。調理中や入浴時に発生する湯気、部屋干しした洗濯物からも湿気は発生しています。
家に湿気が滞ることで、床や壁・家具の劣化にもつながり兼ねません。適度な除湿を行うことは、カビの発生を抑えることにも繋がります。
結露を防ぐ
戸建住宅に対して、マンションはとくに気密性が高いといわれています。
「室内の気温を一定に保ちやすい」というメリットがある反面、外との気温差が大きくなりやすいという問題も。
その結果、湿気がこもり窓際やサッシに結露が発生しやすいというデメリットもあるのです。
マンションに限った話ではありませんが、結露はカビの発生や健康面への悪影響を引き起こす原因になる可能性があるため、十分な注意が必要です。
2.健康にとっての換気の必要性
換気が与えてくれる効果は、住宅や家具に対してだけではありません。
換気によって、皆さんの「健康」を守ることにも関係しています。ここでは、健康面にフォーカスした換気の必要性をみていきます。
精神面にリフレッシュ効果を与えてくれる
感染症予防以外の目的で、とくに多いのがこの理由ではないでしょか。
「季節に関係なく、朝は必ず空気を入れ替えるのが日課」「外出先から帰ってきたタイミングで空気を入れ替えるようにしている」というように、換気が毎日のルーティンに入っている方もいるでしょう。
換気によって、部屋に溜まった二酸化炭素を外に逃がし、新しい空気(酸素)を取り込むことで、心も体も同時にスッキリさせることができます。
アレルギー物質やウイルスを除去する
換気を怠って部屋に「湿気」や「粉塵」が溜まることで、カビやダニの発生が促され、それによってアレルギーや病気を発症する恐れもあります。
シックハウス症候群の予防
空気汚染が原因で、発症するといわれている「シックハウス症候群」。
目のかゆみや鼻水などの症状を引き起こす健康障害で、アレルギーに似た症状が出るという特徴があります。
症状がひどい場合には、めまいや吐き気といった症状が起こることもあるため、こまめな換気で汚れた空気を外に出してあげましょう。
冬場の一酸化中毒を防ぐため
寒いからといって換気をしないでいると、一酸化炭素中毒を引き起こす危険性も考えられます。
室内の酸素濃度が低下し、一酸化炭素が急激に増加することで起こる一酸化炭素中毒。
頭痛・めまい・吐き気などの症状がみられ、最悪の場合、意識障害が起こり、死に至る可能性も。
空気の汚染は目に見えないため、とくに、石油・ガス・薪ストーブを使用しているご家庭では、30〜1時間に一回の換気が理想的です。
3.コロナ禍における換気の効果とは
私たちが今のコロナ禍で換気を行うことには、どのような良い効果があるのでしょうか。
ここでは、新型コロナウイルスと換気の重要な関係性についてご説明します。
ウイルスが長時間漂うのを防ぐ
新型コロナウイルス感染症の発症に至るまでには、いくつかの感染経路が確認されています。
まず、ウイルスがついた手や指で、顔や鼻・口を触ってしまうことで感染する「接触感染」。感染者がくしゃみや咳をし、そのときに飛沫したウイルスを吸い込んで感染する「飛沫感染」が主な原因といわれています。
換気を行わなかった場合、空気の流れが悪い密閉空間に、飛沫したウイルスが長時間漂うことになります。そのウイルスが空気中に漂い続けることで、遠くまでウイルスが移動し、感染リスクの範囲を広げる恐れがあるのです。
家の中の話に置き換えてみると、家族間での感染リスクが高まる可能性も考えられますね。
4.自分でできる・効果的な換気の方法
空気清浄機の購入や暖房器具の買い替えが難しいという方でも、すぐに試せる効果的な換気のポイントをお伝えします!
2ヵ所の窓を開ける
できれば窓を2ヵ所開けて、空気の通り道を作ってあげましょう!
そうすることで、開ける窓が1ヵ所の場合よりも、効率的な換気を行うことができます。
ポイントは、風の流れを確認し、入口となる窓は狭く・出口となる窓は広く開けること。そうすることで空気の流れに勢いがつくため、短時間でも十分な換気をおこなえます。
時間は5〜10分を目安に
換気を行う時間は、2時間に1回5〜10程度がおすすめです。過度な換気は、せっかく暖房や冷房を使用して温度調節をした効果を下げてしまい、効率的ではありません。
一日に1回30分の換気をするよりも、一日10分程度を3〜4回に分けて換気をおこなう方が、換気の効率アップだけでなく、電気代の節約にもつながります。
湿度が低い時間帯を狙う
換気を行うのにベストな時間帯は、湿度が低いといわれている12〜16時です。
とくに春夏は12〜16時、秋冬は12〜14時の間がベストといわれていますので、参考にしてみてください。
各ご家庭の生活パターンによっては、この時間に換気するのが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。そういった場合でも、換気を諦めるのではなく、できる時にこまめな換気を心掛けましょう。
扇風機やサーキュレーターを活用する
「そもそも窓を2ヵ所開けることが難しい」「高層マンションだから窓が数センチしか開かない……」といったお悩みもあるかもしれませんね。
そういったケースや、空気の通りが悪い場合には、扇風機やサーキュレーターを配置するのもひとつの方法です。
とくにサーキュレーターは、直進性の高い風を発生させるため、換気が難しいときにも適しています。
5.リフォームで住まいの換気性能をアップ
時間や予算が許すのであれば、住宅の換気性能をアップさせるリフォームを検討するのも良いでしょう。当社でも取扱いのある、換気システムについて詳しくご紹介します!
24時間換気システム
国土交通省はシックハウス症候群を予防する目的も兼ね、2003年7月以降すべての新築の建物に「24時間換気システム」を設置することを原則として義務付けました。
このシステムは、外気を給気口から取り込み、床面から天井付近まで、家のいろいろな場所を空気が通る仕組みになっています。
部屋の空気をキレイにした後、窓を開けなくても排気口から外に空気を排出してくれます。簡単にいえば、なにもしなくても24時間ずっと換気をし続けてくれる仕組みということですね!
熱交換換気システム
外の冷たく新鮮な空気と、室内の温かく汚れた空気を循環させる目的で使用するのが、熱交換換気システムです。
換気扇を通す際に、お互いの熱を交換することで、冷たく新鮮な空気を温かい状態で室内へ供給することが可能に。
窓を開けることなく、絶えず新鮮な空気を取り込むことができるうえ、光熱費も大幅に節約できるという優れた設備です。
新型コロナウイルスの感染予防にも効果的!
先ほどの2つの換気システムは、新型コロナウイルスの感染予防対策にも効果を発揮します。とくに、「忙しくて一日に何回もの換気は難しい」というご家庭にはおすすめです。
24時間換気システムであれば、給気口と排気口さえ塞がなければ放っておくだけで換気している状態を維持してくれます。
冬場の換気と寒さの問題でお悩みの方は、熱交換換気システムの導入を検討してみてください。
ただし、熱交換換気システムを取り付ける場合、基本的にはスケルトンリノベーションでないと設置は難しくなっています。
ご紹介したどちらのシステムも、マンションは後付けすることが難しいケースも多いですが、戸建てであればひかリノベでも対応可能です。
住まいに関する換気のご相談も、お気軽にお問い合わせください。
6.換気のいい間取りとは?
これから家を新しく買う方や、リノベーションを検討している方にむけて、換気効率のよい間取りをご紹介します!
換気のいい間取りとは、つまり「風通しのいい間取り」ということ。
だからといって、むやむに窓の数を増やせばいいという訳ではありません。風の通り具合は、立地や季節によっても変化するため、風の流れをしっかりと理解して設計することが重要です。
戸建ての場合、二階建て以上の住宅なら「吹き抜け」を作ることで、風通しのいい家にすることができます。
そして大切なのは、窓を配置する場所。
理想は、各部屋に2つずつ窓を設ける間取りです。空気の通り道をスムーズに作れるため、風通しのいい状態を作りやすくなります。
窓を2つ設置することが難しい場合でも、部屋の入口(ドア)と窓を使って、風の通り道を作ることができれば、換気のいい部屋にできますよ。
7.まとめ
季節によっては、換気を億劫に感じてしまうことも少なくないでしょう。
しかし、効率的な換気のポイントさえ抑えることができれば、短時間の換気でも健康面だけでなく住宅の寿命も伸ばすことができます。
家の構造上、今回ご紹介した換気の実践が難しいという方も、サーキュレーターの活用やリフォームによって、快適な空気の循環が実現可能です。
ひかリノベでは、24時間換気システム・熱交換換気システムの設置はもちろん、湿気による結露を防ぐタイプの窓の設置など、リフォーム・リノベーションのお手伝いもさせていただきます。
住まいに関するお悩みは、ぜひお気軽にひかリノベにご相談ください!
【記事監修】宇津木 和子(一級建築士、インテリアコーディネーター)
一級建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターの有資格者。家族一人ひとりの生活時間や動線を考え抜き、細部まで暮らしやすさにこだわったプランを提案する。「人の暮らしは十人十色。ありきたりの間取りに自分を合わせるのではなく、自分のライフスタイルに合わせた間取りを。リノベーションで”自分らしく楽しく暮らせる家”を目指していきましょう」
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