無垢材と合板は何が違う?メリット・デメリット、お手入れ方法

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裸足で心地よく踏めるのが無垢材のメリット(事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0094/ より)

天然木材であることを表す「無垢材」という言葉。フローリングや家具の説明でよく見かけます。

同じ木でも、無垢材と一般的な合板のフローリングでは特性が大きく異なります。

この記事では、無垢材の特徴や合板との違い、選び方・お手入れのポイントについて解説します。

無垢材とは

「無垢」はまじりけのないことを表す言葉。

無垢材とは、伐採した丸太を製材・乾燥し、それ以上の加工をしていない木材のことを指します。

無垢材のメリット・デメリット

無垢材は木目・色合いや香りなど、木独特の特徴を味わえることが最大の良さですが、機能面でも優れた特性を有しています。

木目には視覚的な安らぎを与える効果があるといわれ、香りのもととなる成分もアロマのような癒しをもたらします。触感も良く、適度な踏み心地が感じられるうえ、足への負担も軽減します。
湿度が高いときには湿気を吸収し、逆に乾燥しているときは放出する調質効果によって、室内の空気を快適に保つ作用を有しています。木の内部には空気がたくさん含まれているため熱伝導率が低い(断熱性が高い)ので、温もりが感じられ、冬場は足元が冷えるのを防ぐ効果も。

一方で自然のままの状態に極めて近いため、乾燥すると収縮してすき間が空いたり反ったりしやすく、逆に濡れると膨張してしまう性質を持っており、水に弱いのも弱点です。
ものを落としたりすると、木の硬さにもよりますが、表面にキズやへこみがつきやすいのもデメリットと言えるでしょう。

メリット・デメリット、どちらとは言い難いですが、経年変化は起こりやすいと言うのも無垢材の特徴のひとつです。
また、丸太のどこから切り出すかによって木目や色合いが大きく異なり、節が少なくきれいな材は高価になる傾向があります。

裸足で心地よく踏めるのが無垢材のメリット(事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0094/ より)

裸足で心地よく踏めるのが無垢材のメリット(事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0094/ より)

樹種による違い

無垢材とひとくちに言っても、木の種類(樹種)によって特徴は大きく異なります。

木は大きく分けて、針葉樹と広葉樹の2種類があります。針葉樹は木造住宅の構造材などに使われることが多く、フローリングや内装、家具には広葉樹が多用されます。

よく使われる木材の特性を簡単にまとめて紹介します。

 

樹種

特徴

針葉樹

スギ

柔らかいので触感が良く、熱伝導率が低い。価格も安い

ヒノキ

香りが良く、耐久性に優れシロアリ等にも強い。高価

パイン(マツ)

安価で入手できる。産地や種類によって硬さ・加工しやすさが大きく異なる

広葉樹

オーク(ナラ)

硬いので土足の箇所にも使いやすい。杢目の美しさで人気が高い

ブラックウォールナット

濃いブラウンの色味が美しく、意匠性が高い

チーク

加工しやすく寸法の変化が少ない。油分が多く艶が出る

チェスナット(クリ)

虫に強く耐久性に優れる。オークと似た色合いだが、色むらが少ない

ブラックチェリー

緻密な杢目と滑らかな木肌を持つ

合板・集成材とは

薄い板を接着剤で張り合わせ、一枚の板に仕上げたものを合板と呼びます。
床材でよく見かける「複合フローリング」は、合板を使ったフローリングのことを指します。

同じように、ラミナと呼ばれる細い角材や板を接着剤で張り合わせ、太い角材に仕上げたものを集成材と言います。

合板・集成材のメリット・デメリット

合板や集成材は、工業的に生産されるので品質のばらつきが少なく、温度・湿度が変化しても反ったり、収縮・膨張しづらいのが大きな特徴です。
床暖房対応、高耐久、遮音・防音やペット対応など、さまざまな機能も付与できるのも合板ならでは。

一方で無垢材特有の香り・触感や調質効果が加工によって失われてしまうこともあります。

無垢材が適した空間、合板が適した空間

無垢材の持つ特性は、リビングや寝室、子ども部屋など、普段過ごすことの多い空間に向いていると言えるでしょう。

一方で合板のフローリングは、キッチンやトイレなどの水まわり空間での使用や、床暖房を採用する場合、ペットを飼っている方に向いています。

また、マンションでは遮音性の高いフローリングを使うよう管理規約で決められているケースもあります。リフォームのときなど、お住まいのマンションの規約に従って床材を選びましょう。

事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0095/ より

無垢材の床・天井(事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0095/ より)

無垢材の仕上げとお手入れ

無垢材は、塗装せずそのまま使ってもいいのですが、保護のためにウレタン樹脂やオイル・自然系塗料などで塗装するのもいいでしょう。

ウレタン樹脂は水や汚れに強く、オイル・自然系塗料は木材本来の触感を生かしたまま仕上げられます。使う場所や住まい方に合わせて選んでください。

普段のお手入れは、固く絞った雑巾で水拭きする程度で十分です。水に弱いので濡らしすぎには注意。飲み物などをこぼしてしまったときも、すぐにふき取りましょう。

年に一度ぐらいは、ワックスがけをおすすめします。無垢材対応のワックスが市販されているので、ワックスを含ませた雑巾で拭いた後、から拭きして仕上げます。
要注意なのは樹脂系の塗装がされている場合。自然素材系(蜜ろうなど)のワックスは使えません。

塗装が傷んできたら塗り直しを検討しましょう。室内ならそれほど神経質になる必要はないかもしれませんが、気になったらリフォーム会社や工務店に相談してみましょう。

おわりに

無垢材は扱い方、メンテナンスに気を遣う必要はありますが、木本来の味わいや機能は何物にも代えがたい魅力です。
ナチュラルな空間で暮らしたい方は、無垢材を使ったリノベーションを検討してみるのもいいのではないでしょうか。

リノベーションのひかリノベは、無垢材をつかったリノベーション施工の事例も豊富です。
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記事監修

宇津木 和子(一級建築士、インテリアコーディネーター)

一級建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターの有資格者。家族一人ひとりの生活時間や動線を考え抜き、細部まで暮らしやすさにこだわったプランを提案する。「人の暮らしは十人十色。ありきたりの間取りに自分を合わせるのではなく、自分のライフスタイルに合わせた間取りを。リノベーションで”自分らしく楽しく暮らせる家”を目指していきましょう」

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